※こちらは2017年10月に公開された記事の再掲です。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、状況が変更する可能性もございます。
OB・OG訪問は就活において、志望企業への内定と関係性が深い重要な機会です。
「OB訪問って意味があるの?」「OB訪問って必要なの?」という声は例年聞かれますが、正しいやり方で準備をすれば、会社によっては高評価を受けて選考で有利になることもあります。
この記事では、メールでのお礼、待ち合わせ場所や日程の確認、やむを得ないキャンセルなどのやりとりから、質問の例や準備の進め方など、OB訪問が初めての方や「OB・OG訪問のやり方が知りたい!」と思っている就活生に向けて、役に立つコツを分かりやすくまとめました。
<目次>
●1. OB訪問が必要な理由:特に5大商社志望は必須
●2. OB訪問はいつから開始すべきか:ベストな時期は夏前
●3. OB訪問を成功に導く3つのコツ!〜事前準備と具体例〜
●4. OB訪問のツテがない人向け。コネを作る意外なやり方!
●5. OB訪問ができない人向け:人気の「OB訪問体験記」一覧
1. OB訪問が必要な理由:特に5大商社志望は必須
OB訪問は「正直めんどくさい。できればしたくない。」というのが本音の方も多いのではないでしょうか。しかし、結論から言うと、第一志望の企業から内定を獲得したい人は、OB訪問を積極的に行うべきです。その理由は、大きく分けて次の3つあります。
1. 選考が有利になることがある2. 志望動機の説得力が増す
3. 面接で社会人から高評価をもらえる話が分かる
「OB訪問に行く理由がいまいちわかりません。by慶應大学3年生【キャリア相談】」の記事で解説したように、三菱商事やトヨタ自動車といった一流企業では、OB訪問の回数と評価が内定に関係する可能性があるとされています。そのため、OB訪問は必ず行っておくべきでしょう。
▼関連記事はこちら
・OB訪問に行く理由がいまいちわかりません。by慶應大学3年生【キャリア相談】
1-1. 5大商社の内定を取るためにはOB訪問が特に重要!
一流企業の中でも、5大商社を受けるならOB訪問は必須だと言えます。
なぜなら、OB訪問をした人としなかった人では、面接時に話せる内容に非常に大きな差が出るからです。総合商社の仕事内容は「ラーメンからロケットまで」と例えられるほど、多岐にわたっています。そのため、具体的な仕事内容はどうしても理解しにくくなります。事業・業務内容をしっかりと理解するためには、人事だけでなく現場の営業社員などに質問することで、その企業の職場のリアルを知ることが重要でしょう。
また、志望動機で「社風に惹(ひ)かれた」とアピールする場合、他社や他業界を含めて何名ものOBの話を聞かなければ説得力が出ません。面接官から高評価を得るには、複数の社員へOB訪問をして自分の言葉で志望動機を語れるようにする必要があります。
以上から5大商社のへ内定を目指す人は、目的をもってOB訪問を行うことをオススメします。可能であれば、競合他社の社員や、複数の部署・職種の社員、異なる立場の社員へOB訪問をしておくと、入社した後のイメージも膨らませつつ、自身ならではの志望理由を明確にできるでしょう。
以下の記事では、5大商社のOB訪問を成功させるために必要なことをまとめています。内定を狙う人は、必ず確認しておきましょう。
▼関連記事はこちら
・三菱商事:【お礼メール必須?】三菱商事OB訪問の3つのポイント
・三井物産:【知的好奇心が強い人が多い?】三井物産のOB訪問で絶対押さえたい3つのポイント
・伊藤忠商事:【伊藤忠のOB訪問】社員1名:学生2名の説明会で分かる、伊藤忠社員の評判・社風とは?
・住友商事:【商社志望者必見】その堅実さを肌で感じる住友商事の社風や社員の評判を徹底解説!
