こんにちは、学生ライターのKayです。
ボスキャリ攻略の連載もこれで3回目。今回はいよいよ事前選考が始まる、9月以降の動きについてお話ししていきます。
改めて、以下にボスキャリの準備のスケジュールを載せました。今回の記事で解説するのは、9月からボスキャリ開催1週間前までの部分です。
<目次>
●ボスキャリ事前準備のスケジュール
●オンライン面接は「時差」に注意。深夜・早朝を避けられるようにアポを確保せよ
●グループ面接/GD/ケース面接──事前の対策でアドバンテージを奪いやすい
・グループ面接
・グループディスカッション(GD)
・ケース面接
●9月・10月の面接、どれくらい受ければいい?
●当日のタイムテーブルを組み上げよう 当日ウォークイン勝負で内定はまず無理
●事前準備は勝負の「天王山」 頑張れないなら、ボストンに行く価値はない
ボスキャリ事前準備のスケジュール
(前半戦)
●5月〜6月(第1回)
・CFNサイト登録
・ともに現地に行く仲間探し
・ホテルと航空券の予約
●7月〜8月(前回記事)
・自己分析とガクチカの掘り下げ
・CFNレジュメ完成
・Webテスト対策
・求人公開している企業を確認して志望群分け、第2・3志望群にアプライ(応募)開始
(後半戦)
●9月〜10月中旬(今回)
・ES/Webテスト/オンライン面接を進める
・適宜、選考状況と持ち駒を志望群に基づいて整理
・求人を毎日チェック、新規公開されたら随時アプライ
●10月最終週(今回)
・ボスキャリ当日の面接スケジュール完成
オンライン面接は「時差」に注意。深夜・早朝を避けられるようにアポを確保せよ
ボスキャリでは、8月末頃からオンラインでの面接選考が始まります。前回の記事でお話しした通り、志望度の低い企業で練習しながら慣らしていきましょう。
選考の内容は国内企業のそれとほぼ同じである一方、スピード感は大きく異なります。ボスキャリ本番まで2カ月と比較的時間がない状況なので、多くの場合、面接の翌日から遅くとも1週間後までにメールで結果通知があり、次回面接のアポイントを取る、という流れです。
また、企業にもよりますが、国内選考と比べて1〜2段階くらい選考ステップが省略されている印象です。オンラインで1次面接を受けた次は、もう現地での最終面接という企業もありました。
選考で注意すべきは「時差」です。さまざまなタイムゾーンの学生を相手にするため、仕方がないのかもしれませんが、エントリーシート(ES)の提出締め切りや面接の時間は「全て」日本時間で通知されます。お恥ずかしながら、私自身、時差の計算を間違え、面接をすっぽかしたことが何回もありました(面接官の皆さん、本当にすみませんでした)。
私のしょうもないミスの話は置いておいて、実際、時差が大きいと、お互いが「日中」の時間帯で面接ができる、という可能性が低くなるという問題もあります。どうしてもコンディションが悪くなる早朝や深夜に面接を受けないで済むよう、メールはできるだけ迅速に返し、適切な時間帯でのアポイントを確保したいところです。
完全に余談ですが、時差の関係上、カナダでボスキャリ選考を進めていると、選考結果のメールを平日の朝の起きたタイミングで確認することになります。月曜日の朝に「お祈りメール」を見て1週間が始まるのは「本当にたまったもんじゃねぇ」って感じでした。
面接における個別の対策としては、
- オンライン企業説明会に出席
- Webページなどから企業情報を調べる
の2択になるかと思いますが、前者はおすすめしません。海外から説明会に出る場合、時間がド深夜になってしまうことも多いからです。一例ですが、ワンキャリアにあるオンライン企業説明会のアーカイブを活用するのも手でしょう。
面接対策で大切なのは、実は予習よりも復習です。ボスキャリで受ける選考は、全て採用に直結するものですから、うまく答えられなかった質問を反省したり、落とされてしまった面接の内容を振り返ったりすることは、必ず次に生かされます。面接の数が増え、忙しくなってきても、これはぜひ続けてください。
グループ面接/GD/ケース面接──事前の対策でアドバンテージを奪いやすい
ここでは日本の就活における、特殊な面接方式の対策を記載していきます。対策しやすい部分ではあるので、海外大生と比較してハンデを抱える国内大生としては、できる限り準備し、他の参加者に差をつけるアドバンテージにしたいです。
グループ面接
ボスキャリ選考の中ではあまり多くありませんが、「面接官:1 vs. 学生:3」というような形で行われる面接で、ディスカッション形式でないものをこう呼びます。
メンバーにもよりますが、堅い雰囲気になることが多く、ある程度テンプレ化してまとまりのあるガクチカを話せる必要があったり、他の人の話に対するリアクションが見られたりと、個別面接に比べてテクニカルな印象があります。できれば練習しておけるといいですね。
グループディスカッション(GD)
GDはボスキャリで初めて就活をする人にとって、難関になるでしょう。好き勝手に議論するのではダメで、日本の就活のGDには一般に広く知られているフォーマットがあり、それにのっとって進めることが突破の最低条件です。
一度も経験がない場合、8月末までに就活支援団体などを通じて1回は練習しておきましょう。実際に選考中にフォーマットについての解説やフィードバックはあまりもらえないので、ちゃんとしたフィードバックをくれる環境での練習が最も有効な対策といえます。対策を済ませておくだけで、未対策の参加者を大きく上回ることができるため、コスパもいいと思います。
ケース面接
国内選考と同様、コンサルや商社を受ける場合、選考プロセスで確実にケース面接が課されます。内容についても国内選考と変わりません。
ケース面接の困ったところは、「これをやっとけば、だいたい通る」という方法論が確立されていないところにあります。私の場合、選考が進む中、10月中旬になってケース面接の可能性にやっと気づく……という大ポカをしてかなり苦しみました。
とりあえず『東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート』(2010年、東洋経済新報社)『過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題』(2009年、東洋経済新報社)の2冊を電子書籍で購入し、苦しみながら10日程度かけて全問解いたものの、実践の経験がないまま本番に突入しました。良い子の皆さんは、絶対にマネしないでください。
ただ、こんな付け焼き刃のような対策でも、総合ファームのケースは十分乗り越えられましたし、戦略ファームでも2次面接くらいまでは何とかなりました。戦略ファームの終盤になると、もう手も足も出ませんでしたが……。
上位戦コンのレベルになると、正直、私ではどう対策するのがいいのかも分からないのですが、少なくとも早い段階(9月より前のイメージ)からの対策がマストだと思われます。
9月・10月の面接、どれくらい受ければいい?
