2024年卒の皆さんの中には、「周りにコンサルのインターンに参加する人が多く、最近自分もコンサルに興味を持った」という方もいるかと思います。
ただ、「内定するために何から始めたらいいか分からない」と悩んだり、「どういったスケジュール感で進めればいいのか」と迷ったりすることも多いはず。
今回は、ベンチャーや外資系コンサルなどのさまざまなインターンに参加し、最終的に本選考で外資系総合コンサルに複数内定したCさんにお話を伺いました。「コンサルの本選考に向けた対策スケジュール」と、「ベンチャーと迷ったが、最終的にコンサルに絞った理由」を中心に教えていただきます。
<目次>
●1. HowはあってもWhatは分からない、だからコンサルを受けた
●2. 両方参加したからこそ分かる。戦略コンサルと総合コンサルの違いって?
●3. コンサルは種類が多い! どのコンサルを受けるべき?
●4. コンサル志望者はコンサル以外も受けるべし
●5. 夏から準備しても、秋冬選考でコンサル内定は可能!
●6. おわりに
1. HowはあってもWhatは分からない、だからコンサルを受けた
──なぜコンサルを受けようと思ったのですか?Cさん:自分の頭で考えて、できるだけ多くの価値を生み出したい、社会にインパクトを与えたいと考えたからです。大学生になってからアルバイトを始め、「その仕事は自分にしかできないことか」「時給に合った価値を提供できているか」など、自分の存在価値を考えるようになりました。考えるうちに、自分ならではの仕事をして、多くの人々に良い影響を与えることで、自分の存在価値を生み出したいと思いました。
──コンサル以外にも大きな影響を与えられる仕事はあると思います。他の業界は選択肢に入れなかったのですか?
Cさん:自分の頭で考えるという価値提供の手段(How)は決まっていましたが、どのようなものを提供するか(What)の部分は明確に決まっていませんでした。そこで、コンサルタントとして経営者の方と接することで、さまざまなプロジェクトを経験し、Whatの部分を決めたいと考えています。
──Cさんは、理系院生ですが、研究にまつわる仕事をしたいとは思いませんでしたか?
Cさん:手術の自動化ができる機器の開発をやってみたいと漠然と感じていました。これは、できるだけ多くの人に価値を提供したいという軸があったからです。
──「手術の自動化」というやりたいことが変わったきっかけを教えてください。
Cさん:2点あります。
まず、手術を自動化する機器の開発に強いのはアメリカの企業であり、日本では難しいと判断したからです。
もう1つは交換留学がきっかけです。海外の理系学生と交流し、彼らが経営者としての視点を強く持っていたことに驚きました。このままなんとなく理系就職するのではなく、多くの経営者と関わる中で刺激を受け、自分ならではの価値を生み出せる人になりたいと考え、コンサルタントを強く志望するようになりました。
2. 両方参加したからこそわかる。戦略コンサルと総合コンサルの違いって?
──Cさんは、戦略コンサルと総合コンサル、両方のインターンに参加されています。戦略コンサルはより上流(従来コンサルティング会社がなりわいとしてきた領域で、企業戦略を構築したり、業務改善を行ったりする部分)に関わり、総合コンサルは上流から下流(システム構築そのものや、システムの保守)まで関わるというイメージですが、違いを感じたことはありましたか?Cさん:関わる部分については、その通りだと思います。選考において、戦略コンサルでは志望理由をほとんど聞かれなかったので、ロジックがより重視されていると思います。総合コンサルでは、ロジックに加えて企業理解も必要だと感じました。あと、戦略コンサルはインターンが内定に直結していることも多いので、志望度が高ければインターンに参加するのがおすすめです。一方、総合コンサルでは、インターンに参加していなくても本選考に挑戦しやすいと感じました。
──実際にどういった人が戦略コンサル、もしくは総合コンサルに向いていると思いますか?
Cさん:少しでも経営者に近いところで、上流での問題解決に挑戦したい人は戦略コンサルに向いていると思います。また、上流から下流まで関わることで、やりがいや幅広い視点を身につけたい人は、総合コンサルに向いているのではないでしょうか。上流ばかりだと下流の視点が欠けてしまいますが、全体を見ていると戦略コンサルほど上流に強くなれないと思うので、どちらに重きを置きたいかが重要だと思います。
3. コンサルは種類が多い! どのコンサルを受けるべき?
