IT関連に就職しようと思っているけど、ネットで調べてもいろいろな職種が出てくるから分かりづらいと思ってませんか。こちらの記事では、IT関連の職種であるフロントエンドエンジニアについて解説します。
こちらの記事を読むと、仕事の内容やフロントエンドエンジニアになるために必要な資格やスキルが分かります。
<目次>
●フロントエンドエンジニアってどんな職種?
・フロントエンドエンジニアの需要
●フロントエンドエンジニアの将来性は?
・市場の変化
・企業が求める人材の変化
●これからフロントエンドエンジニアに求められるスキルは?
・求められるスキルの変化
・現状求められているスキル
・今後求められるスキル
●具体的な学習方法は?
・学習の大まかな流れ
・学習におすすめの書籍、サイト
●フロントエンドエンジニアのキャリアパスは?
・専門性を高める
・マネジメントに取り組む
・他のエンジニア職種に転向する
・ビジネス職に転向する
●企業によってキャリアパスは変わる?
・企業はキャリアパスの相談に乗ってくれる
●この記事のまとめ
●先輩エンジニアの選考体験談が見られる! ONE CAREER for Engineerのご紹介
・ONE CAREER for Engineerではどんなことができる?
フロントエンドエンジニアってどんな職種?
まずは、フロントエンドエンジニアという職種について解説します。
そもそも、「フロントエンド」とは、ソフトウエアのうち利用者が触れて操作する部分を指します。具体的には、ウェブブラウザー上で表示される内容や、スマートフォンやパソコンのアプリケーションをイメージしてください。
フロントエンドエンジニアは、このフロントエンドを開発するエンジニアを指します。
ウェブブラウザーで表示される文字が画像といった情報(HTMLやCSS)に関する部分を主に開発するのがフロントエンドエンジニアの主な業務です。スマートフォンやタブレット、パソコンのウェブブラウザーで表示される内容そのものを開発しているのがフロントエンドエンジニアと考えると良いでしょう。
フロントエンドエンジニアは、主にデザイナーが作成したデザインをもとに、実際に動くアプリを開発します。奇麗なデザインを作成することもありますが、デザインの概要のみを渡されることもあります。その場合には、フロントエンドエンジニアが細かいデザインを作成することもあります。
ウェブデザイナー職と兼任するようなプロダクトもあるため、ある程度デザインに関する知識が必要です。
フロントエンドエンジニアに将来性はある?
この先、フロントエンドエンジニアの重要性は増すことが予想されます。
スマートフォンやタブレットの普及により、多くの人がインターネットに触れる機会が増えました。 そのインターネットの入り口(インターフェース)となるフロントエンドは非常に重要です。 デバイスの形状は変わったとしても、ユーザーが何かしらの操作をするということに変わりはなく、インターネットにつながるデバイスが存在する限り、フロントエンドエンジニアの職業がなくなることはないでしょう。
今後もさまざまな種類のデバイスが増えることを予想すると、フロントエンドエンジニアの需要はさらに高まると考えられます。
フロントエンドエンジニアの需要
フロントエンドエンジニアに将来性はあるのでしょうか? フロントエンドエンジニアの事情をもとに解説します。
市場の変化
スマートフォンの普及にともない、インターネットの利用人口は急増しました。
もともと、ウェブアプリといえば企業や一部のパソコンユーザーのためのものでした。それが、今では小学生から高齢者まで、幅広い年代がスマートフォンやタブレットを使ってインターネットを活用しています。 そのユーザーが操作する部分が「フロントエンド」であり、利用するアプリの数だけフロントエンドが存在します。
新しいビジネスを考える際には、「UX(ユーザーエクスペリエンス)」が重要です。 UXを直訳すると「ユーザー体験」となり、「どのようにアプリを利用するか」を考えることになります。つまり、このUXを考えることは「フロントエンドをどう使うか」ということに直結します。
アプリを開発するためにはフロントエンドが必須であるということは、ビジネスを始める際にはフロントエンドエンジニアが必要ということです。
アプリに関するビジネスが増え続ける昨今、フロントエンドエンジニアの市場規模はどんどん増加しています。
企業が求める人材の変化
もともと、ウェブアプリの多くは企業に勤める社会人や、パソコンに詳しい人がメインターゲットでした。つまり、「ある程度知識がある人」が利用する前提で開発されていました。
しかし、現在ではスマートフォンの普及や小中学校におけるICT教育の結果、さまざまな年代の人がインターネットに触れるようになりました。さまざまな年代の需要に応えられるアプリを開発するためには、利用者の想定を正しく行う必要があります。
例えば、「高齢者向けのアプリであれば文字を大きくして分かりやすくする」など、利用者に応じたフロントエンドを構築する必要があります。
このように、フロントエンドエンジニアは多様な利用者のことを考える必要あるため、利用者に応じた適切なアプリを開発するスキルが求められます。そのため、「これさえあれば安泰」というスキルに定義がないため、採用する企業は、自社の求めるスキルとマッチした人材を採用しています。
これからフロントエンドエンジニアに求められるスキルは?
