こんにちは、ワンキャリ編集部のトイアンナです。
大学がバックアップしてくれる交換留学の多くは学部3年生で始まり、4年生の夏に帰国となります。1年留年するのであれば就活スケジュールにほぼ影響はありませんが、悩ましいのは現地校で単位を取得しストレートでの進級を選んだ場合。帰国が6月前後となってしまうため、就活では他の学生より遅れをとることとなります。
そこで今回は、帰国前からでもぜひチェックしてほしい留学経験者向け就活メソッドを「ボスキャリ」と「夏採用」の2点に絞ってお伝えします。
即日内定もありうる世界中での採用合戦、ボスキャリ
留学を経験したことがあれば1度は聞いたであろう「ボスキャリ」、正式名称はボストンキャリアフォーラムです。もともとは日系企業が海外留学経験者を採用するため30年前にボストンで始まったイベントですが、年々大規模になり現在ではロンドン・シドニー・ロサンゼルスをはじめとする世界10都市で開催されています。
※参考:キャリアフォーラムスケジュール
なんと言っても、ボスキャリ最大の特徴はトップ企業から即日内定がもらえる選考の速さ。日本で選考を受ければ、ときに3次面接以上ある企業でも数日で内定までたどり着けます。あまりのメリットに、留学生でない学生ですらボストン行きのチケットを買うほど。
2016年の参加企業は三菱商事、デロイト トーマツ コンサルティング、博報堂DYグループなどトップ企業が目白押しでした。トラベルスカラシップといって交通費を支給してくれる場合もあり、企業の「あなたが欲しくて仕方がない」情熱が目に見えるようです。
ボスキャリへの応募・参加方法
本拠地であるボストンの2017年の開催スケジュールは11月17日(金)から19日(日)を予定しています。この期間、200社を超えるトップ企業が採用のために集結します。
「留学した先が英語圏ではなかったから、ボスキャリは無理かもしれない」と思われる方もご安心ください。参加資格は「日本語力・英語力共に少なくとも会話レベル」であること。会話レベルの英語さえできれば、むしろ第二外国語を話せることで他の学生と差別化を図れます。
参加方法はまず行きたい都市を選択し参加予約ページへ進みます。事前に応募しておかないと選考を受けられない企業もあるので、参加企業リストに「オンライン応募可能」アイコンがある場合はCV(Curriculum Vita:履歴書)を用意し応募しましょう。詳しくは後述しますが、もし事前応募が間に合わなくとも当日ブースで面接をお願いできる場合もあります。期限に間に合わなかった学生も、諦めずにブースへ向かってください。
次に航空券とホテルを手配しましょう。期間中は周辺ホテルがどこも満室になってしまうため、早めの予約をオススメします。
持ち物は、英語のCVと日本語の履歴書両方を持参してください。どちらも事前に添削指導を受けておきましょう。
詳しいQ&Aは公式サイトにありますので、必ず目を通しておいてください。
ボスキャリの面接は「ディナー」こそ本番
ボスキャリでは「WALK-IN」という事前予約をしていない企業でも面接を受け付けてくれる場合があります。できれば予約した企業と併せてWALK-INもチャレンジしましょう。WALK-INにはレジュメが必要ですので、必ず狙った企業ごとに合わせたレジュメ+予備のレジュメ数セットを印刷して持っていくようにしてください。
面接内容は日本での一般選考とほぼ変わりませんので、それぞれの企業の面接傾向を調べて挑んでください。ただし「なぜ留学したの?」はボスキャリならではの頻出する質問。志望動機などと齟齬が生まれないよう準備しておきましょう。
ボスキャリで面接が進み最終選考へ残ると社員から「ディナー」へ誘われます。つまり、ディナーに誘われるということは内定まであと一歩の証。必ずディナー前に夕食は済ませてください。夕食を食べている暇があれば、社員へ的確な質問をするべきです。最後の一手を決めるためにも、本当の「ディナー(夕食)」は諦めて面接と思い挑んでください。ディナーはスーツで臨んでください。また、最低限のテーブルマナーは予習しておきましょう。
また、企業によっては最終面接を日本で実施するところもあります。いざ本命企業の最終面接オファーがもらえたにも関わらず一時帰国のための旅費で断念する悲劇を防ぐためにも、十分な貯蓄を用意しておきましょう。
ボスキャリを逃してもチャンスは多い、夏採用
ボストンキャリアフォーラムは海外開催がほとんどで、すでに帰国してしまった方は参加がなかなか難しいでしょう。しかし、だから就活で手遅れになるかというと、そうではありません。
留学生を採用したい企業は帰国者向けに「夏採用」を準備しており、例年7月ごろに採用を始めます。日本経済新聞社や明治安田生命保険など過去9月から採用をスタートした企業もありますので遅すぎたと嘆くよりも、まだ募集している企業はないかと行動を起こしましょう。
ただ、「ボスキャリ」に比べ「夏採用」は、募集企業が限られることは確かです。さらに気を付けたいのは募集人数が若干名であることと、語学力だけでは売りにならないことです。夏採用を実施する多くの企業は、優秀な留学経験者を確保すること、そして内定辞退者の欠員補充が目的です。そのためライバルに留学経験者が占める割合が多くなります。「語学だけではない」自分の強みをアピールする必要があります。
特に下記のようなエピソードで勝負するなら、似通った経験をした人がいくらでもいることでしょう。自分をどう差別化するか考えてください。
・語学ができない中優秀な成績を修めた
・異文化に適応し友達を作った
・留学先のスポーツチームに貢献した
秋から就活を始め内定を複数獲得した学生は、留学そのものにフォーカスするのではなくプラスアルファの要素を加えて「たとえ留学していなかったとしても、この子を採用したい」と思わせる力を持っていました。実際に聞いたことがあるのは下記エピソードです。
・留学中に現地で起業。会社を共同創立メンバーに全権委任してから帰国した
・勉強へ打ち込み大学で首席となった
・アジア人初のチームキャプテンとなった
企業があなたの語学力を買っていることは事実です。その一方で「英語だけ話せるやつはいらない」とも考えています。夏採用・秋採用を実施する企業が限られるからと闇雲にエントリーするのではなく企業が求める適正を考え、それに合う自分の強みを押し出しましょう。
何が起きても「時期が悪かった」と責めるのはやめよう
自分がもともと気になっていた企業が今年に限って夏採用・秋採用をしなかった、ボスキャリに参加していなかったなど就活では思いもよらぬ事態が起こりえます。
そこで時期が悪かったと環境のせいにするのはやめましょう。就活生の中には募集を締め切った企業へ電話をかけ、自力で内定を勝ち取った方もいます。「今からできることは何か?」へ常にフォーカスし、来年の入社を勝ち取ってください。