自己PRとガクチカをエントリーシート(ES)に書くとき、内容がかぶってしまい困っている方も多いのではないでしょうか。自己PRやガクチカの違いを理解し、差別化して魅力的なESにしましょう。この記事では違いの解説とESの書き方や例文もご紹介します。
<目次>
●自己PRとガクチカの違い
・取り扱うメインテーマの差
・企業が求めるものの差
・自己PRとガクチカの共通点
●自己PRやガクチカはかぶる? エピソードの探し方
・自分の経験を振り返る
・企業の求める人材から考える
・他己分析をしてみる
・エピソードはなるべくかぶらないようにする
●自己PRとガクチカを差別化する書き方
・自己PRとガクチカのアピールポイント
・構成を変える
●先輩たちの自己PRとガクチカの例文
・学業・ゼミ
・部活動・サークル
・アルバイト
・留学
・インターンシップ
・資格取得
・ボランティア
●まとめ
自己PRとガクチカの違い
自己PRとガクチカの違いが分からないという方も多いと思いますが、この2つは伝える内容に大きな違いがあります。
・取り扱うメインテーマの差
・企業が求めるものの差
この2つを軸に違いを解説していきます。
取り扱うメインテーマの差
自己PRやガクチカではテーマとするエピソードに差があります。どのような違いがあるのか見ていきましょう。
自己PR:長所や人柄
自己PRでは自分の長所や強み、人柄を伝えましょう。自分の長所などが発揮されているエピソードを交えて伝えると企業側もあなたの人柄が見えてきます。例えば、コミュニケーション能力が高いことが長所である場合、サークル活動で皆の意見をまとめられたという具体的なエピソードを伝えるといいでしょう。自己PRは過去の取り組みではなく、あくまで現在のあなたについて伝えるというところが違いのポイントです。
ガクチカ:取り組んだ過程
ガクチカでは努力した過程を意識して伝えましょう。学生時代に熱心に取り組んだ経験では自分なりに試行錯誤したことがあるはずです。どのように努力したのかは個性が出るところでもあるので、自信を持って伝えましょう。なお、ガクチカは学業に限らず部活動・留学・アルバイト・趣味などの経験も含まれているため、自分が特別目立った成果をあげていなくても心配する必要はありません。
企業が求めるものの差
自己PRとガクチカでは企業が何を求めているのかにも違いがあります。企業が何を求めているのかを理解することで、効果的にアピールできるでしょう。
自己PR:自社とマッチする人柄か
企業は自己PRを通じて自社とマッチする人柄かを確認しています。能力がある人でも企業の社風と合わないこともあるので、入社しても長く活躍できる人材か見極めたいという意図があるからです。例えば慎重さを長所としている学生は、新しく挑戦する機会の多い企業とは相性が合わない可能性があります。企業がどんな人材を求めているのかを事前に把握しておくことで、企業の印象に残る自己PRを作成できます。
ガクチカ:何にやりがいを感じるのか
ガクチカでは物事の取り組みの過程を伝えるので、学生がどんなことにやりがいを感じるのかを企業側が読み取れます。ガクチカを通して、入社後働いている姿をイメージしているのです。例えば、人を巻き込みながら主体的に物事に取り組んだ学生であれば、多くの人が関わるプロジェクトのリーダーに向いていることが想像できます。
自己PRとガクチカの共通点
自己PRもガクチカも伝えるための経験をもとにしたエピソードが必要であるということが共通しています。エピソードがあることで説得力のある内容になるからです。同じエピソードでも「どのような強みを発揮したかを伝えるのか」「努力の過程を伝えるのか」で自己PRにもガクチカにもなります。それぞれに適した経験をエピソード化して伝えるといいでしょう。
自己PRやガクチカはかぶる? エピソードの探し方
自己PRやガクチカを書く際にエピソードは欠かせません。エピソードが思いつかないときの探し方について解説します。
自分の経験を振り返る
エピソードを探す上では自分の経験を振り返ることが大切です。自己PRでは「仕事に生かしたい長所や強み」、ガクチカでは「学生時代に目的を持って取り組んだ活動」をテーマに過去の経験を振り返ってみましょう。
