1951年に設立された三菱UFJニコスは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFJ)の中核企業として、3,000人を超える従業員でグループの決済分野を担っています。
グループ各社はもちろん、農林中央金庫や地方銀行、フランチャイジーなどをビジネスパートナーとして、新規会員獲得や商品性強化といった利用者へのサービス提供である「イシュイング」、決済インフラを整備するなど加盟店へサービス提供をする「アクワイアリング」、当社が永年にわたり培ってきた決済システムやノウハウを企業(受託先)へ提供することで金融ビジネス参入のサポートをする「プロセッシング」の3つを主な事業として、キャッシュレス化を推進しています。
今回は同社の人事部で採用活動を担当している野間さんに、企業としての魅力などのお話を聞きました。
キャッシュレス社会の実現で日本を豊かにする
──まず三菱UFJニコスの独自性について聞かせてください。
野間:日本のカード会社で唯一、47都道府県と顧客接点を持っているところですね。顧客接点が多いことは、あらゆる「地域」に対してサービスを提供できるため、当社のサービスをより多くの人々に利用していただけるというメリットがあります。
当社としては、「クレジットカード会社として、キャッシュレス社会を実現することで、人々の生活を豊かにしていきたい」という想いを抱いています。独自性を生かすことで、未来に向けてこの想いを実現していきたいと考えています。
──クレジットカードを通しての地域貢献の醍醐味(だいごみ)はどのように感じていますか。
野間:クレジットカードを通して世の中を豊かにしていくと言っても、「豊かさ」の定義は人それぞれ異なると思います。しかし、その根底にはお金や決済が関わっているのではないでしょうか。
イメージしやすいところでは、地域活性化があります。地方にある飲食店の決済インフラを整備することを一番に想像されるかと思いますが、それだけではありません。当社は地方自治体への直接のアプローチもしています。自治体における法人間取引(BtoB)で当社の法人カードを利用してもらうことでのキャッシュレス化はもちろん、そこから派生する経費管理や行政手続きなど、今後は地域全体のDXにつなげていくことを構想しています。
そんな豊かさの実現に貢献できるところに、当社の存在意義や仕事の醍醐味があるかと思います。
──クレジットカードは十分に普及している印象を受けますが、発展の余地はありますか。
野間:確かに都心部をはじめとして、家電量販店や飲食チェーン店ではキャッシュレス決済はほとんど導入されています。とはいえ、日本の個人消費におけるキャッシュレス比率は40%程度、法人間取引(BtoB)におけるキャッシュレス比率は2%程度です。
日本では現在、個人法人ともにキャッシュレス決済の普及が進んでいますが、成長の余地は十分にあると感じています。近年は政府の推進政策などにより、今後さらに普及が加速していくのではないかと予想しています。
人事部の社員から見る活躍する若手とは
──次に「法人営業」のやりがい・苦労を実感した瞬間について教えてください。野間さんは以前、法人営業部で加盟店営業に関わっていたそうですね。
野間:私は法人営業で、アクワイアリング事業を担当していました。決済端末を推進することがメインの業務でしたが、他にも、サブスクリプションサービスや公共料金の引き落としのように、一度カード番号を登録すると翌月から同じカードから引き落とされる仕組みの提供も、アクワイアリング事業の1つとして推進していました。
営業の仕事は、端末をただ店舗に置いてもらうだけでは終わりません。本部の会計システムや店舗レジとの連携などシステム面の会話も少なくありませんでした。私自身、「ここまでシステムの話が出てくるんだ」と最初はびっくりし、専門性の高さに戸惑うこともありました。
そもそも専門性が高く、企業への影響も大きいため、交渉から成約まで長期間かかることも多くあります。ただ、専門知識を身に付けながら、忍耐強く交渉を続けた末に、成約した際の瞬間は、今でも鮮明に覚えています。
──知識やスキルはどのように身に付けていきましたか。
野間:配属当初は、法人営業ならではのビジネス構造を理解するための手厚い研修がありました。もちろん実践しなければ身に付かないこともあるため、上司や先輩からのサポートを受けて日々学んでいきましたね。
営業は、各企業に対して専任の営業担当者を配置しています。やり取りをするのは私だけではあるものの、実際にはチームの上司や先輩からアドバイスも受けながら業務に取り組むことができます。
また、営業というと厳しいノルマを想像するかと思いますが、無理なノルマ設定はありませんでした。達成項目こそありますが、プロセスを評価してもらえる環境があるため、数字達成だけでなく、いかに考えて行動したかということも重要です。
このような環境により、プレッシャーに押しつぶされることはありませんでした。上司や先輩にささいな不安でも相談できる風通しが良い環境だと感じています。
──若手活躍を支援する風土があるかどうかについても聞かせてください。金融業界は年功序列が一般的というイメージがあります。