フロントエンドエンジニアになったとして、今後求められるスキルは変わっていくのでしょうか。今後を踏まえたフロントエンドエンジニアが身につけるべきスキルについて解説します。
求められるスキルの変化
フロントエンドに関する技術は日々進歩しているため、フロントエンドエンジニアに求められるスキルは年々変化していっています。企業がフロントエンドエンジニアを採用する際には、「現在採用している技術スタック」に特化した採用を行います。
ほとんどの場合、「◯◯(技術名)が使用できるエンジニア」といった形で採用を行っています。しかし、今使われる技術は数年後も使えるとは限りません。 ブラウザーの進化やスマートフォンのOSアップデートに合わせて、フロントエンドのトレンドが年々変化しています。フロントエンドエンジニアを募集する際には、そのトレンドに応じた技術を持ったエンジニアを募集します。そのため、常に求められるスキルが変化していくと考えると良いでしょう。
現状求められているスキル
2024年現在では、多くのフロントエンドで、ReactやVueといったライブラリをベースとしたフロントエンドフレームワークを使用してウェブアプリが構築されています。さまざまなフレームワークが存在する中で、各プロダクトでは最適なフレームワークを選択しています。
フロントエンドエンジニアは、プロダクトごとに採用されているフレームワークを用いて開発できるというスキルが求められています。
そのため、「各プロダクトが使用しているフレームワークを活用し、フロントエンドを構築できる能力」が強く求められています。フロントエンドで使用されている技術の進歩は早いため、新しい技術を常にキャッチアップする必要があります。
このキャッチアップできる能力は、他の職種と比べても非常に重要視されるでしょう。
そのため、「ただ開発できる」だけでなく、情報を追い続けて「適切に開発できる」というスキルが求められます。今後求められるスキル
スマートフォンが普及し始めたのは2010年~2013年ごろであり、実は10年程度しか経過していません。 そんな中で、現在では「モバイルファースト」という言葉があるほどスマホ対応が必須といわれています。 また、毎年のように新型が発表される中で、OSやブラウザーの進化は止まることを知りません。
つまり、ここ10年でフロントエンドに関する技術や常識はどんどん変化しています。
フロントエンドに関する情報はインターネット上に点在しているため、新しい情報を収集するにも苦労するでしょう。フロントエンドに限らず、新しい情報をキャッチアップする方法をいくつか紹介します。
・使用しているフレームワークのGitHubリポジトリを参照する ・ZennやQiitaなどの技術情報サイトで最新の記事をチェックする
OSSとして公開されているフレームワークはGitHub上で公開されているため、最新の情報や新機能が逐次アナウンスされています。とはいえ、英語でやりとりされていることが多く、それを読み解くのにも時間がかかるでしょう。
そんなときは、ZennやQiitaなどをチェックするようにしましょう。最新情報をチェックし、日本語で記事を公開している人はたくさんいます。それらの記事を併せて参照することで、効率よく情報を収集できるでしょう。
残念ながら、その求められるスキルを今から予測することは難しいといえます。今後も、デバイスの在り方はどんどん変わる可能性があります。その場合、新しいデバイスの形状や方式への対応が必要となるのです。それらの変化に対応できることが求められるでしょう。
具体的な学習方法は?