自分史とモチベーショングラフを使用して過去を振り返ってみるのもおすすめです。こちらの記事を参考にしてみてください。
▼過去の経験を振り返ってエピソードを探したい方はこちら
・【自分史の書き方】就活の自己分析に使えるテンプレート・例文
・【モチベーショングラフの書き方】自己分析が捗るテンプレートも紹介
企業の求める人材から考える
企業がどんな人材を求めているかを把握し、それに沿った内容を記載しましょう。企業が求めている人材であることをアピールすることで、企業の目に留まりやすくなります。
社風や仕事内容、企業理念などから求めている人材を読み取れます。こちらの記事を参考にしてみてください。
▼企業の求める人材からエピソードを探したい方はこちら
・企業研究のやり方を解説!企業研究ノートの作成方法や項目を紹介
他己分析をしてみる
他己分析をすることで、他者から見て自分がどういう人間なのか客観的に分析できます。他者から見て自分がどんなときにモチベーションが上がっているのか、周りの人があなたの長所はどんなところだと思っているか、自己PRやガクチカを作成するときに役立つでしょう。
▼他己分析について詳しく知りたい方はこちら
・他己分析のやり方とは?厳選ツールと質問リストで長所と短所を発見
エピソードはなるべくかぶらないようにする
自己PRとガクチカで使うエピソードはなるべくかぶらないようにすることがおすすめです。それぞれ違うエピソードで伝えることで企業があなたの人柄を知れるからです。どんなエピソードを選んだ方がいいのか、自己PRとガクチカに分けて解説します。
自己PR:長所や強みが役立った経験
自己PRでは長所や強みを仕事へ生かせるようなエピソードを選びましょう。企業はあなたの長所や強みが自社で生かせるかを自己PRで確認するためです。例えば、自分が目標に向かって計画的に実行することができることが強みであると考えているなら、計画性を発揮したエピソードを選ぶといいでしょう。題材は大学時代に限らなくても問題ありません。自分の強みが発揮できたことを根拠づけられるエピソードであることが肝心です。
ガクチカ:目標に向かって努力した経験
ガクチカでは目標に向かって努力した経験をエピソードとともに伝えましょう。企業は成果ではなく、どのように取り組み、今後仕事にどう生かせそうかを測っています。エピソードは学業だけでなく、アルバイトやサークル、部活動や留学、ボランティアなど学生時代に取り組んだものであれば問題ありません。
目標に向かって努力した経験は課題を解決するための自分なりの工夫があったかと思います。その過程を伝えられるようなエピソードだとより良いガクチカになるでしょう。
自己PRとガクチカを差別化する書き方
書いている中で自己PRとガクチカが似たような内容になってしまうこともあると思います。それぞれを差別化するためにはどんなことに気をつければいいか解説します。
自己PRとガクチカのアピールポイント
自己PRとガクチカを差別化する上で意識しておきたいことは「何をアピールするのか」です。目的が違うことを理解すれば、書き方も変わってくるでしょう。
自己PR:長所や人柄をどのように仕事に活用できるか
自己PRでアピールすべきことは「長所や人柄をどのように仕事に活用できるか」です。自分の長所を伝えるだけで終わらず、仕事でこの長所がどう活きていくのかを伝えるようにしましょう。企業が求めているのはどのような環境でも実力を発揮できるかどうかです。この「再現性」を印象づけられるかどうかは自分の長所やエピソードの内容ではなく、伝え方によるところが大きいです。
ガクチカ:活動で得た学びをどう生かせるか
ガクチカでアピールすべきことは「活動で得た学びをどう生かせるか」です。学生時代に力を入れたことを伝えるだけにとどまらず、努力した結果、何を学んで、それを今後どう生かせるのかを伝えることが大切です。
構成を変える
自己PRとガクチカを差別化するためには構成を変えることも大切です。それぞれ伝える内容が異なるので、伝わりやすい構成を意識しましょう。
自己PRのテンプレート
【ステップ1】自分の強み
私の強みは◯◯です。/私の強みは◯◯のような◯◯(強み)です。
【ステップ2】強みを発揮した具体的なエピソード・経験
学生時代は、熱心に◯◯に取り組んでいました
