コンサルに行くか、事業会社に行くか。就活を進める上でそう悩む学生は少なくないでしょう。
アドバイザリーになるか、成長を担う当事者になるか。就活生だけでなく、社会人になってもこの問題に悩み、転職をする人もいます。
三井住友銀行で働く髙井さんもそんな1人。証券会社に新卒入社したのち、コンサルティングファームに転職、そしてメガバンクに転職するという珍しいキャリアを持っています。
その理由を尋ねると、「コンサルティングファームにいたからこそ、金融機関の影響力を知ったんです」という意外な言葉が。一体どういうことなのでしょうか。
コンサルタントとしてクライアントに提案する立場から、逆にコンサルタントから提案される立場になったという髙井さん。転職して初めて分かった、「支援」と「実行」の立場の違いについて、実体験を基に教えていただきました。
髙井 暖司(たかい あつし):サステナビリティ企画部 企画グループ 部長代理
大学卒業後、日系証券会社を経て2013年にコンサルティングファームへ入社。主に自動車業界、電機業界などに加え、省庁などの公的機関向けに、次世代車や水素・燃料電池をはじめとした環境対応製品・サービスに関わる事業戦略や新規事業策定のほか、ESG経営や非財務情報開示に係るプロジェクトに従事。2020年12月に三井住友銀行へ入行し、同年から現職。
「SDGs」が生まれる前から社会課題の解決に興味、そのルーツは被災経験に
──髙井さんは最初に大和証券に入社し、その後コンサルティング業界に転職しています。転身の理由は何ですか?
髙井:実は大和証券に入る前から、コンサルタントに興味はあったんです。当時コンサル各社は採用をかなり絞っていたこともあって就活では縁がなく、同じく関心があった金融業界を選びました。
ただ、新卒入社して2年がたつころ、やはりもう一度コンサルにトライしてみようと思い、転職をしています。
──就職後もコンサルで働きたい思いは変わらなかったのですね。そこまで強い気持ちがあったのはなぜでしょう?
髙井:私が大学を卒業するタイミングで東日本大震災があり、それが人生の転換点になりました。就職のために仙台から東京に引っ越す直前だったので、震災直後は電気やガスがない中で数日間過ごし、その後、東京へ移った際に見た原発の事故のニュースに衝撃を受けて……。
何気なく過ごしている日常や生活というものが、こんなにも崩れてしまう。もともとサステナビリティ分野には関心があったのですが、エネルギーの問題にじかに触れたことで、社会課題を解決する仕事がしたいという思いがより強くなりました。
──自身の被災経験が原体験になっているのですね。デロイト トーマツ コンサルティングではどのような案件を手掛けていたのか教えてください。
髙井:希望通り、社会課題の解決に関するプロジェクトに入ることができました。当時は「SDGs(持続可能な開発目標)」などが世間に広まる前でサステナビリティはマイナーな領域でしたが、震災復興の観点なども取り入れながら、デロイトが社会課題の解決を売りとしたコンサルティングに力を入れ始めたタイミングだったんです。
──今でこそ多くの企業が、社会課題の解決を掲げているように思いますが、当時は珍しかったんですね。
髙井:私はエネルギーや環境関連の案件を中心に、事業開発戦略や新規事業立ち上げの支援のほか、新技術系のロードマップ策定など国の案件にも関わっていました。
2010年代の後半からはSDGsのトレンドもあり、個別の事業だけでなく、会社全体のサステナビリティの戦略支援も行うようになりました。その後、転職したEYストラテジー・アンド・コンサルティングでも同じような仕事をしていましたね。
総合コンサルで7年働いて実感した、金融業界の影響力──社会全体を変える動きを生み出せる
──そこからなぜSMBCに転職したのでしょうか? コンサルでも髙井さんが希望する仕事ができていたように思えるのですが……。
髙井:コンサルで約7年働く中で、思うことが大きく2つありました。一つは、金融業界の影響力です。特にESG(※1)領域の場合、顧客や社会などによる強い要請や政府による規制化などの影響が生じてから、ようやく企業が動き出すという傾向があります。同様に、投資家や金融機関による企業のESG評価や対応要請も大きな影響を与えることとなり、各企業の取り組みを促す大きな力となっています。
(※1)……Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス=企業統治)の3つの単語の頭文字を並べた言葉。いま企業が取り組むべき課題であり、持続可能な経営手法に変えていくための考え方
──金融機関の影響力は、どこから生まれるのでしょう?
