こんにちは、ワンキャリ編集部です。
インターン選考では、筆記試験が課されることがあります。筆記試験といっても複数のタイプが存在するので、それぞれの攻略法を把握しておくことが求められます。第1回である今回は、「判断推理」について徹底解説します。
判断推理を課す企業
インターンの筆記試験において判断推理の問題を出題する企業は以下の4社です。(2018年卒の場合)
A.T.カーニー
ベイン・アンド・カンパニー
コーポレイト ディレクション
Strategy&(旧ブーズ・アンド・カンパニー)
限られた出題範囲
上記の4社は、主に公務員試験で出題される判断推理に添って設問を課します。ただし、公務員試験の判断推理は17項目で構成されるのに対して、サマーインターンで課されるのは7項目からのみ出題されます。
そのため、その7項目に注力して勉強を行いましょう。
【公務員試験の判断推理17項目】
・論理/集合
・人数/対応関係/暗号/順序関係/ウソつき問題/試合と勝敗/位置関係(方位、配置、座席)/手順/道順
・位相(一筆書き)/奇跡/平面図形の分割構成/空間図形の分割構成/多面体/展開図/立体の切断折り紙
【サマーインターンに出題される7項目】
1. 論理
2. 集合・人数
3. 対応関係
4. 暗号
5. 順序関係
6. ウソつき問題
7. 試合と勝敗
設問例
以下、3つの広告の問題について、設問例をご紹介します。
【対応関係】
A~Eの5人は、それぞれ本1冊とテープ1巻を持ち寄り互いに貸し借りした。ただし、本、テープはそれぞれ全員別の人から借りた。
・AはBとCから借りた。
・「Aの本とDのテープを借りた人」の本を借りたのはB。
・Aのテープを借りた人は、Bでない。
・Dの本を借りた人は、Eからテープを借りた。
以上のことからわかることは次のうちどれか。
(1)Aの本は、Cが借りた。
(2)Bの本は、Dが借りた。
(3)Cのテープは、Aが借りた。
(4)Dのテープは、Cが借りた。
(5)Eのテープは、Dが借りた。答え:(2)
※出典:上・中級公務員 標準判断推理―確かな解答力が身につく“基本書”
【暗号】
暗号「FVANABTNJN」は「信濃川」を表すという。同じ暗号を使って「GBARTNJN」が表すものとして適当なのは、次のうちどれか。
(1)木曽川
(2)利根川
(3)多摩川
(4)四万十川
(5)淀川
答え:(2)
※出典:上・中級公務員 標準判断推理―確かな解答力が身につく“基本書”
それぞれをアルファベット表記にすると、暗号と答えの対応表を作ることができます。暗号の問題は、定石に則りいかにして早く解くかが重要です。そのため、まずは定石を覚えるようにしましょう。
【ウソつき問題】
A~Fの6人が丸いテーブルに等間隔に座った。A~Eの5人が、次のように言っているが、このうち一人だけが嘘をついているという。嘘をついていないと確実にいえるのは誰か。
A「私はDの隣ではなかった」
B「DはAの隣ではなかった」
C「AはFの隣ではなかった」
D「CはBの隣ではなかった」
E「私はDの隣ではなかった」
(1)A
(2)B
(3)C
(4)D
(5)E
答え:(4)
※出典:上・中級公務員 標準判断推理―確かな解答力が身につく“基本書”
正答率と時間制限に注意
続いて、判断推理の筆記選考を突破するコツをお伝えします。それは、「正答率を上げること」、「短時間で解ききること」の2点です。一見、当然のことのように思えますが、この2点を満たすことがどれだけ難しいかをお伝えします。
「いかに少ない問題しか落とさないか」が選考突破のカギ
判断推理の筆記試験においては、「正答率を下げてはいけない」ということを念頭におくべきでしょう。
例えば、2018年卒のベインアンドカンパニーの筆記試験のボーダーは2問ミス程度だったそうです(選考対策ページより)。そのため、「いかに少ない問題しか落とさないか」という目線で選考対策をする必要があるといえるでしょう。
対策法はシンプルではありますが、問題文を読み違えないことです。とりわけウソつき問題は、最後まで読まずに誤回答をしてしまうことが頻繁にあります。問題をしっかりと読めば必ず正しい答えにたどり着くので、注意深く問題文を読む癖をつけましょう。
