※こちらは2017年7月に公開された記事の再掲です。
こんにちは、ワンキャリ編集部です。
グローバル化が叫ばれて久しい今、統計によれば約8万人超え(※1)の日本人大学生が留学しているそうです。
その一方で、「4年間で卒業できるのか」「就活との兼ね合いをどうするか」など、就活との両立を不安に思う方も多いようです。今回は留学を控えている方や留学を考えている方に、後悔しない就活対策を紹介します。
(※1)出典:一般社団法人 海外留学協議会「日本人の留学生数は社会人を含めると 20 万人超も視野に」
<目次>
●勝負は出国前から。留学と就活の両立スケジュール
●トップ企業は留学経験者を求めている! 留学のメリット2つ
●徹底攻略! 留学と就活、両方勝つにはこう動け
●日本ですべきこと/留学先ですべきこと
●おわりに
勝負は出国前から。留学と就活の両立スケジュール
何より気になるのは、留学を踏まえた就活の進め方です。以下は、留学と就活を両立するスケジュールの一例です。
このように、留学期間中に国内の学生は企業研究や早期選考に参加しています。留学生は、これを見越して準備することが大切です。院進学や就職浪人などで就活を1年遅らせるのも現実的な選択肢ですが、スケジュールを頭に入れておくに越したことはありません。
以下の表のように、留学経験者は「就活の進め方」を留学前から帰国後まで不安に感じ続けているようです。安心して留学と就活を両立するために、出発前から動き始めましょう。
※出典:2018年度海外留学生のキャリア意識と就職活動状況(株式会社ディスコ)
トップ企業は留学経験者を求めている! 留学のメリット2つ
スケジュールを見て「留学は就活に不利なの?」と感じるかもしれません。しかし、留学で就活が有利になる場合も多くあります。どのようなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。
6割超が「留学が役立つ」キャリア選択に前向きな影響
留学は自身のキャリアを考える上で非常に効果的です。実際に、留学経験者のうち「留学経験が進路選択に役立った」と答えた学生は6割を超えています(※2)。
また、留学生は国内の学生に比べ、積極的にキャリア形成を行う姿勢が身に付くようです。
※出典:2018年度海外留学生のキャリア意識と就職活動状況(株式会社ディスコ)
上の表からは、留学生が就職先を選ぶ理由として「自分のスキルアップやキャリア形成のため」と回答した割合が、国内の学生に比べ20ポイント以上高かったことが分かります。
「ボスキャリ」で即日内定も。企業は留学経験者を求めている
企業も留学経験者の能力や姿勢を高く評価しています。経済同友会のアンケート調査によると、新卒者に重視する経験として「海外経験」を挙げた企業が約半数にのぼります(※3)。
また、実際に多くの人気企業が、夏採用や留学生をターゲットにした採用活動を行っています。マッキンゼー・アンド・カンパニーなどの外資系企業だけでなく、日系企業も採用に力を入れています。
特に総合商社は、2017年度は三菱商事・三井物産に続き、伊藤忠商事が海外での採用活動に乗り出す(※4)など、動向が注目されます。そのほか、トヨタ自動車やJR東日本(東日本旅客鉄道)といったメーカーやインフラ業界も、留学生の採用に前向きな姿勢を示しています。
極めつけはボストンキャリアフォーラム、通称「ボスキャリ」です。毎年11月に米国ボストンで開催され、外資・日系問わず200社を超える企業が集結する大規模な就職イベントです(2017年は11月17(金)、18(土)、19日(日)開催)。2016年は三菱商事、ボストン・コンサルティング・グループ、博報堂などが参加し、即日内定も不可能ではないと言われます。
(※2)出典:独立行政法人 日本学生支援機構「H23海外留学経験者調査詳細2」
(※3)出典:公益社団法人 経済同友会「「企業の採用と教育に関するアンケート調査」結果 」
(※4)出典:Bloomberg「商社マンを世界で発掘へ、海外での採用活動広がる-欧米アジアで」
▼ボストンキャリアフォーラムに関する記事はこちら
・留学経験を活かし就活で勝利を掴め!帰国前に知っておきたいボスキャリと夏採用 ・【ボスキャリ対策】内定者の選考体験談とボストンキャリアフォーラム2024の参加資格・企業
徹底攻略! 留学と就活、両方勝つにはこう動け
では、冒頭に紹介したスケジュールをもとに、必要なアクションを具体的に紹介します。
7〜8月:1dayインターンでも! 出国前は就活イベントに参加しよう
7〜8月は出発前の慌ただしい時期ですが、1Dayインターンや企業説明会など、就活イベントに積極的に顔を出しましょう。ここでゲットすべきは「基本的な業界知識」と「優秀な就活生とのつながり」です。
特に大切なのは後者の「優秀な就活生とのつながり」です。彼らと定期的に連絡を取り合うことで、選考対策のノウハウを教われるだけでなく、国内の就活の状況が分かるので帰国後の不安が軽くなります。