──コンサルは種類が多くて選べないという声をよく耳にします。戦略コンサル、総合コンサル、ITコンサル、監査法人、シンクタンクなどがありますが、どうやって選べばいいと思いますか?Cさん:難しいですよね。私は自分の軸で決めました。戦略コンサルは、高い視座を持って価値を提供できると思ったので受けました。総合コンサルは、戦略コンサルの次に自分の軸に合っていると考えていたので、併せて受けていましたね。
──ITコンサルや監査法人も、高い視座を持って価値を提供する点では、戦略コンサルや総合コンサルと同じだと思います。なぜ受けなかったのでしょうか?
Cさん:ITコンサルと監査法人は、それぞれ専門性があり、やることがある程度決まっているからです。「何をしたいか」がまだ決まりきっていない自分には、向いていないと感じました。逆に、ITに携わりたい人はITコンサル、金融系に携わりたい人は監査法人というように、明確に「何をしたいか」が決まっている人にはおすすめです。また、「監査法人で会計士の資格をとって企業の会計専門になる」というように、将来的に転職を考えている人にも向いているのではないでしょうか。
──なるほど。シンクタンクも同じような理由で受けなかったのでしょうか?
Cさん:シンクタンクは、コンサルと比べて平均年齢が高いことや、日系の企業がほとんどであるため、年功序列のイメージが強かったです。若いうちから裁量の大きい環境で働きたいと思っていた私には合いませんでした。公共系の案件が多いので、公共系に携わりたい人に向いていると思います。また、成果が出るのに時間がかかる公共系の事業が多いため、じっくりと時間をかけて結果を出したい人も志望しているイメージがあります。そのため、「成果を早く出したい」という人には、もしかしたら向いていないかもしれませんね。
4. コンサル志望者はコンサル以外も受けるべし
──コンサルを志望しながらも、ベンチャーも受けていたのはなぜですか?Cさん:理由は、3つあります。1つ目は、ベンチャーで長期インターンをしており、ベンチャーで働くのが楽しいと考えていたからです。
2つ目は、他の業種を知ることができるからです。コンサルタントとして広い視野を持って働くためにも、他の業界の方がどのようなことに取り組んでいるかを学んでおく機会は貴重です。
3つ目は、コンサルタントが事業会社の社員からどのように見られているかを知るためです。新卒からコンサルタントになれば、それを知る機会はほとんどありません。また、社員の方にコンサルを志望していることを伝え、印象を聞いてみるのもいいと思います。コンサルの仕事が自分の想像と乖離していないか確認するチャンスです。
──なるほど。事業会社でのインターンはいかがでしたか?
Cさん:できることの幅に限界があると感じました。その事業が自分に合っていないと感じれば、転職するしかありません。その点、コンサルは案件ごとですし、ソリューションの提案もできる点が改めて魅力的だと実感しました。また、コンサルの社員さんの論理的な話し方が自分に合っているという印象も受けました。
──その違いに気付けたことは、コンサルの選考でも役立ちましたか?
Cさん:役立ちましたね。「なぜコンサルなの?」と聞かれた際、事業会社と迷った上で、コンサルが良い理由を説得力を持って話すことができました。
5. 夏から準備しても、秋冬選考でコンサル内定は可能!
──Cさんはインターンルートではなく本選考のルートで内定を獲得されています。夏(7月)から総合コンサルの対策を始める場合、Cさんだったらどのようなスケジュールを組むか教えてください。Cさん:まずは、コンサルタントの仕事や企業理解から始めます。そして、なぜコンサルを志望するのか、コンサルで何をやりたいかを明確にします。次にフェルミ推定、ケース面接対策に時間をかけることがお勧めです。慣れるのに時間がかかるからです。実際、私の場合は本を買って対策しました。他にも、同じコンサル志望の仲間と、問題を出し合うのもいいと思います。こういった対策を何度か行い、11月に始まる本選考に備えていました。
──他に対策できることはありますか?
Cさん:対策というよりも、コンサルの選考を通して必要な、ロジックが通った話し方を普段から意識していました。私は他の人の話し方をまねして練習しました。
日常生活においても、「この商品をなぜここで売る必要があるのか?」など、目の前の事象に疑問を持って考える癖をつけることもいいと思います。こういった積み重ねが、選考突破につながると考えています。
6. おわりに
セミナーなどに参加する機会が増えれば、志望業界が変わることもあると思います。Cさんは、今やるべきこととやらなくていいことを分け、とにかくやるべきことに集中したと話していました。もし志望業界がなかなか決まらなくても、今やるべきことをしっかりと判断できれば、次のステージに進むことができるでしょう。
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