就活生にとって、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)は自己アピールの重要な手段です。特にゼミや研究室での活動を通じて得た経験や成果を効果的に伝えることは、企業に対する強力なアピールとなります。この記事では、学業をメインにしたガクチカの書き方について、具体的な例文やコツ、注意点を詳しく解説します。魅力的なガクチカを作成し、企業にあなたの強みを伝えましょう。
<目次>
●企業がガクチカで確認したいこと
・学生時代の過ごし方
・意欲や人柄
・学生のスキルや能力
・企業との適性
●ガクチカで学業やゼミをアピールしてもいいの?
・積極的にアピールをしよう
・アピールするメリット
・GPA(成績評価)が低くてもアピールして大丈夫?
●6ステップで伝える! ガクチカの書き方と構成
・1. 何に取り組んだのかを結論から伝える
・2. 取り組んだ理由やきっかけ
・3. 目標や直面した課題
・4. 行動や自分の工夫をアピールする
・5. 取り組みの結果
・6. そこから学んだことや展望
●ガクチカをアピールするときのポイント
・意識だけではなく具体的な行動を書く
・企業が求める人物像と照らし合わせる
・結果や評価を客観的に伝える
・学んだことを企業でどう生かせるかを示す
●注意! ガクチカでアピールするときのNG例
・うそや誇張をする
・専門的過ぎる内容や用語を使う
・周囲と自分の役割を明確にしない
・志望先企業の職種や求める人材を意識していない
●アピールする強みにはどんなものがある?
●【パターン別】学業のガクチカの例文10選!
・例文1. 授業のプレゼン
・例文2. 授業のグループワーク
・例文3. レポート・論文・課題
・例文4. 学業と部活動・サークルとの両立
・例文5. 成績
・例文6. 研究・制作
・例文7. ゼミ
・例文8. 語学学習
・例文9. 留学
・例文10. 資格
●字数と盛り込む内容について
●まとめ
企業がガクチカで確認したいこと
ガクチカは就職活動において非常に重要な要素です。企業は学生のガクチカを通じて、さまざまな情報を得ようとしています。ここでは、企業がガクチカを通じて確認したいポイントを4つの視点から解説します。これらのポイントを押さえたガクチカを作成することで、企業に自分の魅力を効果的に伝えることができるでしょう。
学生時代の過ごし方
企業はガクチカを通じて、学生時代にどのような活動をしていたのかを確認します。勉強やサークル活動、アルバイトなど、どのような時間の使い方をしていたのかが問われます。ここで重要なのは、自分の時間をどのように有効に使い、成長してきたかを具体的に示すことです。
意欲や人柄
ガクチカには、学生の意欲や人柄が表れます。どのような理由でその活動に取り組んだのか、困難な状況にどのように対処したのかなどを通じて、企業は学生の内面的な資質を見極めようとします。積極性や協調性、リーダーシップなど、仕事において重要な人柄が伝わるように工夫しましょう。
学生のスキルや能力
企業は、ガクチカを通じて学生の持つスキルや能力を確認します。プロジェクト管理能力、問題解決能力、コミュニケーション能力など、具体的なエピソードを交えてアピールすることが求められます。自身の強みを明確に伝えることで、企業に対するアピール力が高まります。
企業との適性
最後に、企業はガクチカを通じて学生が自社に適しているかどうかを判断します。企業の価値観や業務内容に合った経験やスキルを持っているかどうかを確認するため、自分の経験を企業の求める人物像に合わせてアピールすることが重要です。
▼ガクチカについて詳しく知りたい方はこちら ・【ガクチカの書き方】絶対に外せないテンプレ/構成とテーマ別の例文 ・ガクチカ例文30選!高評価を得る作成方法とテーマ・文字数別ESを紹介
ガクチカで学業やゼミをアピールしてもいいの?