・丸紅:【志望者必見】大規模な説明会でOB訪問ができる?丸紅のOB訪問攻略法
1-2. OB訪問を行うメリット
上述のとおり、OB訪問はインターンシップへの参加や内定に直結する場合もあるため、失敗することがないよう時間をかけてでもしっかり準備すべきです。また、OB訪問を行えば、業界研究や自己分析を深めるだけではなく「どのような話が社会人に評価されるのか」をテストできます。
自分の強みをアピールするために過去の成功体験を話したのに、「傲慢(ごうまん)さが出ている」と判断されては悲惨ですよね。大事なことは、学生目線ではなく社会人目線で評価される自己PRの方法を身につけることです。
OB訪問をうまく活用すれば、自己PRを磨くことで面接の通過率を上げることもできるので、特に志望度の高い会社の面接がある人は、積極的に行うべきです。
2. OB訪問はいつから開始すべきか:ベストな時期は夏前
OB訪問を会社説明会が解禁される大学3年(修士1年)の3月から始めているようでは、完全に出遅れています。社会人にとって期末であることの多い3月は最も忙しい時期の1つ。そのため、このような繁忙期にOB訪問をお願いすると、思いやりがない人だとネガティブに捉えられる可能性があります。第一印象以前にマイナスイメージを持たれないよう、時期には配慮すべきです。
さらに、「就活はカネと椅子の奪い合い。君は「採りたい学生リスト」に載っているか?」で解説しているように、一流企業は採用したい学生をあらかじめリスト化しているといわれています。
現場社員のOBや人事から優秀な学生としてあらかじめ認識されるよう、早い時期からOB訪問を開始することをおすすめします。
また、企業の社員から「今度、OB訪問に来ない?」と持ちかけられた場合、それはリクルーター面談の可能性があります。リクルーター面談とは、カフェなどカジュアルな場で行われる面談で、実質的には選考です。場合によっては、OB訪問として実施されることもありますが、内定や今後の選考フローに直結しているので注意が必要です。
詳しく知りたい人は、「リクルーター面談は怖くない!実施企業一覧と対策術」の記事をご覧ください。
▼関連記事はこちら
・就活はカネと椅子の奪い合い。君は「採りたい学生リスト」に載っているか?
・リクルーター面談は怖くない!実施企業一覧と対策術
3. OB訪問を成功に導く3つのコツ!〜事前準備と具体例〜
どれだけ親しい先輩がOB訪問の相手であっても、OB訪問にはきっちり準備していく必要があります。なぜなら、先輩も社員としてあなたのことを評価する立場だからです。あなたをその会社の採用担当者に推薦すれば、先輩にもそれなりに責任が問われることになるため、見極めは真剣に行われます。
そこで、OB訪問までに次の3つは必ず準備しておくべきです。
1. 志望動機・自己紹介を端的に話せるようにしておく2. 筋の良い質問リストを最低20個は用意しておく
3. 社会人として当然のマナーを身につけておく
どれも評価につながる重要な項目なので、しっかりと準備して臨んでください。ここからは、それぞれ順番に解説していきます。
3-1. 志望動機・自己紹介を端的に話せるようにしておく
基本的に、OB訪問ではあなたが聞きたいことを質問することになります。しかし、会話の中で「どうしてこの会社に興味があるの?」と聞かれることも多く、適切に答えられなければ、評価が下がる可能性もあります。大切なことは、OB訪問をする会社の志望動機や自分の強みを聞かれても即答できるようにしておくことです。
3-2. 筋の良い質問リストを最低20個は用意しておく
質問リストの作成は特に念入りにするようにしましょう。なぜなら、たった1つの質問でビジネスセンスや志望度を評価されるからです。準備不足のままOB訪問に臨むと、失敗して取り返しがつかないことになることもあるため、事前準備がすべてと言っても過言ではありません。ここでは、高評価につながる質問をするためのアドバイスを提示します。
評価につながる良い質問とは、「筋が通った質問」です。具体的には、次の2つを意識するようにしましょう。
・公開されていない情報についての質問である
意図と質問の背景、仮説をセットにするのは、社会人へ質問をするときの基本です。これができていなければ「何が聞きたいの?」「なぜ聞きたいの?」と疑問に思われてしまいます。また、自分で調べれば知ることのできる質問はしないように注意しましょう。
理想は、綿密な企業分析を事前にした上で、公開されていない踏み込んだ情報を聞く質問。これを行うためには、アニュアルレポートやアナリストレポートを分析するなど「社会人1年目レベルの事前準備」が必要です。