フロントエンドエンジニアとして活躍するためにも、しっかりと基礎知識を備えておくことが大事です。フロントエンドエンジニアになるために必要な学習方法やその内容を解説します。
学習の大まかな流れ
フロントエンドエンジニアになるためには、次のような学習を行います。
HTMLとCSSによるウェブページ作成を学ぶ
フロントエンドの基礎知識である、ウェブページの作成方法を学びます。
まずは、簡単な自己紹介サイトで構わないため、HTMLとCSSを使ったウェブページを作成し、ウェブデザインの基礎的な知識を身につけましょう。
JavaScriptで基本的なプログラミングを学ぶ
ある程度デザインに関する知識が身に付いたら、次はJavaScriptを用いたプログラミングを学習します。
ウェブページに動きをつけることが可能なため、まずは自分で作成したウェブページに動きを付けるところからスタートすると良いでしょう。
フロントエンドフレームワークを学ぶ
HTMLやCSS、JavaScriptといった基本的なウェブページの動きを理解したら、ここからが本番です。
フロントエンドエンジニアの実務においては、ReactやVue、Angularといったフロントエンドライブラリやフレームワークが使用されています。
企業によって使用しているフレームワークが異なるため、自分に合ったものを学習しましょう。
学習におすすめの書籍、サイト
ここでは、学習に役立つ書籍やサイトを紹介します。
・『1冊ですべて身につくHTML & CSSとWebデザイン入門講座』(SBクリエイティブ、2019年)
HTMLとCSSを使用したウェブデザインの基礎知識が学べる1冊です。 難しいプログラミングを覚える前に、まずはデザインに関する基礎知識を備えると良いでしょう。
JavaScriptの入門として、網羅的に紹介しているサイトです。このサイトを読破することで、JavaScriptの知識はほぼ身に付いたといっても過言ではないでしょう。
・『HTML解体新書』(ボーンデジタル、2022年)
ある程度HTMLを覚えてきた後に使用する、中級者~上級者向けの書籍です。フロントエンドがどのように動くのかを理解する上で重要な1冊であるため、ある程度フロントエンドの知識がついた上で辞書的な使用法ができます。
フロントエンドエンジニアのキャリアパスは?
フロントエンドエンジニアとして活躍するにあたり、その後のキャリアパスも気になることでしょう。ここでは、フロントエンドエンジニアのキャリアパスについて紹介します。
専門性を高める
フロントエンドエンジニアのキャリアとして可能性が高いのは、「フロントエンドエンジニアとして専門性を高めていく」ということです。
フロントエンドの技術は年々変化しており、使用しているフレームワークも常に新しいバージョンが提供されています。
これらの最新の技術トレンドを追い続け、開発現場を技術的にリードしていくことで、フロントエンドエンジニアとして高い評価を受けることができるでしょう。その場合、「テックリード」のような肩書がつく場合もあります。マネジメントに取り組む
自身の持つ技術や、プロダクトに特化した専門性を身につけるだけでなく、周りのエンジニアをマネジメントすることも視野に入れると良いでしょう。周りのメンバーの進捗(しんちょく)管理だけでなく、技術面やメンタル面でのサポートをすることも可能です。特に、技術を知っている人がマネジメントすることで、会話も通じやすく下につくメンバーも話しやすい雰囲気を作れるでしょう。
経験が増えるにつれて自分より若手や参画したばかりのメンバーの面倒を見ることが多くなります。その場合、マネジメントの知識自体を身に付けておくことで、このような場合にも柔軟に対応できます。
他のエンジニア職種に転向する
フロントエンドエンジニアが担当するフロントエンドは、ユーザーが実際に操作する部分に特化した部分です。フロントエンドの裏側には、必ず「バックエンド」が存在します。
