こんにちは、ワンキャリア編集部です。
ビール業界において、長期にわたり確固たる地位を築いてきたアサヒビール。市場規模が縮小する中でも、独自の商品展開で巻き返しを図っています。
この記事では、複数ある職種のなかでも「事務系」に絞り、選考対策の具体的なポイントをまとめてお伝えします。選考前の最終確認のためにご一読ください。
＜目次＞
●アサヒビールの社風
●アサヒビールの本選考のポイント
●アサヒビールの本選考のフロー
・1. エントリーシート（ES）
・2. Webテスト
・3. 1次面接
・4. 2次面接
・5. 最終面接
●おわりに
アサヒビールの社風：逆境の中で「積極的な海外展開」と「独自の商品展開」で巻き返しを図る
アサヒビールは業界内において、窮地に立たされている状況です。2020年のビール業界の市場規模は、前年と比較してマイナス22%（※1）といわれています。
看板商品である「スーパードライ」の失速、新型コロナウイルスの影響で業績を落としています。9年続いていた業界トップの座も、2021年にキリンビールに奪われました（※2）。
このような逆境の中でも、アサヒビールは2つの戦略で巻き返しを図っています。
1つは「積極的な海外展開」です（※3）。2000年代から数々の海外M＆Aを実施しており、社員がグローバルな環境で働く機会も少なくありません。
もう1つは「トレンドにあわせた商品展開」です。「生ジョッキ缶」（※4）や「家庭用ビールサーバー」（※5）など、世の中の需要に応えた商品を次々と販売。アルコール度数0.5%の「アサヒ ビアリー」（※6）も展開し、「スーパードライ」に頼りきりの状態から脱却を図っています。
窮地に立たされながらも挑戦を続けており、今後の巻き返しに期待が集まる企業です。
（※1）参考：アサヒグループホールディングス「FACTBOOK 2020 P.17」
（※2）参考：週刊エコノミスト Online「キリンビールが通年でも11年ぶりに首位を奪還、ついにあきられたスーパードライ」
（※3）参考：PROVE「飲料・ビール業界 各社のコロナ前後の売上状況推移と狙う海外マーケット」
（※4）参考：MONO TRENDY「生ジョッキ缶と微アルコール アサヒ、コロナ禍で勝負」
（※5）参考：MONO TRENDY「アサヒが家庭用ビールサーバー 『氷点下』も楽しめる」
（※6）参考：日本経済新聞「アサヒ、0.5%『微アル』飲料 健康配慮で新市場の芽」
対居酒屋の「業務用営業」か対小売店の「量販営業」に配属
事務系としてアサヒビールに入社すると、大半の新卒社員は営業配属です。配属先は「業務用営業」と「量販営業」の2種類です。
業務用営業は居酒屋に対する営業です。居酒屋は酒類メーカー1社と契約しお酒を提供します。他のメーカーより早く自社で契約してもらうことが重視される、いわば陣取り合戦です。
業務用営業の社員は居酒屋を渡り歩き、自社の酒類を置いてもらうように営業をかけることも少なくありません。お酒が好きで、白黒はっきりさせたい人に向いています。
量販営業は、小売店に対する営業です。スーパーやディスカウントストアなどに、販売のコンサルティングを行いながら自社商品の売上向上を図ります。販売戦略考案から陳列棚の整理まで、業務内容はさまざまです。ときには商社と協働することも珍しくありません。
あらゆる関係者と協力して、自社の商品を多くの消費者に届けたいと思う人に最適な環境といえます。
アサヒビールの本選考のポイント：組織に貢献できる姿勢と営業適性をアピールしよう
アサヒビールには、組織として協力して目標に向かうことを重視する社風があります。業務適性を示すためには、下記の3つを意識することが大切です。
・組織として行動できる力をアピールする
・困難も乗り越えられる粘り強さを示す
・他者に好印象を与える、人当たりの良さを示す
実際にある内定者は「チームを意識してやり遂げた取り組みはあるか」と繰り返し質問されたそうです。あらゆる人と関係を構築し協働できる素養を、過去のエピソードに紐（ひも）づけて答えられるように準備しておきましょう。
「粘り強さ」も営業への適性を示す上で、重要なポイントです。自社商品を地道に売り歩き、成績を残すためには、困難な場面にぶつかることも少なくありません。
最後まで諦めず、結果を追い求める忍耐力の強さが求められます。現場で活躍できると示すためにも、学生時代の経験から粘り強さを積極的にアピールしてください。
顧客と日常的にコミュニケーションをとる営業においては、人当たりの良さも大切です。選考の段階から身だしなみや表情、振る舞いを意識して好印象を与えましょう。
内定辞退を懸念させない、志望度のアピールも重要
合わせて「志望理由のロジックと熱意のアピール」も重要です。競合他社と併願する学生が多い中で、採用担当者に内定辞退を懸念させないためです。
実際に選考では「志望動機」について、繰り返し問われたといいます。競合と比較した上で、アサヒビールだからこその魅力を伝えて志望度の高さを示しましょう。