野間:実際に仕事を任せてみないことには、各人がどのような力を秘めているかは分かりませんので、営業であれば1年目の秋頃からは、大企業の担当やプロジェクトリーダーを任される環境があります。
私も1年目の秋頃から大企業を担当していました。それだけ責任感も大きくなりますが、「三菱UFJニコス」という看板を背負って取引先に出向くことになりますから、責任感を持って仕事をすることで成長できたと実感しています。
さらに、大企業を担当したことで、その関連会社が新たに決済ビジネスに参入するとなった時は、私もプロジェクトに携わりました。若手では経験できないような業務を通じて、新たなスキルや知識を習得できたと感じています。
──活躍できる若手はどういった資質を持った人材だと考えますか。
野間:活躍している若手を見ると、素直さがありながら恐れずに自分の意見を発信できる人材が多いと思います。
素直さというのは、ミスをした際も自分のミスだと素直に認め、自身の弱点を改善できるということです。1年目から素直さを習慣づけることは重要だと思います。
また、活躍している社員を見ると、計画性を持って、新しいことにチャレンジできる人材が多いと感じますね。会社としてもお金に関わるサービスを扱っているため、信頼が大前提にあります。一度失った信頼を取り戻すことは大変ですから、新たなサービスを生み出すときは、挑戦にあたってやるべきことや潜在リスクをしっかりと検討したうえでチャレンジする社員が多いですね。
誰もが自分なりのキャリアを築ける環境が整っている
──ワークライフバランスについても聞かせてください。
野間:ワークライフバランスは非常に充実しています。有給休暇の平均取得日数は19.7日と、休暇を取りやすい環境も整っています。
以前、若手社員を対象に有給休暇に関するアンケートをとったところ、ほとんどの社員が休暇を取りやすいと感じていると回答していました。5日間連続で有給を取得し、前後の土日とつなげることで9連休にして、海外旅行をする社員も多いです。
私自身が福利厚生でありがたいと感じたのは、家賃補助制度ですね。よく、事業所から数時間以内や数キロ圏内に実家があると家賃補助の対象外という企業も少なくないと思います。当社の場合は総合職の社員であれば、誰もが家賃補助の対象になります。たとえ事業所から歩いて5分のところに実家があったとしても、1人暮らしを希望する場合は補助が出ます。
また、金融業界は数年での転勤を繰り返すイメージもあるようですが、当社では9割弱の社員が東京勤務となっています。
事業所が東京と名古屋、大阪、福岡にあるため、初期配属こそは東京以外の事業所になる可能性はありますが、2部署目に東京への異動になって以降は、そのまま長く東京で働くケースも多い印象です。部署異動も定期的に行われるものの、多くは東京内での異動となります。私も法人営業から人事に異動した際は、本社ビルの16階から17階に移っただけで、異動はありつつも転居を伴わないことがほとんどだと思います。
2部署目への異動は入社2年から2年半で行われ、企画なども含めた全ての部署に異動する可能性があります。初期配属時とは異なる業務を任せることで、幅広くさまざまな経験を積んで自身に合ったキャリアを見つけてもらうという狙いがあります。
──初期配属はどのように決まるのでしょうか。
野間:まず10月1日の内定式を終えた後、内定者と採用担当が一対一で、配属希望面談を行います。そこで希望する勤務エリアと業務内容を、理由を含めてしっかりとヒアリングし、希望や適性を踏まえて決定していきます。
──御社には教育環境が整っている印象を抱きます。
野間:私自身、非常に整っている実感はあります。研修制度も充実していて、入社時には2週間の新入社員研修があり、その後も半年間は、配属された部署の中で比較的年齢が近い先輩が一対一で日々サポートするOJT期間を設けています。
他にも、入社5年目までは毎年、同期社員でビジネスにおける思考法などを学ぶ研修があります。また、自身が希望すれば参加できる研修もあり、その一例であるイノベーター研修では、10年後の当社について議論をしながら新規ビジネスや組織変革を考えていき、最終的には社長を含めた経営層にプレゼンするというプログラムです。
──最後に中長期的なキャリアアップについて聞かせてください。モデルケースはありますか。
野間:当社は事業の幅が広く、誰にも共通するようなキャリアパスはないといえるかもしれません。一方で、チャレンジ公募という、自分がチャレンジしてみたい業務や部署に自ら応募できる制度など、自分なりのキャリアを築ける環境は整っています。
最初からキャリアプランを決めきれない社員も、多様な部門での経験を通して最終的にそれぞれの理想とするキャリアを歩んでいる印象はあります。
女性のキャリアについて、私が在籍した法人営業部と人事部でも、育休・産休を経て復帰した社員が在籍しています。復帰後に業務内容が一変するようなこともなく、以前と変わらぬ業務を担っています。
時短勤務など限られた時間で働く場合も、法人営業であれば担当社数を減らすなどの工夫によって、社員それぞれのスタイルで働ける環境は整っているといえますね。
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三菱UFJニコス
【ライター:小谷紘友/編集:鈴木崚太】