※2016年5月公開の記事を一部内容を変更して再掲載しています。
こんにちは、ワンキャリ編集部のChikaです。学部3年の学生、院1年の学生の方々にとっては、外資系企業の書類選考の時期となりました。外資系企業は学部3年・院1年の春から選考を始めるところが多く、その過程ではしばしば英語で書いたエントリーシート(ES)の提出が求められます。この英文ESは面接でも用いられる場合があるため、非常に重要といえます。そこで今回は外資系企業を狙う就活生に向けて、英語ESの攻略方法をお伝えします。
英語ESで企業に見られるのは志望度、作法の理解、分かりやすさの3つ
英語ESを見ると企業からの「英語力テストだ」と考えがちですが、実は採用担当は学生の英語力よりも、下記のポイントを見ています。
1. 英語ESでも応募してくる志望度の高さ
2. 書き方の作法を押さえているか
3. 英文で分かりやすく伝える力
これらを対策することで、英語に自信がない学生でもESを通過させることが可能なのです。ここからは、各ポイントの対策をお伝えしていきます。
1. 試されているのは「心」と知る
英語ESが持つ最大の目的は、文字数を多くして企業への志望度の高い就活生を選別することです。例年、外資系企業には多くのトップ学生が応募してきます。そこで最初のハードルとして長文ESを設定することで、志望度の低い学生をふるい落とすのです。
例えば、以下の例をご覧ください。
・当社があなたをより深く知るために特記したい事項(学内外で力を入れた活動や表彰、具体的な事項を含む)を「英語で」お書きください。(半角英数字900字)
※出典:モルガン・スタンレー|株式:セールス&トレーディング2019年卒本選考のエントリーシート・親しい友人から見た場合の、貴方の長所と短所は何だと思いますか? 表裏一体の内容ではなく、全く異なる2つの要素を使い、そう思う理由も含めて述べてください。(日本語600文字、または英語で1200文字以下)
※出典:ドイツ銀行グループ|グローバル・マーケッツ統括本部2019年卒本選考のエントリーシート
このように大量の文字数を求めることで、まずはやる気のない学生を敬遠させているのです。試されているのはTOEICの点数や日常会話力などのレベルではなく、あなたの根性や志望度であることを知りましょう。この英文ESを書ききるだけで、あなたは見えない選考を突破しているのです。
2. ESには「通る」作法が存在する
英語とはいえ、ESであることに変わりはありません。そしてESの書き方には明確な作法が存在します。具体的には、以下のようなルールです。
経験の成果を無理矢理にでも数値で明示する
【悪い例】
私はボランティアで老人ホームのイベント補助をしていた経験があります。
【改善例】
私は老人ホームのイベント補助をするボランティアで、イベント参加率を10%上げた経験があります。
結論→背景事情→結論のサンドイッチ構造にする
【悪い例】
私は学生団体で宣伝を担当しています。あるとき内部でもめ事が起こり、10人の学生がいっせいに脱退してしまいました。調査を行った結果、隠れたアルコール・ハラスメントが見つかりました。そこで飲み会をノンアルコールに限定し、それを宣伝したところ、真面目な団体として認知されるようになり翌年度の新入会員が120%に伸びました。
【改善例】
予備校で第一志望合格者をクラス全体で20%向上させた経験があります。私は偏差値が当時45しかなく、第一志望の大学はD判定でした。しかしクラスで「偏差値20アップチーム」を自主的に作り、予備校の先生がいない間も相互に教えあうシステムを作りました。無事志望校に合格できた上に、クラス全体の第一志望合格者を20%向上させることができました。
エピソードには人と一緒に活動した経験を選ぶ
【悪い例】
学生時代に頑張ったことは受験です。当時私は偏差値が45しかなく、第一志望の大学はD判定でした。しかし、予備校で1日15時間の猛勉強に励み、無事志望校に合格することができました。
【改善例】
予備校で第一志望合格者をクラス全体で20%向上させました。私は偏差値が当時45しかなく、第一志望の大学はD判定でした。しかしクラスで「偏差値20アップチーム」を自主的に作り、予備校の先生がいない間も相互に教えあうシステムを作りました。無事志望校に合格できた上に、クラス全体の第一志望合格者を20%向上させることができました。
ESの書き方をもっと知りたい方は「エントリーシートは中身じゃない!普通の学生も必ず通るエントリーシートの作法」や「エントリーシートで落ちた理由?内定レベルの志望動機と自己PRの書き方&例文集」を参考にしつつ、論理的なES作成を心がけましょう。
3. 英文でも分かりやすい文章を作る
外資系企業では採用担当者が人事ではなく部署ごとの現場社員であることも多いため、非常に忙しい中で時間を割いて選考を行います。
ESを全部読んでもらえない可能性も高く、最初の1、2行を読んで全体内容をアピールできないと、そのままシュレッダー行きということも。ESを採用担当者に「読ませる」ためにも、分かりやすさが何よりも重要です。
「分かりやすさ」のために必要な英語力は、中学、高校レベルの最低限の文法と単語があれば十分です。複雑で難しい文章を書かないように意識しましょう。
英語ESの実例と、ワンキャリによる添削例
それでは実際に、英語ESの例文とそれを添削したものを比較してみましょう。
Q 自己PRを英語で記入してください。
添削前の実践例
I’m good at making a lot of action positively for my interests and I produced good results in my fields.
