こんにちは、ワンキャリ編集部です。
就活において業界問わずあらゆる企業のエントリーシート(ES)や面接で質問される「学生時代に頑張ったこと」。
皆さんの中には「学生時代に頑張ったことなんて何もない……」と感じる方も少なからずいるのではないでしょうか。
今回はそんな皆さんのために、ES・面接で話せる学生時代頑張ったエピソードの「作り方」と実際に選考を通過した例文を多数ご紹介します。
会員登録して先輩のガクチカをみる
<目次> ●ガクチカが本当にないと感じてしまう理由 ・実績や結果が必要だと思っているから ・頑張って取り組んだ経験でなければならないと思っているから ・ガクチカにどんな経験を書いたら良いか分からないから ・大学生のときの経験でなければいけないと思っているから ●「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」とは ・ガクチカとは ・ガクチカは4通り:「チームor個人」×「能動的or受動的」 ・ガクチカが問われる理由 ●企業が注目するガクチカの評価ポイント ・ESでの評価ポイント ・面接での評価ポイント ●ガクチカが本当にないときのガクチカの見つけ方 ・ガクチカのおすすめテーマからエピソードを探す ・今までの経験を深掘りする ・第三者に聞いてみる ・先輩のガクチカ例文を参考にする ●ガクチカのおすすめテーマ ・学業で頑張ったことや工夫したこと ・サークルや部活・留学で頑張ったことや困難を乗り越えたこと ・アルバイトやインターンで頑張ったことや工夫したこと ・長期間継続して続けていること ・スポーツや読書などの趣味で工夫したこと ●ガクチカは今からでも作れる? ●ガクチカが本当にないときのガクチカの作り方 ・ゼミ活動に注力する ・インターンやアルバイトに挑戦してみる ・資格を取得する ●トップ企業内定者の「学生時代に力を入れたこと」例文 ・チームでの経験(部活/バイト/サークル):「人を巻き込む力」を評価する商社・広告業界など ・個人での経験(学業/勉強/留学):「コツコツと取り組む力」を評価する成果重視の外資企業など ●まとめ
ガクチカが本当にないと感じてしまう理由
まずは、なぜ「ガクチカが本当にない……」と感じてしまうのかについて解説します。
実績や結果が必要だと思っているから
1つ目は「実績や結果が必要だと思っているから」です。
先輩の話や、他の就活生の話を聞いていると輝かしい成績を残していたり、自分にはない経験をしていたりと立派な経験である必要があると思い込んでしまうパターンが多く見られます。しかし、企業はガクチカを通して功績や結果を知りたいのではなく、就活生の人柄や価値観を知り、自社に合う人材であるかどうか、今後活躍してくれる人材であるかどうかを判断します。そのため、結果ではなく何を考えたのか、困難をどう乗り越えたのか、などの過程が重要になります。
ガクチカは実績や結果ではなく「自分が苦労した経験」「困難を乗り越え、成長できた経験」など過程の部分でアピールをする項目です。実績や結果にとらわれず、自分が悩んだ経験、成長できたと思う経験、時間を多く費やした経験など過程に注目して見つけていきましょう。
頑張って取り組んだ経験でなければならないと思っているから
2つ目は「頑張った経験でなければならないと思っているから」です。
ガクチカは「学生時代に力を入れたこと」であり、その分頑張った経験でなければならないと感じてしまう方も多いと思います。しかし、頑張ったという基準は人によって異なるため自分が頑張っていないと感じていても他の人から見たら頑張っていた経験であることも考えられるため、「頑張った経験」である必要はありません。頑張ったという基準ではなく「時間を多く費やした」「困難を乗り越えた」「思い入れを持って取り組んだ」といった基準から見つけていきましょう。
ガクチカにどんな経験を書いたら良いか分からないから
3つ目は「どんな経験を書いたら良いか分からないから」です。
こんな経験でもガクチカに書いて良いのか、そもそもガクチカは何を書いたら良いのかと悩んでしまう人も多いと思います。しかし、企業はガクチカを通して就活生の人柄や価値観を知りたいと考えています。経験に優劣はないので、自分にとって必要であった経験や、自分が一番して良かった経験など自分を紹介できるような経験を見つけていきましょう。