〜エピソードについて詳細に話す〜
【ステップ3】強みを発揮して得られた結果
◯◯の経験では、強みの◯◯を発揮して、◯◯という結果を残しました。
【ステップ4】将来への展望
この経験から◯◯という強みを、貴社の◯◯で生かしていきたいです。
※参考:ONE CAREER「自己PRの書き方【例文30選】就活で差をつけるコツとテンプレート」
ガクチカのテンプレート
【ステップ1】結論
私が学生時代に最も力を入れたことは、陸上競技部で関東選手権出場に向けた取り組みです。
【ステップ2】エピソードの中の目標や課題
学生時代に陸上競技で関東選手権出場を目指すにあたり、個人の体力向上とチーム全体の協調性を高めるという二重の課題がありました
【ステップ3】エピソードの中で目標に向けて行った行動
そこで、体力向上のために個々のトレーニングプランを見直し、専門のコーチのアドバイスを取り入れて日々の練習を強化しました。また、チーム協調性を高めるために、定期的なチームミーティングを組み込み、オフの日も含めてチームメンバーとのコミュニケーションを活性化しました
【ステップ4】エピソードの結果
これらの取り組みによりチームの一体感が増し、大会でのパフォーマンスが向上しました。結果として、私自身も個人記録を更新し、チームとしては過去最高の成績で関東選手権に出場できました。この経験から、目標達成のための計画立案と実行の重要性を深く理解しました
【ステップ5】将来の展望
入社後は、これまでの経験を生かしてチームのモチベーションを保ち、各メンバーのポテンシャルを引き出す役割を担いたいと考えています。また、プロジェクトごとに適切な計画とコミュニケーション戦略を策定することで、困難な状況でもチームを成功に導く力を発揮したいと思います。
※参考:ONE CAREER「【ガクチカの書き方】絶対に外せないテンプレ/構成とテーマ別の例文」
先輩たちの自己PRとガクチカの例文
自己PRやガクチカを書く際には、イメージがあった方が書きやすいでしょう。先輩たちの書いてきたものが参考になりますのでご紹介します。
学業・ゼミ
ガクチカ例文
学生時代に力を入れたことは、ゼミの研究活動です。私のグループは企業の◯◯◯◯をテーマに研究しました。苦労したことは、企業からのアンケート回答が十分に得られなかったことです。約1700社にアンケート調査を行いましたが、89件の回答しか得られず、説得力に欠けるものでした。そこで、私はグループメンバーに直接企業に取材をしてみてはどうだろうかと提案し、本制度を導入している企業9社に取材を行いました。本制度の導入経緯や効果など、取材から得た情報を分かりやすくまとめました。その結果、取材で実際の影響を調べたことが評価され、研究内容を発表した学内プレゼンテーション大会で3位に選ばれました。この経験から、課題に対する柔軟な対応力が身に付きました。
※出典:丸三証券|総合職2025年卒本選考のES
自己PR例文
「何事にも手を抜かず、丁寧に取り組む点」である。現在所属するゼミで◯◯の発表を行った際には、専門的で複雑な内容をコンパクトに分かりやすく説明するため、文章構成や図表のレイアウトなど細部にわたって気を配りながら、発表原稿と資料を作成した。その結果、ゼミの中で最も高い評価を得ることが出来た。
※出典:住友生命保険|ビジネスキャリア職2025年卒本選考のES
部活動・サークル
ガクチカ例文
イベント運営サークルで企画長を務め、学園祭にて◯◯トークショーを成功させた経験だ。企画班の発足当初に「サークル初の対面でのイベント開催を成功させ、お客様に笑顔をお届けする」ことを目標に掲げた。しかし、はじめは定例会の参加率の低さや意見が言いにくい風通しの悪さが課題だった。そこで2つの施策を実践した。1つ目に企画班員と適宜個別相談を徹底した。原因としてオンラインから対面での活動にシフトしていく段階だったことによる参加しづらい雰囲気があったと考え、一人ひとりにSNSやキャンパスで声かけを行うことでいつでも参加できる環境づくりを行った。2つ目に企画班員の参画意識向上である。やる気は「チームに貢献している実感を持つ」ことで向上すると考え、一人ひとりの都合や技量に合わせて適切に仕事を割り振ることで全員が企画に参画している意識づくりを徹底した。その結果、企画班の参加率が100%となり130人を超える観客を迎えて企画を成功させることができた。この経験から、仲間の意見を尊重する風通しの良さが目標達成に重要であることを学んだ。