ここまで述べてきた対策を基に、9月と10月は事前面接を受けましょう。
「どの程度受けるべきなのか」「みんなはどれくらいやってるんだろう」というのは、参加学生の多くが抱える不安だと思うので、公開するのはまあまあ恥ずかしいのですが、参考にしてもらえるよう、載せてみようと思います。
いかがでしょう。面接数だけで見たら「大したことはないのでは?」と思われるかもしれませんが、当然、面接の前にESを提出したり、Webテストを受けたりするので、わりとスカスカに見える9月と10月の前半はそういう選考に注力していました。
さらに就活とは別に留学生活もあるわけで、普通に毎日タスクでパンパンでした。ちなみに、日曜日に面接があるのはカナダと日本の時差のせいです(日本時間は月曜日)。大体どの面接も、カナダ時間で夕方から夜に受けていました。
当日のタイムテーブルを組み上げよう 当日ウォークイン勝負で内定はまず無理
事前のオンライン面接が滞りなく進めば、10月最終週(ボスキャリ本番1週間前)くらいから、企業との現地での面接やディナーのアポイントが入ってくるようになります。ダブルブッキングが起きないよう、そしてボスキャリ期間中の貴重な時間をムダにしなくて済むよう、タイムテーブルをきちんと組み上げておきましょう。
もしも、このアポイントがほとんどない状態でボスキャリに臨むことになった場合、3日間終了後に内々定獲得にたどり着くのは非常に難しいといえます。ほとんどの企業が当日ウォークイン(ボスキャリ当日に企業ブースでESを提出してエントリーする形式)を実施していますが、その場合、開催3日間でたどり着けるのはせいぜい3次面接までといったところで、最終面接および内々定通知は後日オンラインで、という形になるためです。
参考までに、以下は私の当日タイムテーブルです。
実際の当日の動き方は、次回の記事で解説します。ボスキャリが始まるまでに決まっていたスケジュールは、開催1日目である11月4日(金)の分までで、2日目以降(5日と6日)に関しては1日目の結果次第で変わるイメージです。
これらの9月・10月のスケジュールと当日タイムテーブルを踏まえて、「事前に何社くらい受けるのがいいのか」というよくある疑問にも回答できます。答えは「限界まで」です。
選考は受けた分だけ経験値はたまりますし、そもそも安くない費用と時間をかけてボストンに行くのですから、事前面接のアポイントで当日スケジュールを埋めるためにも、できる限り多くの企業を受けておいた方がよい、と考えます。
(「本当に行きたいところだけ、3個くらい受ければいいよ」と言うような人もいますが、それで内定が取れるような優秀な方々は、そもそも、この記事を読む必要はありません……)
事前準備は勝負の「天王山」 頑張れないなら、ボストンに行く価値はない
最後に事前準備編の締めくくりとして、ボスキャリの事前準備に対する意識の持ち方について、まとめようと思います。
結論からいえば、「事前準備で全てが決まる」という意識で取り組むべきだと考えています。
ここまで繰り返し触れてきた通り、私は経歴の面から「スタート時点で既に他の参加者よりも後れを取っている」状態でした。後れを取り戻すため、他の参加者を越え得る強みで勝負する必要があったわけです。それは
- 日本におけるかなり特殊な「就活ノウハウ」の蓄積が、海外大生に比べて大きい
- 日々、忙しく勉強している海外大生に比べて、就活に割ける時間が多い
の2点でした。
海外大で日々猛勉強している留学生にとって、日本の「就活ノウハウ」はなじみのないものです。国内大に3年間在籍し、多少でもその蓄積があることは私にとっての武器です。先に述べたように、特にGDでは経験の有無が大きな差になり、比較的楽に通過できました。
また、留学プログラムの関係上、9月と10月に就活に集中できるスケジュールが組めたことも大きかったですね。海外大に通っている場合、9月から大学の新学期が始まるため、両立が厳しいのです。
要するに、他の参加者に経歴でも英語力でも劣っているであろう中で、ボスキャリに挑む国内大生にとって、ハンデを挽回した上で内定を狙うなら、事前準備に全力投球するほかない、ということです。
さらにいえば、それを頑張れない場合、遠くからお金をかけてボストンにわざわざ行く価値はほぼありません。「当日ウォークイン勝負だ!」という人も一定数いますが、開催期間中だけで内定につなげるのは非常に難しいです。
加えて、ハンデのない「ボスキャリメインターゲット」の参加者も当然ウォークインに参加することを踏まえれば、同じウォークイン同士ならハンデを抱える側が選ばれるのが難しいことは明白。実際、私は開催3日間を通じて一つもウォークインをしていません。まさに事前準備が勝負の「天王山」というわけです。
記事3本を経て、次回、ようやくボスキャリ当日にたどり着きます。お付き合いいただいている皆さま、ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。
▼「ボスキャリ2022完全攻略レポート」はこちら
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