※こちらは2017年5月に公開された記事の再掲です
こんにちは、ワンキャリ編集部です。
ワンキャリの人気ライター、トイアンナ・KEN・熊谷 真士が学生の悩みに答える「就活道場」。
今回のテーマはこちら。
新卒として再就職したい企業はどこ?(どこでも入れる前提で)
・トイアンナ:3年いなきゃ不利なんてウソです。
・KEN:「最強の人は誰か」と考えたとき、「知恵があって、仲間を集められて、他者と比較しない自信がある人」と思った話
・熊谷 真士:ある種テキトウかつ情緒的かつロマンティックな理由
三者三様の答えをお楽しみください!
トイアンナ:3年いなきゃ不利なんてウソです。
トイアンナ:
大学を卒業後、外資系企業にて約4年勤務。600人以上の人生相談を受けた実績を基に独立。現在はマーケター、ライターとして広く活動中。
新卒として再就職したい企業はどこ?(どこでも入れる前提で)
結論から申し上げると同じ会社に入り、1年で転職したと思います。
今思えば、新卒の私はバカだったんです。企業説明会の言葉を真に受けすぎたんです。まさか採用の現場で真っ赤な嘘がまかり通ってるなんて思わないじゃないですか。でも、さまざまな会社で採用に関わっている方を見ると説明会はお遊戯会のようなもの、フィクションです。
手始めに3大・企業がつく嘘を暴露してみましょう。
<3大・就活で語られる採用にまつわる嘘>
【ダイバーシティへ取り組んでいる】
取り組んでいるだけで成果が出ているとはいっていない。「女性管理職数の増加を目指す」と言っている会社のほとんどは女性を管理職にできていないから目指すのだ。人口の半分いる女性でこうなんだから、LGBTQや外国人採用の現状は絶望した方がいい。
【〇時に帰れる】
【裁量権が大きい ≒ 短期間で成長できる】
(年に1度、上司との相性が良くてさらに根回しがうまくいったときは)〇〇時に帰ることができる。
いきなり大変なプロジェクトへ放り込む上に詳細のマニュアルは存在しないから、上司や周囲の人間に詰められながら頑張れ。
と、言葉にできない背景を察せられる人間だけが就活でいい会社を見抜けるのです。私はバカだったので見抜けませんでしたし、今でも自信がないです。
下手に説明会で真偽を判定するより「OB訪問させていただきたいんですが、夜だとお時間何時からがよろしいでしょうか」と質問したほうが確実な帰宅時間が分かりますし、ダイバーシティを知りたいならウェブサイトの役員一覧に女がいるか見れば良かった……と今なら思います。
その上でたまたまラッキーだった私はダイバーシティと裁量権がある会社へ入りました。もともと激務とはいわれていたので、そこもOK。ただし激務のレベルは事前に聞いていた量をかなり超えていたため、体を壊す前に辞職。
転職して18時に会社を出られる人生を知ったときは愕然としました。けれどその理想的な2社目に入れたのは新卒で入った会社のネームバリューがあったから。ですから、新卒時の企業へ感謝していますし、来来来世でもまた同じ会社へ入りたいです。
後悔しているのは踏ん張ってしまったこと。「無能だから辞めたと言われるのがムカつく」と社内で評価されるまで粘ってしまったんです。今思えば社内の表彰状とか社会でなんの役にも立たなかったわい。「もっと早く辞めてダイバーシティに裁量権、そして18時に帰れる権利を掴めばよかった」というのが率直な感想です。
新卒で入られるみなさんは「あっこの会社ハズレかも」と思ったらさっさと転職活動をしましょう。3年いなきゃ不利なんてウソです。むしろ第二新卒扱いになって人生やり直せます。人生何事も損切りはお早めに。
KEN: 「最強の人は誰か」と考えたとき、「知恵があって、仲間を集められて、他者と比較しない自信がある人」と思った話
KEN:
1987年生まれ。本名北野唯我。事業会社、コンサルティングファーム出身。学生時代にボランティア団体を設立・プロボノ支援等のソーシャルセクターでの活動経験を持つ。
新卒として再就職したい企業はどこ?(どこでも入れる前提で)
突然ですが、あなたの目の前に「お金があっても不幸な人」と、「お金がなくても幸せな人」の2人がいたとします。あなたは、どちらを目指したいと思うでしょうか?
