就活では、エントリー時に履歴書の送付を求められるケースが一般的です。書き方や提出方法には多くのルールがあるため、事前知識を入れてから書き始める必要があります。
今回は就活における履歴書の作成方法や準備するもの、テンプレートや記載例、ありがちな失敗について解説します。
<目次>
●就活における履歴書とは
・履歴書の目的
・エントリーシートと履歴書の違い
●履歴書の作成手段
・手書き・パソコンどちらでもOK
・手書き作成のメリット・デメリット
・パソコン作成のメリット・デメリット
●履歴書を書く前の準備
・証明写真の準備
・ペンと下敷きの用意
・印鑑・朱肉・印鑑マットの用意
・クリアファイルとA4の白い封筒の用意
・適切なメールアドレスの準備
・履歴書はどこで買うことができる
・(参考)履歴書のテンプレート
● 履歴書の書き方の基本
・印鑑
・日付
・写真
・氏名
・住所
・電話番号・メールアドレス
・学歴・職歴はいつから書けば良い?
・趣味・特技
・免許・資格
・ゼミの内容・研究内容・得意な学科
・学生時代に力を入れたこと
・自己PR・強み・弱み
・志望動機
・本人希望記入欄
●よくある履歴書のNG集
・空欄がある
・文章にまとまりがない
・文字の乱れ、誤字脱字
・略語を使っている
・修正ペンや修正テープを使っている
・日付や年号の誤り
・不適切な写真
●企履歴書の提出方法について
・履歴書を郵送するときのマナー
・履歴書をメールで送るときのマナー
・履歴書を手渡しするときのマナー
●この記事のまとめ
就活における履歴書とは
履歴書は、選考の第1段階で提出が求められる重要な書類の1つです。「エントリーシート(ES)と似通った内容なのに、わざわざ別に作成する意味があるのか?」と、疑問を抱く人も多いでしょう。
本記事では就活における、履歴書の目的やエントリーシートとの相違点を解説します。
履歴書の目的
企業が履歴書の作成を求めるのは、応募者の基本情報や経歴の概要を把握し、募集要件を満たしているか確認するのが目的です。
フォーマットをみると、氏名・住所・学歴・職歴・資格欄などで構成され、志望動機や自己PRの項目も含まれています。
企業によってはエントリーシートの提出がなく、履歴書の提出のみの場合もありますので、その際は志望動機や自己PRなど、自分をアピールできる項目を特にしっかりと書きましょう。
エントリーシートと履歴書の違い
エントリーシートと履歴書の違いは、選考の判断材料に使われるか否かです。履歴書はこれまでの自分の経歴を紹介するための項目が多いですが、エントリーシートの項目は自身の強みや弱み、学生時代に頑張ったこと、志望動機など面接で聞かれる内容が多く含まれます。
そのため、エントリーシートは自身の魅力が伝わる内容や書き方を心がけましょう。
エントリーシートと履歴書は、記載内容が重複しても問題ありません。志望動機や自己PRを両方に書き入れる場合には、エントリーシートで詳細を具体的に書き、履歴書は要約を簡潔に書くという書き分けをができます。
同じ内容でも、2つの書類で記載内容が矛盾するのはNGです。両者に一貫性がないと記載した内容に信ぴょう性がなくなり、採用担当者に不信感を与えてしまうことがあります。
履歴書の作成手段
初めて履歴書を作成する学生が持ちやすい疑問が、「手書きとパソコンのどちらで作成するか」ということです。手書きのほうが丁寧な印象を与えますが、パソコンの場合はきれいな文字が印字されます。
手書きとパソコンでの作成については一長一短のため、双方のメリット・デメリットをお伝えします。
手書き・パソコンどちらでもOK
結論からいうと、企業からの指定がない限り、履歴書は手書きとパソコンのどちらで作成しても構いません。しかし、作成方法の指定がある場合はそれに沿って作成しましょう。
指定の有無が分からない場合やどちらで書けば良いか分からない場合は、応募先に直接確認する方法もあります。
その際は「◯◯で作成して良いですか?」と自ら決めるような話し方ではなく、「履歴書の作成方法に決まりはありますか?」と企業側の意向を確認する聞き方を心がけましょう。
手書き作成のメリット・デメリット
手書きで履歴書を作成するメリットは筆跡から個性が現れ、採用担当者に人となりが伝わる場合があることです。中途採用では人柄より実績やスキルが重視されますが、人物重視の新卒採用では選考を有利にする効果を期待できます。
履歴書の文字の大きさや形で、選考の結果が左右されることはほとんどないですが、丁寧に書類を作成できる人間だとイメージを与えるため、好印象を与えられる可能性があります。
