こんにちは、ワンキャリ編集部です。
先日、初代編集長である北野唯我が出版した『内定者への手紙 ー「仕事が遅い人」と呼ばれないための、10のチェックリスト』。Amazon新着ランキングで1位を獲得、さらには全体のカテゴリー別ランキングでも3部門1位を獲得するなど話題になっています。
この本は、その名の通り、北野が内定者に向けて書いたものですが、就活生がこれからのキャリアを考える上でも知っておいて損はない内容になっています。
そこで、この連載では、北野がこの本の内容を基に「仕事でミスが多い」「周りの内定者が優秀で自信がない」といった内定者の方たちからの悩みに答えていきます。4月に社会人になるという読者の皆さんはもちろん、就活生の皆さんもぜひお読みください。
さて、今回北野がいただいた質問はこちらです。
普段の生活でもミスや失敗が多く、自己嫌悪に陥ることが少なくありません。毎日の仕事で失敗しないように、北野さんが気をつけていることはどんなことですか?
(片岡さん・仮名)
北野からの答え:仕事のスピードは朝決まり、翌日の成功は前夜に決まっている
片岡さんの質問にうまく答えられているかは分かりませんが、私自身は仕事は「朝」と「夜」が重要だと考えています。
優れたビジネスパーソンは「朝が強い」という言葉をよく聞きます。
実際、常に成果を出し続けている人は「朝に重要なタスクをこなす」と聞くし、これまでお会いしたさまざまな経営者の方も皆、同じようなことを話していました。「朝の使い方が重要」というのは真実なのでしょう。
それはなぜか。おそらく、朝は「計算できる時間帯」だからでしょう。夜は会食も入るし、急なトラブル対応が入る可能性もあります。いわゆる「重要ではあるが、緊急ではない仕事」は、朝に組み込むのがベストなのです。私もそうするようにしています。
つまり、朝の時間は前日の夜に決めた「重要ではあるが、緊急ではない仕事」をやる時間として、あらかじめ押さえておくべきなのです。
それは、自己投資になる勉強(=仕事で必要な知識の吸収)や新規企画の作成、あるいは、抜本的な作業フローの改善かもしれません。これらは普段、忙しい毎日の中でどうしても後回しにしてしまい、いつまでも前に進められない仕事の典型です。
ただ、こうした仕事を後回しにして、他の仕事を進めると長続きしないし、結果的に長期的なスピードが遅くなってしまいます。
逆に昼以降に「重要ではあるが、緊急ではない仕事」を入れるのはおすすめしません。なぜなら、誰かからの緊急の頼みごとや社外とのアポイントが入りやすいからです。そのため、昼以降はスキマ時間を組み合わせて処理できるような「重要ではないが、緊急の仕事(事務処理や問い合わせ対応など)」を行うのがいいでしょう。
<ポイント>
・朝の時間:重要だが緊急ではない仕事をする。長期的なスピードが決まる
・昼以降の時間:重要ではないが緊急の仕事を優先し対応する。短期的なスピードが決まる
夜は「明日の経営者」、朝は「今日の実行者」であれ
さて、お待たせしました。片岡さんのご質問に答えようと思います。ここまで出てこなかった「夜」のお話です。
結論から言えば、私は「翌日の成功は前夜に決まっている」と考えています。まず「夜」の特徴として挙げられるのは、使おうと思えば、いくらでも無限に時間を使えてしまう点にあります(特に独身だとそうです)。
加えて、日本人はやたらと長く働く癖がついてしまっています。ムダな残業が驚くほど多いです。これはもはや商習慣のようになっていて、職場によっては、呪いに近いレベルです。
では、どうすればいいのか。ポイントは、1日の中で「経営者の時間」と「実行者の時間」を分けて取ることにあります。
経営者の時間は「何をするのか」と「何をすべきではないか」を整理し、どう実行するかを考える時間。そして、実行者の時間は、整理された仕事をひたすらに集中してこなす時間です。
私自身は「夜は『明日の経営者』であり、朝は『今日の実行者』」というスタイルで仕事を進めています(おすすめです)。夜に「明日やるべきこと」「やらないこと」を全て紙に書き出し、方針を立てて1日を終えます。
そして、翌日の朝から、昨日の自分から受けた指示をひたすらこなしていくのです。昼から夕方までは、会議や確認作業、外部の人との打ち合わせに時間を使っています。毎日をこのように過ごすことで、経営者と作家という「二足のわらじ」を何とか両立させています。
ただ、そうは言っても、20代〜30代のころは夜に遊びたい人も多いでしょう。私も20代前半の頃はそうでした。そういう場合は、朝一で「自分がやるべきこと」「やらないこと」を決めて、紙に書き出してもOK。ここは柔軟に対応すればいいと思います。
1つ言えるのは、その日が成功した状態とは、結局のところ「その日の夜に、明日すべきことが明確である状態」にある。
片岡さんのようにミスを連発してしまったり、集中して仕事ができなかったり、混乱してしまうといったことは往々にして起こります。
しかし、それはほとんどの場合、自分が「次に何をすべきか」がぼんやりとしていて、不安になるからです。あるいは「やらないこと」を決められずに、全ての仕事を引き受けてしまったり、中途半端にやってしまったりするから。では、誰がそれらを判断してくれるのか?
それは、紛れもなく自分自身なのです。より詳しくは新刊『内定者への手紙』で述べていますが、こうした習慣を通じて、自分の中にいい「経営者」を育ててもらえればと思っています。がんばってください。応援しています。
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これをするだけで「仕事が出来る人」になる、北野唯我が実践する仕事術、10のチェックリスト。
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【北野唯我のキャリア相談:特別編】
・あなたは「いい会社に入りたいのか」? それとも「いい会社を作りたいのか」?
・「20代はとにかく、仕事の量をこなした方がいい」というのは本当ですか?
・要領はいいはずなのに「仕事が遅い」とよく怒られます。どうすればいいですか?
・他の内定者が優秀そうに見えて、自信がなくなってしまいました
・仕事のスピードは朝決まり、翌日の成功は前夜に決まっている
(Photo:Matej Kastelic/Shutterstock.com)