面接では、「何か聞いておきたいことはありますか?」と逆質問を求められるケースがあります。逆質問の内容は、面接官や面接回数によって異なるため、面接によって質問内容を使い分けることが大切です。
今回は、1次面接で効果的にアピールできる逆質問をご紹介します。1次面接における逆質問で、面接官が求めていることや他の面接との違い、準備する際のポイントなど、選考を優位に進めるための情報を紹介しています。
<目次> ●企業が1次面接で逆質問を求める理由 ・間接的な志望度チェック ・面接の場で 「人として空気が読めるか」のチェック ●1次面接と他の面接との違い ・1次面接の特徴 ・逆質問における1次面接とその他面接との違い ●1次面接で使える逆質問一覧18選 ・長所をアピールしたいときの逆質問 ・意欲をアピールしたいときの逆質問 ・企業との相性を測りたいときの逆質問 ●1次面接における逆質問で意識するべき4つのポイントと先輩の体験談 ・質問は5個以上準備する ・会社理解が深まる質問をする ・質問を通してアピールしたいことを決める ・面接官の役職や部署に合わせた質問をする ●逆質問で差別化するための3つのポイントと先輩の体験談 ・入社後の活躍をイメージさせる ・逆質問の回答からさらに深堀する質問をする ・業界や企業の経営方針の理解度を示す ●評価が下がるNG逆質問例 ・「特にありません」と答える ・公開されている情報に関する質問 ・待遇面に関する質問 ●1次面接における逆質問まとめ
企業が1次面接で逆質問を求める理由
企業が1次面接で逆質問を求める理由は、主に次の2つが考えられます。
間接的な志望度チェック
企業の面接担当者が逆質問を課す最大の理由は、志望度を測りたいからという点がまず考えられます。面接で企業や業界に対する知識の豊富さや関心の高さ、筋の良い質問ができるかで入社熱意を評価するのです。事前に自分で仮説を立てた具体的な質問をすることによって、高い入社熱意をアピールできます。なんとなく思いついたものを質問するのではなく、具体的な質問を心掛けてみましょう。
面接の場で 「人として空気が読めるか」のチェック
2点目として、逆質問は「空気が読めるか」ということを面接でチェックするためにも用いられます。某日系素材メーカーで最終面接を経験したある学生によると、「逆質問は変な質問をする学生を落とす最後のチェックだった」ようです。逆質問の場では「細やかな空気を読むスキル」も確認していると考えられます。
▼逆質問について詳しく知りたい方はこちら ・【面接の逆質問】厳選32例|質問の終わり方と業界・面接官別の鋭い質問 ・2次面接の逆質問例【40選】高評価を得るにはいくつ必要?NG例も解説 ・最終面接の逆質問【厳選20例】NG例や評価アップのコツも一覧で紹介 ・社長面接【逆質問例40選】内定者の好事例からNG例まで解説
1次面接と他の面接との違い
1次面接の特徴
1次面接は書類選考を通過した応募者を絞り込み、2次面接へとつなげるための面接です。書類選考を行った後に1次面接へと進み、その後、2次、3次……と面接が実施されます。1次面接は最初の段階の絞り込みであるため、いきなり厳しい評価基準でふるいにかけられるとは考えにくいものです。選考基準は企業により異なるため一概には言えませんが、1次面接の参加者数は多く、企業側が一人一人をよく確認することは難しいといえるでしょう。
そのため、「基本的なマナーや立ち振る舞い、コミュニケーション能力、身だしなみなどがきちんとできているか」という点が1次面接の評価基準となることが考えられます。
▼1次面接の特徴について詳しく知りたい方はこちら ・1次面接の対策!よく聞かれる質問と落ちる人の特徴を詳しく解説
逆質問における1次面接とその他面接との違い
逆質問に適した内容は、各面接によって異なるため、以下の2つを紹介します。
1. 1次面接の逆質問 2. 2次面接や役員面接の逆質問
1. 1次面接の逆質問
1次面接の逆質問では、人事担当者や現場の管理職が面接官を務めることが一般的で、入社意欲とともに、基本的なビジネススキルを保有しているかを見極められます。
また、職種を限定しているのであれば、職種に対する基本的な知識も見極められるでしょう。そのため、職場の雰囲気を確認するような質問やスキルに関する質問が適切です。
2. 2次面接や役員面接の逆質問
2次面接や役員面接では、部門長や役員が面接官を務め企業とのマッチ度を重点的に見極められます。逆質問の内容も、業務内容や将来の役割、業界についての話などがふさわしいでしょう。
1次面接で使える逆質問一覧18選
1次面接では、長所や意欲をアピールできる質問のほか、自分が求める条件とのマッチ度を確認できるような質問をするとよいでしょう。ここでは、分類ごとの質問について解説します。
長所をアピールしたいときの逆質問
長所をアピールしたい場合、長所が業務にどのように関係するのかをイメージできるような質問をしましょう。そのためには、自己分析で自分の長所を把握するとともに、業務にどう活きるのかを整理しておくことが大切です。
長所をアピールしたいときの質問例には、以下のものが挙げられます。
・私は周囲とのコミュニケーションを大事にしています。御社では職場の雰囲気づくりで工夫していることがありますか? ・◯◯の資格を持っていますが、業務で生かせる機会はありますか? ・自分の意見をはっきりと主張したい性格なのですが、意見することを受け入れてもらえるような風土でしょうか? ・私はさまざまな人たちと交流することが好きな性格です。御社では、部署間の交流頻度はどの程度ありますか? ・これまで、リーダーに任命されることが多く、将来的にも管理職として活躍したいと考えています。私と同年代で管理職に就いている人はいますか?