一方で、誤字脱字などがあった際には最初から書き直しが必要となり時間がかかってしまう点がデメリットです。また、止めやハネが雑だと丁寧どころか、読みにくい書類を提出してきたと思われ、印象の悪化につながる場合もあります。
パソコン作成のメリット・デメリット
パソコン・手書きで履歴書を作成する際のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット | |
パソコン | ・修正が簡単 ・保存しておけばいつでも見返せる |
・直筆ではないため冷たい印象に見られる場合がある |
手書き | ・直筆により温かみがある | ・修正に時間がかかる |
履歴書を書く前の準備
履歴書の書き方で失敗しないためには、さまざまな準備が必要です。例えば、証明写真やペンと下敷き、印鑑、クリアファイル、封筒、メールアドレスなどを用意しないといけません。
各アイテムの適切な選び方とともに、便利なテンプレートを紹介します。
証明写真の準備
履歴書には、証明写真が必要な場合が多いです。写真は第一印象を左右するため、髪形や服装、表情、背景などにこだわる必要があります。
スピード写真機はリーズナブルで、すぐに証明写真を撮影できる方法ですが、角度や光の当たり方を調整しにくいため、プロの写真家やスタイリストがいる写真館、スタジオでの撮影がおすすめです。
企業から指定がない限り、証明写真のサイズは縦40mm×横30mmが一般的です。なお履歴書に貼る写真の有効期限は撮影から3カ月程度です。時間がたちすぎると、髪形や体形が現在と大きく変化している場合があり、本人確認の目的を果たせなくなります。
▼証明写真について詳しく知りたい方はこちら ・就活生必見!就活の証明写真の準備について
ペンと下敷きの用意
手書きの場合は、ペンと下敷きを用意します。ダマができづらく、にじみにくいゲルインクのボールペンがおすすめです。消えるボールペンや蛍光ペンは、履歴書の作成に使用してはいけません。
見やすくなる工夫として、見出し・本文・小文字で文字の太さを変える作戦が効果的です。3種類のボールペンを準備する必要がありますが、フォントサイズまで整えられた履歴書を送付すれば、細かい気配りもできる人だと印象づけられます。
書類全体にわたって均一の太さで、むらなく書くには下敷きが必要です。適度な摩擦感が筆圧や筆跡を可視化して、作成者の個性が発揮される美しい字を作り上げます。
印鑑・朱肉・印鑑マットの用意
手書きでの作成において、企業側から押印の指定がある場合やフォーマットに「印」が印字されている場合は、印鑑・朱肉・印鑑マットが必要です。
実印は求められておらず、認印で問題ありません。ただし、シヤチハタ(ゴム印)は水に濡(ぬ)れてにじむほか、時間がたつと薄くなる恐れがあるため、避けたほうが良いとされます。金融機関で印鑑登録した印鑑も、個人情報の流出の観点から使わないほうが良いでしょう。
朱肉や印鑑マットは、100円ショップで売っている製品でも問題ありません。買う機会がない場合は、新聞や余った紙を四つ折りにして下に敷く方法でも代用できます。
クリアファイルとA4の白い封筒の用意
郵送や持参の場合、作成した履歴書はクリアファイルに入れた後、A4の封筒に入れて企業や郵便局に持ち込みましょう。クリアファイルは無色透明で、折り目やシワがついていない新品を用意します。
封筒の色は、白が好ましいとされています。茶封筒や水色の封筒は通常の事務用に使われるケースが多く、一般の郵便物と見分けがつかなくなる恐れがあるためです。白封筒は、お祝いごとにも使用する縁起が良いものです。
履歴書を送付しても、ビジネスマナー上問題はありません。封筒のサイズはA4の書類を納められる角形A4、または角2号が適切です。
適切なメールアドレスの準備
企業から連絡を受けるための、専用のメールアドレスを用意しましょう。企業の担当者が宛先に設定することを踏まえ、社会人にふさわしいメールアドレスを準備してください。
一般的には、氏名や生年月日が英数字で羅列されたアドレスが適切です。あまりにも奇抜なメールアドレスの場合、採用担当者にビジネスマナーとしてどうかと不信感を抱かれるかもしれないため注意してください。
また、携帯キャリア(docomo/au/SoftBank)などのアドレスはパソコンでは閲覧できない場合がありますので、大学の個人用パソコンに割り当てられたアドレスや、Gmail、Yahoo!のアカウントを用意しておくと良いでしょう。
履歴書はどこで買うことができる
手書きで履歴書を書く場合、紙のフォーマットはスーパーや文房具店、ホームセンターで手に入ります。種類は限定されますが、コンビニエンスストアや100円ショップでも購入可能です。