ガクチカで学業やゼミの成果をアピールしても問題ありません。
学業を通じて得た知識やスキル、課題解決能力を示すことで、企業に対して自分の成長や努力を具体的に伝えることができます。
ここからは、学業・ゼミでの成果をアピールする際の具体的な方法や、学業・ゼミについてアピールするメリットについて詳しく解説していきます。
積極的にアピールをしよう
ガクチカで学業やゼミでの活動・成果をアピールすることは非常に効果的です。積極的にアピールしましょう。
学業は、多くの学生が力を入れている分野であり、ここで得た経験や知識は企業にとっても価値のある情報といえます。例えば、ゼミや研究室での活動を通じて、特定の課題に対する問題解決能力や、プロジェクトの進行管理能力を身につけたことをアピールすることで、実際の業務にも直結するスキルを持っていることがアピールできます。
また、学業においてどのような目標を設定し、目標に向かってどのように努力したかを具体的に説明することで、企業に対して自分の人間性や熱意も伝えられるでしょう。
アピールするメリット
ガクチカで学業をアピールするメリットは以下の3つです。
多様な視点で個性を出せる
学業は一見ありきたりに思えるかもしれませんが、その中身は非常に多様です。ゼミや研究活動、資格取得、授業での取り組みなど、さまざまなトピックを通じて自分の個性を表現できます。具体的なエピソードを交えることで、他の学生と内容が被ることなく、自分独自のアピールができます。
自分の興味・関心や人柄を伝えられる
企業は学業の成績だけでなく、学生の興味や関心、人柄を知りたがっています。学業に注力した理由や選んだテーマに対する熱意を伝えることで、自分の人間性や価値観を深く理解してもらえます。企業とのマッチング度も高められるといえるでしょう。
課題解決能力や対応力をアピールできる
学業を通じて直面した課題や困難に対して、どのように克服したかを伝えることで、自分の課題解決能力や対応力をアピールできます。具体的な取り組みや工夫した内容を説明することで、企業に対して実務に役立つスキルを持っていることを示せるでしょう。
GPA(成績評価)が低くてもアピールして大丈夫?
GPAが低いからといって、ガクチカで学業をアピールすることをためらう必要はありません。
企業は成績よりも「何を目標に勉強したのか」「勉強するうえでどんな工夫をしたのか」「課題をどうやって乗り越えたのか」といった内容に注目しています。
GPAの数値が必ずしも本人の努力や能力を正確に反映しているわけではないため、数値にこだわるよりも、具体的なエピソードを交えながら自己の成長や課題解決のプロセスを伝えることが効果的なアピールにつながるでしょう。
6ステップで伝える! ガクチカの書き方と構成
ガクチカは、就職活動において自身をアピールする重要なポイントです。しかし、多くの学生がガクチカをどのように書けばいいか悩んでいます。この記事では、ガクチカを効果的に伝えるための6つのステップをご紹介します。採用担当者に強い印象を与えるための書き方と構成を解説します。こちらを参考に、自分だけの魅力的なガクチカを作り上げましょう。
1. 何に取り組んだのかを結論から伝える
ガクチカを述べる際は、まず、取り組んだ内容を結論ファーストで簡潔に伝えます。これにより、採用担当者がすぐにあなたの経験の概要を理解できるようになります。具体的な活動名やプロジェクトのタイトルを明示し、興味を引くようにしましょう。
2. 取り組んだ理由やきっかけ
次に、なぜその活動に取り組んだのか、その理由やきっかけを説明します。自身の興味や関心、または挑戦したいと思った背景などを具体的に述べることで、動機や情熱が伝わりやすくなります。エントリーシート(ES)をもとに深掘りされる可能性もあるので入念に準備しておきましょう。
3. 目標や直面した課題
取り組んだ活動における具体的な目標や、直面した課題について説明します。目標は定量的な数値を用いて、明確かつ達成可能なものであることが重要です。また、課題については、どのような困難があったのか、その状況を詳細に描写することで、後の行動や成果がより理解しやすくなります。
4. 行動や自分の工夫をアピールする
課題に対してどのような行動を取ったのか、自分なりの工夫や取り組みを具体的に述べます。チームでの役割や、独自のアイデア、問題解決のための戦略などを具体的に記述することで、自身の能力や努力をアピールしましょう。ここがガクチカで最も重視されるポイントなので魅力的なアピールを心がけましょう。
