社会的インパクトのある業務内容、そして若手から裁量を持ってチャレンジできる環境から、就活生からの人気が高い総合コンサルティングファーム。
ただその人気の高さゆえに自分には無理だと諦めてしまっている人も多いはず。そこで今回の早期内定レポート第3弾では、大手総合コンサルティング企業に内定を獲得したCさんにインタビューを実施しました。コンサル志望の中では対策を始めるのが遅かったものの、経験を積むことで「選考を突破するスキル」を身につけたというCさん。
企業選びのやり方から、コンサルならではの選考の対策法まで詳しく伺いました。
<目次>
●夏インターンに40社エントリー、就活の始め方そして大学生活との両立
●客観的な視点を持って「教育業界」に携わりたい。スキルと経験を得るためにコンサルを選んだ
●選考対策は実践重視! コンサルならではのWebテスト、ケース面接対策とは?
●対策に時間がかかりがちなコンサル就活。1回1回の反省が内定への近道
夏インターンに40社エントリー、就活の始め方そして大学生活との両立
──Cさんはいつから就活を始めたのでしょうか?
Cさん:大学3年生の4月からです。
──周りと比較するとこれは早い方なのでしょうか?
Cさん:私の周りの友人と比較すると早い方でしたが、コンサル志望の人と比較すると、2年生の冬から始めている人が多く、私は遅い方だったと思います。特に早くから始めているコンサル志望者は、夏には既に内定を獲得している印象を受けました。
──コンサル志望者は早期から動き出す方が多いのですね。4月から就活を始めたとのことですが、夏インターンには参加されましたか?
Cさん:はい、40社にエントリーしました。多くの選考を受けて経験を積むことで「就活戦闘力」を高めたいと思ったからです。
──就活戦闘力、ですか?
Cさん:就活戦闘力とは、面接、エントリーシート(ES)、グループディスカッション(GD)全ての選考を突破するのに必要なスキル全般を指しています。
──なるほど、本命企業に内定をもらうためには必須のスキルですね。ただ、40社もの企業にエントリーしながら、どのようにスケジュールを調整していたのでしょうか? 授業と就活の両立は大変だったのでは?
Cさん:授業の最低限単位を落とさない程度に、就活最優先でスケジュールを調整していました。忙しい時には睡眠時間が3〜4時間ほどの時期もあり、かなりハードでした。就活対策を効率よく進められる人は、ここまで多くエントリーする必要はなかったとも思いますが、私にとっては経験を積むという意味で全て必要なことでした。
客観的な視点を持って「教育業界」に携わりたい。スキルと経験を得るためにコンサルを選んだ
──どのように業界や企業を選んでいたのでしょうか?
Cさん:早くからスキルと経験を得られることを重視していました。大学時代にインターンを経験したことがきっかけで周りの優秀な人たちに刺激を受け、とにかく早く成長したいと思うようになったからです。他にも女性が働きやすいことや、会社の雰囲気が決め手になりました。
──そこでなぜ総合コンサルティング業界を選んだのでしょうか?
Cさん:2つ理由があります。1つ目は、若手のうちから裁量を持って、スキルを伸ばしながら働ける環境であると考えたからです。コンサルは労働時間が長いイメージがあると思いますが、体力のあるうちに経験を積みたい私にとってはいい環境だと考えました。
2つ目は、教育業界に携わりたいと思ったからです。あえて教育系の企業を選ばなかった理由は、コンサルの方が客観的な視点をもって教育業界に働きかけることができると考えたからです。また、キャリアステップとして、コンサルでさまざまな経験を積んでから、広い視野を持って教育分野に携わりたいと思っています。
──最終的には教育業界に携わりたいと考えているんですね。選考ではコンサルを志望する理由を聞かれると思いますが、どのように伝えていたのでしょうか?
Cさん:夏インターンでは、志望動機よりもコンサルタントとしての能力の方が重視されていて、それほど志望度の高さは重視されていなかったように感じます。ただ本選考の際にはかなり深掘りをされたので、「なぜコンサルの中でも総合コンサルなのか」「この会社なのか」を明確にする必要がありました。私の場合は教育事業に関わりたいという軸と、若手から活躍の場があること、社風が合っていることを掛け合わせて伝えていました。
──その理由であれば総合コンサル・戦略コンサルなどの種類は関係なくどのコンサル企業でも通用すると思います。なぜ内定先に決めたのでしょうか?