髙井:金融業界はお金の流れや各企業を評価する仕組みを作る場所であり、その影響は全企業に及ぶため、社会全体を変える強力な流れを生み出すことができるのです。例えば2000年にイギリスで発足した「CDP(※2)」から始まり、近年では気候関連情報開示を促す「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」が金融安定理事会により発足するなど、金融業界から脱炭素の動きを促す取り組みも広がっています。
(※2)……Carbon Disclosure Project。投資家が連携し、企業に対して気候変動への戦略や具体的な温室効果ガスの排出量に関する公表を求めるプロジェクト
──もう一つは何でしょう?
髙井:「支援」と「実行」の立場の違いです。確かに社会課題の解決に携わる希望はかなえられたものの、コンサルはあくまで裏方支援が中心。基本的にはプランを提案することが役割であり、実行支援まで携わることはあっても、最終的に判断して行動をするのは事業会社です。コンサルタントがどんなに最適だと思うプランを出したとしても、一部しか採用されないことや、十分に実行されないこともあります。
──確かにそういった理由で、アドバイザリーの立場から、事業会社に転職する例は少なくないように思います。
髙井:コンサル業界の中には「コンサルティングは高級派遣業」と自分たちを揶揄(やゆ)する人もいるのですが、経験を重ねる中で「そういう捉え方も確かにできるな」と思ってしまうこともありました。
このまま裏方を極めるのか、それとも実行を手掛ける立場に移るのかと迷ったのですが、責任を持って変革をやり遂げたいと思ったことが、SMBCへの転職の決め手になりましたね。また、ちょうど子どもが産まれたこともあり、ワークライフバランスが取れる環境に行きたかった点も決断の後押しになりました。
コンサル時代は「その業界の人たちには敵わない部分がある」という歯がゆさがあった
──今は三井住友銀行で、どのような仕事をしているのでしょうか?
髙井:サステナビリティ企画部で、主に自社のサステナビリティ領域に関する仕事をしています。気候変動が自社の財務にどのように影響するかを予測して開示する、TCFDレポートの作成や、サステナビリティ全般に関する自社の経営企画・推進などが主な業務です。
──コンサルタントだったころも今も、「サステナビリティ」というテーマは共通していますが、立場が変わって感じる違いはありますか。
髙井:「アイデアを出して終わりではない」ことですね。コンサルタントは基本的に情報を集めて理論を固め、プランを作る手助けをするところまでが責任を持つ領域です。最近は「実行支援」まで手がけるコンサルファームも多いですが、社会の状況を踏まえながらさらにプランをもみ、意思決定をして最終的に実行するのはあくまでクライアントの責任です。
一方、今はプランを作るのはもちろん、プランに対して業界や政府、投資家などの意見を聞き、世の中の状況を考慮した上で発表するところまで、全て自分で手掛けています。
コンサルにいたころは、自分が提案したプランが採用されることが喜びでしたが、今は自分がやったことの全てが外に出ます。世の中に何かを打ち出し、それによって社会に直接影響を与えている実感がありますね。
──転職の理由でもあった、変革を「実行」する立場になる、という点はかなっているわけですね。
髙井:今は自分の行動で世の中を変えられる分、プレッシャーも大きい。良い方向に変えられればいいけれど、「自分が誤れば、社会が誤った方向に向かうリスクもある」という責任感も持ちながら、仕事に臨んでいます。
コンサルの支援は、現状や制約に引っ張られずにアイデア出しに徹しきれる面白さがありますし、数カ月単位でプロジェクトが回るため、多くの機会が得られる良さもある。ただ、今振り返ると気楽だった部分もあったように思います。もちろん責任を持ってプランを作っていましたが、それを選んで実行に移すのは、あくまでクライアントでしたから。
──実行までやってみて、分かったことや学んだことはありますか?
髙井:「社会にどう受け入れられるか」という視点は、実行フェーズでより重要になると知りました。立案時点でも論点の一つではありますが、実際に外に出すことで初めて得られるフィードバックや気付きがあるものです。反響を踏まえて、プランをもう一段階ブラッシュアップする必要がある、というのは実行フェーズを体験して分かったことです。
──責任を伴うからこそ、得られる視点かもしれませんね。
髙井:自分の専門性が高まるのも感じています。コンサルでは同じ領域のプロジェクトをたくさん回して知見を得られたものの、「その業界の人たちには敵わない部分がある」という歯がゆさもあったんです。実行フェーズや実務を十分に知らないから、どこか会話がかみ合わない場面があるというか。
自分自身の力不足もあったと思いますが、業界やクライアントの置かれた立場を理解しきれていない感覚がありましたし、実際にそのようなコメントをクライアントからいただいたこともありました。今振り返っても、実行フェーズを十分に考慮したプランが出せていたか、理想論を提示して終わっていたのではないか、と疑問に思うこともあります。
──なるほど。現場とアドバイザリーという役割上、仕方のない部分はありそうですが……。
髙井:そうですね。それは今、逆にコンサルに提案をいただく立場になって身をもって感じる部分でもあります。情報収集など、コンサルタントの方に助けられていることはたくさんある一方で、外から支援するだけでは、理解しきれない部分があるのだと痛感もしています。
世界で誰も答えを知らない問いと向き合う日々──メガバンクだからこそ、次のスタンダードを作れる
──実行まで手掛けられるという点を踏まえて、髙井さんが仕事でやりがいを感じるのはどのような瞬間ですか?
