こんにちは、ワンキャリ編集部です。本日は就活生のみなさんが後悔のない就職活動(以下、就活)を送れるよう、就活を終えて後悔してしまった3人の体験談をご紹介します。就活は主に「志望企業を探す」フェーズ、「内定を獲得する」フェーズ、「就職先を選ぶ」フェーズ、に分けることができますが、それぞれのフェーズの失敗談を1つずつお送りすることで、みなさんの就活の成功に役立てていただきたいと思います。
<目次>
●「志望企業を探す」フェーズ:志望業界を早期に絞りすぎて後悔したAさんの話
●「内定を獲得する」フェーズ:志望企業がどのような人材を求めているかが分かっていなかったCさんの話
●「就職先を選ぶ」フェーズ:自分が何をしたいか分からないまま就活を進めてしまったEさんの話
「志望企業を探す」フェーズ:志望業界を早期に絞りすぎて後悔したAさんの話
「若いうちからバリバリ成長し、キャリアを積みたい」と考えていたAさんは「成長できる環境といえば外資系」という考えのもと、外資金融・外資コンサルを中心に就活をしていました。外資系の対策を夏前から入念に行い、無事第一志望の外資系コンサルの内定を獲得しました。
真面目なAさんはその後も、入社後のスタートダッシュを見据えて、外資コンサルという名前のつく本を片っ端から購入し、日々勉強に励みます。ところが、充実した生活を送るAさんの前に突如、同じように「成長したい」という考えを持ちつつも、ベンチャー企業への就職を決めたBさんが現れます。周りに、日系大手と外資系企業に就職する人しかいないAさんにとって友達のBさんは新鮮に映りました。話を聞いてみると彼は意気揚々と語ります。
「最初は外コン志望だったけど、辞めた。成長できるのかもしれないけど、ジュニアコンサルのやる仕事って結局シニアコンサルの下請けだと思ったんだよね。それで視野を広げて成長機会について考えてみようと思って、ベンチャー企業で長期インターンをしてみたんだけど、そこで人が本当に成長するのはマニュアル化されていない責任のある仕事をこなすときだと気が付いたんだ。多くの仕事をこなすことも大事なんだけど、それよりも決まった型のない仕事を、責任を背負って自分の頭で考えながら結果を出す過程で成長すると思うんだよね。だからそういう経験が一番多く積めるであろうベンチャー企業を中心に受けて、一番自分に合っているなと思った企業に入社することにした。」
Aさんは雷に打たれたような衝撃を受けました。成長=外コンだと考えており、「どんなときに成長するのか」を自分で考えていなかったのです。
Aさんがベンチャーの魅力に気づいたときにはもう優良ベンチャーの採用は終わっていました。Aさんの第一志望がベンチャーになったとは限らないとはいえ、自分にとって最善の選択肢の可能性があった企業群を受けることなく就活を終えてしまったのです。
<解決策>
食わず嫌いをせずに積極的に就活初期の段階から幅広い業界を見ることで、知らない業界、企業をできるだけ減らしておく。
「内定を獲得する」フェーズ:志望業界がどのような人材を求めているか分かっていなかったCさんの話
Cさんはミーハー心と純粋な憧れから総合商社を志望していました。入念な対策をしていたCさんは無事第一志望のインターンシップに合格します。「ここで内定を決めてやる!」そう意気込んでいたCさんは総合商社のビジネスモデルや、世界の取り巻きについて勉強しインターンシップに臨みます。
誰よりも総合商社について詳しかったCさんは参加したインターンのワーク中でも持ち前の知識を存分に発揮し、チームをけん引します。間違った意見には「違う」とはっきり言い、自分の意見をはっきり披露しました。チーム内で自分の意見が一番多く採用されたし、この班をけん引したのは紛れもなく自分だ。特別ルートに乗せてくれるに違いない。そのような確信をもってCさんはインターンを終えました。
しかし、インターン後いくら待ってもCさんにその企業から連絡が来ることはありませんでした。加えて、本選考でも内定を獲得することはできませんでした。一方、班員のDさんからその企業から内定をもらったとの連絡を受け、「自分の方が活躍したのに……」と悔しい日が続きました。
