こんにちは、ワンキャリ編集部です。
今回は東京ガスの本選考(文系職)を突破するポイントを解説します。インフラ業界の代表格である東京ガスは、関西電力やJR東海(東海旅客鉄道)などと並び非常に高い人気を誇ります。
東京ガスの文系職は主に5つの系統に分かれます(※1)。
●営業 - 家庭用
●営業 - 業務・産業用
●原料調達
●海外事業
●コーポレートスタッフ
この記事では、東京ガスについて選考対策の具体的なポイントをまとめました。選考前にぜひご一読ください。
<目次>
●東京ガスの社風
●東京ガスの本選考のポイント
●東京ガスの本選考のフロー
・1. エントリーシート(ES)
・2. Webテスト
・3. 1次面接
・4. 2次面接
・5. 最終面接
●おわりに
(※1)参考:東京ガス 新卒採用サイト「応募要項・採用実績」
東京ガスの社風:業界をけん引する「主体的な姿勢」と「自由なキャリア形成」
(1)海外事業・新規事業開拓に注力するチャレンジングな気風
ガス業界は、2017年の家庭用ガス自由化(※2)から、消費者が自由にガスを選べるようになり、事業者数が増えたことから競争が激化しています。そのため、現在シェア約40%(※3)と圧倒的な地位を築いている同社も、競争を勝ち抜くためエネルギー業界にありがちな封建的なイメージから、革新的な気風をはらんだものに大きく変わろうとしています。
今後は、国内事業だけでなく海外事業を強化し、天然ガス(LNG)供給におけるノウハウを活用して、需要の見込みがある東南アジアに各国の政府・企業と連携し、進出していく方針です(※4)。
また、これまで築かれてきた顧客基盤や事業を生かして、暮らしに寄り添った付加価値の高いサービスなどの新しい事業も展開しています。東京ガスでは、ガスと電気を契約すると使える「充実のサービス」を提供しており、その一部であるレシピ動画サービス「クラシル」の有料プランや、家族やガスの心配事を解消する「くらし見守りサービス」なども新しい事業の一環です。
(※2)参考:東京ガス「ガス自由化ってなんだ?」
(※3)参考:業界動向SEARCH.COM「ガス業界」
(※4)参考:東京ガス「東京ガスグループ 2020-2022年度 中期経営計画 P.9」
(2)配属の自由度の高さ、柔軟なキャリアステップ
東京ガスの強みは、ガスを海外から調達し、日本の各家庭や産業まで供給する一貫したバリューチェーンを確立していることです(※5)。入社後は、以下3つの職種のどれかに配属され、3~5年間でのジョブローテーション制度によりさまざまな職種を経験できます(※6)。
・営業(一般利用家庭やデベロッパーとの折衝):約5割(※)
・海外(海外の国有企業とのアライアンス、原料調達の際の折衝):約3割
・経理/人事(部門間を折衝):約2割
(※)……営業職には、一般家庭への営業、法人営業、技術営業など、幅広い種類があり、営業の部署内での移動もあるそうです。(内定者より説明会にて社員談)
ある内定者によると「海外でのガス輸入経路確保から家庭への営業まで、ガスの提供のさまざまなフェーズで携われた。そのため、ガスや電気の供給に対して、自分が役に立っているという介在性とやりがいを感じる」と社員が話していたとのこと(合格の秘訣より)。
東京ガスではガスを提供するさまざまな側面に関わることができる分、やりがいを感じながら働くことができるでしょう。
(※5)参考:東京ガス「数字で見る東京ガス」
(※6)参考:東京ガス 新卒採用サイト「職種と業務領域」
東京ガスの本選考のポイント:「逆境を乗り越える行動力」「思いやりのある人柄」「志望度の高さ」
(1)主体的に「何かに挑戦した経験」や「困難を乗り越えた経験」を語ろう
東京ガスは、前述したガス自由化や海外事業への注力を背景として、会社の事業としても社員としても挑戦的な姿勢を持った学生を求めていると考えられます。主体的に何かに挑戦し、困難を乗り越えた経験を語れると高評価が得られるでしょう。
実際にエントリーシート(ES)では「あなたがこれまでで最も挑戦したことは何ですか」という設問があり、面接でも「あなたはなぜ挑戦しようと思ったのか」と聞かれるなど、挑戦に対する積極的な意識を問われたそうです。また、ある内定者は面接にて、自ら主体的に行動した経験を複数のエピソードから語ったところ、そのチャレンジングな姿勢が評価されたとのこと。
このように、新たなことに自ら挑戦した経験や、サークル・ゼミ活動・バイトなどで自ら主体的に働きかけて困難を脱した経験を語れるようにすると良いでしょう(合格の秘訣より)。
(2)折衝役の営業職に必須の「人当たりの良さ」を示そう
ジョブローテーションのある東京ガスでは、大半の文系職は営業などの人と関わる職種を経験することになります。そのため同社では「人当たりの良い人材」が求められていると考えられます。
例えば、ある内定者は「内定者の多くに共通することはコミュニケーション能力の高さだった。ただ明るいだけでなく、人の気持ちを気遣える人ばかりだった」と語ります。このため選考では、エピソードと実際の面接に臨む態度の2面から人当たりの良さを示すと効果的だと考えられます(合格の秘訣より)。
(3)「東京ガスでやりたいこと=意志」を明確に語ろう
