こんにちは、ワンキャリ編集部です。
サマーインターンの実施時期も間近となり、初めてのインターンに胸を踊らせている学生も多いのではないでしょうか。
ただし忘れてはいけないのが、「学生は評価される立場にある」ということです。とりわけ外資系企業で、インターン中に評価が高かった学生に内定に直結する面接の機会を与えたり、本選考で優遇したりするため、参加中は気が抜けません。
今回は17卒の「インターン失敗談」をもとに、インターンで犯しがちなミスとその対策方法をご紹介します。
インターン前から勝負は始まっている
就職活動における最大の学びの場であるインターンシップ。その参加において「何を学ぶか」という目的が明確か否かで得られる学びは大きく異なります。ある17卒の学生は「インターンに参加する目的を明確にせず応募してしまった」と自身の後悔を語ってくれました。
インターン参加の目的としては以下のようなものが考えられます。
1. 本選考への優遇
2. 会社についてより良く知ること
3. 就職活動が本格化する前の腕試し
目的を明確にすれば力を入れるべき点・注意すべき点がおのずと明らかになります。
次の項からは目的別に犯しがちなミスとその対策方法をご紹介します。
張り切りすぎて空回りしないように:本選考への優遇が目的
特に外資系企業のインターンに参加する学生の中には本選考での優遇やインターンからの内定を狙っている方も多いと思います。社員から高評価を得るために自分の能力をアピールしようと前のめりになりがちですが、張り切りすぎて空回らないよう注意が必要です。
「最低限の予備知識をインプットせずにインターンに参加した結果、全然周りについていけなかった(早稲田大学Bさん@外資系投資銀行インターン)」
「準備不足」は失敗談の典型例だといえます。とりわけ、外資系投資銀行や外資系コンサルのインターンでは、事前準備の有無がパフォーマンスに大きく響きます。例えば、外資系投資銀行における金融の知識、外資系コンサルのインターンでは課題解決のフレームワークなど、最低限の知識は事前に勉強していくことをオススメします。
外銀、外コンのインターンに参加する方は事前に以下の書籍に目を通しておくことをオススメします。
下記2冊は外銀IBD志望者に特にオススメです。
・実況LIVE 企業ファイナンス入門講座―ビジネスの意思決定に役立つ財務戦略の基本
下記は外銀マーケット志望者向けです。
・改訂新版 藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義 (光文社新書) Kindle版
外コン志望者は下記書籍を抑えておきましょう。
・ロジカル・プレゼンテーション――自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」
「選考の一環であることを意識しすぎ、自分を過度にアピールした結果、独りよがりの言動が目立ってしまった(東京大学Tさん@ベンチャー企業インターン)」
グループワークにおけるミスの定番として挙げられるのが、チームの中で目立とうとした結果、協調性に欠ける言動をとってしまうことです。
例として、チームメイトのAさんとBさんがそれぞれの意見で対立しているとしましょう。その対立を乗り越えるためには、どう発言するのが正解でしょうか。
1. 「Aさんの意見は△△という理由で、Bさんの意見は××という理由で間違っている。私の意見〇〇はその点絶対正しいと思う。」
2. 「Aさんの意見は△△という観点で面白い。Bさんの意見は××という点で非常に妥当性がある。ちなみに私の見解は□□だから、〇〇という結論はどうだろうか。」
一見どちらも議論を前に進める意見を出しているようですが、1と2はある点において大きく異なります。それは社員へのアピールを意識しすぎる学生が犯しがちなミス「論破」です。自分の能力をアピールしようとするあまりチームメイトのあら探しをしてしまうことを指します。
1では論理的に説明しているもののその実Aさん、Bさんの意見の否定です。チームメイトの誤りを指摘し、自分の意見の正しさを主張することは頭の良さをアピールすることになっているかもしれませんが、チームワークの点で大きな減点を食らいます。
意見の欠点に気づくこと自体は重要なことですが、全ての意見を正誤で判断し他人のそれを切り捨ててはいけません。欠点をどう補ってより良いアウトプットにつなげるかを人事は見極めていることを念頭に置きましょう。実際にTさんもインターン後に「最もチームに貢献した人が、最も個人としての評価を得られる」というフィードバックをメンターの方から受けたそうです。
