こんにちは、ワンキャリ編集部外資就活対策チームです。
今回は例年就活生に人気の外資系コンサルティングファームについてお伝えしたいと思います。
<目次>
・コンサル業界の特徴:大企業の経営課題を解決する精鋭部隊
・コンサルの4つのタイプ:戦略・IT・総合・その他
・受かるために必要な3つのポイント
・外資系コンサルの選考フロー
└エントリーシート(ES)→筆記テスト/Webテスト→GD→面接→ジョブ選考
・おわりに:オススメ関連記事リンク
コンサル業界の特徴:大企業の経営課題を解決する精鋭部隊
コンサルはまさに企業の経営課題を解決する精鋭部隊です。主な業務は高い専門性を生かしてクライアントの経営課題を解決することで、担当する領域に合わせて戦略系コンサル・IT系コンサルなどに区別されます。一般的に1日あたりの労働時間が長くなりやすく、その分激務になってしまいやすい業界です。
長い勤務時間や求められる頭の良さや能力の高さに応じて基本的に給料水準は高い傾向があり、コンサルティング業務で身につけた専門性を生かして転職や独立する人が多い傾向があります。
コンサルの4つのタイプ:戦略・IT・総合・その他
戦略コンサル:大企業の経営戦略を考案
戦略コンサルは大企業の経営戦略を考案する、まさに「コンサルらしいコンサル」です。経営戦略や成長戦略の立案など、企業の根幹に関わる業務に対するコンサルティングを行います。
1案件の依頼料が1〜2,000万円と高額で、クライアントも政府や大企業に限定され若くから大企業の経営者と対等に仕事ができるというチャレンジングな環境で働けます。
企業例:マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ、ベイン・アンド・カンパニーなど
ITコンサル:テクノロジーを用いて経営課題を解決
ITコンサルは企業の戦略立案やオペレーションの改善・システムの導入などを用いて改善するコンサルです。
特に近年テクノロジーの発達によりITコンサルが求められる案件が増加しており、IoTやAIなどの技術を駆使してビシネスの改革・改善を行おうという動きがあり、将来性が高いコンサルともいえます。また、データ分析なども主なサービスの一つのため、広告代理店などの他業種が競合になる場合もあります。
企業例:日本IBMなど
総合コンサル:戦略から実行まで一気通貫で企業を支える
総合コンサルは戦略から実行まで企業の経営課題を解決できるファームです。提供するサービスも幅広く、戦略立案・組織改編、オペレーション改善など、さまざまな案件に対してコンサルティングを行います。もともとは会計事務所が基盤となっているファームが多いこともあり、それらは「会計コンサル」とも呼ばれる場合があります。
実行まで支援するファームが多いため採用人数も多く、内定者によると戦略コンサルの内定者は平均10数名であるのに対し総合コンサルは50名~100名程度採用する企業が多いようです。
企業例:デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング・PwCアドバイザリー、アクセンチュアなど
その他コンサル:各々の専門分野で企業を支援
その他、サプライチェーンや人事など特定の領域に特化してコンサルティングを行うファームもあります。
これらは総合コンサルや戦略コンサルとは異なり、担当する案件の種類が決まっていることが特徴です。近年では総合コンサルと同様に実行支援まで力を入れているファームが多いようです。特にやりたい分野が決まっている方にはうってつけのファームといえるでしょう。
企業例:マーサージャパン(人事系)、ZSアソシエイツ(営業・マーケティング系)など
受かるために必要な3つのポイント
※参考:ONE CAREER選考対策ページ
外資系コンサルでは共通して主に次の3点から学生を選考しています。その理由とともに見てみましょう。
論理的思考力があるか
まず「コンサルタント」には論理的思考力が求められます。
これは外資系コンサルの仕事は、問題の分析から解決策の立案、実行支援まですべてのプロセスで論理的な思考が求められるためです。クライアントが自覚していない課題を解決することが最も価値ある仕事とされるコンサルでは、クライアント以上にクライアントについて考え続けることが不可欠です。またさまざまな分析やレポートの作成など、あらゆる仕事においてロジカルに考え続けることが求められます。このため選考ではまず「論理的に考えられる人間かどうか?」を評価していると思われます。
選考でも、ケース面接やジョブ選考などで見られる評価要素です。コンサルティングファーム志望の方はまずはそれらの対策を練るべきでしょう。