5. 取り組みの結果
取り組んだ活動の結果について述べます。定量的な成果(数値やデータ)や定性的な成果(評価や感想)を交えて、具体的に説明します。成果を強調することで、あなたの努力や工夫がどのように実を結んだのかが明確になります。
6. そこから学んだことや展望
最後に、その経験を通じて学んだことや、今後に生かせる教訓、展望について述べます。具体的なスキルや知識、自己成長の実感などを伝えることで、採用担当者に成長意欲や将来性を感じてもらえるようにしましょう。
ガクチカをアピールするときのポイント
ガクチカで学業をアピールする際は、学業における具体的な行動や成果をしっかりと示すことがポイントです。内容が企業の求める人物像と一致していることを確認し、さらに結果や評価を客観的に伝えることで、説得力を持たせられます。
ここではガクチカをアピールするときに重要な4つのポイントを解説しています。それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
意識だけではなく具体的な行動を書く
ガクチカで学業をアピールする際は、単なる意識や考えを述べるだけではなく、具体的な行動を記述することが重要です。企業は、あなたがどのような行動を取ったのか知ることで、あなたの努力や成果を評価しています。
例えば、「研究を成功させるために集中して取り組んだ」という抽象的な表現ではなく、「実験結果を分析するために、毎日データを記録し、週ごとに改善点を見つけて対策を講じた」など、実際の行動を記述することで説得力のあるアピールができます。
企業が求める人物像と照らし合わせる
業界や職種によって企業が求める人物像は異なるため、学業で得た力や学びを考える際は、志望する企業で役に立つスキルや経験を選び出すことが重要です。
企業の採用ホームページや求人情報を参考にしたうえで、企業がどのような人材を求めているか把握し、そのニーズに応える形でガクチカを作成する必要があります。
例えば、リーダーシップを重視する企業に対しては、チームでのリーダー経験や提案力を強調することが効果的です。
調べたい企業が何を重視しているかを知りたい場合、以下のようにONE CAREERのサイトから企業名を検索し、選考対策の項目から「合格の秘訣」を見ると情報を入手できます。
結果や評価を客観的に伝える
学業で頑張った取り組みをアピールする際は、その結果や評価を客観的に伝えることが重要です。
主観的な表現ではなく、具体的な数字や第三者からの評価を用いることで、信ぴょう性が増し、企業に対して強い印象を与えられます。
例えば、「ゼミで良いプレゼンをした」という表現ではなく、「ゼミでのプレゼンテーションがクラス内で最優秀賞を受賞した」という具体的かつ客観的な成果を示すことが大切です。
学んだことを企業でどう生かせるかを示す
企業は、学生時代に頑張ったことを聞きたいだけではありません。ガクチカを通じて得た学びや能力を入社後どのように生かせるか知りたいと考えています。
入社後の具体的な業務に学業の取り組みから学んだことや得たスキルをどのように適用するか示すことで、企業に対して自分の再現性をアピールできます。
例えば、「研究でデータ分析を行いました」というだけでなく、その経験から得たデータ分析能力やプレゼンテーションスキルをどのように生かしていくか伝えることが重要です。
これらのポイントを押さえながら、具体的かつ客観的に自分の学業の取り組みをアピールすることで、企業に対して効果的にガクチカを伝えることができるでしょう。
注意! ガクチカでアピールするときのNG例
ガクチカをアピールする際は、いくつかの避けるべき注意点があります。ここでは、具体的なNG例を挙げながら、注意すべきポイントについて詳しく説明します。
うそや誇張をする
事実ではない内容を記載して書類選考を通過しても、面接で深掘りされた際にうそが露見することがあります。
企業は多くの学生を見てきており、作り話や誇張は簡単に見抜かれてしまいます。また、資格や成績は内定後に証明書の提出を求められることが多く、うそが発覚すれば内定取り消しのリスクもあります。
ガクチカでは、自分の経験を正直に伝えることが最も重要です。うそや誇張は避け、自分の言葉で堂々と話せる内容にしましょう。
専門的過ぎる内容や用語を使う