もちろん、ガクチカを通して自社に合う人材であるかどうか、自社で活躍してくれそうな人材であるかどうかを判断するため、その点に注意しながら見つけていきましょう。また、イメージがつかみにくい方は内定者例文を後述していますので参考にしてみてください。
大学生のときの経験でなければいけないと思っているから
4つ目が「大学生のときの経験でなければいけないと思っているから」です。
ガクチカは大学生のときの経験である必要はありません。大学生のときの経験が見つからない場合は、高校生のときの経験から見つけていきましょう。しかし、高校生のときのみを伝えてしまうと、大学生のときに何もしてこなかったという印象を与えてしまう場合もあるため、高校生のときの経験をメインで伝える場合は、それに絡めて大学生のときの経験も伝えられたら良いでしょう。
「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」とは
ガクチカとは
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」の略語です。ESや面接で聞かれる定番の質問となっており、学生時代に熱心に取り組んだ経験や多くの時間を費やした経験などについて問われることが多いです。
自己PRの違いとしては、ガクチカはエピソードに重点をおいているのに対し、自己PRは自分の強みや能力に重点をおいています。つまり、ガクチカでは自分の強みが発揮されたエピソードや能力を得た過程など「経験・過程」を伝えることが大きな目的です。
そのため、ガクチカの経験に成果や結果が必要ではないということに注意しましょう。ガクチカはあくまで「経験・過程」について問われていることが多いので、結果にとらわれずに自分が一番頑張ったこと、時間を費やしたこと、感謝されたことなどについて自信を持って回答しましょう。
ガクチカは4通り:「チームor個人」×「能動的or受動的」
前提として、学生時代に頑張ったことの経験は大きく分けて4タイプあることを把握しましょう。判断軸は「チームで頑張った」か「個人で頑張った」か、取り組み方が「能動的」か「受動的」かです。ESや履歴書、面接時に自己PRできる具体的な要素は以下の通りです。
チームプレイ×能動的ならリーダーシップ
チーム単位で動くことの多い会社では、チームをけん引しゴールへと導くリーダーシップが重宝されます。ただ単にリーダーのポジションにいただけではリーダーシップの証明にならないため、ESの書き方としては、自分がどのようにチームを成功へと導くため行動したか、結果とともに成功への過程を具体的に文章におとせるかがカギです。
チームプレイ×受動的ならチームワーク力
チームにはまとめ役や調整役が必要です。チーム内のゆがみや不協和音にいち早く気付き、効果的な手を打てる人はどの企業でも必要とされます。調整役に徹した経験だけではなく、メンバー間の意見を調整しながら議論を前に進める貢献をしたことをアピールするとなお良いでしょう。
個人プレイ×能動的なら問題解決能力
社会には「そもそも何が問題なのか」不明瞭なケースが多く存在します。問題を解きほぐし、解決可能なレベルまで分解する能力はこうした環境の中で大いに活躍します。ESの書き方としては、どのように問題意識を解決可能なレベルまで落とし込み、その問題に対して自分がどのような立場で行動し、工夫して対処したかを重点的に書くと、人事の印象に残るアピールになります。
個人プレイ×受動的なら自己管理能力
与えられた仕事を着実にこなすスキルは、社会人なら当たり前にできそうですが、案外難しいことです。「こいつに任せれば必ず期限内に仕事を終えてくれる」と信頼できる社員がいると上司としては心強いものです。「やるべきことをやるのは当然だろう」と、このような「自己管理能力」を自己PRの強みとしてイメージしていない学生も多いですが、どんな困難でも粘り強く取り組めるなど、書き方次第では強力なアピールになります。
ガクチカが問われる理由
続いて、企業がガクチカを問う目的を確認しておきましょう。
企業は、ES・面接の中で、学生の過去の経験・実例をもとに自社での活躍の可能性を判断しています。その可能性は以下の2点から判断されます。
