こんにちは。私は出版社で編集者として数年勤務後、過労で倒れた経験を持つ、ニャート(ペンネーム)と申す者です。(個人ブログ「一橋を出てニートになりました」)
今日は、「就職活動時にこういった観点があれば、女性として、もっといいキャリアライフが送れたかもしれない」と思うことをお話ししますので、反面教師にしていただければ幸いです。
就職活動時に「キャリア」と「出産・育児」の優先順位を考えるのは避けて通れないこと……のはずだった
女性が働く上で、避けて通れないのは、「キャリア」と「出産・育児」 の優先順位を考えることです。結婚しないから考える必要がないと思う人も、その時点で「キャリア」を最大優先すると考えていることになります。
……恥ずかしながら私は、就職活動時には上記の観点を持っていませんでした。「本が作りたいから出版社に入りたい」という単純な気持ちだけで、出版社に入ったのです。
ですが、入社した出版社では、激務で体調を崩す女性や、「キャリアのためには結婚する余裕などない」という女性、結婚はしたけど子どもを産む余裕のない女性、子どもは産んだけど仕事との両立に苦しむ女性、育児と仕事を両立してきたのに花形部署から異動になり「差別されている」と嘆く女性など、さまざまな女性がワークライフバランスについて悩むのを目にしました。
そして、自分自身も過労で倒れ、当時交際していた人と別れることになりました。
そのため、「何を犠牲にしてもこれをやりたい!」という確固たるものがない女性、つまり「キャリア」を最大優先する!と決断できない女性は、就職活動の前に「キャリアと出産・育児のどちらを、どんなバランスで優先したいか」を考え、そのバランスを実現できる会社を探した方が幸せになれると思っています。
時短勤務の28歳公務員ママVS元リクルート最強の母
皆さんにそのことを考えていただく上で、参考になる記事がありましたのでご紹介します。
・東洋経済ONLINE「喝!ワーママは「特権階級」ではありません」
この人生相談では、育児のために昼まで勤務の28歳公務員ママの下記の悩みに、「元リクルート最強の母」(現ACT3社長)の堂薗さんが激辛な回答をしています。
まず、公務員ママの悩みからみていきましょう。
28歳公務員です。採用1年目で結婚・妊娠し、2年目に入った夏に産休に入り育児休暇を1年半取りました。その後、育児時短勤務という形態でお昼まで勤務をしています。経験は浅いですが、やってみたい仕事がいろいろありキャリアアップしたいです。しかし、時短勤務だからという理由でプロジェクトに参加できないことが何度もありました。
「肩身だけでなくチャンスも狭く、劣等感を感じる」by公務員ママ
一般的に、出産適齢期は20代といわれ、働く女性なら「いつまでに産むか」は非常に気になるポイントです。早めに産んでおきたいというのが女心でしょう。
かといって小さい頃から「男女平等」で育ち、仕事でも女性だから、出産・育児があるからときっぱり諦められる生き方はしてきていません。公務員ママは経験が浅く、かつ仕事に掛けられる時間は少なくとも、スキルアップを前向きに考えています。けれども、そうはいかない現状があります。
公務員ママは、会社への改善要求というより、自分のキャリアへの不安を募らせているのではないでしょうか。
「キャリアを積むなら断然独身」by最強の母
対して、回答者の堂薗さんは、元リクルートで、35歳で第1子、育児と激務を両立しながら38歳で「リクナビ派遣」編集長になり、41歳で 第2子を出産した「最強」ワーキングママです。現在47歳。
その堂薗さんは、Aさんの相談への感想をこう述べています。
キャリアが積めなくて悩んでいる28歳女性、とのことですね。
……っていうか、そういう状況になって当たり前じゃないの、それ?って思ってしまうんですよね。
そして、時短社員の評価は難しく、「個別に判断すべき」問題であると断った上で、このように述べています。
「短い時間で生産性を高めながらキャリアを積む」ということは、あなたが思うよりずっと難しい。世の中のワークライフバランスに悩む人たちが、その事情が育児であれ介護であれ、みんな悩み苦しみながら取り組んでいるテーマです。勤務歴が短く基礎になるキャリアもほとんどなく、周囲の半分の時間で働くあなたには、働くということにいったいどれほどの覚悟がありますか? あなたの2倍働く「独身」で「制約のない人」たちは、どれほど努力し、勉強して仕事に取り組んでいるか、理解しようとしていますか? もし本気で仕事を通じて成長したいのであれば、「肩身だけでなくチャンスも狭い」なんて言っている場合ではないのではないでしょうか。
最強の母の世代のバリキャリ女性は、「キャリア」を選択し必死に生きた人たち
公務員ママは、身体的には理想的な時期に出産し、退職を迫られることもなく、長めの育休を取り、昼までという特例的な時短勤務を許可されています。
私も多くのワーキングママを見てきましたが、公務員ママは「勝ち組」といっていいほど恵まれており、その環境を羨ましく思う人も多いでしょう。
特に、皆さんの先輩にあたるであろう30~50代の女性は、キャリアのために結婚・出産を諦めた人、または最強の母のように、キャリアを積んだ後にいわゆる高齢出産と呼ばれる年代で出産し、育児と仕事を必死に両立してきた人が多いです。
就職活動のタイミングで「キャリア」を優先する!と決断した女性が多いのです。
公務員ママの世代は、「キャリア」と「結婚・育児」の両立が不用意に身近になっている?
