就活の軸は「やりたいこと」+「ワークライフバランス」だった
私は自己顕示欲が強い。楽しかったことはSNSにすぐあげるし、できればたくさん「いいね」が欲しいタイプの人間だ。そんな私が仕事にしたかったのは、携わった商品をできるだけ多くの人に知ってもらう、広報の仕事だ。
とはいうものの、仕事を選ぶ上で最も重視したのはワークライフバランス。暇さえあればすぐ体調を崩す虚弱体質なので「深夜まで仕事」はしたくないし、仕事以外にも執筆活動や遊びなどやりたいことが山ほどあったので、土日はしっかり休みたいと思っていた。それに先輩たちが仕事に忙殺されている姿を見て、あれでは何のために働いているのか分からないと思ったのだ。
思ったよりも生活がカツカツ
就職活動時の狙い通り、ほぼ残業のない、超ホワイトな会社に就職した。
しかしながら当たり前だが、残業がない分思った以上に手取りが少ない。1年目は仕方がないと言われるが、初任給(基本給)は平均以上なはずなのに、残業代を稼げないと他の会社に勤めている友人より手取りが低かったりする。
しかも噂には聞いていたが、税金って馬鹿みたいに取られる。税金の無駄遣い系のニュースを聞くと死ぬほどむかつく。こんなか弱い小娘から月々何万もぶん取っといてふざけんな日本!
そして極め付きは独り暮らしの出費の多さだ。月々10万円程が家賃やら光熱費で消えていくシステム。ファックザソサエティー。自立して生きていくって想像してたより金かかる。今まで育ててくれた両親に感謝が止まらない。
広がる周りとの差、理想との大きなギャップ
商社に勤める友人は私の先輩達の例に漏れず、「仕事に忙殺される日々」を送っている。朝は始業の2時間前に出勤し、毎日残業もして、仕事が終わらないといって休日にも会社に行っている。そんな彼と私の、月の手取りの差は2年目でなんと10万円。働いている分当たり前ではあるが、残業がしたくてもできない私にとってはむず痒い差である。
商社以外にも、金融やコンサル系は概して手取りが多い印象だ。彼らは、「給料が下がったとしても、もっと自分の時間が欲しい」と言っているが、終業後には綺麗なお姉ちゃんとおしゃれなレストランで食事し、その腕には高級時計。
一方、生活もギリギリな私はコンビニでデザートを買うのも躊躇している。
大学生の頃は、社会人になったら好きなもの好きなだけ買えると思っていたが、そんなものは幻想でしかなかったのだ。雑誌に丸つけた服は1着も私のクローゼットに入らない。そこにあるのはユニクロとGUの洋服たちだけだ。
お金がないことで陥る苦悩の数々
そうなってくると、段々毎日ただ働くために起きて寝て、ただ生きるために働いているような気になってくる。せっかくのアフター5も遊びに出掛けるわけにもいかず、会社と家の行き来。だけど仕事を辞めるなんて絶対にできない。家賃や光熱費を払わなければいけないのだ。
遊びに誘われてもお金が掛かりそうな事だと断ってしまう。後輩との飲み代を全部持つなんて到底無理! あゝなんてツマラナイ人間になってしまったのだ。
私は私生活を充実させたくてこの会社を選んだのではなかったのか! 仕事が面白いのだけが唯一の救いだが、ときどき一体何のために働いているのか分からなくなる。
とにかく給料が高いに越したことはない
と、ここまでお金がないことがいかに辛いことかを説いてきたが、私は断言したい。とにかく給料が高いに越したことはないのだ。お金さえあれば素敵な服を着てオシャレな食事をして「イイね」ももっと稼げる! いや、そんな自己顕示のためだけではない。好きなものを買ったり、好きな所へ行けることは人生を、心を豊かにする。それに仕事が辛くてもそれなりのお金をもらえていたらしょうがない、と日々の忙しさにも納得感も得られる。
そしてお金を稼ぐということは将来のためでもある。もちろん今に投資することも大切だが、何かあったときのため貯金は多いに越したことはないのだ。
将来、家庭を持つことを考えればそれなりの貯金と稼ぎはマストになる。
若いうちにガッツリ働け
仕事とはお金を稼ぎ、ついでにスキルを得るものだ。1にも2にも大切なのはお金なのだ。もちろんやりがいも大事だとは思うが、学生時代に考えていたキラキラした「やりがい」なんて滅多に感じられるものじゃない。実際日々感じられるやりがいなんて「うまく交渉できた」「素早く処理できた」そういった小さなものだし、やりたくなかった仕事でも実際携わってみれば達成感を味わうことができる。もうそんなどこにでもあるチンケなやりがいなんかより、稼げた方がよっぽど幸せになれるのではないだろうか。
説明会でへなちょこで意味のない質問ばかりしているのなら、20代の平均年収を聞いた方がよっぽどためになる。聞きづらくても自分と将来の家族のためにガンガン質問すべきだ。世間で平均といわれている会社でも現実は厳しい。いい生活がしたいなら1,000万プレーヤーを目指して就職活動をしてほしい。
若人よ、体力のあるうちに、ガッツリ稼いで稼ぎまくって幸せな余裕ある人生を歩んでくれ!
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