私の答えはこうです。
「お金があっても、なくても、幸せな人」
その意味は、別にお金があってもなくても、「あんまり関係ない人がいい」ということです。私は社会人になってからニートを経験したため、「まったくお金がない辛さ」も知っている一方で、その期間で多くの人と出会った経験から「お金がなくても生きられる人の強さ」も感じてきました。
彼ら、彼女らは自由で、他者や環境に影響を受けない強さを持っていました。他人と比較するとか、見栄とか、嫉妬とか、そういう次元では生きていないのです。文字通り「自由」でした。
仕事が人生において大事なのは間違いありません。では、仕事が持つ大事な側面の1つである「お金を稼ぐ」ということは、一体どういうことでしょうか。それはシンプルに言えば「お金で買えるものの選択肢が増える」ということだと思います。私たちが車を買うのは「自分で作れないから」であり、そして「自分では、時速60kmで走れないから」です。あるいは、高級車で知られる、ポルシェやランボルギーニを私たちが買うのは「自分が歩いているだけでは、注目されない」からです。
すなわち、お金が必要なことというのは言い換えれば「自分でできないこと」なわけです。
ということは、そもそも仮に「自分でできないこと」がなかったとすれば、お金を稼ぐ必要はない、ということです。仕事をする必要はなく、「働いても、働かなくてもいい」ということです。そして、幼い頃の私はこの状態の人を「最強の人」と定義していました。
では、この最強の人であるためには、どんな技能が必要なのでしょうか。私が短い人生経験から感じた共通点は「知恵があって、仲間を集められて、他者と比較しない自信がある人」でした。私がもしも22歳であれば、この3つの技能を得られやすい仕事を選ぶと思います。
具体的には、職種や技能ベースで仕事を選びます。どんな時代でも存在する技能、「Leadership」を学べて、その上で「Sales」「Marketing」か、あるいは「Finance」「Business Development」あたりを若い頃に経験できる仕事をメインに選ぶでしょう。
企業名でいうならば、キーエンスや野村證券などの「Sales」が強い企業、または(結局)営業力やリーダーシップがどこよりも必要な「外資系の戦略コンサルティングファーム」でしょうか。実際に私が入社した広告代理店は「Web Marketing」か「Corporate Strategy」を学べるなら、選んでいたかもしれません。
以上、少しでも参考になれば幸いです。
熊谷 真士:ある種テキトウかつ情緒的かつロマンティックな理由
熊谷 真士:
京都大学→総合商社→ヘッジファンド/ライター。ブログ「もはや日記とかそういう次元ではない」を運営。
新卒として再就職したい企業はどこ?(どこでも入れる前提で)
難しい質問を頂き、有難う御座います。結論としては自分が新卒で入った三井物産という会社にもう一度入ると思います。(※入れてくれるのであれば)。これは、自分の場合単に「愛着」の問題な気がします。今自分は会社を辞めて3年くらい経とうという頃合いなのですが、未だに三井物産の人と仲良くしてもらっていて、そういう今自分が知ってしまった人達とやっぱりもう一度出会いたいからという、ある種テキトウかつ情緒的かつロマンティックな理由で改めて同じ会社を選びそうな気がします。(そして同じような人と関わりを持ってから、同じようにまた会社を辞めて、同じように今やってることをすると思います。)
ただ、これは他の会社と比べて「スキル」や「経験」の面でどうだから新卒は三井物産にする、というようなビジネス面での成長に主眼を置いた論理的な理由ではないので読んでいる学生の方は注意が必要です。お金を稼ぐことのみを考えた場合、いま学生になったら自分なら就職活動は全くしないと思います。それでも、もう一度同じように新卒入社の選択をするだろうと言ったのは、自分のこれまでの人生を肯定したいという無意識の本能が、新卒で三井物産に在籍していたことを知らず知らずのうちに正当化させているからなのかもしれません。
極端な例をあげますが、「今、自分が生命体として世界中のどの母親の元にでももう一度生まれることが出来ます。あなたはどの母親を選びますか? どの女性でもけっこうです」と神様に言われて、自分の実の母親を改めて選んでいるような感覚です。「私の実の母は経済的に〜で、教育が〜で、しつけが〜だから、このように良い」という論理的な理由なしに、何か、やっぱ自分のママってそれだけで可愛いし、好きだし、また理由なく選んじゃいません? 選んじゃいますよね? 僕は選んじゃうんですが、なんかそんな感じです。
あ、というかよくよく考えてみると、自分の場合、過去に戻ってどの小学校にでも入れるとしても自分がかつて在籍した小学校に入りたいし、どの中高でも良いと言われても自分がかつて在籍した中高が良いし、どの大学に入っても良いと言われても改めて自分の母校を選ぶような気がします。
ここまで来るともう、「もう一度人生を歩めるとして、どう生きますか?」と神様に聞かれて、「今まで自分がしてきた通りのことをもう一度します」と答えているのと同じですね。つまるところ、自分のこれまでの環境が他と比べて客観的にどうだったのかという話はさておき、身を置いた環境や自分の過去を、むりやり肯定的に捉えようとする力が強いだけなのかもしれません。つまり、え〜っと、あれ。そもそもいま何の話しをしてるんでしたっけ。もともとのテーマ何でしたっけ? ワケが分からなくなってきました。
従いまして、このあたりで終わります。
「就活道場」の記事一覧
・vol.1:学⽣のうちは遊んでおけっていうアドバイスは本当に正しいのか?
・vol.2:「やりたいことは仕事をやっていく中で見つけていこう」ってのは、実際見つかるもの?
・vol.3:いつも最終面接までいい感じで進むのに、最終で落ちることがよく分からない
・vol.4:新卒として再就職したい企業はどこ?(どこでも入れる前提で)
・vol.5:学⽣時代の期待が裏切られ、社会⼈になって最もがっかりしたことは何か。
・vol.6:幸せな家庭を作っている社会人と、そうでない社会人、どこに分かれ目があると思われますか?
・vol.7:就職せず、いきなり起業する学生についてどう思いますか?
・vol.8:結婚しないと昇進に響くか
・vol.9:中堅となると出世するしないが顕著になってくるが、交友関係はどうなるのか。
・vol.10:社会人1年目と現在との考えのギャップ。(e.g.将来のビジョン、働くモチベーション)
・vol.11:昇進する上で失敗せずにチャレンジするコツは?
・vol.12:大学時代に恋人を作れと先輩方に口を酸っぱくして言われるが、社会人の出会いはそんなに悪いものか?