こんにちは、ワンキャリア編集部です。
日本唯一の公共放送のNHK(日本放送協会)。民間放送とは違った魅力に惹(ひ)かれ、志望する学生も少なくありません。
この記事では、NHKの放送総合職に絞って具体的な選考対策のポイントをお伝えします。選考前の最終確認のためにご一読ください。
<目次>
●NHKの特徴:巨額の予算で質の高い番組を作る実力主義の組織
●NHKの選考全体の特徴:業務によって変わる選考ルート! 志望理由を明確にして臨もう
●NHKの本選考フロー
・エントリーシート(ES)
・Webテスト
・1次面接
・2次面接&筆記試験
・2.5次面接
・最終面接
●おわりに
NHKの特徴:巨額の予算で質の高い番組を作る実力主義の組織
非営利を追及しつつ全国で「NHKらしい」番組を提供する
NHKは1950年に放送法に基づいて生まれたテレビ局。日本で唯一の公共放送であることもあり「NHKらしい」番組の放送が重視されます。主な特徴の1つが「非営利」を追及していることです。公共放送だからこそ特定の個人の利益になる放送は避けています。
一方で番組作りに対するプライドも高く、他局と比べてもリハーサルの回数が多いようです。「質」にこだわった番組作りを行う組織といえます。番組の制作や放送を行う現場は関東圏だけに限りません。NHKは全国に54もの放送局を有しており、地域向けの番組も作り放送しています。
莫大なお金で番組が制作できる! 予算は民間放送の約2倍!
NHKは莫大(ばくだい)な金額のお金を運用し番組制作が行えるのも魅力。民間放送はスポンサーからの広告収入を予算にあてますが、NHKの収入の96%は国民からの受信料が占めているそうです。
安定して得られる収入の金額も大きく、番組にかけられる予算も民間放送の約2倍以上といわれています。
スポンサーの意見や視聴率を気にせず、莫大な予算でNHKらしい番組を作りたい学生に適した環境といえるでしょう。
実力主義の社風! 努力次第では本社勤務へのキャリアアップも期待できる
内定者の話によるとNHKは「実力主義制度」を導入しているそうです。配属先で結果を残せば、本社配属となり昇任が期待できます。努力次第では全国放送枠での番組制作を任される場合もあるそうです。
とはいえ、仕事が認められ希望の配属に就くのは簡単ではありません。実際に2年目の社員は「大河ドラマや長編ドキュメンタリーなどのNHKを代表する番組を制作できるまでには今の勤務先(地方局)で相当な努力が必要だと感じている」と話していたそうです。
努力を積み重ねて実績を残し、希望のキャリアを築きたい人に向いているといえます。
NHKの選考全体の特徴:業務によって変わる選考ルート! 志望理由を明確にして臨もう
NHKの選考は放送総合職のなかでも、希望する業務によって選考ルートが異なるのが特徴です。
選考の内容が変わるだけでなく、面接の回数も増減します。自分が希望する仕事の選考ルートをあらかじめ確認しておきましょう。
どの業務の選考でも共通して重要なポイントは「志望理由」を明確にすること。「なぜ公共放送(NHK)を志望するのか」をはっきりと答えられるようにするのが重要です。国内唯一の公共放送の社員として、プライドをもって働けるかを問われている可能性があります。
自分の理想を実現できる環境が「公共放送(NHK)」にある旨を論理的に伝えられると良いでしょう。
NHKの本選考フロー
NHKの選考フローは以下のように進みます。
1. エントリーシート(以下、ES)
2. Webテスト
3. 1次面接
4. 2次面接&筆記試験
5. 2.5次面接
6. 最終面接
ここからは選考突破に必要なポイントをお伝えします。
エントリーシート(ES)の選考基準:NHKの特色と求められる能力をアピールしよう
2020年卒のNHKの本選考では、ESに以下の設問が課されました。
(1)特に力を入れた科目、得意分野(100字)
(2)特技と趣味(100字)
(3)NHKを志望した理由とNHKでやってみたいこと(300字)
(4)(地域職員を選択した場合)選んだ理由を簡潔に答えてください(250字)
(5)学生時代に取り組んだこと(300字)
(6)最近関心を持った社会的出来事や疑問に思うことを挙げて考えを述べてください(300字)
(7)自由記述欄(300字)
など※出典:NHK(日本放送協会)| 放送総合 2020年卒 本選考のエントリーシート
ESの位置付け:面接でも深掘りされる! 入念に対策しよう
NHKでは1次面接から最終面接まで、ESの内容を深掘りされるそうです。面接官の質問にも柔軟に対応できるように、面接で聞かれることを前提とした内容作りを意識するようにしましょう。
設問(3)(4)の選考基準:志望理由に「NHKらしさ」を盛り込もう
志望理由を述べる際は「NHKらしさ」を盛り込みましょう。選考全体のポイントでも記載したとおり「なぜ公共放送(NHK)なのか」を明確にするのが重要です。
民間放送と比べて多額の制作費をかけ、質にこだわって番組を制作する点はNHKならではの魅力といえます。
他社にはない「NHKだからこそできること」を具体的に記載しましょう。
設問(5)の選考基準:コミュニケーション能力と忍耐力をアピールしよう
設問(5)の「学生時代に頑張ったこと」では、コミュニケーション能力と忍耐力を過去のエピソードに紐(ひも)づけてアピールすると良いでしょう。
NHKは転勤が多く、さまざまな人と関わるため「人と打ち解ける」コミュニケーション能力が欠かせません。他業種と比べて「業務の明確なゴール」がないため、仕事の質にこだわるほど労働による負担は増える可能性があります。
肉体的にも精神的にも強い「忍耐力」もアピールするのが重要です。
設問(6)の選考基準:ニュースをもとに自分の意見を簡潔にまとめよう