パソコンで作成する場合、ネットで探せば、無料でダウンロードできる書式がすぐ見つかります。用途やアピールポイントに応じて、種類も豊富です。納得いくものが見つからなければ、WordやExcelを操作してオリジナルの書式を作成するパターンも1つの方法です。
(参考)履歴書のテンプレート
履歴書には、厚生労働省が推奨する、新卒/転職/アルバイトと、さまざまな用途に使える基本のテンプレートがあります。公正な採用機会の確保やプライバシーへの配慮を目的に、2021年から以下の2点が変更になりました。
・性別欄が男女の選択制から任意記載に(未記載でも可)
・「通勤時間」「配偶者」「配偶者の扶養義務」「扶養家族数(配偶者を除く)」の4項目が削除
参考:厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」
履歴書の書き方の基本
履歴書を初めて作成する人は、書き方を迷う箇所がいくつも出てくるでしょう。多くの就活生の疑問に答えるために、基本的な記載方法や注意点を項目に沿って紹介します。
印鑑
押印の指示がある紙の履歴書では、シャチハタ以外の認印を使います。注意点は、項目を埋め始める前に押すことです。うまく押せず印影がかすれたとき、最初から書き直す必要があるので手間がかかり大変です。
誤って逆さまに押印してしまったときは、新しい履歴書に取り換えましょう。印影をきれいに写すには下に紙やマットを敷き、朱肉を数回つけた後、名前の部分を密着させるように押し込むとうまくいきます。
印鑑で氏名が隠れないよう、余白を十分確保する意識を持ちましょう。印鑑のサイズ1.5cm程度が適切で大きすぎると、企業によっては横柄な人材だと思われる可能性があります。
印鑑の大きさ=役職の高さという慣習が今も残っているため、採用担当者が年配の場合は非常識だと思われる可能性があるためです。大きな印鑑しかなければ、この機会に買い替えるのも1つの手です。
日付
書類上部の日付は履歴書を提出した日となり、手渡しなら持参日、メールなら送信日、郵送ならポストへの投函(とうかん)日を記載します。和暦(令和◯年)と西暦のいずれで書くかは指定がない限り、作成者が任意で決めて構いません。
ただし、履歴書を通して統一した書き方が求められます。和暦を選択した場合、生年月日や入学・卒業年月日、資格や免許の取得日なども和暦で書きます。数字は漢数字ではなく、アラビア数字(算用数字)で書き入れてください。
写真
履歴書の写真は、候補者の第一印象を決定づける非常に重要な項目です。撮影時の身だしなみに注意し、清潔感や誠実さ、明るさなどの良いイメージを与えられるようにしましょう。
男性の場合、髪形は短髪が基本で、長髪の肩や女性は後ろで束ねて、耳やおでこが隠れないよう工夫します。
表情は、歯が見えない程度に口角を上げてほほ笑みましょう。あごは引いて、背筋はピンと伸ばし、頭のてっぺんが天井から垂れる糸に引っ張られるイメージを持ちます。服装は黒や紺のジャケット、落ち着いた色のネクタイ、白いシャツやブラウスでまとめます。
履歴書の写真で重要なポイントは、裏面に氏名(+大学名)を記載してから、のりで貼りつけることです。何かの拍子で剥がれ落ちた際に名前がわかれば、企業側は誰の写真か把握できます。
氏名
氏名は、戸籍に登録された正式な名称を記載します。旧字体がパソコンの予測変換で出てこない場合は新字体でも問題ありませんが、面接でその旨を伝えましょう。該当の箇所だけ手書きでも、マイナス評価につながるわけではありません。
フリガナの記載は、履歴書のフォーマットにあわせる必要があります。「ふりがな」であれば平仮名で、「フリガナ」であればカタカナで書いてください。
住所
住所欄は都道府県名から省略せずに、番地やマンション名・部屋番号に至るまですべて書き入れます。住所に限らず、履歴書の記載内容は正式名称による記載が求められます。例えば、番地が「1-2-3」だとしたら、「1丁目2番地3号」と記載し、ふりがなも忘れずに書き入れましょう。
履歴書の住所欄は、2段構成で後段に「連絡先」と記載されるのが一般的です。現住所と連絡先が同じ場合は、「同上」と書き入れるだけで問題ありません。
電話番号・メールアドレス
電話番号は、日中連絡がつく連絡先を記載してください。必ずしも固定電話である必要はなく、携帯電話やPHSの番号で問題ありません。メールアドレスは、社会人としてふさわしいアドレスを書き入れます。
「tanaka.itirou@gmail.com」のように氏名とドメインのみ、「tanaka.itirou0101@gmail.com」のように、氏名+誕生日+ドメインのシンプルな文字の羅列がおすすめです。
学歴・職歴はいつから書けば良い?
