ベイン・アンド・カンパニー(ベイン)は外資系戦略コンサルでマッキンゼー・アンド・カンパニー(McK)、ボストン コンサルティング グループ(BCG)と並び「BIG3」と称され、圧倒的な存在感を誇っています。
今回はベイン・アンド・カンパニーの選考対策をお届けします。
エントリー前の最終確認にぜひご一読ください。
<目次>
●ベイン・アンド・カンパニーの社風
●ベイン・アンド・カンパニーの選考全体のポイント
●ベイン・アンド・カンパニーの選考フロー
・1. エントリーシート(ES)
・2. Webテスト
・3. 録画面接
・4. 2次面接
・5. 3次面接
・6. インターン
・7. 4次面接
・8. 最終面接
●おわりに
ベイン・アンド・カンパニーの社風
「結果」への徹底したこだわりで「True North」を体現
ベインの企業ロゴが意味するのは「True North(真の北を目指す姿勢)」、つまり顧客に真っ向から向き合い、真に正しい方向を示すという企業理念です(※1)。顧客に目に見える成果を生むことを至上課題に、純然たる結果主義を掲げています。
こうした結果主義の文化は社内評価にも現れており、「ネット・プロモーター・スコア(顧客のロイヤルティを図る制度)という独自のシステムを導入し(※2)、結果的にクライアントが満足したかを社内評価にも還元している」と、内定者は語ります。
厳しい環境ながら、全社員が高いモチベーションを維持できる環境が醸成されているといえるでしょう。
(※1)参考:ベイン・アンド・カンパニー「ベインの信条」
(※2)参考:ベイン・アンド・カンパニー「ベインのNPS®について」
▼ベイン・アンド・カンパニーの社風について詳しく知りたい方はこちら!
【合格の秘訣】企業概要・選考での評価ポイント
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ベイン・アンド・カンパニーの選考全体のポイント
高い論理的思考力を示せるか
コンサルティング業界の選考を突破する上で重要となるスキルの代名詞ともいえる「論理的思考力」は、ベインでも求められます。
ケース面接や、ジョブ中の社員とのやりとりなど、あらゆる場面で「構造化して話すこと」「結論を端的に先に述べること」を意識し、論理的に物事を考えていることを伝えましょう。
考え続ける思考体力があることを示せるか
一般的に戦略ファームの選考では、ジョブという複数日程にわたるインターンが課されます。
この形式のジョブでは、高い論理的思考力や周りとのコミュニケーション能力の他に、長時間思考し続けられる体力があるかどうかも重要です。
最後まで思考体力を落とさずにインターンをやりきるためにも、インターンに臨む際には、自分にとってベストなリフレッシュ方法を用意しておくことを推奨します。
成長意欲の高さを示せるか
ケース面接の選考では、2次面接の最後に社員から詳細にフィードバックをもらい、3次面接においてそのフィードバックの内容が改善されているか、細かく見られています。
実際に、選考に参加した2024年卒の学生いわく、「3次面接のシニアマネージャーの面接官に、2次面接からの改善を非常に褒められた」とのこと。また、インターンにおいてもメンター社員から「インターンを合格にした最大の理由は、成長意欲の高さをとても感じたから」と話されたそうです(選考対策ページより)。
面接やインターンにおいて、成長意欲の高さをアピールすることが選考通過のためには大切だといえるでしょう。
▼選考におけるポイントやクチコミを詳しく見たい方はこちら!
【クチコミ】説明会/インターン/選考の評判
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ベイン・アンド・カンパニーの選考フロー
2024年卒のベイン・アンド・カンパニーの選考フローは以下の通りです。
<インターン>
・1. エントリーシート(ES)
・2. Webテスト
・3. 1次面接(録画面接)
・4. 2次面接
・5. 3次面接
・6. インターン
<本選考>
・7. 4次面接(録画面接)
・8. 最終面接
内定者いわく、24卒では春選考は実施されず、夏・冬2回のインターン経由で内定者が出そろったそうです。そのため、ベインを志望する場合は夏・冬インターンのいずれかに応募しましょう(選考対策ページより)。
それでは選考ごとにポイントを見ていきましょう。
1. エントリーシート(ES):ポイントは内容を端的にまとめて書くこと!