ほとんどの場合、フロントエンドエンジニアはバックエンドエンジニアと協力して開発を進めます。 その際に、フロントエンドとバックエンドの両方の開発をするエンジニアも存在します。フロントエンドとバックエンドの両方を開発できるエンジニアは、「フルスタックエンジニア」と呼ばれており、ひとりでシステム全体の開発を担当できるほどの技術力を持っています。フロントエンドとバックエンドで違うプログラミング言語やフレームワークを使用していることになるため、最低でも2種類以上の言語を習得することになります。フロントエンドだけでなくバックエンドの開発も身につけることでフルスタックエンジニアへの転向も十分可能です。
複数の言語やフレームワークの習得に苦手意識がないのであれば、フロントエンドに限らない知識を身につけることでキャリアパスの選択肢が一気に増えます。
ビジネス職に転向する
フロントエンドエンジニアの次のキャリアとして、開発ではなく企画や営業といったビジネス職に転向するという方法もあります。フロントエンドエンジニアは、ユーザーが操作する部分を開発するエンジニアです。開発を進める上で、「実際にユーザーがどう使うのか」「どのように使えば便利になるのか」といったUX(ユーザーエクスペリエンス)のことを考えることが多くなります。もし、そのように「こうだったらもっとユーザーのためになるのに」という考えが強くなるようであれば、ビジネス職へ転向する素質があります。
フロントエンドエンジニアの仕事は「デザイナーが作ったデザインをもとに開発する」ことですが、 ビジネス職に転向するということは、そのデザインのベースを考える職に転向するということです。アプリの企画をするディレクターであれば、開発するアプリが「どのように使われるのか・どう使ってほしいのか」という点を考えることになります。開発の知識がある程度ある方が、ユーザーがどう操作するかを考えやすく、アプリの完成図を描きやすいといえます。
ビジネス職に転向するのであれば、フロントエンドエンジニアとしての知識は非常に生かせるでしょう。
企業によってキャリアパスは変わる?
企業やプロダクトによって、フロントエンドエンジニアのキャリアパスは大きく変わります。
例えば、受託開発がメインの会社であればマネジメント職へのキャリアパスとなることが濃厚でしょう。自社開発のプロダクトを持っている会社であれば、そのプロダクトの状況に応じてさまざまなキャリアパスが想定できます。
また、サービスを開始した段階のグロース期であれば、メンバーも少ない中でビジネスを拡大するためにも、ビジネス職との兼任が望まれることがあります。UXの立場から製品の方向性を決定する「プロダクトマネージャー」として働くこともあれば、営業としての役割をもつ「セールスエンジニア」を兼任する場合もあるでしょう。
一方で、メガベンチャーのような企業であればメンバーも多く、分業がしっかりしていることが多いため、技術に対して深い知識を持つ「テックリード」がキャリアパスの先に提示されることが多いです。
企業はキャリアパスの相談に乗ってくれる
多くの企業は「自分がどのようなキャリアを積みたいか」を聞いた上でそれに沿ったキャリアパスを柔軟に設定してくれます。
実際にエンジニアとして企業へ応募する際には、自身のキャリアパスを聞かれることが多いです。 まずは、きちんと答えられるよう、自分が今後どのようなキャリアを積みたいかを考えてみると良いでしょう。
この記事のまとめ
ここまで解説してきた、フロントエンドエンジニアのキャリアをおさらいしましょう。
1. フロントエンドエンジニアの需要は非常に高い 2. スマートデバイスの普及に伴い、将来性も高い 3. 高いスキルや学習を継続できるスキルが求められる 4. 他の職種への転向も可能 5. 働き方はプロダクトの進め方次第
フロントエンドエンジニアは、非常に需要の高い売り手市場といえる職種です。ユーザーに近い部分を開発することもあり、キャリアパスも選択肢も豊富であることも大きなメリットといえるでしょう。新しい技術を習得し続けることに抵抗がないのであれば天職といえるため、「新しいことをし続けたい」と思っているのであればフロントエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。
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