学歴欄は、中学校卒業から書き始めるのが一般的です。中学校名から大学名まで一切省略せず書く必要があり、高校と書くのはNGで「高等学校」と書いてください。学部や学科、コース名も正式名称で記載します。
学歴欄の記載で注意したいのは、冒頭の書き出しや入学・卒業の書き方、専攻分野も記載することです。
・学歴・職歴
表が1つにまとまっている様式では、1行目に「学歴」と書き入れて、2行目以降から出身校の情報を書き入れます。
・中学校と高等学校
「◯◯(学校名・学部名・コース名) 入学」「◯◯(学校名・学部名・コース名) 卒業」と記載すれば問題ありません。大学の場合、履歴書を作成している時点では通常は在学中であることから「卒業見込み」と記載します。
高校や大学を中退している場合は「中途退学」と書かなくてはいけませんが、留年や浪人している場合は記載不要です。空白期間は、面接で聞かれたときに答えれば問題ありません。
履修中の科目やゼミなどで、応募職種に生かせる専攻や論文テーマがあれば、記載をおすすめします。専門性をアピールすることで、選考が有利に運ぶ可能性があるためです。
・職歴欄
一般的な新卒の学生では「なし」で構いません。アルバイトやインターンの経験は職歴には含まれないためです。学歴欄・職歴欄が一体化した履歴書の場合、学歴欄の下の行に「職歴」と書き入れ、次の行に「なし」と記載します。
趣味・特技
趣味・特技を履歴書に書く目的は社風や従業員との相性を見極めるとともに、面接の緊張をほぐすためにあります。
趣味や特技を、そのまま記載すれば問題はありません。内容が充実していれば、面接官と盛り上がり、印象を与えられるかもしれません。
注意点としては、ギャンブルや政治、宗教、思想系の趣味は記載しないことです。個人の信条に深く関わるセンシティブな話題は、気軽な雑談に不向きなためです。
免許・資格
免許・資格欄はほかの項目と同様、正式名称で免許から資格の順に、取得年月日が古い順に記載をします。免許のうち、運転免許のみ区別して始めに書くことに注意しましょう。
すべての免許・資格の記載が終わったら、1行下に「以上」と記載します。資格も持っていない場合でも空欄にはせず、「特になし」と書き入れます。
たとえばFPはファイナンシャルプランナー◯級、宅建は宅地建物取引士と記載します。取得済みの資格以外に、現在勉強中の資格を「取得予定」として書くのも問題ありません。
ゼミの内容・研究内容・得意な学科
ゼミや研究の内容、得意な学科は応募先の業務や職種とは関係がなくても、何を学んだか企業に伝えるために記載が必要です。
学んだ具体的な事柄やグループ活動における自身の役割、学びを今後どう生かすつもりか語れれば、熱心に勉強を続ける意欲が伝わり、仕事でもモチベーション高く取り組みそうなど評価を受けられる場合もあります。
ゼミの内容や研究内容、得意な学科を記載する際には、学んだ内容をストレートに伝えるだけでなく、選考という場面を意識してアピールとなる要素もいれると良いでしょう。
学生時代に力を入れたこと
学生時代に力を入れたことは通称ガクチカと呼ばれ、多くの就活生が何を書けば良いか悩む事柄です。ガクチカで盛り込みたい内容は、以下の6つです。
・取り組んだこと ・始めるに至った動機 ・課題や問題 ・解決策 ・対策した結果 ・今後に生かせること
人事の心に刺さるガクチカにするには、志望動機や自己PRとの関係性、つまり一貫性が大切です。「学生時代にした経験から◯◯ということを学んだため、☓☓の仕事に興味を持ちました」と筋道立った構成を作れば、深掘りされても論理の矛盾は生じず、説得力のある訴求が可能です。
自己PR・強み・弱み
自己PR・強み・弱みは、長所は、エピソードを通して会社で活躍する素養があるかを見られます。
冒頭で自身の強み(弱み)は何か、結論を最初に伝え、続いて「理由」から「仕事への生かし方」とつなげると、説得力のある内容に仕上がります。
また、根拠となるエピソードは複数挙げるより、1つを深掘りするほうが面接官に強みや弱みが伝わりやすいでしょう。さらに、成果を語る際に数字を用いることで、面接官に話を的確に伝えることができます。