設問(6)では自分の意見を明確に示しましょう。日頃の情報収集を通じて「どのように社会を捉えているか」を見られている可能性があるからです。
ある内定者は、社会的マイノリティが迫害されたニュースを取り上げ「マイノリティを支えることのできる社会を実現させたい」と述べていました。
日常的にニュースをチェックし、自分の考えをまとめる習慣をつけておくと良いでしょう。
設問(7)の選考基準:実績やエピソードをもとに自分らしさを表現しよう
自由記入欄では、他の項目では伝えられなかった自分のアピールポイントを書きましょう。ある内定者は自分の性格や過去の経験についてまとめたそうです。
実績やエピソードをもとに、自分らしさを表現するのをおすすめします。
Webテストの選考基準:ボーダーはそこまで高くない! 不安な場合は参考書を解いておこう
NHKのWebテストの形式はSPI。テストセンターで受験します。出題科目は「言語」「非言語」「性格」の3つです。
内定者の話によるとボーダーはそこまで高くないとのこと。とはいえ、正答率が高くて損することはありません。不安な場合は参考書を解いて対策しておくと良いでしょう。
1次面接の選考基準:独自の昇進システムに理解を示し「NHKである理由」を述べよう
1次面接は社員1人に対し学生1人に個人面接。20分程度で行われるようです。主に志望理由を中心に質問されるそうで、ネガティブチェックの意味合いが強いと考えられます。
実際にある内定者は「NHKについて就職先としてしっかりと理解できていることがアピールできれば通過できる」と話していました。
選考全体のポイントでも述べたように「なぜ公共放送(NHK)なのか」をはっきりと答えられるようにすると良いでしょう。莫大な制作費や番組作りへのこだわりなどの「NHKらしさ」を盛り込むのがおすすめです。
また「地方局で結果を出さなければ本社に配属されない」といった仕組みにも理解を示す必要もあります。
あらかじめ独自の昇進システムを把握している旨を伝えたうえで「NHKで働く理由」を示せるのがベストです。
2次面接&筆記試験・2.5次面接の選考基準:最大の関門! 適性が問われる倍率8倍の面接
2次面接は社員1人に対して学生1人の個人面接。30分程度の面接を2回行い、同時に論述試験も課されるそうです。過去には次のような質問がされました。
【面接】
・志望動機
・サークルの話
・最近気になったニュース
・そのニュースに対する問題意識、それを同番組作りに生かしていくか
など【筆記試験】
「通」に関連付いた内容の文章を800字以内で記述せよ※出典:NHK(日本放送協会)| 放送総合職 2020年卒 本選考の2次面接&筆記試験
NHKの2次面接は多くの学生が絞られるステップで、選考最大の関門といっても過言ではありません。内定者によれば倍率が8倍にも及ぶそうです。
選考通過のポイントは「番組制作者としての視点を持ち適性を示す」こと。「ニュースに対する問題意識を番組作りにどう生かすか」といった質問があることから、情報を「どのように切り取り」「視聴者に伝えるか」といった視点が問われている可能性があります。
ニュースに対する自分の意見を明確にし、伝える能力が重要です。自らの考えをまとめたうえで「NHKで制作する理由」を明確にし、番組作りのアイデアをアピールしましょう。
志望理由で示した「なぜ公共放送(NHK)なのか」といった内容も踏まえつつ、ロジカルに回答するのがおすすめです。
筆記試験は一貫した内容を論理的に伝えましょう。「主張→根拠→再主張」といった順序を意識すると、説得力のある文章作成が期待できます。制限時間も60分と限られているため、自分の意見を簡潔にまとめる工夫をするのが大切です。
事前にテーマに関する事柄をメモしておくだけでも、意見をまとめやすくなるかもしれません。
最終面接の選考基準:徹底的な深掘りに注意! 第一志望である強い意思を示そう
最終面接は役員レベルの社員4名と学生1人で行う個人面接です。過去には次のような質問がされました。
・志望動機
・作りたい番組のコンセプト
・その番組がなくても社会は困らないと思うんだけどどう思うか
など※出典:NHK(日本放送協会)| 放送総合職 2020年卒 本選考の最終面接
NHKの最終面接は最後までしっかりと選考を行います。意思確認の意味合いだけではないようです。
1つの質問に対して2~3回深掘りされるほど詰められる場合も多いようで、忍耐力が試されます。過去の面接やESの内容を振り返りながら、柔軟に回答できるように準備するのが重要です。
回答するときのポイントは「やりたくない仕事でも前向きにこなせる」とアピールすること。
地方配属からスタートし実力次第で本社配属される制度が根強いNHKでは、最初から希望の仕事ができるとは限りません。場合によっては地方勤務が続き、思い描いていたキャリアが実現できない可能性もあります。「目標達成のためならやりたくない仕事も全力でこなす」向上心の高さを示すのが大切です。
他社の内定状況についても深掘りされるのが最終面接の特徴。徹底的に質問され、志望度の高さを試されます。
実際に内定者が第一志望である旨を伝えたところ「なぜ1位なのか」「他の業界でもやりたいことができるのでは」と質問されたそうです。第一志望であるという強い意思を示しつつ「NHKであるべき理由」を説明しましょう。
おわりに
ここまで、NHKの本選考を突破するポイントをお届けしました。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
NHKの選考についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
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(Photo:apichon_tee/Shutterstock.com)