24卒のエントリーシート(ES)の質問は以下の通りです。
(1)あなたが目標として思い描く5年後の自身の姿、およびそれを実現する過程で、戦略コンサルティングに興味を持ち志望した理由を教えてください。(200文字以下)
(2)あなたが自身の強みを生かして問題を解決し、成果を出された経験を説明してください。(200文字以下)
※出典:ベイン・アンド・カンパニー|アソシエイトコンサルタント2024年卒インターンのES
設問(1):「戦略コンサルの志望理由」について
この設問では、戦略コンサルへの志望理由を200字でまとめなければなりません。文字制限を考えると、無理をして複数の要素を盛り込むよりは、1つの要素に関して、その理由の背景にある自分の経験や価値観をしっかり書く方が得策といえます。
また、結論ファーストで書くこと・構造が明確になるよう書くことが重要です。以下の流れで書くようにしましょう。
- 志望理由
- その理由の背景にある自分の経験や価値観
- (必要に応じて)志望理由を端的に再掲
設問(2):問題を解決し成果を出した経験について
この設問で求められているのは、問題解決の経験とその成果です。他社の選考でも聞かれやすい設問となっています。他社で用いた回答を利用する場合、冗長な表現は全てそぎ落とした上で、
- (端的に)質問への回答
- 問題の概要
- 自身が起こした行動
- 得られた成果
といったように、必要十分な要素のみを抽出して、200字以内に収める工夫をしましょう。
▼ベイン・アンド・カンパニーのES・志望動機について詳しく知りたい方はこちら!
【ES・体験談】選考通過者の事例と対策法
【志望動機・選考の感想】
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・【エントリーシート(ES)完全対策版】下準備(自己分析)から書く際のコツ・書き方、頻出質問への回答例、業界ごとの特性まで全て解説!
2. Webテスト:満点、最低でも9割を取る必要あり
24卒は、自宅受験のWebテストで、所要時間は1時間半程度でした。形式は玉手箱。内容は言語、計数、性格でした(選考対策ページより)。
ベインのWebテストは、他の戦略コンサルと比較して絞り込みが激しいことで知られており、設定されているボーダーラインは極めて高いことが予想されます。
ミスは許されても数問という、極めてシビアな試験であるため、標準的な難易度に油断することなく、入念な対策を行いましょう。
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・これが本当のWebテストだ!(1) 2025年度版 【玉手箱・C-GAB編】 (本当の就職テスト)
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・筆記試験/Webテストの種類・形式と対策法、見分け方一覧!過去出題された120社分を一挙公開
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3. 1次面接(録画面接):一聴で理解できる説明を
1次面接は、自宅で撮影する、所要時間15分程度の録画面接でした。
内容とテーマ例は以下です。
・フェルミ推定
└思考時間(5分)
└発表(5分)
└訂正(1分)
・志望動機(1分以内)
テーマ例は
「1dayコンタクトレンズの市場規模を推定せよ」
「人口1万人の島における中古車の市場規模を推定せよ」
「東京郊外にある温泉宿で販売している牛乳の年間売上を推定せよ」
「とある空港内に設置されているガチャガチャの年間売上を推定せよ」
など※出典:ベイン・アンド・カンパニー|アソシエイトコンサルタント2024年卒インターンの録画面接
対面でのフェルミ推定とは異なり、図などを見せることは禁止されており、口頭のみで発表をする必要があります。そのため、1度聞いただけで理解できるような説明を心がけましょう。
結論ファーストで回答することはもちろん、要素分解について説明する際には「5つのファクターに分解できまして〜」のように、まず認知モデルの形成を促すなど、録画を見る面接官に思考負荷をかけないよう、思考順序に沿うことを意識しましょう。
ケース面接やフェルミ推定などコンサル特有の面接については、こちらの記事も合わせてご覧ください。
・【フェルミ推定】「いまさら聞けない」でも大丈夫!回答&解説付きで読むだけでOK
4. 2次面接スピードが大事! 時間がほとんど与えられないフェルミ推定
2次面接は、学生1人:社員1人のケース面接で、所要時間は30分程度。内容は、志望動機、フェルミ推定、ケース問題などでした(選考対策ページより)。
フェルミ推定は「スピード」にこだわろう
ケース面接に入る前に、同テーマに関連した簡単なフェルミ推定が課されます。
多くの場合、売上向上策を考える店舗の売上を考えるフェルミ推定となっており、時間はほとんど与えられません。人によっては、「飲み物を持ってくるからそれまでに計算をお願い」というくらいの極めて短い時間での推定が要求されます。
平均的に与えられる時間は数分程度だと考えられるため、この面接では不必要に場合分けを多く行うことなく、短い時間で妥当な値を出すことを心がけましょう。
出題されるのはオーソドックスなケース問題
1次面接以上にざっくりとしたフェルミ推定が求められ、それに続く形で10〜15分程度、売上向上策などについて面接官とディスカッションをすることになります。
テーマ自体は、メーカーの売上を向上させるなどの一般的なケースのお題となっており、市販の参考書に示されている出題例と類似しています。
以下のような参考書に目を通すとともに、友人などと協力してケースの模擬練習をしたり、セミナーに参加したりして練習を重ねましょう。