・自社が求める人材とマッチしているか ・経験から学ぶ力があるか
企業はガクチカを聞いて、就活生の人柄や価値観、モチベーションとなる物事を知り、就活生が自社が求める人材とマッチしているか、自社に合う人材であるかどうかを判断します。また、ガクチカのエピソードを聞いて経験から学ぶ力があるかどうかを知り、今後活躍してくれそうな人材であるかどうかを判断します。
つまり、企業はガクチカを通して就活生が「入社後活躍する人材であるか」を判断します。
企業が注目するガクチカの評価ポイント
それでは、どのような観点で、企業は就活生が「自社での活躍の可能性」があるかを見極めているのでしょうか。
そのポイントは以下の4つです。
どのようなガクチカを伝える際も、この4つのポイントを意識することで企業からの評価をより高めることができるでしょう。
それでは、さらにESと面接の観点でどのように評価されているかを見ていきましょう。
ESでの評価ポイント
ESでの評価ポイントは以下の4つです。
ガクチカはエピソード中心ですが、ただあったことのみを記載するだけでは不十分です。企業はガクチカを聞いて、人柄や価値観などを判断するため、そこに「なぜそう思ったのか」「なぜその行動をしようと思ったのか/したのか」などの思考も併せて記述しましょう。
先ほどの評価軸に「再現性」「反復性」を挙げましたが、これらを裏付けるためにプロセスの記載は非常に重要です。結果のみを記述しても、再び同じような状況になっても同様な結果を出せるかどうかの「再現性」や、今後も結果を出し続けられるかどうかの「反復性」の確証を企業側は得られません。そのため、結果ではなくプロセスを重点的に記述しましょう。
また、ガクチカを聞いて企業側はさまざまなことを知り、判断するため「具体性」があることは大きなカギとなります。具体性があることで、企業側はイメージをしやすくなり、就活生の価値観や人柄を知りやすくなること以外に、入社後のビジョンも描きやすくなります。そのため、なるべく具体的で誰が読んでも分かるように記述することを意識しましょう。
面接での評価ポイント
面接では、ガクチカを問われるだけでなく、ガクチカの深掘りが行われることが多いです。その際に意識したいポイントは以下の3つです。
やり直しがきかない面接の場において、企業が改めてガクチカを問う理由はいかに「分かりやすく」「端的に」伝えられるかどうかを見極めるためです。そのため、あらかじめ準備をしておきましょう。余裕がある場合は、事前に1分以内で発表する練習をしておくと良いでしょう。
また、ガクチカを深掘りされるときは「行動に思考が伴っているか」「ミスマッチがないか」を評価されている場合もあります。ただその経験をしただけでなく、どのような思考のもとその行動を行ったのか、その経験からどのような考えになったのかを深掘りされたり、何を大事にしているかを見極め、自社が求める人材であるかどうかを判断されたりします。そのため、面接でガクチカを聞かれるときは深掘りをされると思って臨みましょう。
ガクチカが本当にないときのガクチカの見つけ方
ガクチカが本当にないと感じてしまう理由を踏まえ、ここからがガクチカの見つけ方について見ていきましょう。
ガクチカのおすすめテーマからエピソードを探す
1つ目は、ガクチカのオススメテーマからエピソードを確認し、自身のエピソードを探していく方法です。
ガクチカのテーマを知ることで、自分がガクチカになると思っていなかったことや、見つけられていなかった部分を見つけることができます。ガクチカのおすすめテーマについては後述していますので、気になる方は参考にしてみてください。
今までの経験を深掘りする
2つ目は、今までの経験を再度深掘りしていく方法です。
今までの経験を自分史やモチベーショングラフ、マインドマップなどを用いて洗い出していきましょう。おすすめの手法としては、まず自分史を作成し、自分史と照らし合わせながらモチベーショングラフを作成します。その後、自分史とモチベーショングラフを比較しながら、モチベーションが大きく変化した経験やモチベーションが高かった経験などを探していきましょう。経験をある程度抽出できたら、マインドマップを用いて「なぜ」を深掘りしていきましょう。そうすることで今まで見えなかった部分や、新たな強みやそのときの思考を整理していけます。