志望動機を作成する際は「なぜ酒類業界なのか」「なぜアサヒビールなのか」を明確にするようにしてください。自身の過去の経験と紐づけると、説得力が増すのでおすすめです。
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アサヒビールの本選考のフロー
アサヒビールの選考フローは以下のように進みます。
1. エントリーシート（ES）
2. Webテスト
3. 1次面接
4. 2次面接
5. 最終面接
ここからは選考突破に必要なポイントをお伝えします。
1. エントリーシート（ES）：厳しい絞り込み。入念な対策が必要か
アサヒビールの書類選考は、ESとWebテストのセットで行われます。過去には次のような質問がされました。
（1）アサヒビールを志望する理由を、「アサヒビールの何に惹（ひ）かれたのか」を交えてご記入ください（300字以内）
（2）「失敗を恐れずに新しい発想で行った取組み」の観点で具体的なエピソードをご記入ください（300字以内）
（3）「過去の自分を超えるために行った取組み」の観点で具体的なエピソードをご記入ください（300字以内）
（4）「チームを意識しやり遂げた取組み」の観点で具体的なエピソードをご記入ください（300字以内）
（5）最もあなたらしさが伝わる写真について説明して下さい（30字以内）
※出典：アサヒビール｜事務系2022年卒本選考のES
選考倍率は非常に高い傾向。ある内定者は「厳しい絞り込みがされている印象で、倍率は5倍以上だと考えられる」と話していました。
確実に選考を通過するためにも、入念に対策をした上で臨むのがベストです。下記の内容を参考にしながら、回答を作成してみてください。
「志望度の高さ」と「困難を乗り越える粘り強さ」を過去の経験からアピールしよう
設問（1）は「志望度の高さを示す」ことが重要。競合他社と比べた上でアサヒビールに感じる魅力を、具体的に記載しましょう。同社の特徴や社風を背景に「アサヒビールであるべき理由」を明確にするのが必須です。
対酒類メーカーには「海外展開に注力」「トレンドに合わせた商品展開」などが、他社と差別化できるポイントになります。他の業種においても、他社との違いを明確にしながらアサヒビールの魅力を語りましょう。
「なぜ酒類業界なのか」「なぜアサヒビールなのか」を、業界研究で得た情報や自身の過去の経験と紐づけて示せるのがベストです。
設問（2）は「困難に対して挑戦し、乗り越えられる力」を示せるように心がけてください。「直面した困難の内容」と「その困難をどう乗り越えたか」を、具体的に伝えることが大切です。学生時代のエピソードを軸に、困難に立ち向かう姿勢と粘り強さをアピールしましょう。
「過程の努力」を定量的に記載しよう
設問（3）で重視されるのは「過程の努力」。過去の自分をいかにして超えたのかを、定量的に示してください。具体的に記載することで、努力の量と結果の大きさを伝えられます。
・過去の自分の状況はどうだったか
・過程でどのような工夫をしたか
・どのような成果を残したか
上記の3点を意識して、自分の経験を整理しておきましょう。
「組織として行動できる力」を示し、社風との適性をアピールしよう
設問（4）は「組織として行動できる力」をアピールする場所です。あらゆる人と関係を構築し、目標達成に向けて推進する力はアサヒビールの選考において重要視されます。
・どのような組織での経験か
・その組織の中での自分の役割
・組織として何を成し遂げたのか
・その組織内でどのように信頼関係を構築したか
上記の4点を意識すると、具体的で分かりやすい回答を作成できるはずです。参考にしてみてください。
設問（5）業務適性が示せる写真選びを意識しよう
設問（5）では、アサヒビールの業務適性が示せる要素のある写真を選ぶのがおすすめです。
仲間と何かを成し遂げた写真であれば「組織として行動できる力」が示せます。つらいことを乗り越えようとする苦しい表情の写真は「粘り強さ」が伝えられるかもしれません。
「何を伝えたいか」を軸に写真選びをしてみてください。
2. Webテスト：形式は玉手箱。事前に慣れて高得点を狙おう
アサヒビールの書類選考は、ESとWebテストがセットで行われます。厳しい絞り込みが予想されるため、Webテストでも高得点を狙って損はありません。参考書や他社の選考を受けて、事前に慣れておくと安心です。
【2022年卒選考でアサヒビールと同形式の玉手箱を課していた企業】
アクセンチュア、オリックス、三井住友銀行 など
3. 1次面接：2対2のグループ面接。質問はESの深掘りが中心
1次面接は社員2名に対し学生2名で行われる、20分程度のグループ面接です。過去には次のような質問がされました。
・自己紹介
・志望動機
・失敗を恐れずに新しい発想で行った取り組み
└特に工夫した点はどこか
└その中で何が大変だったか
└それをどのようにして乗り越えたのか
・チームを意識してやり遂げた取り組み
