こんにちは、外資系企業で勤めていたトイアンナです。
外資系企業というと一律して「実力主義」「リストラがある」「バリバリ働く」といったイメージがあるようですが、実際には企業の業態や本社の所在地によって大きく文化が異なります。日系企業と同じようにほぼ終身雇用を採用している企業から、生存競争が激しい実力主義のオフィスまでさまざま。
今回は外資系メーカーに興味を持っていただいた皆様に、受ける前に知っておきたいリアルな外資系企業をお伝えいたします。外資系メーカーに興味を持っていただいている皆様はもちろん、今まで外資系メーカーを視野に入れることがなかった皆様にとっても、意外な魅力を感じるきっかけになるかもしれません。
<目次>
●外資メーカーの社風で共通する特徴
●外資メーカーの社風の比較:本社所在地による違い
1. アメリカ系:「ハードワークの実力主義」
2. ヨーロッパ系:「まったり安定志向」
●外資メーカーの社風の比較:業種による違い
1. FMCG(消費財)
2. IT
3. BtoB(法人向け製品販売)
2. ラグジュアリー
●外資メーカーの社風総まとめ
●より深く知りたい方へ:転職サイト/インタビュー/OB・OG訪問のすすめ
外資メーカーの社風で共通する特徴
まず、どの外資系メーカーでもおおよそ共通している点についてご紹介します。
結論として、
「男女平等」
「営業・マーケティングは忙しく短期スパンで出世できるが、製造管理部門・人事は長期スパンでじっくりとキャリア形成を行える」
という点が外資系メーカーの特徴です。
外資系全般にいえることではありますが、メーカーでも男女で出世が差別されることはほぼなく、女性が活躍している会社が目立ちます。また、一般にフロントと呼ばれる営業やマーケティングなど取引先や消費者に接する業務は忙しい代わりに昇給スピードも速く、「バック」と呼ばれる製造の管理や人事などは「長く働く」ことを目的にフロントサイドに比べると比較的緩やかに出世や成長をしていく企業が多いようです。
ここからは「本社の場所」や「業種」による違いに着目して業界をご説明します。
外資メーカーの社風の比較:本社所在地による違い
アメリカ系:「ハードワークの実力主義」
アメリカを本社に持つ企業は一般的に「コテコテの外資系イメージ」に近い社風を持っていることが多いようです。
企業例:P&G Japan/ジョンソン・エンド・ジョンソン/スリーエムジャパン/デュポン/日本マイクロソフト/日本IBM
ヨーロッパ系:「まったり安定志向」
ヨーロッパを本社に持つ企業は、アメリカよりも「効率的に働いて、早く帰る」ことを大切にします
もちろん企業の売り上げも大切ではありますが「妻がインフルエンザになったので今日は休みます」などあくまで家族・友人が第一という主義。その分昇進スピードや昇給スピードはアメリカ企業より遅いかもしれませんが、日系メーカーを受けるような方とも相性がいいのが、欧系メーカーです。
企業例:ユニリーバ・ジャパン/ネスレ日本/日本ロレアル/LVMHグループ(ルイ・ヴィトン モエヘネシーグループ)/アストラゼネカ
外資メーカーの社風の比較:業種による違い
次に業種によって分かれる社風の違いについてご説明します。
一言で外資メーカーといっても「FMCG(消費財)」「IT」「BtoB」「ラグジュアリー」で大きく文化が異なります。日系企業の業種による差と同じです。
FMCG(消費財)
シャンプーや洗剤、飲料水に食品など日々購入される商品を扱うのが「消費財」メーカーです。
消費財は日本企業が非常に手ごわく、限られた売り場でのシェアを巡り苛烈な競争が繰り広げられています。競合が新製品を出したら対策案を1週間後までに通さねばならないなどハードワークになりやすい反面、投資の額も大きくダイナミックな経営手法を学ぶことができます。工場での管理部門はワークライフバランスがとりやすいようです。
企業例:P&G Japan/ユニリーバ・ジャパン/ネスレ日本/日本ロレアル/マースジャパンリミテッド
IT
パソコンなどのハードウエアから、Javaなどのソフト面までをカバーするIT業界は、一般にフレックスタイム制度の実施率が高く「11時出社、22時退社」のように自分のスタイルで仕事をしやすい傾向にあるようです。
また、外資系ITの1社である日本オラクルでは、東京労働局長から女性活躍を推進している企業として「えるぼし」認定3段階目を授与するなど高い評価を受けています。人事社員は「育児などのライフイベントと両立しながら働く女性社員も多く、社内にはママさん社員のコミュニティがあるほどだ」と語っていることからも外資系IT業界では自分のスタイルで仕事をしやすいといえます。
ただし、ITコンサルタントなど取引先の会社へプレゼンをしたり、新システム導入をする業務を担当する場合はまさに外資コンサルばりの働きを求められることも。
企業例:日本マイクロソフト/日本IBM/日本オラクル/日本ヒューレット・パッカード
BtoB(法人向け製品販売)
消費者ではなく、法人向けの製品を売るメーカーです。
あまり新卒では知る機会が少ないかもしれませんが、プラスチックの原料など大手外資が日本にも支社を作っています。会社により社風は違えども、日本で小規模に展開していることもあり日系企業のように伝統的な社風の会社が多いようです。
企業例:GEジャパン/日本サムスン/ジョンソン・エンド・ジョンソン/スリーエムジャパン/デュポン/ファイザー/アストラゼネカ
ラグジュアリー
車やリゾート、ブランドバッグなど高級品を売るメーカーです。
ヨーロッパ系が多いためにワークライフバランスが重視されており、また10年近く同じ製品を担当するなど製品に愛着を持てる人にはうってつけの業種です。百貨店など伝統的な日本の会社とのお取引が多いために伝統的な日系企業のスタイルに慣れている方が重宝されます。
企業例:LVMHグループ(ルイ・ヴィトン モエヘネシーグループ)/プラダジャパン/コーチ・ジャパン/フェラーリ・ジャパン
外資メーカーの社風総まとめ
外資メーカーの社風をまとめると以下の通りです。
・どの外資系企業にもいえるおおよその共通点は2点
男女平等 営業・マーケティングは短期スパンの出世型、製造管理部門・人事は長期スパンのキャリア形成型
・本社所在地での違い
米系:ハードワークの実力主義 欧米:まったり安定志向
・業種による違い
FMCG(消費財):ハードワークだが、ダイナミックな経営手法を学べる IT:フレックスタイム制度の実施率が高い BtoB(法人向け製品販売):日系企業のように伝統を重んじる ラグジュアリー:伝統的な日系スタイルに慣れている
より深く知りたい方へ:転職サイト/インタビュー/OB・OG訪問のすすめ
理解を深めるために、興味のある方は情報収集を進めていきましょう。
また、人数が少ないため見つけるのは難しいかもしれませんが、機会があればOB/OG訪問をすることで情報収集を怠らないようにしてください。
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