経験を深掘りしていくときに、どの経験を深掘りしていけば良いか分からない、どの経験をガクチカとして扱えば良いか分からないといった場合は、以下の経験がないか探してみてください。
・一番時間を使った経験 ・思い入れを強く持って取り組んだ経験 ・困難を乗り越えた経験 ・自分の強みを発揮できた経験 ・他人に褒められた経験 ・他の人には珍しい経験
これらの経験は自分の強みが発揮されていたり、新しい学びを得たりしたものです。このような経験をさらに深掘りして、ガクチカを見つけていきましょう。
第三者に聞いてみる
3つ目に、自分以外の第三者に聞いてみる方法が挙げられます。
自分の強みを聞き、なぜそれが自分の強みだと思ったのかという具体的なエピソードと併せて聞くことでガクチカを見つけるだけでなく、自己PRにつながる強みも見つけていけます。また第三者の意見を聞くことで、ガクチカのエピソードをより客観的、具体的に伝えられるようになります。
しかし、注意してほしいことはただ聞いた経験をそのままガクチカとして伝えるのではなく、必ず自分でも深掘りをしていきましょう。企業はガクチカを通して就活生の人柄や価値観を知りたいので、その経験で自分がどのように考えていたのか、どのように成長したのかなど思考のプロセスまでしっかり落とし込めるようにしていきましょう。
先輩のガクチカ例文を参考にする
そして4つ目は、先輩のガクチカ例文を参考にしながら自分のガクチカを探す方法です。
具体的なガクチカ例文を見ることで、より具体的にどんな内容を書いたら良いのか、どんなガクチカを探せば良いのかをイメージしやすくなります。また業界や企業、職種によっても、どのような内容のガクチカが受け入れられやすいのかなどを理解することもできます。そのため、自分の経験からガクチカを探すときに全くイメージがわかない、見つからないといった方は先輩のガクチカ例文を参考にしてみると良いでしょう。
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ガクチカのおすすめテーマ
それでは、ガクチカのおすすめテーマを例文とともに、5つご紹介します。
学業で頑張ったことや工夫したこと
1つ目は「学業で頑張ったことや工夫したこと」です。ゼミ活動や卒業論文、修士論文などを書いたときに頑張ったこと、工夫したことや困難を乗り越えたことなどがあります。その他にも、資格を取得した経験なども挙げられます。
また、良い結果を残せていなくても「GPAを上げるために努力したこと」「単位を取るために工夫したこと」「授業中のワークで仲間と協力したこと」などがあれば、そちらもガクチカになります。
【設問】
大学時代に、粘り強く努力し成果を上げた経験を教えてください
【回答】
私が大学時代に特に粘り強く努力した経験は、卒業研究のテーマである「◯◯(例:AIを活用したデータ分析の手法)」に取り組んだときのことです。初めは全く知識がなく、専門用語すら理解できなかったため、研究の進行が非常に遅く、挫折しそうになったこともありました。
それでも、毎日少しずつ関連文献を読み、教授にアドバイスを求め、同級生とディスカッションを重ねることで、少しずつ理解が深まりました。特に、問題解決に向けて粘り強く取り組んだのは、実験データの分析部分です。最初はデータが思うように処理できず、何度もプログラムを書き直しましたが、そのたびに問題点を一つ一つ洗い出して修正していきました。
最終的には、研究結果が予想以上に良い形で得られ、学会で発表することができました。発表後には、専門家からも前向きなフィードバックをいただき、その経験が自信につながりました。
この経験を通じて、粘り強さや努力の大切さを実感し、どんな困難な状況でも継続的に取り組むことで成果が得られることを学びました。このような精神は、今後の人生でも大切にしていきたいと思っています。
※出典:野村證券|総合職:グローバル・マーケッツコース2026年卒インターン選考のES
サークルや部活・留学で頑張ったことや困難を乗り越えたこと
2つ目は「サークルや部活・留学で頑張ったことや困難を乗り越えたこと」です。サークルや部活で仲間とともに何かを成し遂げた経験や、留学中に困難を乗り越えた経験などがあります。