Cさん:私は、コンサル企業の種類で判断せず、社風が自分に合うかを基準に企業を選んでいました。実際私は、両方の選考を受けましたが、内定先にした決め手となったのは、育休制度などの女性が働きやすい環境が整っているかどうかや、女性のキャリアパスが明確で、かつ管理職などについている方がいるという事でした。これらは、説明会などでの社員の話を基に判断をしていました。
選考対策は実践重視! コンサルならではのWebテスト、ケース面接対策とは?
──ここからは具体的には各選考フローでどんな対策をされたのかを伺いたいと思います。コンサルで重視されていると感じた選考はありますか?
Cさん:周りの人の通過率を聞いた限りでは、コンサルの夏インターンの選考はWebテストで絞り込みが行われている印象を受けました。他にも「コンサルの筆記試験はボーダーラインがかなり高い」とも聞いていました。
──他の業界に比べてWebテストのボーダーが高いのですね。Cさんはどのように対策していましたか?
Cさん:他社の選考を受けて、場数を踏むことを大切にしていました。また、解けない問題があった場合には、受験後にもう一度似た問題を解き直すなどして、自分の中での苦手をつぶしていきました。
──参考書で対策する人も多いと思いますが、なぜ場数を踏むことが大事だと思われたんですか?
Cさん:Webテストを受けていると、他社と同じ問題が出題されることも多々あります。そのため私は、解けなかった問題をピックアップして、自分なりに答えを持っておくことを意識していました。友人の中には、インターネットやTwitterなどで個人販売されているWebテストの過去の解答集を使うという人もいましたが、解答集は新しい問題に対応できなかったり、答えの信ぴょう性に欠けたりするなどの不安点が残るので、あまりおすすめしません。
──グループディスカッション(GD)はなかなか一人では対策しづらいと思いますが、どのように練習していましたか?
Cさん:大学の就活コミュニティを活用していました。先輩から声をかけていただいて入会したのですが、そこではGDのセミナーや練習会が開催されていたので、そこで練習をしていました。このコミュニティは入会した人限定のものなのですが、各就活サイトでも無料でセミナーや練習会が開催されているので活用するといいと思います。
──就活コミュニティですか、誰でも入れるのでしょうか?
Cさん:多くのコミュニティは2年生の冬から3年生の春にかけて幅広く募集をかけており、選考を通過すれば入ることができます。それまでに友人と協力するなどして、GDや面接の対策をしておくことが大切だと思います。
──GDで気をつけていたポイントがあれば、教えてください。
Cさん:本番のGDでは、ファシリテーター、書記、タイムキーパーなどの役割の中から常に足りない役割を補うことを意識していました。毎回同じ役割にこだわるのではなく、その都度どのポジションをやればうまく議論が進むかを考えながら取り組んでいました。実際コンサルでもファシリテーターだから評価が良かった訳ではなく、議論の中でポイントとなる発言でアピールできたのが通過できた要因だと思っています。
──ケース面接・人物面接、それぞれの対策方法を教えてください。
Cさん:ケース面接においては、事前の回答準備やインプットが重要だと思います。『東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」』(2010年、東洋経済新報社)を読んで面接に臨みました。結果的に総合コンサルでは内定をもらえましたが、戦略コンサルでは太刀打ちできなかったので、戦略コンサルを志望する人はより入念な対策が必要だと思います。
──戦略コンサルの場合は求められるレベルが高いのですね。人物面接の対策方法も教えていただけますか?
Cさん:人物面接では、ガクチカや自己PRなど同じ質問が多いので、自分の回答と面接を通して気づいた改善点をノートにメモしていました。例えばA社で答えられなかった質問があった場合に、その質問をノートに書き留めて、他の質問の回答と矛盾点がないかなどを再度自分で答えを練り直して次に生かすサイクルを回していました。
このサイクルによって回答に一貫性を持たせることができ、より説得力のある受け答えができたと自負しています。自分の本命企業に向けて徐々に回答の質を上げることができ、面接に対する自信を持つことができました。
対策に時間がかかりがちなコンサル就活。1回1回の反省が内定への近道
──就活を振り返って「こうしておけばよかった」と思うことはありますか?
Cさん:早くから選考対策を始めて、特に対策に時間のかかるケース面接やGDなどの対策をすべきだったと思います。
──最後に総合コンサルを目指す25卒に向けて一言お願いします!
Cさん:早く動き出すことが大切だと思います。周りのライバルたちは2年生の時から着実に準備を進めていますし、特に総合コンサルを受ける場合はケース面接など他の業界にはない特殊な選考もあり、対策に時間がかかります。ただ、今から始めても手遅れということではありません。これから本格化する本選考に向けて、1回1回の選考での反省点を生かして、就活戦闘力を高めていってください!
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