こんにちは。ワンキャリ編集部です。
今回は、外資系総合コンサル「BIG4(※1)」の一角を担うEYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EY)の本選考のポイントをお伝えします。
年間の売上成長率が40%を超えているなど、BIG4の中でも大きな成長を遂げているEY。
世界150以上の国・地域、約31万人が所属する巨大なネットワークを形成しており、グローバルなつながりが強い点も特徴です(※2)。
選考前の最終確認のためにご一読ください。
(※1)……世界4大監査法人である、デロイト トウシュ トーマツ 、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)、KPMG、アーンスト・アンド・ヤング(EY)の総称。コンサル業界においても各法人のグループファームである、デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング合同会社、KPMGコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの4社を総称し「BIG4」と呼ばれている。
(※2)参考:ONE CAREER 「規模拡大でもコモディティ化しないコンサルタント集団。成長率40%を超えて伸び続けるEYの『昇り竜』に迫る」
<目次>
●EYの特徴
●EYの本選考のポイント
●EYの本選考のフロー
・1. イベント
・2. エントリーシート(ES)
・3. Webテスト
・4. グループディスカッション(GD)
・5. 1次面接
・6. グループディスカッション(GD)
・7. 最終面接
●おわりに
EYの特徴:デジタル・金融・公共など幅広くコンサルを行う。EYグループのグローバルに強い連携や多様な人材の活躍が魅力
EYは、BIG4と呼ばれる会計系の総合コンサルティングファームの一角であり、デジタルや金融、公共サービスなどの領域で、幅広くコンサルティングを行っています。特に近年では、デジタルテクノロジー領域に注力しているそうです。
実際に、社内には複雑化する企業の課題をデジタル技術で効果的に解決するために、テクノロジー領域の専門性に特化したチームが複数存在しています(※3)。
また、150以上の国・地域に700を超える拠点があり(※4)、さまざまなバックグラウンドを持つ社員が在籍する同社は、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルーシブネス(DE&I)」の考えの下、多様な人材の活躍を推進しています。
具体的には、女性活躍とマルチカルチャーの2つに取り組んでいます。
(1)女性活躍
「2022年4月までに管理職に占める女性比率を20%にする」などの数値目標を掲げ(※5)、女性社員が活躍できる職場づくりに取り組んでいます。
また、近年は50%に近い割合で女性の新卒社員を採用するなどの取り組みを行っており、2020年8月時点で女性社員比率33%を達成しています(※6)。
(2)マルチカルチャー
多様なメンバーとともに日々の業務に取り組める環境があります。実際にある社員も、「英語を使用して海外メンバーと案件を進めていく機会が多い。まさに『グローバル』という言葉がぴったりだと思う」と語ります(※7)。
英語が飛び交うグローバルな環境で働くことができるため、英語を生かして働きたい学生におすすめできる企業です。
(※3)参考:EYストラテジー・アンド・コンサルティング「採用HP」
(※4)参考:EYストラテジー・アンド・コンサルティング「EYの拠点」
(※5)参考:EYストラテジー・アンド・コンサルティング「数値目標および行動計画(~2022年4月)」
(※6)参考:EYストラテジー・アンド・コンサルティング「23卒向け採用HP」
(※7)……23卒の内定者が選考中に聞いた社員談に基づく
EYの本選考のポイント:アピールすべきは圧倒的な志望度の高さ。EYでなければいけない理由を説明しよう
EYの選考では、圧倒的な志望度の高さを示すことが重要です。実際に内定者は選考において、ESから最終面接に至るまで繰り返し「志望動機」について問われたといいます。
これらに対し、ある内定者は「EYグループのコネクションを活用できる点や、ダイバーシティを推進しており、多様なメンバーの下で幅広い視野を持って働ける点に魅力を感じている」との回答をしたそうです。
EYを受ける方は、戦略コンサルやBig4などの競合他社を併願することも多いのではないでしょうか。以下に競合と比較した際のEYの魅力を記載しましたので、ESや面接に向けてご活用ください。
<対 戦略コンサルティングファーム>