新型コロナウイルス感染症の影響で活動に制限があったかもしれませんが、その中でも「活動を行うときに工夫したこと」「活動が制限されていたからこそ挑戦できたこと」などを書くと良いでしょう。
【設問】 学生時代に力を入れたこと 【回答】 私は留学時、◯◯協会の入会を目指し、 周囲に協力を仰いで論文の執筆速度を向上させたことで、入会を果たした。当時、留学先で、◯◯学分野の優秀者が論文の選考を経て入れる協会の入会を目指して論文を執筆していたが、自身の英語力が低かったことで、 執筆の進捗(しんちょく)が遅れていた。そこで、執筆速度向上のために2点実行した。1点目は、大学職員に毎日添削を依頼した。 論文執筆を支援する大学機関の職員に毎日添削をしてもらうことで、効率的に文法や単語などの英語表現を確認できると考え、毎日添削を依頼した。 2点目は、◯◯学を専門とする教授を毎週訪ねた。文章の内容や構成をこまめに確認してもらうことで大きな書き直しを防げると考え、授業外でも積極的に指導を受けた。 結果、効率的な表現と内容の確認により 論文の執筆速度を向上させ、協会の入会を果たした。この経験から、周囲に協力を仰いで目標を達成することの重要性を学んだ。 ※出典:アマゾンジャパン|コンシューマー総合職2025年卒本選考のES
アルバイトやインターンで頑張ったことや工夫したこと
3つ目は「アルバイトやインターンで頑張ったことや工夫したこと」です。アルバイトやインターンを通じて売上に貢献した経験や、何かを改善した経験などがあります。
アルバイトやインターンは実際に賃金をいただきながら一社会人として働いた経験となるため、学んだことや頑張ったことを書くと良いでしょう。
【設問】
学生時代に力を入れたこと
【回答】
◯◯のアルバイトで学年リーダーとして、新人◯◯人のサポートに取り組みました。当初、社員による新人に対しての研修終了後、新人へのサポートが不十分という課題がありました。そこで、新人が声をかけやすく頼りがいのある存在に自分がなるという目標を達成するため、以下の3点を行いました。1、新人と信頼関係を構築するために、業務中だけでなく業務外でも積極的に話しかけました。2、サポートを必要としている空気をいち早く察するために、業務中は常に新人の動向を気にかけながら働きました。3、新人一人一人に適したより良い指導を行うために、自身への客観的なアドバイスを社員の方からいただくことで適宜改善に努めました。その結果、店長から「頼れる先輩として、新人◯◯人が◯◯君の名前を挙げていた」というお言葉をいただくことができました。この経験から、向上心・熱意を持って物事に取り組むことで他者の信頼を獲得できることを学びました。
※出典:リコーリース|Nコース2025年卒本選考のES
長期間継続して続けていること
4つ目は「長期間継続して続けていること」です。小学生や中学生の頃から続けている習い事や習慣を、大学生になっても継続している場合はガクチカとして書くことができます。また、ずっと続けていたことを使って新しい挑戦をした場合もガクチカになります。
【設問】
学生時代、あなたが一番力を入れて取り組んだことについて記述願います。(400文字以内)
【回答】
日本で弾いていた◯◯という楽器を留学先でも継続したいという思いで、現地のオーケストラで1年間弾いたことだ。約80人の◯◯人の中で、アジア人が自分1人という初めての環境だった。当初は周囲が◯◯語を話すためコミュニケーションがうまくとれないこと、そして周囲の演奏レベルが自分より高かったことで苦労した。しかし、少しずつ会話を重ねることで関係性を築き、短時間でも毎日の自主練習やプロのレッスンなどを自分に課した。そして弾けない箇所を同じチェロのメンバーに教えてもらうことにも注力した。その結果、半年後の演奏会では自分でも納得できる演奏をすることができた。楽器は成果が表しにくいものだが、演奏会後に次回も参加してほしいと言われたときにその成果を感じることができた。これらの経験を通して、新しい環境にもチャレンジする挑戦力とそこで力を発揮することのできる適応力を身につけることができた。
※出典:明治安田生命保険|総合職(全国型)2025年卒本選考のES
スポーツや読書などの趣味で工夫したこと