チームで成果を追求する姿勢を持てるか
個人プレーをしているイメージのコンサルも、実は協調性が重要な職業の一つです。
その理由は、「コンサルタント」という仕事が「社内外の多くの関係者と仕事をする必要があり、そのためチームワークが必然的に求められる」からです。このため「他人とうまく協力し働ける学生かどうか」という視点は選考を通じて見られます。こうした視点は個人面接から見極めることはできないため、ジョブ選考やグループディスカッション(GD)で特に見られるポイントです。チーム内で意見の食い違いが出たときに「どうすれば議論をまとめ次の議題に進めるか」のようにチーム意識を持ち続けましょう。外資といえども協調性やリーダーシップといった人と関わり方のスキルも非常に重要です。
誰からも信頼を獲得できる人間的な魅力があるか
外資系コンサルでは入社後10年ほどの期間を経て「パートナー」と呼ばれる役職につきます。パートナーになると求められる仕事内容は大きく変化し、クライアントを獲得する営業活動が求められます。その際は仕事の実績だけではなく、大企業の役員クラスに「この人に仕事を依頼したい」と思わせる人間的な魅力が不可欠です。外資コンサルの新卒採用では、論理的思考力だけではなく、こうしたパートナーになった後でも活躍できる魅力があるか、という視点でも人材を見定めています。
▼ケース面接やジョブ選考対策はこちらをご覧ください
・【初めてのケース】読むだけで準備万端!ゼロから始めるケース面接対策
・すべての外資コンサル志望者へ送る、インターン・ジョブ突破の5つのステップ
外資系コンサルの選考フロー
外資系コンサルの選考フローは一般的に以下のように進みます。
「エントリーシート(ES)→筆記テスト/Webテスト→GD→面接→ジョブ選考」
以下、フローごとに解説します。
エントリーシート(ES):面接で話したい箇所が分かりやすいように
外資系コンサルの選考ではエントリーシート(ES)は「絞り込み」と「面接での質問材料」の2つの役割があります。
学歴による絞り込み
膨大な数のエントリーシート(ES)を処理する外資系コンサルでは、全てを読み込んで選考することは物理的に不可能です。そこで、学生の学歴や特筆すべき実績などから筆記試験に進ませるかを判断します。早慶以下の学歴の場合は通過率が極端に悪くなるファームもあるため、内容面でカバーする意識を持ちましょう。
面接での質問材料
多くの外資系コンサルティングファームのエントリーシート(ES)は200字程度と極端に短く、面接の話の内容のきっかけの役割を担っています。そのためエントリーシート(ES)は簡潔に書き、面接で詳細を説明したい箇所が面接官に容易に分かるように作成しましょう。
▼エントリーシート対策をまとめた特集記事はこちら
・エントリーシートの書き方例文集!内定に近づく志望動機・頑張ったこと等
筆記テスト/Webテスト:まずは早めの情報収集
外資系コンサルの筆記テスト/Webテストでは非常に難易度の高い課題が課され、多くの学生をふるいにかけます。コンサルタントは忙しく、面接の負荷をできるだけ減らしたいためです。それでは詳細を見ていきましょう。
非常に高難易度の問題が課される
外資系コンサルの筆記試験の内容は難しく、就職活動で課される筆記試験の中で最も高いレベルです。時間制限も厳しく、じっくりと1つ1つ取り組むのではなく、多くの問題を効率良く処理していく技術や頭の回転が求められます。
例えば、Strategy&は毎年出題形式を変更しています。そして、2020年卒ではTG-Web形式で出題されましたが、次の選考に進んだ割合はわずか5〜10%程度という話もあるほどです(選考対策ページより)。したがって、外資系コンサル志望者は筆記試験の対策が必須といえるでしょう。
同じ外コンでも、会社で種類が異なる
外資コンサルの筆記テストは、独自問題を採用している率が高く、またWebテストではTG-WebやCABといったさまざまな形式を採用しているため、他の業界よりも筆記試験の対策に時間を割く必要があります。
例えば、総合外資コンサルのデロイトではTG-Webが課されますが、ボストンコンサルティンググループではSPIが出題されたようです。従って、自分の希望している企業がどの形式のテストを課すか、早めに情報を集め対策を始めましょう。
▼CAB・玉手箱・SPIの対策はこちらをご覧ください
・【Webテスト:CAB・GAB】総合商社など日系企業で出題!CAB・GABの問題例と対策法を徹底解説
・【Webテスト対策:玉手箱】問題例・出題企業とおすすめ問題集
・【適性検査SPI対策】言語・非言語等の問題形式と出題内容を解説!