東京ガスは、理系職・プロフェッショナル職含めた全体の採用人数が150人であるのに対し、文系職の採用は25人と少数です。少ない内定者を選ぶにあたり、東京ガスの人事は「文系職の採用では、東京ガスで働く確固たる思い入れがあるかを重視する」と話しています。
選考では単なる志望理由だけではなく、「入社後何をしたいのか」や「なぜ東京ガスなのか」といった志望度の高さを測る質問を何度もされるそうです。やりたい仕事について熱く語ることで、東京ガスへの入社意志を示すことが大切です(合格の秘訣より)。
(4)インターンへの参加が重要。志望度が高い人は必ず参加しよう
事前にインターンに参加した学生の中で、特に優秀な学生には本選考への優遇(1次面接免除)があり、さらにインターンの実績が加点要素です。面接官にもインターンの実績を事前に共有されているため、インターンにて高い評価を獲得することができれば、選考においても大きなアドバンテージになるといえるでしょう。
選考フローは以下です。
【3パターンの選考フロー】
①本選考への優遇あり:動画選考→インターン(3days)→ES→Webテスト→面接→最終面接
②本選考への優遇なし:動画選考→インターン(3days)→ES→Webテスト→1次面接→2次面接→最終面接
③インターンへの参加なし:ES→Webテスト→1次面接→2次面接→最終面接
▼選考におけるポイントやクチコミを詳しく見たい方はこちら!
【合格の秘訣】企業概要・選考での評価ポイント
【クチコミ】説明会/インターン/選考の評判
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東京ガスの本選考フロー
東京ガスの本選考フロー(インターンへの参加・優遇なし)は以下の通りです。
1. エントリーシート(ES)
2. Webテスト
3. 1次面接
4. 2次面接
5. 最終面接
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. エントリーシート(ES):面接での深掘りに対応できるように一貫性を示そう
東京ガスの2021年卒のESは以下の通りです。
・働く上で大切にしたいこと(タイトル:20文字以内/内容:300文字以内)
・困難だった出来事(タイトル:20文字以内/内容:300文字以内)
・挑戦したこと(タイトル:20文字以内/内容:300文字以内)
※出典:東京ガス|文系2021年卒本選考のES
東京ガスのESは基本的な内容で、字数はあまり多くありません。全ての質問が面接でもされるため、最終面接まで使われるという意識を持って手を抜かずに書く必要があります。面接での深掘りに耐えられるESが作成できれば、以降の選考を有利に進めることができるはずです。以下のアドバイスを参考に対策を行いましょう。
設問(1)夢とキーワードを盛り込み、求める人物像を意識した回答を
設問(1)では、企業の求める人物像に当てはまっているかを見ていると推測されます。そのため、「東京ガスで成し遂げることができる夢」から落とし込んだ「働く上で大切にしたいこと」を書くと良いでしょう。
特に以下のようなキーワードを盛り込むことがおすすめです。
【東京ガスで成し遂げることができる夢】
・人々の生活を豊かにしたい
・なくてはならない存在になりたい
・生活全般をサポートする会社で働きたい
【働く上で大切にしたいこと】
・挑戦
・自らの働きかけ、主体性
・多くの人を巻き込む
・意志を実現すること
設問(2)折衝役としての立ち回りをし、困難を脱した経験を書くのがベター
業界の競争の激化に伴い、営業職種ではこれまで以上に、家庭への営業やガス輸入先との交渉で、会社と顧客の折衝役として活躍を求められるようになると考えられます。
そのため、本設問では「困難を乗り越えた経験」として、2つ以上の勢力が衝突する中で、自らがどのような立ち回りをして困難を乗り越えたのかを示し、入社後に活躍する姿を人事が想像できるようなESを作成しましょう。
設問(3)主体的に行動し、成果をあげた経験を示そう
東京ガスでは「新規の事業軸を持ちたい」「事業を拡大させたい」などの意識を持っており、主体的に行動して事業を拡大できるような学生を好む傾向にあります。
したがって、設問(3)では、学生時代の取り組みから上記のような主体性を示せると良いでしょう。学生時代の経験では「自身の主体的な行動から成果に結びついた経験」を話すことができるとベストです。読み手に伝わりやすいように、成果はできるだけ定量的に伝えることを意識しましょう。
・東京ガス|文系職種2021年卒本選考のES(例1/例2/例3)
2. Webテスト:スピードを重視し、解ける問題を確実に解こう
2021年卒の東京ガスのWebテストの形式は、自宅で受験できる玉手箱形式でした。所要時間は1時間30分程度で、出題科目は「言語」「非言語」「性格検査」の3つです。
玉手箱の特徴は「問題形式1種類につき複数問出題される」ことです。すなわちパターンをある程度把握すれば、あとは同様のパターンで解答できる問題ばかりが出題されます。1問にかけられる時間が短いため、スピードを保ちながら、正確な解答をすることが求められます。満点狙いに固執せず、解ける問題を確実に解いて、捨て問題を見極めることがキーとなるでしょう。