5つ目は「スポーツや読書などの趣味で工夫したこと」です。部活やサークルに入っていなくても自身で工夫して挑戦したり、新たな学びを得るために努力したりした経験もガクチカになります。
趣味を通じて頑張ったこと、工夫したことや学んだことがある場合は、その過程をガクチカとして提出することもできます。
【設問】
これまでの学生生活で挑戦してきたことを具体的に教えてください その経験から学んだことを教えてください。
【回答】
大学入学後に始めた軟式野球である。コロナ禍で人とのかかわりがなく、このまま大学生活が終わることに不安を感じた。自分を成長させるため主体的に行動する必要性を感じ、自らインターネットでチームを探し、社会人の方が多く所属するチームに初心者ながら所属した。始めた頃は野球の基礎すら分からなかったが、その都度すぐにチームメイトにアドバイスを求め、試合の中で実践することを心がけた。アドバイスがヒットや守備につながった際には、チームメイトが自分のことのように喜んでくれ、プレーする楽しさを知った。また、野球でチームに貢献することが難しい分、プレー以外で貢献しようと考え、自分でもできる試合中の声出しやスコアボードの記入を積極的に行いコミュニティの士気活性化に努めた。この経験から、自分にできる範囲でコミュニティに貢献する自主性を得ることが出来た。
※出典:SUBARU|技術系2025年卒本選考のES
ガクチカの作成方法については、以下記事で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
▼ガクチカの作成方法について詳しく知りたい方はこちら ・ガクチカ例文30選!高評価を得る作成方法とテーマ・文字数別ESを紹介
ガクチカは今からでも作れる?
しかし、「どれだけ探しても自分が納得できるガクチカが本当にない」「ガクチカが本当にない」という方もいると思います。そんな方でもガクチカは今からでも作れます。
集中的に取り組めば、3カ月で「学生時代に頑張ったこと」のエピソードを作るのも不可能ではないのが事実です。実際に計算してみましょう。
比較対象として、サークル活動を1年間続けた場合を考えます。週に5時間ペースと仮定すると、5時間×50週=250時間使っていることになります。もし同じ活動に毎日3時間使うとすると、250時間÷3時間=83日(約3カ月)あれば同量の経験ができるということです。
目標を定め、目的意識を持ってサークルやアルバイトなどの活動に注力すれば、今からスタートしても3月の就活解禁には十分間に合います。端的にいうと「学生時代に頑張ったこと」は今から経験し、一発逆転を狙うことが可能です。
ガクチカが本当にないときのガクチカの作り方
それでは実際にガクチカの作り方について見ていきましょう。
まずは先ほどの4タイプ
- チームプレイ×能動的
- チームプレイ×受動的
- 個人プレイ×能動的
- 個人プレイ×受動的
の中から、どれを目指すかを決めましょう。
目標を決めたら「今から挑戦しやすい」「企業の採用担当者へのアピールにつながりやすい」という2つのポイントから、以下の3つの活動に挑戦することを特におすすめします。
ゼミ活動に注力する
個人の成果、組織の成果、どちらのアピールにも有効なのがゼミ活動です。
個人の成果が研究結果とダイレクトに結びつくため、研究結果を導き出すまでの苦労や努力を言語化すれば、そのまま学生時代に頑張ったこととして通用します。加えて、必修の場合も多いゼミ活動は、取り組む動機が生まれやすいことも1つのメリットといえます。
また、ゼミ長やゼミ合宿の取りまとめなどの役職を担当すれば、組織の成果という側面からもゼミ活動をアピールできます。グループワークの調整や、教授と学生の仲介をいかに頑張ったかを説明すれば、対人関係能力やリーダーシップのアピールにもつながります。特に、教授や外部の団体と率先してコミュニケーションを取った経験は、異なる立場の相手と関わる能力として評価されやすいでしょう。
インターンやアルバイトに挑戦してみる
組織での活動として企業にアピールしやすいのが長期インターンやアルバイトです。年齢や大学といった背景が異なる人と協働する経験を通し、対人能力をアピールできます。また、「売上◯◯%アップに貢献した」「最優秀インターン生になった」など、努力の成果が定量的に表現できるのもインターンやアルバイトの魅力です。
