IT関連に就職しようと思っているけど、ネットで調べても色々な職種が出てくるかわかりずらいと思ってませんか。この記事では、IT関連の職種であるデータサイエンティストについて解説します。
この記事を読むと仕事の内容やデータサイエンティストになるために必要な資格やスキルがわかります。
<目次>
●データサイエンティストってどんな職種?
・データサイエンティストはどんな職種?
・どんなデータを扱う?
●他職種との違いは?
・データアナリストとの違いは?
・AI/機械学習エンジニアとの違いは?
・研究者との違いは?
・システムエンジニアとの違いは?
●具体的な仕事内容は?
・仕事のフロー
・各フローにおける仕事の具体例
●データサイエンティストになるために必要なスキルは?
・プログラミングスキル
・知識
・資格
●具体的な学習方法は?
・学習の大まかな流れ
・学習におすすめの書籍、サイト
●企業によって働き方は変わる?
・働き方の違い
●データサイエンティストとして就職できる企業を探すには?
・データサイエンティストで就職できる企業の探し方
●この記事のまとめ
●先輩エンジニアの選考体験談が見られる! ONE CAREER for Engineerのご紹介
・ONE CAREER for Engineerではどんなことができる?
データサイエンティストってどんな職種?
この記事では、今後注目される職種であるデータサイエンティストについて、仕事内容や必要なスキルを紹介します。
データサイエンティストはどんな職種?
データサイエンティストは、大まかには「ビッグデータの内容やその分布を調べ、特定の傾向や性質に基づいた解析によって適切な解決方法を提示・評価することで、ビジネス課題の解決に従事する専門職」といえるでしょう。ただ、実際の業務内容や求められるスキルは企業によって大きく異なります(※1)。
(※1)出典:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))「データサイエンティスト - 職業詳細」
どんなデータを扱う?
データサイエンティストが扱うデータも、業界業種、所属部門によって多岐にわたります。例えば、Webサービス部門であればサービスの利用ログ、ユーザー情報、広告のデータなど、製造業であれば原材料の成分情報、生産工程におけるセンサーデータなど、ビジネスに関連する多種多様なデータを分析することになるでしょう。
他職種との違いは?
データサイエンティストと類似する、あるいは関連する他職種との違いは何でしょうか?
データアナリストとの違いは?
Web業界やマーケティングリサーチ業界では、データアナリストの求人やキャリアパスが設定されている企業もあります。データサイエンティストとは業務範囲が異なっており、データの集計や可視化(グラフ化)レポート作成などを通してビジネスへ提言する職種です。
AI/機械学習エンジニアとの違いは?
AI/機械学習エンジニアは、ディープラーニングなどを活用した高度な予測モデル(予測式)を作成し、それをITシステムに組み込むことを主な業務とすることが多いです。データサイエンティストとの違いはあいまいですが、よりIT、プログラマー寄りの職種といえます(※2)。
(※2)出典:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))「AIエンジニア」
研究者との違いは?
大学や研究機関でも、教員や研究員が、新たなデータサイエンスの手法を研究開発しています。業務内容にあまり違いはなく、こちらは、一般的な「大学の先生」としてのキャリアパスに当てはまるでしょう。
システムエンジニアとの違いは?
ITベンダー(※3)に所属するSE(システムエンジニア)も、データサイエンスを活用したITシステムを開発することがあります。データサイエンティストが作成したモデルやクラウドサービスなどを組み合わせて、顧客の要望に沿ったシステムを構築します。そのような案件に対応するためにデータサイエンス教育が行われているベンダーもあります。
(※3)……IT製品やサービスを提供する事業者や企業のこと
具体的な仕事内容は?
データサイエンティストは、具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。
仕事のフロー
はじめに、データサイエンスを活用してビジネス課題を解決する際の、全体の流れを示します。
データサイエンティストは、このようなデータ活用プロジェクトの主要メンバーとして活躍します。
各フローにおける仕事の具体例
上記のフローに沿って、具体的な仕事をいくつか例示します。
データの収集
社内のITシステムや生産設備に取り付けたセンサーなどから分析に必要なデータを集めます。
データの加工
データは、そのままでは分析しにくいことも多いため、「前処理」と呼ばれるさまざまな加工を適用します。
データの可視化
データを集計、可視化(グラフ化)して特徴やデータ間の関係性を観察します。
モデリング
統計学や機械学習の知識に基づき、適切なアルゴリズムを選択し、あるデータで別のデータを説明する(予測できる)モデル(式)を作成します。
実務への適用
できあがったモデルを、オフィスや工場などの現場で使いやすいシステムに実装し、展開します。現場のフィードバックを受けて随時改良を加えていきます。
なお、データサイエンティストという職種に期待されるスキル、担当する業務に、企業によって大きな幅があることに留意する必要があります。データ活用を始めたばかりの企業では、上記のすべての業務が一任されることが多く、広範なスキルが求められます。一方、すでに戦略的にデータ活用を進めていて、人材も豊富な企業では、データ収集や加工を担うデータエンジニアや、実務との橋渡しを担うコンサルタントなど職種が細分化しており、データサイエンティストには、機械学習などの数理・統計スキルが期待されます。データサイエンティストの仕事、というもの自体、どのような環境で働くかによって大きく変わってきます。
データサイエンティストになるために必要なスキルは?