研究や専門分野についてアピールする際、つい専門用語を使ってしまうことがあります。しかし、採用担当者がその分野の知識を持っているとは限りません。
専門用語を多用すると、せっかくの努力や成果が正しく伝わらない可能性があります。誰にでも理解できるように、わかりやすい言葉で説明することが重要です。
専門的な内容を記述する場合は、一般的な言葉に置き換えるか、具体例を交えて説明するよう心がけましょう。
周囲と自分の役割を明確にしない
チームで取り組んだ学業の内容をアピールする際は、自分の具体的な役割や貢献度を明確にすることが重要です。
役割を明記しないと、企業はあなた自身の考えや工夫がどのように結果に結びついたのかを理解できません。自分の成果を適切に伝えるためには、役割や活動内容を具体的に記述する必要があります。
例えば、「グループプロジェクトではリーダーを務め、メンバーの進捗(しんちょく)管理と最終プレゼンテーションのまとめを担当しました」という具体的な役割を示すことで、自分の貢献度が明確になるでしょう。
志望先企業の職種や求める人材を意識していない
志望する企業の職種や求める人材像を意識しないままガクチカを作成すると、企業にとって魅力的なアピールになりません。
企業の採用情報やホームページをよく調べ、企業が求める人物像に合わせて自分の経験や学びをアピールすることが重要です。自分の経験を企業の求めるスキルや特性と結びつけて説明することで、企業にとってより魅力的な候補者になるといえます。
例えば、リーダーシップを重視する企業に対しては、「チームプロジェクトを通じてリーダーシップを発揮し、メンバーをまとめて目標を達成しました」といった具体的なエピソードを交えることで、企業の求める人物像に合致するアピールができます。
調べたい企業が何を重視しているかを知りたい場合、以下のようにONE CAREERのサイトから企業名を検索し、選考対策の項目から「合格の秘訣」を見ると情報を入手できます。
アピールする強みにはどんなものがある?
学業やゼミを通じてアピールできる強みは多岐にわたります。以下に、学業・ゼミのエピソードでアピールしやすい強みを一覧にまとめました。自分の経験と照らし合わせて、適切な強みを見つけてみてください。
学業やゼミの活動を振り返り、自分の個性を最大限にアピールできる強みを考えてみましょう。
【パターン別】学業のガクチカの例文10選!
ここでは、本選考やインターンシップ選考の実際のエントリーシート(ES)を例として、パターン別に例文を紹介していきます。実際にどのように文章を展開して、ガクチカをアピールするかを参考にしましょう。
例文1. 授業のプレゼン
授業のプレゼンでの経験をもとにガクチカを書いた例を見てみましょう。
【2024年卒 味の素冷凍食品 マーケティング職 本選考】 ・あなたが今までに力を入れて取り組んだ経験について、2つ具体的に述べてください。その際、身につけたことを交えてそれぞれ述べてください。(250文字以上350文字以下) 5人で機能性食品企画を企業の方にプレゼンしたことです。案を決定する中、意見に共感する姿勢を持つが故に発言を遠慮してしまうメンバーがいることに気がつきました。意見の多様性を尊重したかった私は、より少人数で話をすれば、発言を遠慮していたメンバーも意見が伝えやすくなると考え、個々の意見の抽出を課題設定としました。課題解決のために、1対1のヒアリングを行いました。そして、抽出した意見と、現在行っている乳酸菌の研究から発想を得て乳酸菌とグリーンコーヒーを提案しました。すると、メンバーから賛同を得ることができ、その後も創意工夫を凝らすことで独自性溢れるようにしました。その結果、◯◯の結果を残すことができました。この経験から、全体を俯瞰(ふかん)し、意見交換が活発にできる場を自らが作り出すことを身に付けました。 ※出典:味の素冷凍食品|マーケティング職2024年卒本選考のES
この例文では、プレゼンの経験を通して全体を俯瞰(ふかん)しながら意見交換が活発に行える環境を作り出す能力やコミュニケーション能力をアピールしています。
例文2. 授業のグループワーク
授業のグループワークの経験をもとにガクチカを書いた例を見てみましょう。