強みや弱みを書く際の注意点としては、冗長にならないことです。
履歴書の自己PR欄はあまりスペースがないため、エピソードを長々と書き連ねるのはおすすめしません。始めと終わりを意識して必要最低限の記載でまとめても構いません。
▼自己PRについて詳しく知りたい方はこちら ・【自己PRの書き方】ESで強みを効果的にアピールするには?新卒採用担当の目線と内定者の回答例から解説
志望動機
入社意欲や入社後の可能性を測るために使用される志望動機は、就活の成否を占う履歴書のなかでも最重要項目の1つです。基本的には自己PRと同じく、冒頭で志望理由を端的に語り、根拠を示すエピソードとともに入社後はどのように貢献するかを伝えます。
実はどんな企業の選考でも答えるべき志望動機のポイントは決まっています。押さえておくべきポイントは以下の5点です。
・質問1:将来成し遂げたいことは何か
・質問2:1を成し遂げたいと思ったきっかけ
・質問3:なぜ、他の業界ではないのか
・質問4:なぜ、他の企業ではないのか
・質問5:入社したら何をしたいか
この質問に沿って志望動機を作成していきましょう。
▼志望動機について詳しく知りたい方はこちら ・志望動機の書き方と例文集|人気8業界のES通過例文と王道の回答例
本人希望記入欄
本人希望記入欄は勤務地や転勤の希望、育児や介護の有無など配慮を望む労働条件の要望を書く項目です。新卒の場合、よほどの事情がない限りは希望を書くのは好ましくないとされています。
「貴社規定に従います」「貴社規定に準じます」など、手を煩わせないという意思表示をするのが基本的な対応です。中途の選考なら、勤務中の会社の退職予定日や選考企業への入社予定日を記載しますが、スケジュールが固定の新卒ではあまり書く事柄がありません。
よくある履歴書のNG集
書類選考がなかなか通過しないときは、自分でも気がつかないうちに、記載ミスをしている可能性があります。何が足りずに落ちたか企業側は理由を開示しないため、失敗を次に生かすことが難しいでしょう。
就活で新卒がやりがちな履歴書のNG例を紹介します。事前に問題があるケースを確認していれば、同じ過ちを防ごうと考える抑止効果から、次回以降の記載ミスを防げるでしょう。
空欄がある
履歴書の項目に1つでも空欄があると、入社意欲や就活のモチベーションが疑われ、落ちる原因の1つとなります。記載内容がないとしても、何も書かないままだと採用担当者は記載漏れを疑われます。
形式的でも「特になし」「書くことはありません」と書き、空欄はさけましょう。しかし、「特になし」と答えるのも、企業側の候補者について知りたいという感情を裏切る場合があるので注意してください。
自分では書くことがないと決めつけていても、絞り出せば1つや2つ書ける場合もあります。資格・免許記入欄では勉強中の資格を書いてもよし、趣味・特技欄なら、空き時間ができたときについ行うことなどを書くのも構いません。
なお、健康状態の記入欄は既往症歴や現在治療中の病気があるときに使用する項目です。現在の健康状態に問題がないときは、「良好」「極めて良好」などと書きます。
文章にまとまりがない
何を伝えたいか不明瞭なまとまりがない文章が原因で、企業側の目に留まらず、読み飛ばされてしまう可能性もあります。
採用担当者は選考作業が立て込んでいれば、1日に数10~数100の応募書類を確認します。一つ一つの履歴書を熟読する時間は到底確保できず、概要だけを把握して次に進むケースが一般的です。
そのため、結論ファーストで最も伝えたい事柄を先出ししないと、アピールしたい項目が読み飛ばされる恐れがあります。また、文が長すぎたり短すぎたりして、読みにくい文章もNGです。一般的に読みやすい文章の量は、30〜50文字程度だといわれています。
この範囲を超えるボリュームの文ばかりの場合、削って文字数を減らしたりにしたり、2文に分けたりといった工夫が求められるでしょう。あれもこれも伝えようとせず、論点がぶれないように簡潔に書きます。
文字の乱れ、誤字脱字