9〜10月:ポイントは履修。「ボスキャリ」に照準を合わせよう
留学先で生活の基盤が整ったら、ボスキャリへの参加を見据えて準備を行いましょう。ボスキャリは留学生にとって最初の「就活の山場」ともいえるイベントです。学年問わず参加可能なので、院進学や就職浪人などで就活を1年遅らせる場合も、来年度の参考のために足を運びましょう。
履修登録のタイミングでは、木曜日と金曜日の授業を詰めすぎないように気をつけましょう。ボスキャリは金・土・日開催なので、遠方の学生は前日の木曜日から現地入りする必要があります。海外の大学では、出席回数が成績と直結する授業も多々あります。先を見据えて履修計画を立てましょう。
10月以降は企業研究や選考対策など、事前準備を行ったうえで本番に臨みましょう。イベントページに定期的にアクセスし、出展企業の情報を得るのもお忘れなく。
4〜6月:帰国後は、通常選考を受けつつ夏採用を狙おう
帰国後は就活の本選考真っただ中です。気持ちが焦るかもしれませんが、4月以降にエントリー可能な企業も多いので、選考に参加したりOB訪問をすることで場慣れしておくとよいでしょう。また、6月以降も企業の夏採用や東京サマーキャリアフォーラムなど、留学生を対象とした就活イベントが続々と開催されます。
9月〜:就職・院進学・就活再チャレンジ……秋で進路選択を
就活の結果を踏まえ、来年度の進路を検討しましょう。院進学の場合は、早ければ冬の入試に向けて試験勉強を始めることになります。就職浪人を選ぶ場合も、ボスキャリ以前から就活をしてきたアドバンテージを生かし、業界研究や選考対策にじっくりと臨むとよいでしょう。
▼留学に関する記事はこちら
・【留学の自己PR】例文付き!通るESの書き方とアピールできる3つの強み ・【留学×就活】留学断念でもガクチカは作れる!コロナ禍の先輩たちの就活から学ぶ「5つの視点」
日本ですべきこと/留学先ですべきこと
では、留学前と留学中で、日常的にどんなことに取り組めばよいでしょうか。留学経験者の声をもとに「やって良かった」アクションを紹介します。
留学前にすべきは「実地の企業研究」「仲間作り」「ツールの手配」
日本国内ですべきは、大きく分けて以下の3点です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 企業研究と選考対策
2. 就活の仲間づくり
3. ツールを手配する
1. 企業研究と選考対策
以下のような基本的な企業研究や選考対策は、機会が豊富な日本国内で済ませておくのがベストです。
・説明会や1Dayインターンで企業研究や業界研究をする
・面接やGDの対策をする
・国内のOBOGを訪問する
海外ではどうしてもウェブ上の情報収集がメインとなります。出国前に就活イベントなどで上記を体験しておきましょう。
▼企業研究に関する記事はこちら
・【業界研究のやり方:36業界収録】めんどくさい業界研究は全て任せろ!金融/商社/不動産/メーカー/広告/コンサルなど人気業界/企業を徹底比較 ・【代表的な職種一覧】業種との違いや種類ごとの適性・志望動機をご紹介
2. 就活の仲間づくり
1. の情報収集と同時に、就活イベントで「仲間づくり」も行うとよいでしょう。具体的なアクションとしては以下の2点です。
・インターンや説明会で優秀な就活生とのつながりを作る
・大学主催の懇親会で、留学予定者同士のつながりを作る(ボスキャリに誘う)
3. ツールを手配する
出国前に手配が必要なのは「海外で手に入りにくい就活の必需品」と「親に相談すべき高額な支出」です。具体的には以下の通りです。
・就活の必需品:スーツや証明写真、印鑑、履歴書の調達
・高額な支出:ボスキャリに参加する場合のホテル・航空券、一時帰国の航空券
特にリクルートスーツや印鑑は、海外で安く手に入れるのが難しい品です。忘れずに荷物に入れておきましょう。
留学中は全力で学びつつ、できることに取り組もう
留学中は勉強が最優先にはなりますが、余力があれば以下の3点に取り組みましょう。
(1)大学の課題を早め早めにこなす
(2)自分の経験を振り返り、自己PRにどのように生かすか考える
(3)国内の就活生と定期的に連絡を取り合い、情報交換をする
また、留学先の近くに志望企業の現地法人があれば、OB訪問を申し込んでみるのも手です。ボスキャリなどのイベントで、人事にOB訪問の可否を確認してみるとよいでしょう。
おわりに
留学は就活だけでなく、キャリア全般を考える上でも大きなアドバンテージになります。
短期的なスキル習得だけではなく、将来のキャリアを見据えて価値ある経験になるよう、万全の備えをしてくださいね。編集部一同応援しています。
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