こんにちは! ONE CAREER for Engineerです。
IT関連に就職しようと思っているけど、ネットで調べてもいろいろな職種が出てくるため、分かりづらいと思っていませんか。こちらの記事では、IT関連の職種である組み込みエンジニアについて解説します。
こちらの記事を読むと、仕事の内容や組み込みエンジニアになるために必要な資格やスキルが分かるでしょう。
<目次>
●組み込みエンジニアってどんな職種?
・そもそも組み込みってなんのこと?
・組み込みエンジニアはどんな職種?
●他職種との違いは?
・ITエンジニアとの違い
●具体的な仕事内容は?
・仕事のフロー
・各フローにおける仕事の具体例
●組み込みエンジニアになるために必要なスキルは?
・プログラミングスキル
・その他ITに関するスキル
●具体的な学習方法は?
・学習の大まかな流れ
・学習におすすめの書籍
●企業によって働き方は変わる?
・働き方の違い
●組み込みエンジニアとして就職できる企業を探すには?
●この記事のまとめ
●先輩エンジニアの選考体験談が見られる! ONE CAREER for Engineerのご紹介
・ONE CAREER for Engineerではどんなことができる?
組み込みエンジニアってどんな職種?
そもそも組み込みってなんのこと?
「組み込み」とは、マイクロコンピューター(マイコン)などの小型コンピューターにプログラムを「組み込む」ことから名前がついています。身近にある電子レンジなど電子機器は組み込みシステムだと思ってよいでしょう。
パソコン上で動く一般的なシステムとの大きな違いは、CPUやメモリなどのリソースが潤沢ではないため、コンパクトなプログラミングが求められる点です。
組み込みエンジニアはどんな職種?
組み込みエンジニアは、組み込みシステムを開発するエンジニアのことを指します。
組み込みエンジニアは組み込みシステムを開発するために、マイコンや周辺デバイスを使用して組み込みシステムをプログラムし、テストを担当します。
他職種との違いは?
ITエンジニアとの違い
組み込みエンジニアは他のITエンジニアとどのような違いがあるのでしょうか。
まず大きな違いとして開発対象が挙げられます。ITエンジニアがパソコン上などで動作するソフトウエアを開発するのに対して、組み込みエンジニアが開発する組み込みソフトウエアは電子部品へ直接インストールされます。
つまりソフトウエアだけで完結せず、開発対象がハードウエアにまで及びます。
また、プログラミングの概念、考え方の違いがあります。パソコンのような十分なメモリとハードウエア容量があるハードウエアとは異なり、少ないメモリしか搭載していないことも多いのが組み込み製品です。
こういったメモリ容量の少なさや、その他にもさまざまな制限下で機能を実現するソフトウエアを作らなければいけないという条件が常につきまとうのが組み込みソフトウエア開発です。
具体的な仕事内容は?
組み込みエンジニアの主な仕事内容は、次の通りです。
(1)製品の企画 (2)システム設計 (3)ハードウエア/ソフトウエアの設計 (4)プログラミング (5)デバッグ、テスト (6)保守
仕事のフロー
組み込みエンジニアの仕事は、大きく分けて6つあります。
(1)製品スペックの決定
(2)システム設計
(3)ソフトウエア設計
(4)ハードウエア設計
(5)関数・部品の実装
(6)デバックと環境テスト
各フローにおける仕事の具体例
各フローの概要と各フローにおける具体的なタスク例を紹介します。
(1)製品スペックの決定
製品開発の基本の仕様書を作ります。これは、一般的なニーズや製品市場の状況なども含めて決めます。
(2)システム設計
スペックの通りに、搭載されている機能が動くよう具体的なシステムの仕様を決めます。
(3)ソフトウエア設計
ソフトウエアは、一度プログラミングし組み込まれると更新することが難しくなります。そのため、慎重にシステムの構築をしなければいけません。
(4)ハードウエア設計
ハードウエアは、異なる製造元や技術仕様であるため、プログラマーが直接アクセスできません。そのため、ハードウエアとプログラムを接続する仕組みが必要です。その仕組みを提供するのがドライバーです。
ドライバーは、ハードウエアの具体的な仕様を隠蔽(いんぺい)する役割を持っています。
(5)関数・部品の実装
ソフトウエアの設計段階で関数の実装を行います。また、ハードウエアでも部品の実装を行うことになります。システムエラーを防ぐためにも、その都度確認していくことが重要です。
(6)デバックと環境テスト
最終段階のデバッグと環境テストを行います。デバッグとはバグを取り除くことを指します。その後、実際の使用環境での環境テストを行います。これは、温度や湿度への耐久性確認です。
組み込みエンジニアになるために必要なスキルは?
