こんにちは、ワンキャリ編集部です。
今回は外資戦略コンサル元社員と内定者の声をもとに、外資コンサル選考の第一歩となる筆記試験の対策についてお届けします。
そもそも本気の筆記試験対策は必要なのか?
外資コンサルを志望する人は、筆記試験対策を必ず行いましょう。毎年、多くのコンサル志望の学生がこの筆記試験で涙をのんでいます。例えば、マッキンゼー・アンド・カンパニーの選考では、志望者の9割が筆記試験で落ちることもありました。なぜこんなことが起きるのでしょうか。理由は以下の2つです。
志望者と内定者の比率(合格率)
トップティアの外資コンサルの内定者は毎年、各社20名前後。人気業種と呼ばれる総合商社、広告代理店などと比べて圧倒的に少数です。しかも、面接は1対1で行われる「ケース面接」がメインで、他企業の面接と比べて時間がかかります。そのため、面接に進める人数を制限する必要があるのです。筆記テストは、多くの志望者から面接する少数の学生を選び出すために、ボーダーが高く設定されているのです。
問題の特殊性
一部の外資コンサルでは最初の難関である筆記試験として、ケース問題やフェルミ推定の問題を課します。外資コンサルに特有の問題であり、対策なしで解くことは非常に難しいです。一般常識や、大学で学んだこと、SPIなどの就活試験対策ではカバーしきれないため、事前に対策を講じましょう。具体的な対策方法はフェルミ推定、ケース面接の記事をご覧ください。
どれだけあなたが魅力的な人だろうと、それをアピールする場がなければ何の意味もありません。対策をしてテストをクリアし、面接につなげましょう。
企業別の筆記試験対策
では、実際に各社の筆記試験はどのような形式か、主要な外資系コンサルティングファームを中心に見ていきましょう。企業名のリンクから、各社の詳しい選考ステップを確認できます。
マッキンゼー・アンド・カンパニー
ボストン コンサルティング グループ
・内容:テストセンター(言語・非言語・性格・構造的把握力)・時間:90分
BCGのWebテストで課せられるテストセンターは、全企業の中で最もボーダーが高いといわれています。 例年BCGではSPIの次の選考ステップとして、グループディスカッション(GD)と筆記ケース試験が設けられていましたが、2022年卒選考ではその選考ステップがなかったそうです。
ベイン・アンド・カンパニー
・内容:玉手箱(言語・非言語・性格)・時間:90分
例年ベインの筆記試験はGMATなどがベースとなった企業オリジナル形式でしたが、2022年卒選考では玉手箱が採用されたそうです。多くの企業で採用されているテスト形式であり、難易度も一般的なため、ボーダーは非常に高く設定されていることが予想されます。実際に、内定者は「ほぼ満点をとるつもりでテストに臨んだ」と語るほど。Webテストは慣れていないと実力が十分に発揮できない可能性もあるため、玉手箱を扱う対策本の熟読や他社の選考での練習を通して、万全の対策をしておきましょう。
A.T. カーニー
・内容:企業オリジナル(言語はGMAT、非言語はSPIに似た問題)・時間:40分
難易度は戦略コンサルの中では標準的だったと思うが、決して簡単ではありません。また、カーニー筆記の特筆すべきポイントは、不正解に対して減点が施されることです。「正答が3点、白紙が0点、誤答が-1点」配点はこのようになっているとアナウンスされます。「回答できる問題を確実に正答する」ということを意識して試験に臨みましょう。
デロイト トーマツ コンサルティング
・内容:TG-Web(言語・計数・性格)・時間:90分
実施企業が極めて多い、玉手箱・SPIと比較すると、TG-Webを採用している企業はそれほど多くありません。TG-WebはSPI・玉手箱と比較しても難易度が高いのが特徴で、短い時間で暗号問題などクセのある問題を解く必要があるので、事前の対策が必須です。
アクセンチュア(戦略)
・内容:玉手箱(言語・非言語・性格)・時間:1時間
標準的な玉手箱の問題です。ボーダーはそれほど高くないものの、基礎的な対策は必要です。
アーサー・ディ・リトル
・内容:玉手箱(言語・非言語)
・時間:1時間
例年のADLのジョブ選考は、ESとGDのみでしたが、今年度はWebテストと筆記試験が追加され、GDは個人面接に変更されました。玉手箱の難易度は標準的ですが、かなり高いボーダーが設けられていると予想されるため、満点を取るつもりで臨みましょう。
Strategy&
・内容:TG-Web(Webテスト)/企業オリジナル(Webテスト)・時間:1時間(TG-Web)/30分(企業オリジナル)
「Webテスト」の後に「企業オリジナルのWebテスト」が行われます。前者の内容は「言語・非言語・英語」で、後者は「言語・非言語」です。難易度は高く、BCGやマッキンゼーの筆記試験を通過してもStrategy&のテストは通過できなかった人が多数いることからも、難易度の高さを裏付けているといえます。裏を返せば、万全な対策を積みこの関門を突破することができれば、ジョブまで大きく近づけるとも言えます。
コーポレイト ディレクション
・内容:企業オリジナル(GDと同時)・時間:30分(GDは30分で合計1時間)
インターンの筆記試験は5〜6問程度の問題が課せられます。内容は企業オリジナルのため対策は難しいですが、強いて言うなれば判断推理やGMATを勉強しておくと他のファームの対策にもなるのでおすすめです。内定者によると「CDIの筆記試験は非常に難しく、3〜4割しか正答率がない気がする」とのことなので、できる限りの筆記試験の対策は事前にしておくといいでしょう。
ローランド・ベルガー
・内容:TG-WEB・時間:1時間
通常のTG-WEB。これとESの内容を踏まえて、総合的に合否が下されると考えられるとのこと。Webテストを通過した複数の学生は9割以上回答できていたよう。この段階でかなり絞り込みをかけられていると考えられます。市販の参考書を解くだけでなく、他企業で実施されているTG-WEBの問題も解いておき、時間配分の確認もしておくことをお勧めします。
具体的な対策期間は?
多くの内定者が、筆記試験の対策に3週間程度の時間を費やします。まずは、自分の得意分野と苦手分野を把握したうえで、苦手な問題形式の対策を優先的に行いましょう。
実際の対策例
以下は、夏インターンに臨んだ戦略コンサル内定者の例です。筆記試験に、苦手意識のある英語が必須。他に必要だった数的処理や判断推理は苦手意識はなかった人の例です。
<6月1週目>
GMATの対策本を開始、1週間でひととおり解き終える。またケース面接対策として「東大生の〜シリーズ」を開始。
<6月2週目>
GMATの苦手分野のみを重点的に対策する。ケース面接対策では、「東大生の〜シリーズ」をひととおりは解き終え、解けるかどうかの確認作業に入る。
<6月3週目>
判断推理の参考書を対策、並行してGMATも行う。この週の前半に「東大生の〜シリーズ」を終え、2、3日は新しい問題に触れるため「過去問で鍛える地頭力」の問題を数問行う。
<6月4週目>
試験当日
いかがでしたか? 外資コンサルの筆記試験は最初の難関ではありますが、この先も選考が本格化します。続いてフェルミ推定・ケース面接について見ていきましょう!
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