こんにちは、ワンキャリ編集部です。
ついに4月、新年度を迎え、大手企業の選考も進んでいることかと思います。
さて、面接本番を迎えてから気付く、「敬語、意外と難しい」問題。ひょっとしたら、すでに感じた人もいるかもしれません。
この記事では、就活でよく使われる言葉を中心に「正しい敬語」を解説していきたいと思います。
面接ラッシュを迎える前に一読し、ぜひ参考にしてください。
<目次>
●尊敬語と謙譲語
●よくある間違い
●クッション言葉
●メール編
尊敬語と謙譲語
「なんか、変な敬い方しちゃうんです……」
敬語でつまずく就活生が、口をそろえて言うことです。その原因は何なのでしょうか。
ずばり、尊敬語と謙譲語の違いがつかみきれず混乱していることにあります。
多くの人は分かっているこの2つですが、知っているのと使いこなすのはまた別物。まずは改めておさらいしていきましょう!
【尊敬語とは】
尊敬語は「相手を高める」時に使います。
先輩や上司など、目上の人を「先輩すごい!」と担ぎ上げるイメージを持ってください。
自分の位置は変えずに相手を持ち上げるので、「相手の動作」について使います。
【謙譲語】
こちらの方が、難しいと思っている人が多いのではないでしょうか。
謙譲語は、端的に言えば「自分を下げる」時に使います。イメージとしては、腰を低くして、下から相手を見上げる感じです。
相手の位置は変わらず自分を下げる言葉ですから、もちろん「自分の動作」について使います。
混同しがちな尊敬語と謙譲語ですが、「相手を上げる」か「自分を下げる」か、という違いであることを理解してしまえば簡単です。
以下に、よく使う言葉のリストを載せますので参考にしてください。
【よく使う尊敬語】
【よく使う謙譲語】
【その他のよく使うフレーズ】
以上のリストに加え、よく使うフレーズの正しい言い方をご紹介します。
・何の用ですか→どのようなご用件でしょうか
・お久しぶりです→ご無沙汰しております
・知りません→存じ上げません/わかりかねます
・ちょっと待ってください→少々お待ちいただけますか
・あとで連絡します→のちほどご連絡申し上げます
よくある間違い
いくら勉強をしても、言葉は使い慣れていなければ誤用してしまいます。
就活の場面で学生が使いがちな間違った敬語をご紹介しますので、日頃から使わないように意識してみましょう。
・御社(おんしゃ)/貴社(きしゃ)
どちらも相手企業の呼称として使われますが、使う場面が違います。
基本的に「御社」は話し言葉、「貴社」は書き言葉であり、面接などで相手の企業について話す時は「御社」、メールやエントリーシート(ES)では「貴社」を使いましょう。
・了解しました
大学の先輩に対してやバイト先でのやりとりではよく使う言葉かと思います。
しかし「了解」という言葉は対等な立場や目下の人に対して使用するものなので、正しい敬語ではありません。
就活の場面では、「承知しました/かしこまりました」を使用しましょう。
・二重敬語
×部長がおっしゃられるように
◯おっしゃるように(尊敬語:おっしゃる)
「言う→おっしゃる」などすでに敬語になっている言葉はそのままで十分です。重ねて「られる」などをつけてしまないように注意しましょう。
ただし、以下のように慣例として定着している使い方は誤用とはみなされません。
・お伺いする→お+伺う+する
・お召し上がりになる→お+召し上がる+になる
クッション言葉
基本的な敬語の使い方について解説してきましたが、ここでもう一押し。
何か話すとき、直接的な表現を避けてやわらかい印象を与える言葉が「クッション言葉」です。主に依頼するときや断るときに使います。定番の言い回しをいくつか覚えておくと便利でしょう。
以下では、就活におけるさまざまな場面でのクッション言葉の使用例をご紹介します。
例(1):日程調整
【クッション言葉なし】
面接の日程ですが、大学の講義があるため別の日程にご変更いただけますでしょうか。よろしくお願いします。
↓
【クッション言葉あり】
面接の日程ですが、大学の講義があるため別の日程にご変更いただけますでしょうか。お忙しい中お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いします。
例(2):面接にて
【クッション言葉なし】
〜〜について教えていただけますか。
↓
【クッション言葉あり】
差し支えなければ、〜〜について教えていただけますか。
例(3):選考の辞退
【クッション言葉なし】
今回の選考は、大学の講義があるため欠席させていただきます。
↓
【クッション言葉あり】