髙井:業界のスタンダードを作れる点ですね。今、われわれが取り組んでいるのは、自社のビジネスが環境にどのような影響を与えるかを投資家に公開するという試みですが、これは世界的にも始まったばかりです。
環境への影響をどのように測るのか、指標は何が妥当か、推測した結果をどう表現するか、どう経営に生かしていくのか──議論を重ね、試行錯誤しながら案を作っています。この分野で先を行くヨーロッパでもまだ答えは出ていません。日本の金融機関として、アジアの金融機関として、どうすべきかを日々考えています。
──答えがないような最先端の問題と向き合っていると。
髙井:当社は2019年にメガバンクとして初めて気候変動リスクの財務的影響を試算、開示しました。端的にいえば、気温が4度上がったら、または脱炭素化社会に移行したら、ビジネスにどんな影響があるかという話です。
2021年にはそうした動きをさらに進め、日本の銀行として初めてコーポレートファイナンスおよびプロジェクトファイナンスを対象とした、電力セクターにおける投融資ポートフォリオの炭素強度に関する分析を進めています。
──つまり……どういうことですか?
髙井:私たち銀行が投資や融資をしている企業が、地球環境にどれだけ負荷をかけているのか、どれだけ温室効果ガスを出しているかを試算してみた、ということです。試算のプロセスも併せて公開しています。
新しい取り組みなので、「ぜひ他の金融機関に向けて紹介してほしい」と環境省からお声がけをいただき、実際にプレゼンもしました。まさに未来を作っている実感を得られた瞬間でしたね。
──実行までやるからこそ、パイオニアになれるし、新しいスタンダードを作れるというわけですね。
髙井:そのスタンダードが間違っていたらどうしよう、という不安もありますが、社外に出すことで投資家などのステークホルダーからフィードバックをいただき、PDCAを回しながらより良いものを作ろうとしています。そのプロセスを繰り返して、だんだんとスタンダードができていくのだと考えています。
新しい分野は誰かがファーストペンギンにならなければ進まないところもあるので、まずは当社が取り組み、それぞれ蓄えた知見を持ち寄って、より良い指標を業界として作っていきたいですね。
──この取り組みを見たSMBCの顧客が、SMBCが作った指標で情報を開示する展開もあり得るのでしょうか?
髙井:そうですね。当社としてもお客さまにお願いをしていきますし、金融機関全体に必要な動きでもあるので、業界団体への働きかけや意見発信もしています。当社は金融機関ですが、もうお金のことだけを考えて仕事をすればいい時代ではなくなりましたから。
「お金だけを考える」ではダメ。SMBCには業界を変えようとする力強さがある
──金融機関なのに、お金のことだけを考えていてはいけない?
髙井:今、金融業界は目に見える経済的な数字だけを見て評価をする時代からの転換点にあると思っています。
「気候変動やSDGsに対して、ちゃんとコミットしているか。対応できているか」が、投資家が企業を評価する基準として追加されつつあり、自社利益の追求だけではなく、社会や環境への考慮が企業に求められるように変わってきています。だからこそ、次の時代のスタンダードを作れる可能性があるのです。
これはサステナビリティ企画部に限った話ではありません。SMBC全体として、金融業界自体はもちろん、お客さまと一緒に各業界の在り方を変え、新しいスタンダードを作る姿勢が求められています。単に経済を支えるだけではない存在になるというのが、従来との大きな違いでしょう。
──SMBCで働く中で、実際に金融業界の影響力の大きさは感じますか?
髙井:事業会社が今後の動きを考える中で、金融機関の動向を非常に強く意識しているのを感じています。経営陣や財務担当者から話を聞きたいと言われることも多いですね。
また、銀行や証券など特定の領域にとらわれず、総合金融グループとして業界や政府、世界に対して意見発信ができます。チームには、持続可能なエネルギー利用を実現するための日本社会の仕組みをデザインし、政府とアイデアを検討している人もいるくらいです。
──先ほど「ファーストペンギンになる」というお話もありましたが、SMBC全体として変化に飛び込むことを是とする雰囲気があるのでしょうか?