このように、同じ女性、同じワーキングママでも、世代によって大きな意識の差があります。
この差は、現代の日本社会のスローガンと実態が解離していることにあるのかもしれません。先ほど述べたように、「男女平等」の教育の下で育った上に、「少子化対策のために、女性が育児と仕事を両立できる社会に」という考え方が世の中に溢れています。それは少子化を解決するために必須の考え方です。しかし、残念ながら現在の日本はそのような状況ではないといわざるを得ません。
女性が就職活動のタイミングで「キャリア」と「出産・育児」のバランスを考えなければならないという現実は変化していないのです。
どこまで考えて選択したのかは分かりませんが、結果的にはキャリアを積むことより出産適齢期を優先した公務員ママ。当分の間はキャリアを諦めざるを得ないのかもしれません。
両立させるなら計画的に。「どの年代にどちらを優先するか」を考えておく必要がある
一方、キャリアを積んでから出産する場合は、うまく妊娠できればいいですが、不妊に苦しむ人も多いのです。
だから、2つを両立させたい場合は、「どの年代にどちらを優先するか」を考えておく必要があります。
「23~28歳で5年程度キャリアを積む。28歳から妊活を始め、30歳までに出産できるとうれしい。30代前半は育児を優先(婚活は就活終了と同時に始める)」など、大まかでいいので考えておきたいところです。
もちろん、育児に興味はないので、子どもは産まずにキャリアを邁進する、という考え方もあります。ですが、周りを見ると、30代後半まで仕事に没頭してきたのに、なぜか40前後になると結婚・出産がしたくなり、その年代から焦り出す人もいます。
だから、キャリアのみを選択する場合も、「32歳くらいに一度人生について考えるタイミングを持つ」と決めておいた方がいいでしょう。
計画通りに進まないからといって焦らない。幾分は成り行き任せで
就職活動前に、上記を考えることは非常に大切です。
ですが、人生は何が起きるか分からないため、計画通りに進まないからといって焦ってはいけません。
バランスが難しいですが、見通しと対策は考えておいて、幾分は成り行きに任せて良い波に乗ることも大切ですので、その辺りは見通しを随時修正しながら、偶然の出来事を楽しめるようになりたいものです。
その上で、ご自身が考えた「キャリア」と「出産・育児」との両立のために、最もいい環境となるのはどの会社か、という観点で就職活動をするといいと思います。
育児のための制度は整っていても、利用者への現場の風当たりが強い会社もあります。その辺りは、OG訪問などで生きた情報を集めてください。
まずは、上記のAさんと堂薗さんだったら、皆さんはどちらの働き方を望むのかという点から考えてみるといいでしょう。
▼女性のキャリア:オススメ7選▼
【一般職女子】
・【一般職って、こんなにスゴイ】キャリアに悩む女子が知っておくべき一般職の3つの新常識
・【就活最前線】なぜ今、トップの慶應女子は総合職を蹴り、商社の一般職を目指すのか?
【就活ラブ】
・お持ち帰りに要注意?!女子大生×社会人『就ラブ』の魔力:「就活で大切なことは全て合コンが教えてくれた」Vol.4
・総合商社大研究!モテ度は?違いは?社員に聞けない秘密を徹底解明 ・【企業別合コン男子マップつき】一般職女子ってどんな生活してるの?「年収は総合職より上」「合コンは週1回」赤裸々な実態 【女性のキャリア選択】 ・キャリアも結婚も欲しいなら「ゆるキャリ」「下方婚」を視野に入れよう!〜女子就活のススメ〜 ・時短勤務の28歳公務員ママVS元リクルート最強の母