「グループワークで闇雲に発言した結果、社員からの評価が得られなかった(東京大学Cさん@外資系コンサルインターン)」
グループワークで社員から高評価を得ることができるのは、発言量が多い学生ではなく、発言の質が良い学生です。
例えば、以下の表のように、「進める発言」や「まとめる発言」などが、質の高い発言であるといえます。
グループワークとなると率先してファシリテーターやリーダー役を買って出る学生がいます。しかし、某総合商社のインターンに参加した学生はメンターから「まとめ役が評価されるのではなくまとめる発言をする人が評価される」と言われたそうです。メンターいわく、役割分担はあくまで便宜上のもので重要なのは発言分担です。
グループ全体を見まわし、全員が積極的に意見を交わしているようならまとめ役、寡黙な人が多ければ進め役、みんなが一つの意見で一致していたらあえて疑問を投げかけてみる役、どれも重要な役割ですが、インターン期間を通じて一つの役割に徹する必要はありません。むしろグループ全体の状況を捉え、今必要とされる役割・発言は何かを考えながら議論に関わる学生が高評価を得るでしょう。
社員をフル活用する:会社についてより良く知ることが目的
企業にもよりますが、インターン参加の最大の醍醐味(だいごみ)は社員とコミュニケーションを取る時間がたくさん用意されていることです。会社についてより良く知るためにはこのメリットをフル活用しない手はありません。
「会った人の名前をちゃんと記録しておけばよかった(早稲田大学Bさん@損保インターン)」
インターン中に聞けないこと・インターン後に聞きたくなったことも少なからずあると思います。インターン中に交流のあった社員の方の名刺をもらっておけば、あとから連絡することも簡単です。インターン中なにかとお世話になるチームのメンターばかりと話しがちですが、他の社員との交流も深めておけば、OB訪問などを通じた情報収集はより一層やりやすくなるでしょう。インターンから日を空けて突然連絡を差し上げるのも失礼なので、インターン後は必ずお礼メールを送りワンクッション挟んでおくことをオススメします。
「グループワークに熱中しすぎて、聞きたいことを聞けずじまいだった(一橋大学Fさん@外資系投資銀行インターン)」
インターンの間はつきっきりでメンターがついてくれる。こんな恵まれた環境のインターンはごく一部の企業に限られます。多くの企業のインターンでは社員との接点が1日せいぜい数時間ほどしかありません。
この限られた時間の中で会社について知りたいことを聞くためには「計画性」が重要です。事前に聞きたいことをリストアップしておくのはもちろんのこと、インターン初日に配られるスケジュール表に目を通しだいたいいつ頃ならメンターに質問をできるかめぼしをつけましょう。グループワークの合間の時間、懇親会の時間などタイミングにより聞ける内容も異なるはずです。これらの情報を踏まえた上で、どのタイミングで質問するかを計画してからインターンに臨むと会社に関するさまざまなお話を聞くことができるでしょう。往々にして最終日前日、最終日は発表準備に追われ学生の心理状況的に質問が難しくなります。そのため、インターン序盤で聞きたいことをぶつけておくことをオススメします。
PDCAを回すことを怠らない:就職活動が本格化する前の腕試しが目的
腕試しが目的の学生の中には厳しい選考を突破してインターン参加の権利を得ることで満足してしまう人が少なからず存在します。自分の目標が最終的にどこにあり、インターンはその中でどういう位置づけなのかを常に認識し続けることがポイントです。
「インターンに参加しただけで満足し、全く反省しなかった(東工大Eさん@外資系コンサルインターン)」
インターンの最大の学びは「反省」にあります。どんな学生にもインターンを通じてできたこと・できなかったことがあるはずです。特に、腕試しとしてインターンに参加する方は、この学びを本命企業の選考で生かすためにはどうすれば良いかという反省は必須です。「このインターンでは〇〇はできたけど、××ができなかった。△△会社では××が選考突破の上で必須のポイントだから、この点を改善できるように気を付けよう」といった具合でPDCAを回すことが最終的な就活の成功へとつながります。
おわりに
いかがでしたか? 17卒の学生へのヒアリングを踏まえてインターンで犯しがちなミス6選をお届けしました。
ご紹介したミスを踏まえて、十分な対策をしてインターンに臨むようにしましょう。
※こちらは2016年8月に公開された記事の再掲です。