・これまで部活以外で苦労した経験や努力した経験はあるか
└苦労しながらもどのように乗り越えたのか
・ここだけは誰にも負けないアピールポイントは何か
・逆質問（1問程度）
など
※出典：アサヒビール｜事務系2022年卒本選考の1次面接
書類選考に続き、厳しく絞り込まれることが予想されます。内定者いわく「倍率は最低でも2倍は超えてくるだろう」とのこと。油断せず入念に対策して臨みましょう。
質問はESに記載した内容の深掘りが中心。そのため、1次面接においても「志望度の高さを示すこと」は重要です。「なぜ酒類業界なのか」「なぜアサヒビールなのか」を明確に語れるように準備してください。
営業への適性を示すために「困難を乗り越えられる粘り強さ」を示すことも意識しましょう。身だしなみや表情、振る舞いも意識して、好印象を与えられればより業務適性を示せます。
4. 2次面接：組織の一員としての適性が問われる「最大の鬼門」
2次面接は社員2名に対し学生1名で行われる、20分程度の個人面接です。過去には次のような質問がされました。
・失敗を恐れず取り組んだエピソードについて
└なぜそのような考え（施策）に至ったか
└どのようにして組織内の方向性を合わせていったか
└反対されることはなかったか
└過程で自身のどのような力を生かすことができたか
└1番苦労したことは何か
└それをどのように乗り越えたのか
・チームを意識してやり遂げたエピソードについて
└なぜそのような考え（施策）に至ったか
└他の考え（施策）は考えなかったのか
└施策について来られない者にどう対応したか
・逆質問（1問程度）
など
※出典：アサヒビール｜事務系2022年卒本選考の2次面接
2次面接は選考において最大の鬼門といえます。内定者いわく「実質的な倍率は2次面接が最も高い」とのこと。
対策のポイントはESや1次面接と変わりませんが、組織の中での振る舞いといった点を中心に、1次面接よりもさらに厳しい深掘りがあります。シミュレーションを重ね、心して臨みましょう。
主に下記の3つのポイントを意識することが大切です。
・組織として行動できる力
・困難を乗り越えられる粘り強さ
・周囲に好印象を与えられる人当たりの良さ
過去のエピソードを具体的に伝えられるように、事前に整理しておきましょう。当日は面接官に好印象を与えられるように、身だしなみや立ち振る舞いに気をつけてください。
5. 最終面接：ネガティブチェックで終わらない！ 倍率は2〜3倍程度？
最終面接は社員2名に対し学生1名で行われる、20分程度の個人面接です。過去には次のような質問がされました。
・自己紹介
・学生時代に力を入れたこと
└なぜその競技を始めたか
└なぜ○○（役職）に選ばれたのか
└○○を務める上で苦労したことは何か
└それをどのように乗り越えたのか
└問題が起きた際にどのように対処したのか
・志望動機
└より具体的に
└お酒に惹かれたきっかけは何か
└コロナ禍でお酒を飲めない現状をどう思うか
└志望度はどれくらいか
・学校の成績について
・ゼミではどのような活動をしているか
└どんな○○（ゼミに関する事柄）が好きか
・苦手な人はどのような人か
└どのようにして苦手な人と付き合うのか
・今のアサヒビールの課題をどう考えるか
└今後いかにしてシェアを伸ばしていくべきか
└お酒を飲めない人にどうアプローチするか
・勤務地はどこでも大丈夫か
・逆質問（1問程度）
など
※出典：アサヒビール｜事務系2022年卒本選考の最終面接
最終面接も意思確認ではなく、選考要素があります。内定者いわく「この選考で落ちている人も複数聞いたことがあり、倍率は2〜3倍程度はあるだろう」とのこと。
確実に内定をもらうために、最後まで油断せず、対策して臨むことが大切です。対策内容はこれまでの選考と変わりません。
・圧倒的な志望度の高さ
・組織として行動できる力
・困難を乗り越えられる粘り強さ
・周囲に好印象を与えられる人当たりの良さ
上記の点を意識して、強い入社意欲と業務適性を示しましょう。各項目の具体的な選考対策は上述した「本選考のポイント」や各選考ステップの対策内容を参考にしてください。
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おわりに
ここまで、アサヒビールの本選考を突破するポイントをお届けしました。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
アサヒビールの選考についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ（下記）の情報をもとにしています
【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
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（Photo：Viiviien／Shutterstock.com）