大変残念ですが、今回の選考は、大学の講義があるため欠席させていただきます。
メール編
選考の日程調整や面接のお礼など、就活では企業にメールを送ることがしばしばあります。
普段話している時よりも敬語の使い方に迷ってしまう、というかたも多いのではないでしょうか。
まず、メールを送る際のポイントをご紹介します。
【ポイント】
・まず名乗る(急に要件から始めない)
・24時間以内に返信する
・返信の場合、タイトルはそのままで、これまでのやりとりは消さない
・誤字脱字はしっかり確認
これらの基本的なポイントを抑えるだけで、メールでのやりとりにおける印象がとても良くなります。一手間を惜しまずに丁寧にメールを作成しましょう。
次に、メールの基本的な構成と、場面ごとの例文をご紹介します。実際にメールで企業とやりとりをする際の参考にしてください。
【基本的なメールの構成】
1. 宛名
2. 名乗り、あいさつ
3. 内容
4. 締めの言葉
5. 署名
例文1:選考日程の調整メール(先方から候補日を提示され返信する場合)
件名:先方から来たメールの件名
本文:
株式会社◯◯
人事部 ▲▲様(名前が不明の場合は「採用ご担当者 様」)
お世話になっております。
◯◯大学◯◯学部 の(氏名)です。
面接日程のご連絡、誠にありがとうございます。
いただきました日程の中から、下記でお伺いさせていただけますでしょうか。
●月●日(●)●時〜●時
お忙しい中恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
――――――――――――――――――――
●●大学○○学部○○学科3年
○○ ○○
Tel:090-0000-0000
E-mail:xxxx@gmail.com
――――――――――――――――――――
例文2:面接日程の変更や再調整をお願いするメール例文
件名:先方のメール件名を変えずに返信
本文:株式会社◯◯
人事部 ▲▲様
お世話になっております。
◯◯大学◯◯学部の(氏名)です。
×月×日×時よりお約束しておりました面接につきまして、貴社にお伺いすることが難しくなりました。
大変申し訳ございません。
先ほどお電話にてご連絡させていただきましたが、ご不在とのことでしたので、メールにて取り急ぎご連絡をさせていただきます。
誠に勝手なお願いで恐縮なのですが、もし可能であれば、以下の日程の中で面接を再調整いただけませんでしょうか。
【1】 ●月●日(●)●時〜●時
【2】 ●月●日(●)●時〜●時
【3】 ●月●日(●)●時〜●時
後ほど再度お電話させていただきます。
ご多用の折、お手数をお掛けして申し訳ありませんが、
ご検討いただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
――――――――――――――――――――
●●大学○○学部○○学科3年
○○ ○○
Tel:090-0000-0000
E-mail:xxxx@gmail.com
――――――――――――――――――――
例文3:面接のお礼メール
件名:本日の面接のお礼_〇〇大学 氏名
本文:
株式会社◯◯
人事部 ▲▲様
お世話になっております。
本日○時より面接をしていただきました、◯◯大学◯◯学部の(氏名)です。
本日はお忙しい中、面接の機会をいただきまして、誠にありがとうございました。
▲▲様のお話を伺い、【貴社の質の高いサービスや社員満足度、活躍するための必要なスキルについて理解を深めることができ、貴社で仕事をしたいという思いが一層強くなりました。(その企業に合わせて自由記述)】
またお会いする機会などあるかと存じますが、その際はどうぞよろしくお願いいたします。
加えてご多忙かと思いますので、ご返信は不要です。
改めて、本日はお忙しい中面接のお時間をいただきありがとございました。
引き続きよろしくお願いいたします。
――――――――――――――――――――
●●大学○○学部○○学科3年
○○ ○○
Tel:090-0000-0000
E-mail:xxxx@gmail.com
――――――――――――――――――――
おわりに
就活生の誰もがぶつかる壁、「敬語、意外と難しい」問題。
今回は、改めて学びたい就活で役立つ敬語のいろはを解説しました!
面接やメールでばっちり敬語を使いこなし、人事の人に「お、こいつやりよるぞ……!」と思ってもらいましょう。
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(Photo:SerPhoto/Shutterstock.com)