1分で1問以上解くスピードを身につける
正答率と並んで重要になるのがスピードです。企業によっては、1問当たり1分も掛けずに答えを導き出す必要があります。このスピードの壁を越えられずに筆記選考で落ちてしまう人が毎年多く存在しますが、裏を返せば回答スピードを上げるだけで他の就活生に対して優位に立てるともいえます。
回答スピードを上げるコツ以下の3つです。
(1)定石の暗記(2)ストップウォッチ(3)本番の8割の時間で解いてみる
(1)回答時間を1/3にする定石の暗記
判断推理の中には、定石を覚えると飛躍的に回答スピードが上がる問題が複数存在します。例えば、ウソつき問題にはGW(Grands Wagons)法というアプローチがあります。これは、その人が正直者かウソつきかはひとまず置いておき、誰が同じグループで誰が違うグループかという分類を行うものです。実際に解くと分かりますが、この方法を使うと回答時間が3分の1程度になります。
(2)時間意識を習慣づけるためにストップウォッチを使う
定石を身につけたら、次は時間意識を習慣づけましょう。ストップウォッチを使い回答時間を記録することで、早く解こうという意識を保つことができます。
(3)本番の8割の時間で解く練習をする
一通り練習問題を解き終えたら、本番を想定した演習を行うと思います。このとき、本番の8割の時間で問題を解く訓練をしましょう。本番は緊張したり難しい問題が出たりと、焦って予定通りにならない場合も予想されます。そうした場合に、この訓練が実を結びます。
1日1時間半、2週間で対策を終える方法
最後に、2週間で判断推理の勉強を終えることを想定したモデルスケジュールをご紹介します。
※このスケジュールでは以下の教材に沿って学習することを想定しております。
・上・中級公務員 標準判断推理―確かな解答力が身につく“基本書”
本書は判断推理の各項目について解説、例題、練習問題の順で構成されています。
―スケジュール例―【Week 1】
Day1:論理、集合・人数、対応関係
Day2:暗号、順序関係、ウソつき問題
Day3:試合と勝敗、位置関係(方位、配置、座席)、手順
Day4:道順、位相(一筆書き)、奇跡
Day5:平面図形の分割構成、空間図形の分割構成、多面体
Day6:展開図、立体の切断、折り紙
Day7:間違えた問題の復習
1週目は、判断推理に必要な解法を身につけることを目標とします。毎日3章ずつ解き、最終日は間違えた問題の復習に充ててください。このスケジュールであれば、1日1時間半程度の勉強量で充分でしょう。ポイントは、解説に掲載された「短時間で解くためのコツ」を用いて練習問題を解くことです。自分の知識や知恵を総動員すればどの問題も解けますが、いかに短時間で答えにたどり着くかを意識して練習問題に取り組みましょう。
【Week 2】
Day1:論理、集合・人数、対応関係
Day2:暗号、順序関係、ウソつき問題
Day3:残りの章のうち苦手なもの
Day4:論理、集合・人数、対応関係
Day5:暗号、順序関係、ウソつき問題
Day6:間違えた問題の復習
Day7:本番
2週目の目標は本番に慣れることです。上述のアドバイスでも述べた通り、本番の8割の時間でタイマーを設定して解ききる練習をしましょう。各章およそ10問なので、毎日30問を20分で解く練習をすればかなりスピードが上がります。筆記選考で出題されるのは主に、論理、集合・人数、対応関係、暗号、順序関係、ウソつき問題、試合と勝敗です。そのため、これらを重点的に勉強し、他の章は不安であれば復習する程度でよいでしょう。
おわりに
いかがでしたか。
今回はサマーインターンで頻繁に出題される判断推理についてご紹介しました。筆記試験は足切りのイメージが強いですが、企業によっては鬼門の選考だといえます。特に、外コンのサマーインターンでは9割以上の志望者が筆記試験で不合格となります。入念な準備をして筆記試験に臨むようにしましょう。
筆記試験についてより詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
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