後日同窓会で内定者になったDさんと話す機会がありました。Dさんは「総合商社のビジネスは団体戦みたいなものだから、とにかく協調性を意識した。自分が活躍することよりも班のアウトプットが少しでもいいものになるように振る舞った。自分の貢献度が一番高かったかは分からないけど、『ともに商社で働く人』を見極めようとする社員の方からいい評価を得られたのではないかと思う」
Cさんははっとしました。相手がどのような学生が欲しいのかを考えることなくただ自分の優秀さや強みをアピールすることばかり考えていたのが問題だったのです。「日本の新卒採用はポテンシャル採用」と知っていたのに、客観的に自分の状況を分析することができず、振る舞い方を間違えてしまったのです。
<解決策>
事前に企業分析を行い志望企業の求めている人材像を理解した上で、インターンや選考に臨み適切な振る舞いをする。
「就職先を選ぶ」フェーズ:自分が何をしたいか分からないまま就活を進めてしまったEさんの話
Eさんは「絶対に内定王になりたい!」という思いのもと就活を進め、無事数多くの内定を獲得しました。内定先の企業名を見てニヤニヤしながら、「さてどの企業に入社しようか……」と考えたEさんは思わぬ壁に直面します。必要な自己分析を十分に行ってこなかったEさんは、自分が何をしたいのか、自分にとって何が大切なのか全く分からなかったのです。試行錯誤の末なんとか3社に絞ったものの、1つに決めることができずに悩みます。
モテたい。けどこのご時世いつ会社がつぶれるかも分からないから、いざというとき転職できるように成長してスキルを身に着けておきたい……。けど、体調を崩してしまうほどの激務は嫌だ……。それに、やはり自分が一番共感できることができるかどうかも大切なのではないか……。
自分が望んで獲得した内定のはずなのに、どの企業に入社しても幸せになれないように思えてしまいます。「他にもっと自分にあっている企業があったのではないか」という思いが拭えませんが、いつまでも悩んではいられません。そのため仕方がないので、しぶしぶ最も内定を獲得するのが困難といわれるY社への入社を決意します。
入社後ことあるごとに隣の芝が青く見えてしまいます。大手企業であるX社の同期と話せば「自分はこんなに働いているのにこの給料か」と感じ、ベンチャー企業のZ社の同期と話すと、「共感しているビジネスにイキイキ働いていてうらやましいなあ」と感じるのです。「他の会社にしておけばよかったのではないか……」という思いが頭をよぎり、不満を漏らしてばかりの日が続いてしまいました。
これは自分の意思決定理由をはっきりさせなかったことが原因です。「就職難易度」といういわば自分の価値観とは何も関係のない軸や情報で入社先を決めてしまい、決断の納得度が低くかったのです。企業分析を行う前から自己分析を行い、自分が何のためなら頑張れるのかをはっきりさせておくべきだったのです。そうすれば、入社先を決断する際に、「Y社は激務で、自分のやりたいこととは多少の乖離(かいり)がある。その代わり、抜群のネームバリューと待遇が得られる」と納得できていれば、多少の不安で隣の芝生が青く見えてしまうこともなかったでしょう。
就職先の決め方について、より詳しく知りたい方は下記の記事に目を通すことをおすすめします。
・あなたはどっち派?「対策して実力以上の企業を目指すべき派」か「身の丈にあった企業に行くべき派」か。〜就活最前線〜
<解決策>
早期から自己分析を行い、「自分にとって大切なこと」を明確にすること。その視点をもって職場を選択する。
おわりに
今回は就活を終えて後悔した3つの話を紹介しましたが、いかがでしたか。3人とも異なる原因で後悔していますが、全員の内容に共通するのは「事前に万全の準備をしなかった」ことです。「就活はやることが多すぎて大変だ……、何をどうすればいいのかわからない……」という状況に陥りがちですが、冷静になりましょう。決まった時期までに、決まった準備ができれば、全員が満足できる結果を手にできるものなのです。
これから就活に臨むみなさんにはぜひこの3人と同じような後悔をしないように早め早めの対策を心がけ、万全の準備をして就活に臨みましょう。
ワンキャリアでは就活を後悔させないための記事を他にも用意しています。
ぜひ、ご覧ください。
・穴があったら入りたかった。17卒就活生が経験した、就活中の失敗談
・就活の面接でよくある失敗例から学ぶ、第一志望企業内定への対策法