組み込みエンジニアになるために身に着けておくべき必要なスキルをご紹介します。
プログラミングスキル
組み込みエンジニアがよく使うプログラミング言語とそれぞれの言語の特徴を見ていきます。
C言語
最終段階のデバッグと環境テストを行います。デバッグとはバグを取り除くことを指します。その後、実際の使用環境での環境テストを行います。これは、温度や湿度への耐久性確認です。
・メリット: C言語は効率的なプログラミング言語であり、広く使用されています。
・デメリット: 開発者が複雑なコーディング技術を理解して使用する必要があります。
C++
1970年代初期に誕生したC言語はコンパイル型言語であり、他の多数の言語の構成要素として機能します。
・メリット: C言語は効率的なプログラミング言語であり、広く使用されています。
・デメリット: 開発者が複雑なコーディング技術を理解して使用する必要があります。
Python
1980年代初期に開発されたPythonは、プログラミング言語として広く普及しています。機械学習、人工知能(AI)、データ分析の分野に優れています。
・メリット: オープンソースであり無料で使用でき、読み書きの習得も容易です。
・デメリット: Pythonはリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)には適していません。
その他ITに関するスキル
組み込みエンジニアがよく使うスキルと特徴をご紹介します。
知識
プログラミングスキルの他に、ソフトウエアやハードウエア、使用するOSについての知識も必要です。
実際に仕事に就く前に組み込みソフトウエア開発を体験することは難しく、知識は開発現場で身につけないといけない場合も多いです。
資格
ETEC(組込み技術者試験制度)とは、社団法人組み込みシステム技術協会(JASA)が運営している試験制度で、組み込み技術者の能力を評価し、技術者の資格を取得するための試験制度です。
ETECでは、ソフトウエア開発やハードウエア開発、技術管理など、組み込み技術者が持つ必要な能力を評価します。
上級者の指導のもと作業を行えるレベルを認定する「クラス2」と、中級者レベルの能力を認定する「クラス1」の2段階のレベルが設けられています。
具体的な学習方法は?
組み込みエンジニアとしての具体的な学習方法をご紹介します。
学習の大まかな流れ
1. プログラミング言語の習得
構文がシンプルなPythonを使用して、基本的なプログラミング技術を習得しましょう。その後、C/C++など組み込み開発で使われることの多いプログラミング言語を習得するとよいでしょう。
2. マイクロコントローラ(マイコン)およびOSの習得
マイクロコントローラやOSを使用して、組み込みシステムの開発技術を習得しましょう。コンピューターがどのような仕組みで作動するのかを理解しておくことは重要です。
3. ハードウエアなどの仕様の習得
ハードウエアの仕様や技術について学びましょう。
4. デバッグ技術の習得
デバッグ技術を習得し、組み込みシステムの開発を行う上で必要な技術を学びましょう。デバッグ技術とは、ソフトウエアやハードウエアの開発や利用中に発生する問題を解決するための技術です。
5. ネットワークプロトコルの習得
ネットワークプロトコルとは、コンピューター間でデータをやり取りするための規則や規約のことです。コンピューター間でネットワーク接続を確立し、データを正しく配信するために必要なルールを定義します。
6. プロジェクト管理の習得
プロジェクト管理の基礎的な知識を学びましょう。プロジェクト管理とは、計画、実行、評価を含むプロジェクトを成功に導くための過程です。プロジェクト管理の主な目的は、プロジェクトを適切に実行、スケジュール、コスト、品質を管理し、プロジェクトを成功に導くことです。プロジェクト管理には、プロジェクトの計画、スケジューリング、リソース割り当て、コミュニケーション、チーム管理などが含まれます。