【2021年卒 ワールド 総合職 本選考】 ・大学の学業で、力を注いだ内容を記載してください。(ゼミ)250以内 ゼミ活動にて、「◯◯のビジネスモデル考案」に力を注ぎました。ゼミ内で◯人グループのリーダーとなり、自ら調査を行うだけではなく、役割分担や方向性の決定など、知識や前例がない中でグループをけん引致しました。具体的には、実際に現地に足を運び調査を行う、先生のご協力を得ながら◯◯と連携することで不足する知識を補い、持続可能で地域貢献・収益化の期待できる案にまとめ上げました。結果として、提案した「◯◯◯◯◯」案が採用され、現在は実現化に向けて全体で活動しています。 ※出典:ワールド|総合職2021年卒本選考のES
この例文では、グループワークの経験を通してリーダーとして全体をけん引する能力や、調査を重ねて自ら案を考案する発想力と行動力をアピールしています。
例文3. レポート・論文・課題
授業で作成した課題をもとにガクチカを書いた例を見てみましょう。
【2020年卒 三井住友建設 建築技術職 本選考】
・学生時代に力を注いだこと
私が学生時代に一番力を注いだことは、設計課題でした。設計課題は、全ての科目の中で、最も抽象的で、しかし最も具体的に形として仕上げなければならず、正解のないものだったように思います。期日が設けられているため提出物として完成させましたが、納得のいく完成形に仕上げられたことはありません。だからこそ、限られた時間の中で知識を詰め込み、試行錯誤しながらより納得のいくものを造ろうと励みました。しかし、他のどの科目も同じ建築を構成する要素として関わり合っており、それを実践する場として設計課題が設けられていると考えているため、設計課題をモチベーションに他の科目にも熱心に励むことができました。
※出典:三井住友建設|建築技術職2020年卒本選考のES
この例文では授業での課題を通して、試行錯誤を繰り返して最終的に納得のいく形にできる能力や建築学の学習意欲をアピールしています。
例文4. 学業と部活動・サークルとの両立
学業と部活動・サークルの両立をもとにガクチカを書いた例を見てみましょう。
【2024年卒 エーザイ 創薬研究職 インターンシップ選考】
・これまでの学生生活を振り返って、あなたが最も力を入れて取り組んだことを挙げ、その取り組みの中であなた自身が「特に工夫した点」あるいは「苦労した点」を記載してください。(400文字以内)
サークル活動と学業の両立に最も尽力した。私は大学入学当初、「新しいことへの挑戦」と「高い成績の維持」を目標として掲げた。新しいことは◯◯の◯◯(◯◯)を始め、◯◯すらできない状況から、周囲の人々への相談やレベルの高い◯◯動画を参照し、自身の◯◯を録音しては聞き返す操作を◯◯につき何十回と繰り返した。音の切り方や強弱、息を吸うタイミングや音色等の創意工夫を繰り返し、その録音を上級者に聞いてもらい客観的な意見も積極的に取り入れた。その結果、現在では◯◯大会において、全◯◯の上位8%ほどしか通過できない最終予選への出場を果たした。サークル活動を楽しんで行うことで気分転換し、勉学への集中力を高めた。分からない内容はその都度確認を怠らず、積極的に友人に教えるなどして、理解力を深める癖をつけた。試験前には徹底的な問題演習を行うことで、卒業時のGPAは3.55を記録した。
※出典:エーザイ|創薬研究職2024年卒インターンシップ選考のES
この例文では新しいことにチャレンジする行動力や、試行錯誤して課題へ立ち向かった努力、そして集中力をアピールしています。
例文5. 成績
学業の成績をもとにガクチカを書いた例を見てみましょう。
【2024年卒 久光製薬 MR職 インターンシップ選考】
・大学時代に一番力を入れたことについて教えてください。(生み出された成果と、成果を得るために工夫したことをふまえて)
GPAを高く維持できるように学業に力を入れて取り組みました。入学当初にGPAの高い順に研究室配属の希望が通るなどGPAが基準となるものがいくつかあることを知りました。当時、漠然とした将来像しかなかったため、視野を狭めることがないようにGPAを3.5以上獲得することを目標にしました。1年生の春学期はオンデマンド講義など不慣れな面も多く、目標を達成することができませんでした。特に理系科目の理解不足が原因だと考え、分からない箇所を放置しないことに決めました。まず講義資料を読み理解できない箇所があればネット上の動画を見るなど理解を深める、練習問題を解き演習を繰り返す、その中で不明な点があれば教授にメールを通して聞くといった手順で徹底的に分からない点をなくしていきました。この積み重ねから秋学期では目標を達成することができ、このような取組みを継続して行うことで今ではGPA◯◯を獲得しています。