※出典:日本IBM|営業(テクノロジー事業本部)2025年卒本選考のES
自己PR例文
私の魅力は、一つの事柄に取り組み続ける持久力と未知の領域に臆さない行動力だ。中学から始めた◯◯部を現在まで続けており、◯◯という答えの無い対象に対し細かい目標を定めながら運営幹部として献身的に取り組んだ。その結果、生徒のみで◯◯時間の演奏会を成功させた。その一方、学部時代から◯◯社の◯◯企業にて勤務している。専門的なスキルを有しているわけでは無かったが、試行錯誤を繰り返し現在は学生アルバイトのマネジメントを任されるほどに成長した。その反面、向こう見ずなところがあり度々対処できる容量を超えてしまうこともある。そのような時は早い段階で友人や上司に助けが必要になるかもしれない、と伝えている。現在は仕事量の管理を第一とし、計画的に物事に取り組むよう努力している。
※出典:デロイト トーマツ コンサルティング|コンサルタント職2026年卒インターンシップ選考のES
アルバイト
ガクチカ例文
学生時代において一番のチャレンジは、アルバイトで【周囲を巻き込んで、新人スタッフ向けの研修の参加者満足度を◯◯点から◯◯点へと伸ばした】ことである。私は大学の◯◯で◯◯の生活をサポートする運営スタッフとして、チーム◯◯人で新人運営スタッフの研修を企画している。この研修の目的は、半年ごとに新しく採用しているスタッフに、業務に関する理解を深めてもらうことである。例年の研修は、参加者の満足度が低いという課題があったにもかかわらず、誰も改善する姿勢を示さなかった。しかし、私は参加者が満足できる研修を企画する責任を感じたため、運営スタッフとして一ヵ月しか働いていなかったが、周囲を巻き込んで、満足度向上の改善策に取り組んだ。まず、周囲を巻き込んだ。私はチームメンバーを集めて、研修の目的や我々の責任についての認識をすり合わせて、全員で満足度を◯◯点へと伸ばすという目標を掲げた。次に、満足度が低い原因を突き止めて、改善策に取り組んだ。具体的には、今までの参加者のフィードバックをじっくり読み、長時間同じ姿勢による集中力の低下したことが原因であると判明した。そこで、2つの解決法を実施した。一つ目は、時間を短縮するため資料を端的にまとめた。2つ目は、オンとオフの切り替えができるように、従来の座学をメインとした内容に加えて、◯◯を研修の一環として企画した。その結果、満足度は例年の10点満点中平均◯◯点から◯◯点へと上がった。また、従来の満足度向上という目標の達成に加えて、◯◯でのチームワークを通じて、運営スタッフ同士の親睦も深められたという副次的効果も生むことができた。
※出典:日本ロレアル|マーケティング職2025年卒本選考のES
自己PR例文
私の長所は【課題を分析し、解決策を考えて行動する点】にあります。これは、コンビニエンスストアのアルバイトで発揮されました。私の店舗では夕方は3人体制ですが、欠勤で2人になると業務が終わらず、夜間勤務本来の業務を開始する上で30分の遅れを生じさせてしまいました。原因として、勤務中に時間の要する揚げ物の調理を常にしており、品出しや廃棄登録など他のことに手が回らないことが考えられました。そこで、私は揚げ物を帰宅ラッシュの20時までに、当日分全てを調理することに注力し、もう一人の方にレジ担当をお願いしました。作業分担によりやるべきことを明確化して効率的に業務を進めました。結果、2人でも確実に業務の完了が可能となりました。以上で発揮された強みは、入社後、課題解決する上で最も有効な実験アイデアを出し、研究を効率的に進めていくことに生かせると考えます。
※出典:ニッスイ|総合職2025年卒本選考のES
留学
ガクチカ例文