グループディスカッション(GD):重要なのはチームワーク力
外資コンサルの選考においてグループディスカッション(GD)の採用率は高くはありませんが、一部の総合コンサル(アクセンチュアなど)では行われます(選考対策ページより)。「GDでは議論を進める力」「チームとして問題を解決していく姿勢」などが評価基準です。
▼グループディスカッション(GD)対策にこちらをご覧ください
・グループディスカッション対策完全版!テーマ例と議論の進め方・役割の選び方面接:フェルミ推定・ケース面接の対策を
外資コンサルの選考では通常の面接のように「学生時代に頑張ったこと」の説明はあまり求められません。しかし「なぜ外資コンサルを志望しているか」はほとんどのファームで聞かれるので、答えられるように準備をしておきましょう。一方で面接の大部分を占めるのがフェルミ推定・ケース面接です。これは外資・日系問わずコンサル特有の面接で、しっかりと対策をしておく必要があります。それではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
フェルミ推定
「日本でどれくらいのスマホが使われているか?」「日本にあるサッカーボールの数はいくつか」のように、フェルミ推定とは「実際に調査するのが難しいとらえどころのない量をいくつかの手掛かりを元に論理的に推論すること」を指します。面接官が意識して見ているポイントは
・構造的に把握し、重要な要素を考えられているか
・面接官とディスカッションし、建設的に議論ができるか
・計算を素早く行えるか
が挙げられます。
ケース面接
ケース面接とはフェルミ推定の応用編で「日本の自動車産業の売り上げを3年で2倍にするためにはどうすればよいか」「日本でボランティアをする人を1年で3倍にするためにはどうすればいいか?」など、フェルミ推定を行った上で、その改善のためにはどのような打ち手があるか検証することが求められます。打ち手の検討が求められる分、内容は難しくなりますが評価対象はフェルミ推定と同じです。
▼ケース面接とはフェルミ推定の対策はこちらをご覧ください
・フェルミ推定・ケース面接を対策!ポイントは「論理性・コミュ力・楽しむ姿勢」:外資戦略コンサル徹底解説Vol.2
ジョブ選考:ポイントは「チームワーク・成長・持続力」
マッキンゼーやBCGなどの一部の外資系戦略コンサルではジョブ選考と呼ばれる最終選考が行われます。これは「3〜5日程度、実際にオフィスで働きコンサルの仕事を行う」という選考です。ここまで進むと内定は近いですが、ライバルは非常に優秀となり最後にして最も難易度の高い選考となります。ジョブ選考のポイントをみていきましょう。
「チームワーク」ができるか
外資コンサルの仕事は4、5名のチームで行われるため、ジョブ選考はこれまでの選考で見極めることができなかったチームワークに関する能力を評価されます。チームでどのように議論を進められるか、自分はチームにどのように貢献できるかなど、チームとしての成果に最も貢献できる手段は何か常に意識し行動しましょう。
入社後の「成長」を感じさせるか
外資コンサルはさまざまな領域・業種のクライアントと仕事を続けるため、入社後も成長し続けることが求められます。そのため「どれくらい成長したか」という点が評価されます。ジョブ選考はフィードバックをもらえる機会が必ず設けられます。少ない機会を生かして自分の行動や提供する示唆を改善し続けることで、自分が入社後に素早く成長していくと面接官にイメージさせることが大切です。
高い意欲と体力が保つか
「成長を示す」「チームへの貢献」「難しい課題」などジョブ選考は肉体的・精神的に非常に負荷が掛かる環境で行われます。そのため初日に持っていた熱意ややる気は徐々に擦り減っていきます。このような環境の中で最終日まで高いやる気を持ちつづけることは有効なアピールにつながります。これは一般的に激務といわれる外資コンサルで働くために必須の能力です。最後まで高いモチベーションを維持し続けるように努めましょう。
おわりに:オススメ関連記事リンク
本記事を通じて、企業概要や選考フローに謎が多い「外資系企業」を少しでも身近に感じていただけたでしょうか。
外資系企業の選考の概要や各業界について深めたい方は、続いて他の記事もお読みください。
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