髙井:そう思います。TCFDに対しても世界に先駆けて動いていましたし、入社前から業界を変えようとする力強さは感じていました。だからこそ、メガバンクの中でSMBCを選んだというところがあります。
入社してからも、「カラを、破ろう」という社長メッセージが発信されており、重要なコンセプトとして全体に浸透しているのを感じます。「こんなアイデアが面白いのでは?」という発想から新規事業を始めるような。そんな雰囲気がありますね。
──コンサルから再び金融業界に戻って、働き方や周りの方の雰囲気など、ギャップを感じることはないですか?
髙井:もともと金融業界にいたので「戻ってきたな」という感覚が強く、ギャップはなかったですね。ただ、思っていたより堅い雰囲気ではなかったのは意外でした。良い意味でのギャップでしたね。
SMBCはコロナ以前からリモートワークが推進されていましたし、フリーアドレスも導入され、働く場所も時間も自由。制服やスーツのイメージが強かったですが、服装も自由です。イメージよりもずいぶんカジュアルで、働きやすい会社だと思っています。ワークライフバランスの面もかなり改善できました。
どんなビジネスでも、どんな相手とでも仕事ができる。無限の選択肢からキャリアを描ける
──コンサルと金融の双方を経験した髙井さんから見て、SMBCをファーストキャリアに選ぶ良さがどこにあると思うか、教えてください。
髙井:選択肢の広さです。多岐にわたる金融事業はもちろん、コンサルティングを行うこともある。さまざまな規模のあらゆる業界のお客さまと関われるフィールドの広さは魅力です。
さらに、ジョブエントリー(公募制度)があり、自ら手を上げればグループ会社を含め、希望の部署に異動するチャンスもあります。やりたいことが明確な人はもちろん、まだ分からない人にとっても、いろいろな可能性に触れ、やりたいことが見つかったときにチャレンジできる環境があるのは良いと思いますね。
──ジョブエントリーで異動できる選択肢には、例えばどのようなものがあるのでしょうか?
髙井:グループ会社や組織図に記載されている多くの部署が対象になるので、紹介しきれないですね(笑)。
法人営業一つとっても、お客さまはベンチャー企業から大企業、自治体など多岐にわたりますし、そこに提供するものも融資だけでなく、それこそサステナビリティ経営に関する示唆やディスカッション、他にも海外進出やM&Aなど、全方位的です。海外で働く選択肢もありますし、新規ビジネスをやるチャンスもある。
どんなビジネスでも、そしてどんな相手とでも仕事ができるのが、SMBCの強みだと思います。
──自主性があれば希望のキャリアを築ける環境があると。若手でもサステナビリティ企画部に配属される可能性もあるのでしょうか?
髙井:もちろんありますよ。今年も4月に新卒3年目の人が法人営業部から異動してきましたし、そういう例は他にもあります。
──広い選択肢があるSMBCで活躍できるのは、どのような人だと思いますか?
髙井:意欲的に学べることはかなり重要だと思います。さまざまな業種や職種に触れる事業体であることは間違いないので、新しい分野に出会うたびにゼロから学ばなければいけません。
特に今の金融業界は、SDGsやデジタル化をはじめ大きな変化が起きています。新しく考えなければならないシチュエーションは非常に多く、柔軟さが求められる。逆に言えば、過去からの慣習に従って規定の手順で仕事をこなしたい人には合わないかもしれません。
──確かに、変化への対応については、学生からも三井住友銀行を好意的に見る声がありますね。変化が続く状況の中で、髙井さんがSMBCで実現したいことは何ですか?
髙井:金融業界に限らず、社会の仕組みを変えることに寄与したいですね。メガバンクという立場だからこそ、業界団体や政府、国連などの国際機関に対して意見を発信する機会も多くあります。実際に、それをきっかけにガイドラインが変わることもある。改めてチャレンジングな環境で仕事ができているなと思います。
その上で、太田社長の言葉を借りると「サステナビリティをサステナブルに実現していく」ことが目標ですね。
──どういうことでしょう?
髙井:今私たちが行っているような持続可能な社会の実現を目指す活動が、一過性のもので終わらないようにしたいんです。トリプルボトムラインといわれる「環境」「社会」「経済」のどれか一つでも欠けてしまうと、サステナビリティは実現できません。それは、実現を目指す過程においても同様です。
経済の視点が抜けるとボランティアになってしまい、持続的に活動することができなくなりますし、かといって経済ばかり優先しながら活動していくと、その過程で社会や環境に害を巻き散らしてしまう。
環境、社会、経済のバランスを取った上で、事業が営まれる社会を作る。そんな目標に向け、従来よりも広い視野で仕事と向き合いながら、これからも変化を作っていきたいと思います。
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