※出典:久光製薬|MR職2024年卒インターンシップ選考のES
この例文では早期から高い目標で継続的に学習を進め、GPAを高く維持した努力をアピールしています。
例文6. 研究・制作
研究をもとにガクチカを書いた例を見てみましょう。
【2021年卒 日鉄ソリューションズ 総合職 インターンシップ選考】
・学生時代に最も力を入れたこと
最も力を入れたことは研究である。研究では、論理的思考を用いて過去の文献から未来を予測し、それを証明するためにどのような手段を用いるか考えた。そして卒業までの限られた時間から逆算し、スケジュールを立てた。このスケジュールに沿って実験を行ったが、予測したものとは違う結果が出ることも多々あった。その際にも、なぜその結果が出たのか、そしてその結果から新たにどのようなことが予測されるか論理的思考を用いて臨機応変に対応していった。具体的には、ある実験を行った際に◯◯ほどのデータが抽出される予定が◯◯ほど抽出され、予想より多いデータをどのように意味づけするかでつまずいた。しかし、最終的には◯◯のデータを特徴ごとにグループ分けし、グループごとに意味づけをすることで解決した。このように柔軟に問題に適応することで、当初の予測とは少し異なるが新しい発見をすることに成功した。
※出典:日鉄ソリューションズ|総合職2021年卒インターンシップ選考のES
この例文では研究中に直面した問題に柔軟に対処したことや新規の発見をできたことをアピールしています。
例文7. ゼミ
ゼミをもとにガクチカを書いた例を見てみましょう。
【2020年卒 森永製菓 総合職 本選考】
・学生時代に力を入れて取り組んだことについてご記入ください。
私が学生時代に力を入れたことは、ゼミで行われるディスカッションです。三回次から所属している◯◯文学ゼミでは「◯◯◯◯」という作品を扱い、毎回司会者と発表者二人を決め、ディスカッションを行なっています。そのなかで私は、「静かで発言の少ないゼミを変えたい」、「もっと作品の理解を深めたい」という思いから、積極的に司会に立候補しました。司会という立場で、発表者以外にも意見を求め一人一回は話を振る、自分の意見もしっかり伝えるということを意識しました。図書館に通って時代背景などの情報を集め、みんなに発信すること、教授に質問をしにいき疑問点をなくすことも意識しました。以上のことを実践することで、ゼミは少しずつ活発になっていき、たくさんの人が意見を出してくれるようになりました。様々な意見を共有することで多角的に作品を考えることができ、作品理解も深まりました。
※出典:森永製菓|総合職2020年卒本選考のES
この例文ではゼミにおけるディスカッションでの立ち回りや、ゼミを活発化させる方法を模索したことをアピールしています。
例文8. 語学学習
語学学習をもとにガクチカを書いた例を見てみましょう。
【2023年卒 日本総合研究所 リサーチ インターンシップ選考】
・現在力を入れていること(研究、部活、学外連携、社会活動等)をご記入ください。400文字以下
苦手意識のあった語学学習です。何事にも挑戦する行動力を養える留学に興味があったため、語学試験や短期留学を通して計画的に語学力向上に励みました。その甲斐あって、大学内の選考を突破し交換留学することができたのです。しかし、いざ行くと現地での事務手続きに苦労し、自分の語学力の低さを痛感しました。そこで、現地の学生に声をかけ、週2日勉強会を開催することにした。仲間と意思疎通を図ることで、互いのスタイルに合った勉強方法を見つけ、楽しい雰囲気の中で有意義な時間を過ごせるように努めました。その結果、一人でトラブルに対処できるまでになり、最終的にはTOEIC◯◯点を獲得できたのです。また、この経験から、価値観や立場が自分と異なる人と協力する大切さを学びました。そのため、現在も語学の勉強に勤しむことで、同じ研究室に所属する留学生や外部の方々と積極的に意見交換し、研究成果を挙げられるように力を入れています。
※出典:日本総合研究所|リサーチ2023年卒インターンシップ選考のES
この例文では英語力とそれを習得するまでのプロセスをアピールしています。
例文9. 留学
留学をもとにガクチカを書いた例を見てみましょう。
【2022年卒 学校法人 北里研究所 法人本部事務 本選考】
・学生時代の取り組み