▼玉手箱形式について詳しく知りたい方はこちら
・【Webテスト対策:玉手箱】計数・言語・英語の問題例一覧!出題企業とおすすめ問題集も
・【SPI・玉手箱etc.】主要Webテスト9種類:問題形式の見分け方と対策本一覧
3. 1次面接:リラックスして好意的な印象を与えよう
2021卒の東京ガスの1次面接は社員2人と学生1人の個人面接でした。所要時間は35分程度で、以下のような質問がされました。
・ガクチカ(深堀り)
・ゼミで学んだこと
・挑戦した経験、そこから得た新しい学び、衝撃を受けたこと
・逆質問2つ
など
※出典:東京ガス|文系2021年卒本選考の1次面接
1次面接は穏やかで話しやすい雰囲気の中で行われ、基本的にはESの内容に沿って質問がされます。前もってESの内容をしっかりと詰めておけば、質問にも的確に答えられるでしょう。
また、1次面接では逆質問を求められる場合があります。逆質問を課す最大の理由は、志望度を測りたいという点が考えられます。企業や業界に対する知識の豊富さや関心の高さ、筋の良い質問ができるかで入社熱意を評価するのです。事前に自分で仮説を立てた質問をすることによって、高い入社熱意をアピールできます。思いついたものを質問するのではなく、具体的な質問を心掛けてみましょう。
逆質問の例は以下の3つです。
【逆質問例】
・面接官社員の何がモチベーションになっているか
・御社の社員として求められる資質は何か
・御社でやりたい仕事は何か
▼逆質問について詳しく知りたい方はこちら
・【就活:最強の逆質問】企業の採用面接で好印象を受ける質問例10選
4. 2次面接:「なぜ東京ガスなのか」複数の根拠で主張を固めよう
2021卒の東京ガスの2次面接は社員2人と学生1人の個人面接でした。所要時間は30分程度で、以下のような質問がされました。
・学生時代の経験(困難だったこと、挑戦したこと)
・周りからどのような人と言われるか
・東京ガスと競合他社と比較した時の優位性は何か
・働く上で大切にしていること
など
※出典:東京ガス|文系2021年卒本選考の2次面接
「入社後に実現したいこと・やりたい仕事」がメインで問われる面接
東京ガスの面接では、一貫して「入社後に実現したいこと・やりたい仕事」がメインで問われます。そのため、入社後実現したいことについて、どのような質問がなされても答えられるように万全の準備をして臨む必要があります。2次面接では、これまでの選考以上に鋭い質問も投げかけられるので、以下のアドバイスを参考に徹底した準備を行いましょう。
・「なぜそれが自分にできるのか」自己PRを兼ねた主張を心がける
・「やりたい仕事」については「なぜそれが自分にできるのか」を明確に述べる
「なぜ東京ガスなのか」は複数の根拠を持って納得させる
また、「なぜ他社ではなく東京ガスなのか」を明確に答えることを求められます。実際に「エネルギーの輸入に携わりたいなら、商社ではなくなぜ東京ガスなのか」「それがやりたいのなら、東京ガスよりも〇〇会社の方が良いのではないか」など問われている学生もいます。以下の例を参考に、東京ガスならではの魅力を整理しておくと良いでしょう。
・実際にOB・OG訪問などを行った際の社員の様子
・シェア1位の顧客基盤を生かし、さまざまなビジネスチャンスに携われること
・原料調達から販売までの一貫したバリューチェーンを持っていること
・生活全般をサポートできる会社を目指していること
5. 最終面接:思いを素直にぶつけて志望度の高さを示そう
2021卒の東京の最終面接は社員2人と学生1人の個人面接でした。所要時間は30分程度で、以下のような質問がされました。
・志望動機
・キャリアビジョンはどのように考えているのか
・学生時代に頑張ったこと
・どのような勉強をしていたか
・志望度はどのくらいか
など
※出典:東京ガス|文系2021年卒本選考の最終面接
最終面接は2次面接に比べてフランクな雰囲気で行われますが、内定者談では最終面接でも多くの学生が落とされていたそうなので、気を引き締めていきましょう。
最終面接では東京ガスへ入社したい気持ちを熱く語ることが重要です。1次面接から最終面接まで、「志望動機」や「入社後にやりたいこと」などを質問されているため、一貫して入社したいという熱意を確認していると推測できます。自分の思いを素直にぶつけるということを意識して臨むと良いでしょう(選考対策ページより)。
志望動機を効果的に伝えるには、以下の4点を意識しながら話しましょう。
1. 業界・企業で将来成し遂げたいことは何か
2. 1を成し遂げたいと思ったきっかけ
3. なぜ、他の業界・企業ではないのか
4. 入社したら何をしたいか
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おわりに
いかがでしたか? 皆さまの選考対策のお役に立てれば幸いです。
さらに詳しい「選考対策ページ」と「クチコミ」はこちらをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
【クチコミ】説明会/インターン/選考の評判
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