・EYでは、戦略提言だけでなくその実行支援まで含めてサポートを行うため、経営計画を絵に描いた餅に終わらせずクライアントの成功まで伴走できる。
<対 BIG4>(デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング合同会社、KPMGコンサルティング)
・EYの「チームワーク」「助け合い」を重視する社風
【各ファームの社風比較】(※8)
EY:自社のことを好きな人が多く、チームワークを重視
デロイト:個人主義の人が多い
PwC:協調性がある、オン/オフの切り替えがはっきりしている、上下関係なく仲が良い
KPMG:競争的、少数精鋭
<対 IT系コンサルティングファーム>(野村総合研究所、アビームコンサルティングなど)
・世界的な会計事務所グループのファームとして、グループのコネクションを活用した本質的な課題解決が行える。 (※8)……複数企業の選考に参加した内定者の話に基づく
EYの本選考のフロー
EYの本選考のフローは以下の通りです。1. イベント
2. エントリーシート(ES)
3. Webテスト
4. グループディスカッション(GD)
5. 1次面接
6. グループディスカッション(GD)
7. 最終面接
1. イベント:参加者のみが本選考に進むことができる説明会
オンラインで行われる企業説明会です。所要時間は1時間程度で、テーマは企業概要、業務内容、選考についてなど。参加者のみが本選考に進むことができる、参加必須の説明会です。
2. エントリーシート(ES):「なぜコンサルなのか」「なぜEYなのか」を明確に記述すべし
過去にESで出題された設問は下記のとおりです。(1)コンサルティング業界、またはEYに興味を持った理由について記述してください(400字以内)
(2)大学/大学院での専攻、および過去の経験を元に、EYSC(EYストラテジー&コンサルティング)でどのような貢献ができるか記述してください(400字以内)
(3)あなたのキャラクターがよくわかる過去のエピソードについて記述してください(400字以内) ※出典:EYストラテジー・アンド・コンサルティング|経営コンサルティング業務2023年本選考のES
「なぜEYを志望するのか」を他社と比較してはっきりと示そう
選考では志望度の高さを示すことが重要です。以下に「志望動機作成のポイント」を記載しますので、ぜひ参考にしてみてください。
<志望動機作成のポイント>
志望動機は、「なぜコンサルティング業界を志望するのか」「なぜEYを志望するのか」という2つのポイントを踏まえて書きましょう。
▼「なぜコンサルティング業界を志望するのか」 <回答のポイント>自身の過去の経験とひもづけた回答を意識しましょう。
<回答例>
学生時代に、アルバイト先の店舗の課題を解決し売上を向上させた。この経験を基に、課題解決によって企業の成長・発展に寄与できる仕事がしたいと考えるようになったため、コンサルティング業界を志望している。
▼「なぜEYを志望するのか」
<回答のポイント>
上記の「競合と比較した際のEYの魅力」や「合格の秘訣」を参考にして、魅力に感じている部分を示しましょう。
<回答例>
コンサルティングファームの中でも、EYグループのコネクションを活用できる点や、ダイバーシティを推進しており、多様なメンバーの下で幅広い視野を持って働ける点に魅力を感じ、入社を志望している。 ※出典:EYストラテジー・アンド・コンサルティング|経営コンサルティング業務2023年本選考のES
3. Webテスト:ボーダーは8割? 他社の選考で玉手箱に慣れておこう
自宅受験のWebテスト。形式は玉手箱で、内容は言語、計数、性格。所要時間は1時間程度です。ある内定者は「通過のために、体感だが8割程度取る必要がありそう」と話しています。難度が高いため、玉手箱の形式に不慣れな場合は、事前に他社の選考で練習することをおすすめします。
4. グループディスカッション(GD):「自分なりの工夫点」を準備し、議論の中で他の学生と差別化しよう
2023年卒のGDのテーマは、「脱炭素化が進む中で、地場の企業を巻き込んで地域金融機関が気候変動に貢献するにはどのような提案をすべきか」でした。所要時間は合計で1時間程度です。
内定者によると、「ネガティブチェック的な意味合いが強いと考えられる」とのこと。しかし、全く発言しなかったり悪目立ちしたりしてしまっては、当然通過も厳しいでしょう。
ある内定者は「どこが課題か」をただ特定するだけでなく、「なぜ課題として取り上げる必要があるか」まで話していたといいます。このように、チームのアウトプットに貢献する中で、他の学生との差別化を図る「自分なりの工夫点」を盛り込むのもおすすめです。
5. 1次面接:人物面接だけでなく、ケース面接も登場。英語力が選考突破に有利になる?
