皆さん、就職活動において最も残酷な結果が発生する関門をご存じでしょうか。
これははっきりと言い切れるのですが「筆記試験」です。大体の場合、適性検査と同時に課されるこのテストですが、企業側はここでバッサリと学生を切り捨てます。
僕は、「とにかく面接にたどり着けない」という地獄を経験しました。僕が新卒で就職活動を行った時期は、何故か「筆記試験は参考程度、対策など必要なし」という情報が流れていました。それを真に受けた僕は筆記試験対策を一切せずに選考に挑み、就職活動初期に受けた試験のほぼ全てで筆記落ちという大失態を犯しました。
大抵の場合、就職活動初期には志望度の高い企業を受けると思います。僕の場合もそうでした。しかし、これが最悪の結果につながりました。同じ企業の採用試験を二度受けることは、通常不可能です。これがどれほど手痛い損失かは想像に難くないでしょう。
「学歴あるし筆記対策いらないっしょ!」は完全に死亡フラグ
とはいえ、皆さんの中にも「俺には筆記対策など不要」と思う人もたくさんいるでしょう。しかし、そこに根拠はありますか? 実際に問題を解いてみましたか? あなたの志望企業がどのような筆記問題を採用しているか把握していますか?
「していない」というなら、少し焦る必要があります。もう11月の下旬。あなたが文系の自覚があるなら、そろそろ対策に入っていないと「ヤバイ」時期です。人間というのは自分を過大評価したがる生き物です。良い大学に通い、自分に自信のある方こそ「筆記試験に対策が必要」という事実は受け入れ難いでしょう。しかし、それが正しく落とし穴です。少なくとも、大学受験の時の頭の回転や知識量は確実に維持できていません。
では「筆記試験は参考程度、対策など必要なし」というあまりにも罪作りな情報はどこから流れたのでしょう。おそらく、採用試験の筆記問題など悠々クリアしてしまう人たちというのは一定数存在するのです。その人たちは「筆記対策など必要ない」と主張します。その一方、「私は筆記試験でボロクソに落とされた」という情報を流す人はそれほど存在しません。恥ずかしいですしね……。僕も正直言って、これを書いていて恥ずかしいです。
「文系の湯」につかって筆記全落ち。僕のやらかし
僕はいわゆるド文系で、初めてのセンター数学は惨憺(さんたん)たる点数でした。私大入試の科目の偏りを最大限利用し、運の追い風も受ける形でギリッギリ突破した人間なのです。おまけに、3年間の「文系の湯」に肩までつかった大学生活で、なけなしの能力もどん底まで落ちていました。これがどういうことかというと、僕には大卒として企業に「最低限必要」と認識されるだけの数学……いや、下手したら「算数」の能力が備わっていなかったのです。
しかし、僕は完全に「自分はデキるやつだ」と思い込んでいたんですね……。大学は文学部で、自分の一番得意なことしかやっていませんので成績は良かったのです。俺はデキるという一切根拠のない思い込みが発生していて、なんなら筆記対策をすること自体がプライドに障る、というくらいまで増長しておりました……。本当に反省しています。いつもこうなんだ僕の人生は。
筆記対策、やりましょう。面接にさえ呼ばれないのはバカらしい
さあ、ここまで筆記試験を無対策でやってきた皆さん、どうですか。思い当たる節はありませんか。このやらかしを見て「俺には関係ないね」と言い切れますか。言い切れないなら今すぐ対策です。幸い、インターネットを必死で漁ると、どの企業がどのようなテスト問題を採用しているかという情報は結構手に入ります。実際、採用試験の筆記問題は結構バリエーションがあり、せっかく対策をするなら志望する企業や業界がどのような問題を採用しているか把握してから対策するのが一番です。SPIはおそらく必ずやることになるでしょうが、受ける企業によってはそれ以外の問題の対策を行う必要も出てきます。
採用試験の筆記問題は、基本的に「ミニマムな大学入試」です。例えば数的理解や処理能力を問う問題は、わりと覚えゲーです。問題のパターンはそう多くはなく、ひととおりの解法を浚(さら)えばグーンと点数は上がります。一般常識や英語なども、意外と参考書があてになります。出回っている情報をきちんと自分に合わせて学習すれば、大学入試とは比較にならないほど低い難度です。
筆記対策、やりましょう。いや、ホントに。マジで。特に、数的処理能力に自信のない文系の皆さん。やった方がいいです、いやマジで。これは特に根拠の無い僕の霊感ですが、ザックリ志望者の数割、下手すると半数以上が筆記で落とされています。ここで落ちるほどバカらしいことはありません。しかも、対策をしなければ無限に祈られ続けます。僕は落ち続けました。やっと対策が実って筆記落ちしなくなった頃には1カ月半くらい経っていました……。
やればできることをやらなかった結果失敗するというのは、「営業先への地図を持っていなかったからアポに間に合わなかった」みたいな話です。そういうミスはなるべくやらないのが社会人の基本です。
「筆記、ヤバそう」最終手段は選択と集中だ
さて、要するに「対策やれ」という内容で恐縮ですが、最後に僕なりのハックを付け加えておきます。僕は発達障害(ADHD)を持っているので非常に能力の偏りが大きく、クレペリンやSPI等の筆記試験は得意ではありませんでした。ですから、対策するジャンルはとにかく絞りました。僕は「クレペリンは絶対回避、できれば対策がしっかりできているSPIか小論文を課す企業」という軸で受ける先を選んでいきました。
特に、僕の場合は小論文が非常に得意だったので、選考に課された企業で非常に良い成績が出ました。ド文系の皆さんはこちらを対策するのも一つの手でしょう。小論文対策はどうやら軽視されているようで(採用企業が少ないのですから当然といえば当然ですが)、体感的には非常に差をつけやすいと感じました。このように、「筆記ヤバイ」という雰囲気を感じた時は、どのような試験を課すかをベースに受ける企業を選んでいくのも大いにアリです。小論文と適性検査だけという企業も中にはありますからね。
「あれもこれもやろう」は非常に危険です。一人一人、能力も違えば志望企業も違う。「あれをやれ」という形で一般化するには筆記試験はバリエーションが多すぎます。しかし僕の時代よりさらに情報収集は行いやすくなっているでしょうし、対策は打てます。賢く対策を打ちましょう。Webテストを課すところに関しては、あのテストの性質上必ずしも真っ正直に突破することは企業側も期待していないと思います。やってもいいことは全部やるというのも、大人のやり方です。情報収集……大事ですよ。
何度も言いますが、筆記試験は点数が取れなければ普通に落ちます。面接にすら呼ばれません。そこで終了です。
どうか、僕の轍を踏まないよう、皆様悔いのない就職活動を。
やっていきましょう。
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※こちらは2017年11月に掲載された記事の再掲です。
※2022年5月19日にタイトルの一部を変更いたしました