学生時代に力を入れたことは、海外交換留学です。高校時代にも1年留学していたことから、英語を学ぶのではなく英語を使う、という事を通して国際的な視野を手に入れたいと考え、◯◯での留学を志しました。しかし、留学中にコロナパンデミックという困難に直面しました。私はこの逆境を有意義なものにするため、以下二つのことを考え実行しました。(1)真剣に学問に向き合う(オンライン授業の利点の活用、一日中課題に取り組む)、(2)寮生との深い交流(食事会・映画会・ピクニック等の開催)。特に不安も多い時期でしたが、むしろ貴重な経験だと前向きにとらえることで乗り切ることができました。結果的に、半分の履修科目でA評価をいただき、また充実した国際交流を実現することができました。この経験を通して、逆境の中でも目的意識を追求し諦めない姿勢の大切さを学びました。
※出典:学校法人 北里研究所|法人本部事務2022年卒本選考のES
この例文では、留学において逆境に立ち向かうために自分なりに施策を行ったことや国際交流を通じて貴重な経験ができたことをアピールしています。
例文10. 資格
資格をもとにガクチカを書いた例を見てみましょう。
【2023年卒 ジャックス グローバル職 本選考】
・学生時代に力を入れたこと
2級◯◯の資格取得に注力しました。取得理由はコロナ禍の自粛期間をプラスに変えたいと考えたからです。この資格に一度の受験で合格することを目標とし、その達成に向けて2つの工夫を行いました。1つ目に「勉強時間の捻出」です。夏季休暇をうまく活用し、あえて自ら1ヶ月と期間を定め毎日8時間同じペースで集中して取り組みました。2つ目に「合格から逆算した計画立案」です。目標だけでなく行動計画も大切だと思い、1日にこの範囲をこのページ行うといった行動計画を立て達成感を感じながら取り組みました。これらを1ヶ月続けた結果、無事一度の受験で合格することができました。この経験から「強い意志を持って計画的に取り組むことで目標達成につながること」を学びました。
※出典:ジャックス|全国転勤型2023年卒本選考のES
この例文では、コロナウイルス感染症の自粛期間において強い意志を持って資格取得に取り組んだことをアピールしています。
字数と盛り込む内容について
ESや履歴書にガクチカを書く際、400字や200字などの指定された字数に応じて内容を調整する必要があります。
400字の場合は、より詳細な説明ができるので、企業に入社してからどのようにその経験を生かすかを説明することが重要です。また、入社後の具体的な場面での強みの生かし方を伝えることで、強みの内容が明確になると同時に、企業への理解度が高いこともアピールできます。
ガクチカの目的は、面接官に自分の強みをしっかりと伝え、採用したいと思わせることです。経験した事実だけでなく、入社後の活躍をイメージできるように工夫しましょう。400字のガクチカに盛り込むべき内容は、以下のとおりです。
200字の場合、伝えたいことをすべてまとめるのは難しいため、要点を絞って効果的に伝えることが求められます。自分がどのように物事に向き合い、何が強みなのかを端的に伝える内容に絞りましょう。
強みが明確に伝えられない場合は、学んだことを伝えるかたちでも問題ありません。ただし、学んだことだけではアピールとして不十分なので、それをどのように生かすかという点をセットで伝えることが大切です。
200字のガクチカに盛り込むべき内容は、以下のとおりです。
学業・ゼミを選んだ理由や詳しい研究内容、経験から得た学びなどは、エントリーシートや履歴書ではなく、面接で具体的に話すこともポイントです。履歴書やESは面接時の参考にしてもらえるような内容にし、質問を引き出せるような工夫をしましょう。
まとめ
以上、学業に関するガクチカについて解説してきました。学業、特に研究やゼミでの活動を通じて得た経験や成果を効果的に伝えることで、企業に対する強力なアピールとなります。
学業をメインにしたガクチカの書き方では、具体的なエピソードを交えながら、自分の行動や工夫、得たスキルを明確に示すことが大切です。また、企業の求める人物像と照らし合わせ、自分の経験が企業にどのように役立つかを具体的に伝えることで、説得力を持たせられます。
これらのポイントを押さえたうえで、魅力的なガクチカを作成し、効果的に良い印象を与えられるようにしましょう。
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