具体的な質問リストの作り方は、「【現役商社マンが指南】50名にOB訪問をされたから分かる、総合商社OB・OG訪問で好印象を得る質問の特徴」の記事で質問例とともに紹介しています。OB・OG訪問を有意義な時間にするためにも、ぜひ参考にしてください。
質問がうまくいかないなら……
「社内の雰囲気はどうですか?」といったような漠然とした質問をすると、回答も「グローバルだね」などと抽象的なものになります。
質問が漠然としていたり、仮説に基づいていなかったりすると、聞きたいことをうまく引き出せない可能性があります。
すでにOB訪問を開始していて「うまく質問ができない!」とお悩みの人は、「OB・OG訪問で「深い話」を聞くための質問テクニック3選【例文つき】」の記事で、詳しい対策方法を解説しているので、参考にしてください。
▼関連記事はこちら
・【現役商社マンが指南】50名にOB訪問をされたから分かる、総合商社OB・OG訪問で好印象を得る質問の特徴
・OB・OG訪問で「深い話」を聞くための質問テクニック3選【例文つき】
3-3. 社会人として当然のマナーを身につけておく
OB訪問ではアポイントの取り方からお礼メールまで、その所作やマナーが全て見られていると思って行動してください。
ここでは、次の3つに分けて注意すべきポイントを解説していきます。
・OB訪問前
・OB訪問当日
・OB訪問後
3-3-1. 訪問前に注意すべきポイント
OB訪問では、基本的にメールか電話でアポイントを取ることになります。いずれにしても、アポイントの日程を確認するメールも必要になります。初めてOB訪問をする際は慣れないと思いますが、メールでは失礼がないように次の4つに注意して連絡しましょう。
・宛名(会社名、部署名、相手の名前)
・件名
・本文
・署名(自分の所属、名前)
「【OB訪問等で使える就活メール例文集】お礼、面接日程変更/辞退、説明会キャンセルの連絡など」では、アポイントメールのフォーマットを掲載しているので送付するときの参考にしてください。
また、1週間以上前に質問リストをメールで送付しておくことも大切なポイントです。質問リストを送付することで、当日により深い会話ができるようになります。さらに、質問リストを送ってくる学生は少ないので、周りと差をつけることもできます。
3-3-2. OB訪問当日に気をつけるべきポイント
OB訪問当日は、特に次の4つに注意しておきましょう。
・時間を守る(遅刻しない)
・正しい敬語を使う
・業界外の相談をしない
・「どうしたらいいですか?」と質問しない
相手の貴重な時間をいただく以上、時間を守って遅刻しないのは当然ですが、話し方にも注意が必要です。相手が親しみやすい人でも自分からすぐに敬語を外してしゃべると、悪い印象を与えかねません。また、OBやOGが答えられない業界外のことを質問するのも控えましょう。
特に重要なのは「どうしたらいいですか?」と質問しないことです。質問を丸投げにすると、「自分で考えない人材」だと判断されてしまう可能性があります。自分なりの意見とセットで質問することが社会人のマナーです。
3-3-3. OB訪問後に気をつけるべきポイント
OB訪問が終わったら、当日中に相手へ感謝を伝えるお礼メールを送りましょう。社会人にとっては、お礼メールや報告を当日中に行うのが仕事を行う上での最低限のマナーです。
お礼メールで差をつけるなら、30分以内に次のことを踏まえてメールを送りましょう。
・訪問を受け入れていただいたことへのお礼
・カフェなどでごちそうになったことへのお礼
・話したことで学べたこと・役に立ったこと
・これからどのように生かすか
こちらも、「【OB訪問等で使える就活メール例文集】お礼、面接日程変更/辞退、説明会キャンセルの連絡など」のフォーマットを参考にすると必要事項の漏れが出にくくなります。
お礼メールを当日に送る就活生は多くいますが、30分以内に送る人はあまりいません。そのため、周りの人と差をつけたい人は「30分以内」に送ることを特に意識してください。また、お礼メールへの返信が来たら、必ず自分からの返信でメールを終えましょう。相手からのメールではなく自分からのメールで終えることがポイントです。
3-3-4. マナーは重要な社会人のスキル
マナーを守るのは、社会人として必要最低限の能力です。あまりにもひどい態度は、人事に必ず伝わります。失礼のないようにしましょう。
「要注意!社会人がウンザリする、学生にありがちなマナー違反5選」の記事では、そのほかにも就活生が失敗しがちな深刻なマナー違反を解説しています。今まで社会人と関わる機会が少なかった人は、必ず読んでおきましょう。