7. チーム開発の経験
チーム開発を行うなど、実際の開発現場での経験を積みましょう。
学習におすすめの書籍
上記のフローに対応して、おすすめの書籍をご紹介します。
1. プログラミング言語の習得
・『Python ゼロからはじめるプログラミング』(2021年、翔泳社)
初心者を対象に、文法やプログラムの基本知識を分かりやすく丁寧に教えてくれる入門書です。
2. マイクロコントローラ(マイコン)およびOSの習得
・『マイコンボードで学ぶ楽しい電子工作 Arduinoで始めるハードウエア制御入門』(2018年、インプレスR&D)
電子工作の基本となる動作原理もしっかり理解したい初心者に向けて、覚えておくべき電気・電子の基礎知識もきちんと学べるように考慮された1冊です。
3. ハードウエアなどの仕様の習得
・『[試して理解]Linuxのしくみ ~実験と図解で学ぶOSとハードウエアの基礎知識』(2018年、技術評論社)
4. デバッグ技術の習得
・『C言語による組込み制御入門講座―H8マイコンで学ぶプログラミングとデバッグ技法』(2006年、電波新聞社)
コンパイラとシミュレータを使いながら実践形式で学ぶ、組み込みプログラミングの本です。
5. ネットワークプロトコルの習得
・『これ1冊で丸わかり 完全図解 ネットワークプロトコル入門』(2020年、日経BP)
ネットワークプロトコルを網羅的かつ分かりやすく解説します。
6. プロジェクト管理の習得
・『ポイント図解 プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本』(2021年、KADOKAWA)
これからプロジェクトマネジメントを実践する方を対象として、最低限知っておくべき知識、技術、思考を、84のテーマに絞って解説しています。
7. チーム開発の経験
・『チーム開発実践入門 ~共同作業を円滑に行うツール・メソッド』(2014年、技術評論社)
複数人でチームを組んで開発を進めていく際に必要な考え方や使用するツール、またそれらをうまく使いこなすためのノウハウをまとめています。
企業によって働き方は変わる?
働き方の違い
大企業では、小規模なプロジェクトを専門チームが取り組むケースが多く、プロジェクトの運営体制がしっかりしているのが特徴です。また、最新技術の適用や、複数プロジェクトの統合などの業務が多い可能性があります。
一方、中小企業では、技術的な指示を受けて短時間で実装を行うケースが多いため、技術的な挑戦に慣れている人が向いています。また、プロジェクトの規模が小さいため、開発者が担当する業務が多様な面で広くなり、経験を積めます。
組み込みエンジニアとして就職できる企業を探すには?
一般的に組み込みエンジニアとして就職できる企業としては、携帯電話メーカーや家電メーカー、自動車メーカー、電子メーカー、ソフトウエア開発会社などがあります。
「組み込みエンジニア 新卒」でGoogle検索をかける、気になる企業の募集要項をチェックするなどの方法で就職できる企業を探しましょう。
この記事のまとめ
「組み込みエンジニア」の「組み込み」とは、名前の通り小型コンピューターにプログラムを「組み込む」ことから名前がついています。そのため、ソフトウエアだけで完結せず、開発対象がハードウエアにまで及びます。
仕事内容は、製品の企画、システム設計など多岐にわたります。身に着けておくべきスキルとしても、C言語などのプログラミング言語のスキル、ソフトウエアやハードウエア、使用するOSについての知識も必要です。
組み込みの開発経験がない人は、本記事でご紹介した初心者向けの本を読むところから学習を始めるとよいでしょう。
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