1次面接は、社員1人に対し学生1人で行われる、所要時間1時間程度の個人面接です。質問内容は、以下の通りです。<ケース面接(フェルミ推定)>(25分程度)
・お題例:「国内の業務用冷蔵/冷凍庫の市場規模を算出せよ」
個人思考時間:10分、発表時間:3~5分程度
・発表に対する議論・なぜそのような前提を置いたのか
・その数値に妥当性はあるのか・どこが改善できそうか など
<人物面接>(35分程度)
・学生時代に力を入れたこと
・その中で苦労したことは何か
・それをどう乗り越えたのか
・◯◯以外に頑張ったことはあるか
・志望動機
・なぜコンサルなのか
・なぜEYなのか・入社後にやりたいこと
・コンサルタントに求められる能力は何か
・ITに興味はあるのか
・英語は話せるのか
・逆質問(5分程度) など ※出典:EYストラテジー・アンド・コンサルティング|経営コンサルティング業務2023年卒本選考の1次面接
英語力を示せると、選考突破が有利になる!?
英語を使う機会が多いEY。面接にて、一定の英語力を示せると選考通過に近づく可能性があるようです。実際に面接では、多くの学生が「英語はできるか」と問われているとのこと。「できる」と回答をした学生には、簡単な英語面接が実施されることもあったそうです。
また全ての内定者を対象に、入社までにTOEIC800点以上の取得が求められていることからも、英語力を持った学生を獲得したい意図があるといえるでしょう。
しかし、正直に「英語はできない」と答えた学生や、面接で流ちょうに英語が話せなかった学生も、「就活が終わったら英語の勉強に専念したい」と将来的な学習意欲を示すことで選考を突破できたそうです。
以上のことから、英語力に自信がある場合は積極的にアピールし、自信がない場合でも将来的な学習意欲を示すことをおすすめします。
6. グループディスカッション(GD):約3時間のロングGD。協調性をアピールするコツ「Yes but 法」をマスターせよ!
2023年卒における2回目のGDのテーマは、「国内のリテール事業を展開している金融機関(銀行、証券、保健、リース)が、ミレニアル・Z世代のチャレンジを応援するために果たすべき役割(金融商品、サービス、市場形成)について検討せよ。(ただし、金融機関とチャレンジャー双方にとってWin-Winな関係になるように注意すること)」でした。所要時間は90分程度、発表・質疑応答は50分程度、フィードバックは20分程度です。
実際に、内定者は「2回目のGDが選考の中では一番の鬼門だろう。ここで落ちている学生はとても多かった」と話します。また、入社後にチームで協力することの多いEYでは、GDにおいても特に「協調性」が重視されると考えられます。
内定者が意識していた以下のポイントを参考にし、最終面接への切符をつかみ取りましょう。
・他者の発言に対しては積極的に肯定する姿勢やリアクションを見せる。
・他者の意見を否定する場合は必ず「Yes but 法」を用いる。
└例:「◯◯さんの意見も確かに良いと思います。ただ、~~」
・他者からの意見は柔軟に受け入れ、自分の意見に固執しない。
・ただ自分が話すだけでなく、他者の意見を聞く姿勢を持つことを意識する。
など
※出典:EYストラテジー・アンド・コンサルティング|経営コンサルティング業務2023年卒本選考のGD
7. 最終面接:意思確認だけでは終わらない。万が一のケース面接にも備えるべし
最終面接は、社員2人(パートナー・人事)に対し学生1人で行われる、所要時間1時間程度の個人面接です。質問内容は、以下の通りです。<パートナー面接>(40分程度)
・自己紹介
・学生時代に力を入れたこと
・その中で苦労したことは何か
・それをどう乗り越えたのか
・◯◯以外に頑張ったことはあるか
・志望動機
・なぜコンサルなのか
・コンサル以外ではだめなのか
・なぜEYなのか
・入社後のビジョン
・逆質問(10分程度)
など
<人事面接>(20分程度)
・志望動機
・他社の選考状況
・最近興味を持っているニュース
・逆質問(10分程度) など ※出典:EYストラテジー・アンド・コンサルティング|経営コンサルティング業務2023年卒本選考の最終面接
最終面接ではありますが、内定を出すか迷っていると考えられる一部の学生に対しては、ケース面接が課されることもあるようです。
ただし、出題されているのはいずれもオーソドックスな形式の問題であるため、事前にきちんと準備をしておけば十分対応できるでしょう。
おわりに
ここまで、EYの本選考を突破するポイントをお届けしました。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
EYの選考やイベント情報についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
【クチコミ】説明会/インターン/選考の評判
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(Photo:metamorworks/Shutterstock.com)