Though now I belong to Faculty of Business Administration, I studied a lot of field positively over my major. For example, debate, the skills of presentation, English literature, mathematics, French and German. This knowledge led me to next success and next stage. I won the prize of the speech of French in the competition and got a chance of presentation of my research paper in domestic conference.
この英文ES回答例の改善できる部分は、以下の3点です。
・経験の成果を数値としてアピールできていない
・結論→背景事情→結論の順に書かれていないため、何がこの学生の「強み」なのか最後まで読まないと伝わらない
・人と一緒に活動した経験についての記述がなく、独りよがりな自己PR/自己紹介になってしまっている
この回答例を、経験の成果を数値で示す、結論→背景事情→結論のサンドイッチ構造で書く、経験を人とのかかわりに絡めて書く、という3つの観点から、以下のように添削しました。
ワンキャリアによる添削
全体の構造を説明する
I have 2 strengths, 1) activeness and 2) commitment.
まずはES全体でアピールしたい事柄がいくつあるかを冒頭で明示し、ES全体の構造を記します。
結論1
For 1), I was selected to the first student in 3 intensive courses, while usual students hardly achieve one course.
PRしたいことの1番目の結論を数字で示します。「どの程度すごいのか」を伝えるためには、「全体の中の何番目」のような数字が欠かせません。
経験の数字成果を要素ごとに整理する
3 intensive courses included; 1-1) The speech of French that I won the internal competition, 1-2) English literature, becoming 1st positioned student, and 1-3) Mathematics that I led the conference as a representative. The biggest achievement was on the 1-3) Mathematics course.
結論1で取り上げたES内容について詳細の経験概要を伝えたうえで、特に力を入れてアピールしたいことを取り上げます。
課題・苦労したこと
My major had no connection to high level mathematics, but there was only 10 months left by the conference.
自分の経験でどのように力を入れたかを示すため、まずは課題となったことや苦労した点を明示します。
どのような努力をしたか
I made 2 efforts to manage. A) Joining the seminar of mathematics course and leading the discussion within the team, and B) Skilled-questioning to gain professors advice with maximum efficiency.
「問題点に対しどのような対応をとったのか」「人とのかかわりを通じて自分がどう価値を発揮したのか」を中心に記します。
どういう成果を得たか
For A), mathematical seminar provided high-leveled mathematical skills to the whole team, and for B), the team managed to receive 24 hours a day support from professionals.
努力して得た成果のアピール部分です。可能であれば、この経験での成果がどのように有益であるかも伝えられるとなお良いでしょう。
部分の結論
By the end, I was selected to 1 out of min. 30 graduate students who applied the mathematics conference.
最後に結論を再度繰り返すことで、経験での成果を強調します。
補足
Likewise, I was chosen to the best student in French speech competition and English literature courses.
ここで結論1に出てきた「3つのインテンシブ・コース」の残り2つについても、補足しておきます。
ここまでは2つの強みとして最初に書いた1) activenessの説明エピソードです。ここから先は同様に、2) commitmentの部分を補強するようなエピソードを付け足していきましょう。
おわりに
いかがでしたか? ここまでの英語ESの例文を読みながら、あなたも「シンプルに、分かりやすい英語」を念頭に置きながら、書き方の定石を練習して工夫をしてみてください。
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