データサイエンティストとして活躍するには、どのようなスキル、知識、資格が必要なのでしょうか?
プログラミングスキル
統計学による分析や機械学習モデルの作成には、PythonやR言語などの、データ分析に適した言語を用いたプログラミングが必要となることが多いです。SAS (※4)やSPSS(※5)などの、GUI(マウス操作) で分析ができるソフトウエアもありますが、データの加工やシステムへの実装も含めて、プログラミングは必須のスキルといえます。多くの場合、分析手法はすでにライブラリとして公開されているので、それぞれのライブラリの使用法に習熟する必要があります。また、データ分析のノウハウや、ライブラリの最新機能などの情報は英語で発信されるので、英語の技術文書を読むスキルも求められます。
(※4)……Statistical Analysis Systemの略。米SASインスティテュート(SAS Institute)社が開発・販売している、データ解析や統計分析、解析結果の可視化などを行うことができるパッケージソフト。
(※5)……Statistics Package for Social Scienceの略。IBM社が製造・販売している統計解析ソフトウエア。
知識
これも、上記のように職場環境によって変わってきますが、一般的にデータサイエンティストに求められる知識領域としては、データサイエンティスト協会による以下の図がよく参照されます。
※出典:IPA/データサイエンティスト協会「データサイエンティストのためのスキルチェックリスト/タスクリスト概説 P.14〜15」
この、データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力をバランス良く備え、特にデータサイエンス力に秀でた人材がデータサイエンティストといえるでしょう。
資格
データサイエンス領域の研究実績(論文、学会発表) や、Kaggleなどのデータ分析コンペの成績、GitHubで公開しているプログラムのレベルなどを示すことが求められ、それらでスキルが評価されます。
就活で自分に「データサイエンス力」があることをアピールする目的であれば、以下のような資格で、スキルを保有していることを示せるでしょう。
・データサイエンティスト検定リテラシーレベル ・統計検定 ・ディープラーニング協会 G検定 ・Python 3 エンジニア認定データ分析試験
具体的な学習方法は?
上記のスキルを身に着け、資格取得を目指す場合、どのように学習すればよいのでしょうか?
学習の大まかな流れ
文部科学省や国立大学で構成される数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムが、データサイエンス教育のモデルカリキュラムを公開しています。
※出典:数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアム「数理・データサイエンス・AI(応用基礎レベル)モデルカリキュラム ~ AI×データ活用の実践 ~ P.11」
個人で学習する際も、これらのトピックをカバーするように学習するとよいでしょう。
学習におすすめの書籍、サイト
上記のカリキュラムをカバーする無料のeラーニングコンテンツが、コンソーシアムで公開されています。まずはこれらを視聴して学習しましょう。
・リテラシーレベルeラーニング教材 ・応用基礎レベルeラーニング教材
また、総務省統計局もデータサイエンスの学習教材を公開しています。
・データサイエンス・スクール/レベル別教材
データエンジニアリング領域については、大学が無償で公開しているPython言語の教材で学習するとよいでしょう。
・京都大学 Python演習 ・東京大学 Pythonプログラミング入門 ・東京工業大学岡崎直観教授 Python早見帳 ・東京工業大学岡崎直観教授 機械学習帳
企業によって働き方は変わる?
データサイエンティストという職種名は同じでも、所属する企業によって、働き方は変わります。
働き方の違い
前述のように、データ活用を始めたばかりの企業では、データサイエンティストという職種の定義自体があいまいで、プロジェクトの流れ全体をカバーする、浅く広い総合力が求められます。一方、データサイエンスで実績のある企業では職種が細分化し、統計・機械学習の高い専門性が求められます。
データサイエンティストとして就職できる企業を探すには?
データサイエンティストで就職できる企業の探し方
就活サイトでは、「データサイエンティスト」だけでなく、「データ分析」「AI(人工知能)」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」といったキーワードでも探してみるとよいでしょう。
この記事のまとめ
この記事では、データサイエンティストという職種の概要、求められるスキルや学習方法、他の職種との違い、具体的な仕事内容を紹介しました。データサイエンティストについての具体的なイメージはわいたでしょうか。
なお、データサイエンティストに限らず、データサイエンスのスキルは今後あらゆる職業で求められます。ぜひ、就活でアピールできるよう、学習してみてください。
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