以下の記事では、短期アルバイトでエピソード作りをするメリットをこのようにご紹介しています。
トイ:まず短期バイトへ応募しよう。人を巻き込む仕事の方が就活では好まれるから、接客業がベストだね。3年生の5月ならちょうどブライダル需要が高いから、ホテルスタッフもいいかな。
ここで大切なのは、短期バイトの期間中に「自分なりに業務内容を改善して、売上をアップさせる」と心へ決めて挑むこと。大事なのはバイト経験ではなく、自ら課題を解決する思考ですからね。
A君:い、意識が高い……。
トイ:そう。短期バイトって、普通はお小遣い稼ぎが目的だから意識の高い学生も少ないはず。そんな中でA君が必死に頑張ったら、成果も出やすいよね。ただし「一生懸命笑顔で接客したら」なんて個人のやる気の問題の努力じゃなく、きちんと誰にでも応用できるような業務改善をしてきてね。「ウェディングケーキの切り分けを効率化する」とか。バイト中に「これ、もっと◯◯したらうまく行くのにな」って思ったことを全部やること。その上で、売上をいくら伸ばしたか数字で見える成果を残すこと。オッケー? ※出典:ONE CAREER「『なるほどこれは大変だ』『就活エピソードは今から作れ!』トイアンナが普通の就活生を外資コンサルへ内定させてみた(前編:準備編)」
資格を取得する
上記2つの活動の場を用意することが難しい場合は、資格の取得をおすすめします。資格取得の過程から課題解決力、計画性、実行力などの強みにつながるほか、就活が少し有利になる資格もあるので、資格取得に挑戦してみてください。
「どんな資格を取ったら良いか分からない」「おすすめの資格を知りたい」という方は後述の記事にて詳細がありますので、参考にしてみてください。
▼資格について詳しく知りたい方はこちら ・就活で有利な資格10選!業界別・文理別のおすすめとESの書き方
トップ企業内定者の「学生時代に力を入れたこと」例文
学生時代に頑張ったこと次第で企業にアピールできるポイントが異なります。人気企業の選考を通過した以下のESを参考にし、興味のある企業ではどのタイプが評価されやすいかを見極めて、活動先や取り組む内容を選びましょう。
チームでの経験(部活/バイト/サークル):「人を巻き込む力」を評価する商社・広告業界など
チームでの経験は「大規模なイベント運営」「サークルで新入生の定着率を上げた」のように組織で成果を上げた事例です。総合商社や広告など、関係者を巻き込む能力を求められる業界で非常に評価される能力といえます。
チーム×能動的:リーダーとして組織を率い、課題を解決した経験
【設問】 自ら難易度の高い目標を定め、その達成のために粘り強く取り組んだ経験について、教えてください。結果の成否によらず、あなた自身が考え工夫・努力したことや、取り組みの動機・プロセスなどが具体的に分かるように記してください。 【回答例】 代表として設立した◯◯の会社にて、コンテンツの企画から企業に対する営業・学生集客まで行い、◯社とのオリジナルのイベント開催を実現したことだ。私は主に営業担当として、渉外先企業に対し企画の売り込みを行った。当初は20社に対し訪問営業を行ったものの、信頼が得られず、契約件数は0件だった。そこで、私は成約率を上げるべく、◯◯の抜本的な見直しを行った。まずは、社会人の方に営業の同行を依頼し、自身の問題点を把握し改善することで、営業スキルを磨いた。また、資料作成のノウハウを勉強し、単純明快な資料作成に努めた。具体的には、説得力を高めるため、より多くの属性の学生に対し実施した◯◯に関するアンケート結果を含めた。結果、◯◯社と独自の価値を提供する企画を実施することができ、社会人はもちろん、学生からも高い評価をいただいた。 ※出典:三菱商事|総合職2025年卒本選考のES
チーム×受動的:チームの温度感を察知し、盛り上げ役を務めた経験