項目ごとに文字のサイズやフォントがふぞろい、または誤字や脱字があるために書類選考で落ちている可能性もあります。採用担当者は、基本的に一つ一つの履歴書を熟読する時間がありません。
表面的に文章をなぞりながらチェックする過程で、誤字脱字が散見されると、いいかげんな学生に違いないと不採用の判断を下す可能性もあります。フォーマルで重要度が高い履歴書で単純な記載ミスがあると、選考結果に影響を与えかねません。
文字の乱れや誤字脱字を防ぐ代表的な方法は、次の通りです。
・時間を置いて複数回チェックする
・音読してみる
・第三者にチェックを依頼する
・文書作成ソフトや推敲(すいこう)ツールを使用する
企業への応募書類だからといって普段使わない難解な表現を用いると、ケアレスミスにつながります。あまり背伸びせず、自身の強みや志望理由を等身大でアピールする心持ちで臨むのがおすすめです。
略語を使っている
無意識のうちに日常的に使用する略語を履歴書のなかで使ってしまい、評価を落としてしまうケースもあります。バイトやインターン、就活、部活などは、間違いやすい要注意ワードです。
正式な漢字を省略して記載する略字には、注意が必要です。履歴書の氏名は、戸籍の記載と統一を図らなければいけません。本来の漢字が象形文字のように複雑だと、日常生活では点や画を省略した簡易的な文字を使う場合があります。
履歴書で略語や略字を使うと、丁寧さに欠ける人だとみなされ、仕事もアバウトにこなしそうだという印象を持たれます。なお、「年齢」を「年令」と書き、「歳」を「才」と書くケースも略語です。
普段から書き慣れた表現が、楷書体とは異なる省略した表現の場合もあります。初めて作成する場合、キャリアアドバイザーやゼミの教授など、チェックの経験が豊富な人にみてもらうのがおすすめです。
修正ペンや修正テープを使っている
間違った箇所を、修正ペンや修正テープで直す行為はマナー違反です。記載で誤ったときは二重線を引いた後、訂正印を押す方法で対処します。履歴書は学生が作る文書とはいえ、企業がDB(データベース)に保管する公的な書類です。
ルーズリーフや大学ノートにまとめた講義内容のように、修正ペンや修正テープで気軽に削除するのはふさわしくありません。表面をみるとうまくミスを隠せたように思えますが、裏側から透かしてみると修正の跡がわかります。
なお、二重線+訂正印は正しい修正方法とはいえ、1枚の履歴書に1回のみが暗黙のルールです。印鑑が複数の箇所に押されると見栄えが悪くなり、採用担当者からの印象も悪くなりかねません。
間違ったときは最初から書き直すか、ミスの確率を減らすために下書きをして臨むことをおすすめします。
日付や年号の誤り
日付や年号は、履歴書でミスが多発するポイントです。免許や資格の取得年月日は時間がたっていると思い出しにくいですが、合格証や受験資料を引っ張り出して正確な日程を書かないといけません。
日付や年号の誤りで頻出なのは、履歴書のなかで西暦と和暦が混在するパターンです。また、「H29」のように和暦を省略して書いてしまうケースもよくあります。
日付や年号で注意したいポイントは、算用数字で書き入れることです。履歴書のような公的な書類では漢数字が適しているように思えますが、読みやすさが重要な要素となる履歴書では算用数字が推奨されています。
例外として、企業名や学校名に漢数字が含まれている場合、アラビア数字に変換せずそのまま記載します。固有名詞は、必ず正式名称で記載してください。
パソコンで作成する場合は企業や学校のWebサイトにアクセスして、学校名・企業名の欄からコピー&ペーストで入力すれば、転記ミスを防げます。
不適切な写真
履歴書に不適切な証明写真が貼られているため、選考の対象から外される場合もあります。例えば、私服のまま撮影している、ビジネスシーンに不適切な不機嫌に見える表情をしている、目線が正面を向いていないなどです。
背景が無地ではなく模様がある、ネクタイが曲がっている、髪形がボサボサ、前髪で顔が見えないなども起こりえます。