▼自己分析について詳しく知りたい方はこちら ・【自己分析のやり方】たった4通り!簡単にできる方法・ツール・シートを解説 ・もう「自己分析」で悩まない。簡単なやり方から面接突破の裏ワザまで徹底解説
意欲をアピールしたいときの逆質問
意欲をアピールしたい場合、企業への関心が高いことや、長く働きたいと考えていることをわかってもらえる質問をするとよいでしょう。業務にかかわる内容のほか、評価や活躍している社員の特性を聞けば「成長意欲がある人材」と思ってもらえます。
意欲をアピールしたいときの質問例には、以下のものが挙げられます。
・御社の評価基準をできる範囲で教えていただけますか? ・御社で活躍している人たちの共通点を教えてください ・配属後は、どのような業務を任されるのでしょうか? ・募集部署で、最も必要と思われるスキルを教えてください ・入社した社員の人たちが、最初に苦労されていることを教えてください ・御社がリーダーやマネージャーに求めている能力はなんですか?
企業との相性を測りたいときの逆質問
1次面接では、現場に近い社員が面接官を務めることが多いため、社風やルールについて、確認すると企業との相性を測れます。
具体的な質問例は、以下のとおりです。
・御社の1日の業務の流れを教えてください ・毎日の現場は、どのような雰囲気ですか? ・入社前後でどのようなギャップを感じましたか? ・入社して苦労したことを教えてください ・異動や転勤はどのくらいの頻度で命じられますか? ・どのような研修制度がありますか? ・御社は職場環境に対する取り組みで◯◯をしていると思いますが、どのような場面で生かされていますか?
1次面接における逆質問で意識するべき4つのポイントと先輩の体験談
1次面接の逆質問で意識したいポイントを4つご紹介します。
質問は5個以上準備する
企業によっては、1次面接から逆質問の時間が比較的長く設けられることがあります。そのため、質問は5個以上用意しておくと良いでしょう。
ただし、同じようなジャンルの質問を5個用意してしまうと、しつこいといったマイナスイメージを与えてしまう可能性があるため、ジャンルの違う質問を用意しておきましょう。
▼先輩の体験談
思っていたより逆質問が多かったので、あまり用意していなかったため焦った。
※出典:ケン・コーポレーション|2022年卒 総合職本選考の体験談
会社理解が深まる質問をする
会社に対する理解が深まるような質問をすれば、企業研究から見えてきた企業像とのギャップを埋められます。サービス内容や業務内容を漠然と聞くのではなく、業務フローや風土、ルールなどを確認し入社後の自分の姿をイメージしましょう。
「◯◯と、うかがっていたのですが……」のように、調べてきた情報を交えながら質問すれば「しっかり企業研究をしてきている」と、よい印象を与えることにもつながるでしょう。
質問を通してアピールしたいことを決める
逆質問は企業への熱意や関心の高さ、自分の能力の高さを自由にアピールできる場です。もちろん、企業について知りたいことや疑問を解消するための質問もあると思いますが、自分をアピールできる質問を用意すると、逆質問を通して面接官に好印象を与えることができます。
面接で伝えきれなかった自分の良さをアピールできる機会でもあるため、アピールしつつ質問をするといった質問ができると尚良いでしょう。
面接官の役職や部署に合わせた質問をする
1次面接では、人事部の採用担当の他、現場の管理者といった社員、応募者の気持ちがわかる人材として、若手社員が同席するケースもあります。人事部と現場の社員では、業務内容や配属部署が異なるため、誰にでも同じような質問をすればいいわけではありません。以下のように、面接官の役職や部署に合わせた質問をすることが大切です。
面接官の立場 | 適した質問内容 |
人事部の採用担当 | ・事業内容 ・キャリアプラン ・評価制度 ・会社が求めている人物像 |
現場の管理者 | ・風土 ・業務フロー ・必要なスキル |
現場の若手社員 | ・入社後のギャップ ・若手からみた職場の雰囲気 ・効果的な取り組み |
どのような立場の人が面接官を務めるのかがわかるのであれば、面接官の立場に合わせた質問を用意しておきます。面接官の立場がわからない場合は、上記の人が面接を担当することを想定し、それぞれの立場に合わせた質問を用意しておくとよいでしょう。
▼先輩の体験談
中途入社の方だったので、入社後の会社の良さや休日の過ごし方などを質問した
※出典:三井化学|2024年卒事務系本選考の体験談
逆質問で差別化するための3つのポイントと先輩の体験談
ここからは、1次面接において、他の学生と差別化して好印象を残せる逆質問のポイントを3つご紹介します。