・東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」
5. 3次面接:「対話」と「本質をつく議論」が重要
3次面接は、学生1人:社員1人のケース面接で、所要時間は30分程度でした(選考対策ページより)。
3次面接では面接官の年次も上がり、ケースの質問回数も多くなります。面接の雰囲気は和やかな場合が多いようですが、論理的な破綻があった場合には的確な指摘が入ると考え、2次面接以上に緊張感を持って選考に臨みましょう。
面接官との対話を重視しよう
ケース面接において重視されるのは、「面接官との対話の中で、自分が考える施策を柔軟にブラッシュアップしていく力」です。
自分の考えた施策に自信を持つあまり、面接官の意見を聞き入れず反論をぶつけるばかりでは、選考突破は望めません。面接官の意見で参考にしたいと思った指摘は、「ご指摘ありがとうございます。確かに◯◯と思うので、◯◯のような案の方がより適切だと感じます」と素直に認めて施策をブラッシュアップしましょう。
提案する施策の思考過程を明確に示そう
ベインでは「本質をつく議論」が求められます。
ただ売上目標が達成できる施策・効果の大きい施策が求められているだけでなく、「どのようなロジックでその施策を提案するのに至ったか」という思考過程の妥当さが要求されます。施策を述べる際には、外部要因の分析・施策の評価基準など、回答に至るまでのプロセスを示すようにしましょう。
6. インターン(ジョブ選考):明確な絞り込みがなされる
24卒のインターン(ジョブ選考)は3日間行われました。課題解決型グループワークで、テーマは「とある日系大手企業の企業価値向上戦略」などで、最終日にはプレゼンも行われました。
大まかなスケジュールは以下の通りです。
【1日目】 ・会社紹介 ・問題解決方法などに関する講義 ・テーマ発表 ・ワーク開始 【2日目】 ・ワーク進行 ・メンター社員との面談 ・ワーク進行 【3日目】 ・スライド作成 ・プレゼン発表(発表:10分、質疑応答:5分) ・懇親会
※出典:ベイン・アンド・カンパニー|アソシエイト2024年卒のインターン
24卒のサマーインターン選考を通過したのは、50人中30人で、通過率は6割程度でした。
リサーチ以外の作業に多くの時間を割こう
ベインのジョブで特徴的なポイントは、リサーチ資料が全て用意されている点です。
他のファームのジョブでは、インターネットや書籍からリサーチに必要な情報を入手するのに時間がかかりますが、ベインではその時間を短縮できます。
これは「リサーチ以外の作業にしっかりと時間を使うべきだ」というメッセージと捉えることもできるため、他社のインターンにも増して、幅広い仮説構築や、施策を細かく検討する意識を持ちましょう。
「アナリスト」として必要な素養をアピールしよう
ベインの新卒入社時の職種は「アソシエイトコンサルタント」であり、分析や資料作成が主になります。
リーダーシップなどのマネジメント能力は当然のように要求されますが、前提としてアナリストに必要な「論理性」「分析力」は不可欠です。実際にある内定者は、ワーク中に班を取りまとめる役割を担い高評価を得ましたが、社員からのフィードバックの時間には、「アナリストとして必要な分析力ももっと見せてほしかった」と改善点を指摘されたそうです(選考対策ページより)。
班を取り仕切る場合でも、仮説構築や資料分析などに積極的にコミットし、「アナリスト」とのマッチングをアピールするようにしましょう。
7. 4次面接(録画面接):英語を話すことへの意欲を示そう
4次面接は、自宅で撮影する、所要時間15分程度の録画面接でした。
基礎的な英語力を問われる面接であり、以下のような質問が課されました。
・どこでベインを知って、なぜ応募したか ・英語をどこで身につけたか
※出典:ベイン・アンド・カンパニー|アソシエイト2024年卒本選考の録画面接
英語面接ではあるものの、留学経験のない学生や英語を苦手とする学生も含めて、ここで落とされた学生がいなかったことからネイティブレベルでの英会話力は求められていないと考えられます。
仮にしどろもどろになってしまったとしても、最後まで英語で伝えようとする姿勢を見せることが大事になります。
8. 最終面接:「自分」を言語化しておこう
最終面接は、学生1人:パートナー1人の個人面接で、所要時間は30分程度でした。
質問内容は以下の通りです。
<質問内容>
・インターンの感想 ・自身の強みや弱み ・コンサル志望動機 ・逆質問(1問程度) など
※出典:ベイン・アンド・カンパニー|アソシエイト2024年卒本選考の最終面接
実際の内定者いわく、最終面接に進んだ30名のうち、20名程度の学生が内定したとのことです。
最終面接では、インターンの感想や自身の強み・弱みなど、ケース面接とは異なり人柄や人物面を見られたとのこと。そのため、最終面接に臨む前に今一度自己分析を徹底して行い、自分について詳細に言語化してパートナーにアピールできるようにしましょう。
▼ベイン・アンド・カンパニーの選考ステップをさらに詳しく知りたい方はこちら!
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ベイン・アンド・カンパニーが参加予定のイベント一覧
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おわりに
いかがでしたか。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
ベインの選考についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
【クチコミ】説明会/インターン/選考/の評判
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