好印象を与える証明写真を撮影するのは難しく、スピード写真やスマホのカメラではクオリティを担保できない恐れがあります。プロの写真家に撮影を依頼できる写真館や、スタジオの活用がおすすめです。
費用は掛かりますがスーツやネクタイ、シャツなどの服装も含めるとチェック項目が何十個もあるため、1人で満足いく写真を撮るのは容易ではありません。写真館やスタジオでは撮影時にスタッフがそばについて、好印象を与えるアングルや表情の作り方のアドバイスを受けられます。
▼証明写真について詳しく知りたい方はこちら ・就活生必見!就活の証明写真の準備について
履歴書の提出方法について
履歴書の提出方法は「郵送」「メール」「手渡し」3つの方法があり、それぞれ送付時のマナーは大きく異なることが特徴です。郵送やメールでの書類の送付は企業に入社した後、実務で担当するケースも想定されます。
正しい方法を覚えて、ほかの企業への履歴書の送付や、ビジネススキルの向上に役立てましょう。
履歴書を郵送するときのマナー
白のA4の封筒に入れた後、表面に住所、送付先の会社名と部署名、郵便番号を記入し、左下に朱色で「履歴書在住」と書き入れます。
赤のボールペンやサインペンでも良いですが、スタンプを用意しておくと、何通も送る際は便利です。宛先は個人名ではないため「御中」とし、必要な分の切手も貼ります。
裏面は封を閉めた後、「〆」マークを上面・下面にまたがるように記載します。そして左上にポストの投函日を、左下に送り主の住所と氏名を書き足したら準備完了です。
インターネットが高度に発展した現在では、郵送で郵便物を送る機会も少なくなっているかもしれません。切手の料金は重量で変わりますが、自分で重さを測定して、必要な切手の種類を把握するのは難しいでしょう。
郵便局に出向けば、受付の係員が適切な料金を教えてくれるため、お金を払うだけで済みます。
履歴書をメールで送るときのマナー
履歴書をメールで送る方法も一般的です。注意点は、編集不可のPDF形式でファイルを送付することです。WordやExcelで作成した場合、変換処理を忘れずに行い、PDFを準備しましょう。
履歴書のファイル名は「履歴書+大学名+氏名」にすれば、ビジネスマナー上の問題はありません。採用担当者の見落としを防ぐため、件名は【履歴書の送付】のように、一目で要件がわかる記載をしましょう。
本文は長すぎないようシンプルにまとめて、最後に署名をつけることを忘れないでください。署名には氏名や所属(学校名・学部名)、電話番号、メールアドレスなどを記載します。作成したPDFファイルを添付して、送付先のアドレスを指定してください。
履歴書を手渡しするときのマナー
事前にメールで履歴書を送付して、原本は面接時に持参するよう指示を受ける場合があります。手渡しするときも郵送と同様、クリアファイルに挟んでから、白無地封筒に入れてください。封筒の左上に持参日を、「二〇二四年五月五日」というように漢数字で記載します。
西暦と和暦のどちらでも良いですが、履歴書と表記をそろえておきます。履歴書の渡し方は、場面によって異なることに注意が必要です。面接官に直接渡す場合は封筒から取り出して、クリアファイルごと白封筒の上に重ねて両手で渡します。
手渡しのタイミングは、面接官から送付を求められたときです。受付で面接官以外の人に渡す場合は封筒ごと渡してください。書類を渡す際には「よろしくお願いします」とあいさつをして渡しましょう。
この記事のまとめ
・履歴書は学歴や氏名など応募者の基本情報を確認する書類です。 ・作成方法は企業の指定がない限り、手書きとパソコンのどちらでも問題ありません。 ・履歴書のフォーマットは複数あるため、重点的にアピールしたい項目に合わせて選ぶと良いでしょう。 ・履歴書を書く際のポイントは、学校名や資格、住所などすべて正式名称で統一することです。 ・証明写真はビジネスシーンに即した一定の質を担保できるよう、写真館やスタジオの活用がおすすめです。 ・ファイルが添付されていない状態の誤送信を防ぐため、アドレスは最後に入れるのがおすすめです。
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