入社後の活躍をイメージさせる
入社後に活躍する姿を想像できるような逆質問は、面接官の印象にも強く残るため効果的です。
面接官に入社後の活躍をイメージさせるためには、まずは入社後の自分をイメージし、やりたいことや頑張れることを考え質問につなげます。具体的にイメージすることで質問の精度も上がり、入社後の活躍が見えることで熱意も伝わり既に入社する心構えができているという印象を与えられます。
逆質問の回答からさらに深堀する質問をする
面接官は逆質問の際に、学生の「思考力」も見ていることが多いです。用意してきた質問を質問するだけの学生に比べて、質問の回答に合わせて新たに質問を展開できる学生の方が、思考力があるという印象を与えることができます。
他の学生と差別化するために、逆質問に対する面接官の回答をいくつか想定し、さらに深掘りできる質問を事前に用意しておくのがおすすめです。
▼先輩の体験談
思っていたより逆質問が多かったので、あまり用意していなかったため焦った。そのため用意していた質問をして、その答えからさらに質問するようにして時間を稼いだ。
※出典:ケン・コーポレーション|2022年卒 総合職本選考の体験談
業界や企業の経営方針の理解度を示す
説明会や企業のサイトなどから企業の下調べを行うことは、面接を受けるにあたって最低限求められます。下調べを生かして経営方針に関する質問をすることで、企業への理解度や熱意が伝わり、面接官に好印象を与えることができます。
しかし、逆質問で経営方針に関する質問をするということは、下調べが不十分だった場合逆に準備不足という印象を与えてしまう可能性があります。質問を通して他の学生と差をつけられるよう、入念に下調べを行いましょう。
▼企業研究のやり方を詳しく知りたい方はこちら ・企業研究のやり方を解説!企業研究ノートの作成方法や項目を紹介
評価が下がるNG逆質問例
逆質問を求められた際に、逆質問をしなかったり、調べればわかる質問をしたりすると、かえって評価が下がる恐れがあります。ここでは、評価が下がる逆質問について解説します。
「特にありません」と答える
質問を求められたのにもかかわらず、「特にありません」と答えた場合、「意欲が低い」と判断される可能性もあります。逆質問は、応募者が自分をアピールする機会でもありますので、きちんと用意しておきましょう。
用意していた質問を、それまでの質疑応答で話してしまった場合や、緊張で質問内容を忘れてしまうこともあるかもしれません。その場合は「用意はしていたのですが、その内容は先ほど確認できました」「緊張で度忘れしてしまい……」など、あくまでも質問を用意していた旨を伝えましょう。
公開されている情報に関する質問
公開されている情報を質問すると「企業研究不足」と捉えられ「入社意欲が低い」と思われる恐れがあります。企業理念や従業員数、事業内容などは、公式ホームページや募集要項、公式SNSなどで確認できる情報です。
たとえば、以下のような質問は避ける必要があります。
・従業員数はどのぐらいでしょうか? ・どのような地域に支店があるのでしょうか?
「なぜ〇〇のような企業理念にしているのですか?」のように、調べた情報をもとに、一歩踏み込んだ内容を質問すれば、「自社で働く意欲がある人材」と思ってもらえるでしょう。
待遇面に関する質問
給与や福利厚生などの待遇面に関する質問は問題ありませんが、待遇面に関する質問ばかりでは「業務内容よりも待遇を重視している人材」と思われてしまう可能性があります。
以下のような質問が挙げられます。
・給与はどれくらいの期間で上がるのでしょうか? ・どのような福利厚生がありますか? ・残業はどれくらいありますか?
待遇面に関する質問をする場合は、頻度を抑えつつ、評価基準やキャリアプランの話題と関連付けながら質問するとよいでしょう。
有給休暇や給与、残業時間などの本当に逆質問したい「ぶっちゃけトーク」はOB・OG訪問で質問しましょう。
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1次面接における逆質問まとめ
今回は、1次面接の逆質問を考えるにあたって押さえておくべきポイントや伝え方のテクニック、実際の質問例とNG例を多数ご紹介しました。
1次面接では、人事担当者や現場の管理職が面接官を務めることが一般的なので、職場の雰囲気を確認するような質問やスキルに関する質問を準備すると良いでしょう。
逆質問を通して面接官に好印象を残して、面接を突破しましょう。
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