こんにちは、雨月カレンです。「新聞社、潰れるんじゃないの?」「テレビとか見ないし~」「本とか全然買わないし、読まない!」……という声も聞きますが、なんだかんだ「楽しそう」「華やか」「いろいろな人に会える!」といった(不純な)理由でマスコミ業界を目指す人は多いようです。今回は、マスコミ業界の「今」をざっと説明しながら、どんな人がマスコミに向いているかを解説していきたいと思います。
1. 体力のある人(肉体的な意味でも、知的な意味でも)
まず、今メディア業界は「高齢化」に喘いでいます。大手の平均年齢は40歳を優に超えているのではないでしょうか? とはいえ、若い人をたくさん採れるほど業績は良くないので、慢性的な人手不足です。特に、若手は入社したらどこの部署からも引っ張りだこ。いいように「使われる」ことも少なくありません。「どうやったら、若い人が興味を持ってくれるかな?」「どっちのデザインがいい?」……年功序列のくせにフェアじゃないと思いながら、大量のタスクを日々こなす日々が待っています。「ネタをとってこい!」と言われて、永遠と大臣の家の前に立つ……なんてことも報道の現場ではザラにあるので、肉体的な体力も必須です。
マスコミ業界の本当の「面白さ」に触れたい人は、正直「ワークライフバランス」とかありません。日曜日に、彼女とデートをしていて「あ、面白い」と思って入った店が次の企画につながるというような場合もあり、仕事と日常を切り離すことはできません。そもそも、多くの部署で、拘束時間が長い職場です。9時5時勤務などを考えている人は、メインの部署ではなく「経理」などに行くのが良いでしょう。
好奇心旺盛な人(常にポジティブシンキング)というのも重要なポイントです。自分が全く興味のないものを「仕事」で扱うことも多々あります。加えて、目の前の取材をこなせば良いだけではなく、背景も勉強しなくてはいけない場合もあるのです。ときには、自分の時間を削って関連書籍を読んだり人に会ったりする必要があります。「つまらない……嫌い」ではなく、「どこかで自分の役に立つかも」などと、ポジティブに物事を捉えられる人に向いています。
2.「嫌われる勇気」を持っている人
基本的には、八方美人にはつらい職場です。もちろん、「八方美人」ができればベストなのですが、無理です。いろいろな企業や人から「今度取り上げてください」などなど言われるワケです。全部に耳を貸していたら切りがありません。ときには、電話が掛かってきても「いないふり」をすることも。また、毎回「好意的に」取り上げられるわけではなく、批判的に書かなくてはいけないことも多々あります。
そうしたときには「信じていたのに!」などと文句を言われることもあるわけです。自分で批判的に取り上げたときはまだしも、同じ会社の別の部署が批判的な報道をしたせいで、自分も「悪者の一味」とされることもあります。「ま、いっか」くらいの気持ちでやっていないと、精神が病みます。
3. 忘れることができる人(バカなふりができる)
「嫌われる勇気」にもリンクするのですが、喧嘩していた相手でも、いざとなったら「いや~お元気ですか?」なんて白々しく連絡をせざるをえなきゃいけない場合もあるわけです。「お前、どの面下げて電話なんかしてんだ、この野郎!!」と罵倒されたとしても、「あぁ、その際は本当に申し訳ありませんでした! 今度、ご飯でも行きませんか?」とバカっぽく振る舞うのです。ちなみに、「バカな振り」というのはかなりポイントです。本質的な意味で「バカ」だと仕事にならないのですが、「バカ」と思えば相手は油断をして話を話してきます。社内でも社外でも、です。いろいろなことに首を突っ込むことが仕事の一部なので、「何でなのですか?」「教えてください!」と純粋に聞く力が必要でもあります。
クレーム対処の経験が体力アピールになる!
続いて、こうしたポイントを面接でどう見せることができるかを伝授します。この3つのポイントの中でも一番アピールしやすいのは1つ目「体力のある人」であることを示すことです。
周りを見ていても、「アルバイトでクレーム対処をしていました」など、粘り強さや体力(知的な意味でも)を必要とする経験を持っているということが手っとり早くアピールする素材になっているようです。あとは、「最近〇〇の映画を見たのですが」「△△という書籍にもありましたが」と、面談やグルディスの中で時事ネタに触れるのも効果的です。特に、テレビ志望ならテレビ以外のメディア、新聞社ならテレビなどと志望媒体プラスαの媒体の話もできるようにしておくと、知的好奇心の意味で大きな差別化になります。
「一生もの」の人脈を身に付けることができる
「マスコミ業界は下り坂」といわれますが、下りきるまでにはまだまだ時間はあります。しばらくの期間だけでも、この「うまみ」を吸っておくのは悪くありません。また、「マスコミ」という業界で得た人脈は、一般の企業に勤めているのでは不可能な幅や希少価値になります。もちろん、仕事以外の面での付き合いとなると、その人の「人間力」が問われるわけですが、「一生もの」の人脈が付くことは間違いないです。興味がある人は、ぜひマスコミを目指してみてください。