▼関連記事はこちら
・【OB訪問等で使える就活メール例文集】お礼、面接日程変更/辞退、説明会キャンセルの連絡など
4. OB訪問のツテがない人向け。コネを作る意外なやり方!
OB訪問のツテは大学のキャリアセンター、サークル・学部・部活の先輩、ゼミ・研究室の教授からの紹介などさまざまな方法で探すことができます。
それでももし、「ツテがなくOB訪問ができない!」と困っているなら、「【OB訪問】ツテの見つけ方とやり方を徹底解説!質問内容のメール送付が鍵!」を参考にしてください。
この記事では、全くツテのない状態から、会社説明会や合説などのイベントやアプリを使って連絡先を手に入れ、OB訪問を実現したテクニックを解説しています。基本的な考え方は、紹介してもらうことでコネクションをつないでいくこと。1人でも社会人とつながることができれば、志望企業の社員へのOB訪問も不可能ではありません。
▼関連記事はこちら
・【OB訪問】ツテの見つけ方とやり方を徹底解説!質問内容のメール送付が鍵!
5. OB訪問ができない人向け:人気の「OB訪問体験記」一覧
時間的な問題や地理的な問題で、「どうしても」OB・OG訪問ができない場合は、ワンキャリアの「OB訪問体験記」を参考にしてください。この体験記では、大学生の目線で一流企業の社員に対して志望動機や仕事内容、実際に経験したこと、持っている価値観などを質問しています。
OB訪問を予定している人も、これらの記事を読んでおけば、OB訪問の雰囲気や上手な質問の方法が学べるはずです。ぜひ参考にしてください。
▼人気の「OB訪問体験記」一覧
・商社:「商社でも意外と裁量権あるじゃん!」みやけようのOB訪問体験記 Vol.1
・広告:「広告代理店において“引き出しの多いミーハー”は最強」みやけようのOB訪問体験記 Vol.7
・外資メーカーA社:「経理部門の仕事は『目標』と『目標までの道筋』を示すこと」みやけようのOB訪問体験記 Vol.16
・外資メーカーB社:「外資系メーカーのマーケティングに大切なのは発想力ではなくコミュニケーション力」みやけようのOB訪問体験記Vol.26
・外資メーカーC社:外資メーカーから外資コンサルへ転職者にOB訪問:「右脳寄りのマーケター、左脳寄りのファイナンス」みやけようのOB訪問体験記Vol.29
・外資IT:「やりたいことならやっちゃってください、ただし本業の広告営業もちゃんとやってね」:みやけようのOB訪問記Vol.21
まとめ
以上、就職活動におけるOB訪問について解説しました。
OB訪問は、会社によっては内定に直結する重要な機会です。企業研究を深めるだけでなく、高評価であれば人事から選考が有利になるルートを紹介されたり、エントリーシート(ES)や面接での志望動機に説得力がついたりと、選考にも少なからず影響を与えます。
さらに、しっかりと準備をしてから臨まなければ、適切な質問ができなかったり、マナー違反をしたりと、知らず知らずのうちに選考が不利に進んでしまう可能性もあります。
第一志望の会社から内定をもらいたい人は、遅くとも大学3年(修士1年)の夏までにはOB訪問に取り組めるように、準備しておきましょう。
▼このカテゴリーの他記事はこちら
・【OB訪問】ツテの見つけ方とやり方を徹底解説!質問内容のメール送付が鍵!
・OB・OG訪問の質問で「深い内容」を聞く方法と例&質問リスト50選
・リクルーター面談は怖くない!実施企業一覧と対策術
▼選考対策総集編記事一覧
・【26卒向け】インターン/就活はいつから?スケジュールと準備の進め方
・OB・OG訪問とは?就活でOB・OG訪問が必要な人、しなくていい人
・志望動機の書き方と例文集|人気8業界のES通過例文 と王道の回答例
・【自己PRの書き方】ESで強みを効果的にアピールするには?新卒採用担当の目線と内定者の回答例から解説
・【面接対策】質問集&回答例|新卒就活でよく聞かれることと準備方法
・【自己分析のやり方】たった4通り!簡単にできる方法・ツール・シートを解説
・【業界研究:34業界収録】めんどくさい業界研究は全て任せろ!金融/商社/不動産/メーカー/広告/コンサルなど人気業界/企業を徹底比較
・【Webテストとは】主要9種類を網羅!適性検査の特徴、対策本、出題企業一覧
・グループディスカッション完全対策!全テーマの進め方/コツや役割を網羅的に解説
・ケース面接対策&例題|コンサル・日系大手も出題!ゼロからの始め方
・ESの書き方&例文集|エントリーシートの基礎から質問別/業界別の回答例まで完全対策