私は留学先での英語力向上に力を入れた。私は現在、大韓民国に「英語で」交換留学している。留学の応募に向けてTOEFL iBTの勉強に励み、留学を実現させた。しかし、現地では英語の「運用」が課題となった。英語で開講される授業は議論の形式が大半だが、私は頭で英語の文章を構築してから話すため、意見を述べるスピードが遅いという事実に焦った。そのため、私は反射的に話す練習を行おうと決意し、大学のプログラムに参加した。その内容は、ネイティブの教授1人と、学生5人で1時間英会話を続けるというものだ。会話の題材は流動的に変わるため、過度に頭で考えずに英語を発する練習ができた。会話中に知らない単語があれば、即座に教授に意味を聞き、メモをして復習した。さらに、他の学生が話していたフレーズも記し、後に使用方法を検索した。このプログラムに加え、授業内の議論を通して知り合った友人を、授業後の昼食や休憩に誘った。最近学んだ語彙を実際に使い、定着させられた。また、特にアジア圏出身の学生とは、次回の授業で使用する講義資料を一緒に読んで会話をすることで、難易度が高い内容の予習もできた。以上のように、プログラムへの参加や友人との会話を継続した結果、運用できる語彙が増え、以前より議論や発表に自信を持って臨めるようになった。現在は留学の後期に入ったが、更なる機会を求めて英会話部に所属したため、より会話力をレベルアップさせたい。
※出典:セガ|総合職2025年卒本選考のES
自己PR例文
最も自信があることは目標をきめ、そこに向かって計画して取り組めることです。さらにそれを達成する力もあります。編入学や語学留学は大学一年生の頃から目標にしていました。そこで編入学では3年次編入という目的を達成するために勉学と課外活動両方に力を入れて取り組みました。目標から逆算してコツコツと今できる小さな目標を掲げて行動します。その結果編入という目標は達成することができました。また留学でも自分でエージェント探しをし、ビザを取得したり資金を集めるためにバイトに励みました。留学中においても、自分の意見を伝えることを目標とし日々の学校やバイトで言語力を高めました。このように計画性を持って取り組むことで高い目標も達成することができます。しかし、大勢の前や注目される場での発表や発言について、緊張し過ぎてしまう点があります。その緊張を少しでも減らすように発表の練習や資料作りを念入りに行うようにしています。
※出典:成田国際空港|事務系2025年卒本選考のES
インターンシップ
ガクチカ例文
テレアポ営業の長期インターンシップでアポイント獲得に奮闘した経験だ。営業代理店でインターン生として活動し、開始3か月目に月◯件のアポイントを獲得できた。
アポイント獲得に苦労した。私はアポイントを月◯件獲得する事を目標にし、月◯◯社に電話をかけた。しかし電話をむやみにかけるだけの営業をしたところ、1か月目のアポイント獲得数は0件という悲惨な結果だった。そこで私は「領収書をExcelに手入力していますか?」とヒアリングした結果を都道府県と業界別でまとめたところ、4県は領収書を手入力している割合が平均値と比べて◯%、業界別では商社と製造業が平均値より◯%高い事に気付いた。このデータを基に4県に籍を置く商社と製造業に絞った企業リストを作成し電話をかけた結果、「領収書の手動管理に追われていたので話を聞きたい」と話す企業に初めて出会う事ができるなど、3か月目には目標を上回る◯件のアポイントを獲得できた。この経験から、予め潜在的なターゲットの性質を理解するなど、戦略的に行動する事が大切だと学んだ。
※出典:三井住友銀行|総合職2024年卒本選考のES
自己PR例文
挑戦力が私の武器である。長期インターンでの新たな顧客獲得手法の実現。営業が得意でないメンバーの活躍の場を作りたいという思いからこのプロジェクトに注力した。当時、架電営業のみで新規顧客を獲得していた中で、メール・SNSでの手法を開発。しかし、実施にあたりメンバーのモチベーションの差異と、LP作成・分析に必要なデジタルスキル不足に直面。前者に対しては、個別で面談を実施しその原因を聞き出した。インセンティブの不在と取得スキルの不明確さが意見として挙がったため、インセンティブ制度の策定と、得られる経験の価値を伝える資料の作成など具体的な解決を行った。後者に関しては、他部署のデジタル領域で活躍する社員に協力を求め、結果多くの人を巻き込んで取り組んだ。この経験から、メンバー各々のニーズに適した具体的なアプローチを取ることの重要性と、異なる分野の人間との協力がより豊かなアイディアや解決策を生み出すことを学んだ。社会人としても、困難に立ち向かう挑戦力を生かせる場所で活躍したいと考える。