【設問】 これまで集団で取り組んだ経験において、最も困難な壁にぶつかった内容を、あなたの役割やどのように乗り越えようとしたのかを含めて具体的に教えてください 【回答例】 私は◯◯を目的とした学生団体において、イベントの運営チームのリーダーとしてチームマネジメントに尽力し、運営メンバーの満足度向上を達成した。当初、市の固定案件を請け負い、イベントの運営を行っていたが、運営メンバーの活動意欲が下がっており、離脱しかねない状況だった。意欲を高水準で維持できる活動基盤の再整備が課題だった。運営メンバーの活動意欲低下の主因は、市の固定案件にあるのではないかと考えた。自由度の低い固定業務からは新たな経験や試行錯誤が生まれにくく、◯◯という活動目的にそぐわないためだ。活動基盤の再整備には行政、経営陣、メンバーを巻き込む必要がある困難な状況下で、2つの施策を行った。まず、案件を白紙にし、0からの創出機会を先方に求め、収益性を懸念する上部の経営陣を、ベンチャー企業の採用活動におけるニーズや他団体に対する優位性を踏まえた企画案をもって説得した。その結果、0からのイベントの創出機会を得た。次に、メンバーとの1on1を基に彼らを興味関心に応じて適材適所に配置し、興味関心を反映させ活動意欲高くイベントを創る環境を作った。おのおのがデザインや営業などの領域で強みを伸ばせた。 ※出典:ADKホールディングス|総合職2025年卒本選考のES
個人での経験(学業/勉強/留学):「コツコツと取り組む力」を評価する成果重視の外資企業など
個人で頑張った経験は「資格試験に合格した」といった学業に励んだ経験や、「部活で練習を重ねレギュラーになった」などの事例です。外資系企業で求められる「ビジョンと意志の強さ」や、歴史ある日系企業で求められる「コツコツと取り組む」という魅力的な人物像をアピールできます。
個人×能動的:自ら定めた目標達成のため、必要な手段を分析する問題解決能力
【設問】 あなたがプロジェクトの方向を変え、その結果、時間やコストが削減された例 【回答例】 ◯◯実行委員として、展示の配置と流れの最適化を行い、訪問者の満足度を向上させたとともに、過去最高の収益を記録しました。 開催の数週間前、私は多数の展示ブースや出店が狭い敷地内に無秩序に配置されている計画に気付きました。これでは、訪問者が各ブースを効率的に回れず、混雑や待ち時間が発生するリスクが高いと判断しました。 そこで、以下の2つの改善点を挙げました。 1.各展示ブースの内容やターゲット層を分析し、効率的な配置計画を立てること。 2.イベントや展示の流れを自然に誘導する案内表示を適切に配置すること。 具体的には、アート系の展示や手作りアクセサリーの出店など、ターゲットが若い女性のブースを連続して配置し、ステージイベントや飲食ブースは広い空間に設けることで、人々の動線をスムーズにしました。また、各エリアの目玉となる展示を考慮し、来場者が全てのブースを巡ることが可能な流れを作りました。さらに、案内板やスタッフの配置も見直し、混雑が予想されるポイントにはスタッフを配置し、訪問者の誘導を行いました。 結果、当日は動線における渋滞が減少し、1人あたりの訪問店数が増えたことで過去最高の収益を記録しました。さらに、アンケートによる訪問者の満足度も高く、特に「展示を見やすかった」という評価が多く寄せられました。細かな配慮や計画の見直しにより、大きな成果を生むことができました。 ※出典:P&G Japan|IT(情報戦略本部)2025年卒本選考のES
個人×受動的:コツコツと真面目に物事に取り組む姿勢
【設問】 今までの人生で成し遂げたことで、人に話したいことは何ですか? 【回答例】 留学先の大学で政治学を学び、成績優秀者に選ばれた事だ。さまざまな国から来る学生とのグループワークでは、文化的背景や、政治に関する解釈の違いが、合意を困難にした。そこで、異なる立場からの主張を中立の立場から精査した。その結果、さまざまな角度から物事を俯瞰(ふかん)し、自分ならではの視点を英語で周りの学生に共有できた。このような地道な努力が、成績優秀者に選ばれることにつながった。 ※出典:ボストン コンサルティング グループ|経営コンサルタント(アソシエイト/コンサルタント)2025年卒本選考のES
まとめ
いかがでしたか。ガクチカはないと思っていても見つけ方を少し変えてみたり、他の就活生の例文を見たりすることで意外と見つかります。また、本当にないと思っていても作れるのでまだ時間の余裕があるうちに、万全な状態で就活に臨めるよう、準備していきましょう。
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