※参考:「アドウェイズ|総合職2025年卒本選考のES」をもとにワンキャリ編集部にて作成
資格取得
ガクチカ例文
2級◯◯の資格取得に注力しました。取得理由はコロナ禍の自粛期間をプラスに変えたいと考えたからです。この資格に一度の受験で合格することを目標としその達成に向けて2つの工夫を行いました。1つ目に「勉強時間の捻出」です。夏季休暇をうまく活用し、あえて自ら1ヶ月と期間を定め毎日8時間同じペースで集中して取り組みました。2つ目に「合格から逆算した計画立案」です。目標だけでなく行動計画も大切だと思い、1日にこの範囲をこのページ行うといった行動計画を立て達成感を感じながら取り組みました。これらを1ヶ月続けた結果、無事一度の受験で合格することができました。この経験から「強い意志を持って計画的に取り組むことで目標達成につながること」を学びました。
※出典:ジャックス|全国転勤型2023年卒本選考のES
自己PR例文
私の強みは計画性を持って物事に取り組むことです。在学中、この強みを生かすことでTOEICの点数を1年間で300点向上させ、結果的に920点を取得することに成功しました。具体的には、一日当たりの勉強量を逆算し、知識を着実に積み重ねることで目標を達成しました。貴社の業務にて、期日まで日数のない難しいタスクが課された際も、この計画性を用いてその達成に貢献できると考えます。その逆に、私の弱みは行動力がないことです。物事に取り組む際、私は事前にしっかりと考えてから行うという特性があります。その結果、周囲に比べてスタートが遅れてしまう点が私の弱点です。現在はこの弱みを改善するため、行動しやすい環境を作ることを心がけています。具体的には、自分が考えていることを周囲に伝え、後押しをしてもらいやすい環境づくりをしています。また、開始が遅れても周囲に追いつけるような効率的な計画を立てるよう心がけています。
※出典:ジェーシービー(JCB)|総合職群2024年卒本選考のES
ボランティア
ガクチカ例文
◯◯で学校の道路を作ったことです。大学の授業で様々な国の文化について学ぶ中で異文化理解を深めたいと考えたことから2週間の海外ボランティアに参加し、その一環で行ったプロジェクトでした。最大の課題は、2日間で20人のメンバーだけで完成させなければいけなかったことでした。1日目は特に効率的な方法を考えずに作業をしたので、皆疲弊しきってしまいました。そこで、2日目は1日目の反省を踏まえ、メンバーで協力して効率的な方法を考え、役割分担をしたり、楽な作業と大変な作業を交代制で行ったりするように促したりしました。その結果、最低限の肉体的負担で作業を遂行することに成功し、作業時間も20%短縮しました。道路が完成し、子供達が実際に使ってくれている姿を見た時は達成感でいっぱいになりました。何十年も形として残る仕事に貢献できたことを誇りに思っております。
※出典:ソニー銀行|総合職2025年卒本選考のES
自己PR例文
私の強みは傾聴に基づく提案力だ。◯◯のボランティア活動で発揮した。◯◯に従い◯◯が希望する場所を案内し、時間通りに指定場所へ送り届ける中で、◯◯や◯◯の混雑で◯◯通りに案内できないことが課題だった。私は「◯◯が満足できるよう、全員が納得した◯◯にする」を目標に、◯◯から正確な要望を聞き出すことに注力を注いだ。当初は世代の異なる中高生と距離を縮めることに苦労したが、互いの地元の話や方言など◯◯が興味のある話題を投げかけ、親睦を深め意見が出やすい関係性を築くことに成功した。結果、◯◯終了時に多くの◯◯から「◯◯さんのおかげでもっと滞在したい」との評価を笑顔で頂く様になった。この経験で培った「常に顧客目線で考える傾聴力と提案力」を生かして、相手が必要とする情報を的確に聞き出し提案したい。
※出典:西日本鉄道|【事務系総合職】国際物流部門2024年卒本選考のES
まとめ
今回は自己PRとガクチカの違いについて解説しました。特徴を把握しておくことで、それぞれの差別化を行え、企業に自分の人柄をより分かりやすく伝えられます。魅力的な自己PRとガクチカを作成し、選考を突破しましょう。
(Photo:metamorworks/Shutterstock.com)