内定が決まった企業から内定者懇親会の案内通知が届き、参加を迷う学生は少なくありません。「内定者懇親会って何をするの?」「欠席したら内定に影響する?」などの疑問を持つ人もいるでしょう。
そこでこちらの記事では、学生に向けて、内定者懇親会の目的や内容、参加のメリットから参加するときの注意点まで詳しく解説していきます。
内定者懇親会の目的は
内定者懇親会は、内定辞退の防止や内定者同士、内定者と社員の親睦を深めるために行うイベントです。
企業側の立場では、内定辞退をされると、人材確保のために再度募集をしたり面接をしたりといったコストがかかります。そこで、学生と企業との関係を保つために、内定者懇親会が開催されます。
学生の立場からみれば、社員と気軽に交流を深められ、入社前に同期や社員と顔見知りになれる、良い機会です。入社の意欲を高められる場でもあるため、積極的に参加してみましょう。
▼内定について詳しく知りたい方はこちら ・内定とは?内々定と採用の違いや内定決定後の流れと辞退方法まで解説 ・内定承諾のマナーと対応例。メールや電話の例文についてもご紹介
内定者懇親会に参加するメリット
内定者懇親会に参加すると、どのような利点があるのでしょうか。主なメリットには、以下の3つが考えられます。
・企業理解を深められる
・入社前に同期や先輩と交流できる
・社会人の一般知識やマナーが得られる
企業理解を深められる
内定者懇親会に参加すると、企業理解を深められるというメリットがあります。多くの企業は、企業の新規事業を考える、事業の課題に対して解決策を提案するなどの、企業理解を深めるプログラムが準備されていることがあります。
入社する前に企業や業界への理解を深めることで、事業内容や会社の雰囲気をつかむことができ、入社への意欲向上につながるでしょう。
入社前に同期や先輩と交流できる
企業に入社する前に、同期や先輩と交流できるのも、内定者懇親会に参加するメリットの1つです。新社会人になると同時に、入社後に始まる新しい生活に向けて、不安を覚える大学生は少なくありません。入社前に内定者懇親会に参加すると、同期と知り合うことができ、同じ悩みを相談できるかもしれません。
また、内定者懇親会では、先輩と知り合うこともできます。入社直後は、新しい環境に適応し、業務を覚えることに精一杯になるものです。そのときに、顔と名前が一致する社員が1人や2人いるだけでも、新しい生活に対するストレスが軽減されるという人もいるでしょう。同期や先輩と顔見知りになれるというのが、内定者懇親会の1番の魅力です。
社会人の一般知識やマナーが得られる
内定者懇親会では、接遇・社会人マナー研修を同時に開催する企業も存在します。就活で一通り学んだといっても、社会人としての言葉遣いや立ち居振る舞いに不安を感じる学生は少なくありません。研修を通じて得た一般知識やマナーは、入社時だけではなく、社会人として働く限り、一生役に立つスキルとなるでしょう。
また、内定者懇親会の食事会や座談会で、すでに社会人として企業で活躍する先輩たちと同席することは、学生と社会人の違いを感じる良い機会でもあります。学生と社会人との違いを肌で感じ、社会人になることへの意欲が高まることもあるでしょう。
内定者懇親会に関する疑問を解消
内定後には内定者懇親会があると知って、参加・不参加を迷うこともあるでしょう。また、いつごろ開催されるものなのでしょうか。ここでは、代表的な以下3つの疑問に対して、回答していきます。
・いつ開催される?
・欠席してもいい?
・参加・不参加は連絡した方がいい?
いつ開催される?
内定者懇親会が開催される時期は、企業によってさまざまです。早ければ5月〜7月ごろ、内定式までの8月〜10月、内定から入社までの11月〜3月に行われることもあります。多くの企業が、10月ごろには開催しているようです。また、開催の頻度や回数は、企業によって異なります。2〜3カ月に1回行う企業もあれば開催しない企業もあるため、連絡が来ないからといって心配する必要はありません。
欠席してもいい?
内定者懇親会と他の予定が被るなどして、どうしても参加できないこともあるでしょう。内定者懇親会は、欠席したとしても、内定取り消しになることや入社後の評価が下がることはありません。
欠席する場合は、なるべく早めに断りのメールを入れましょう。その際、内定者懇親会の案内メールに、件名を変えずに返信することをおすすめします。長々と欠席理由を書く必要はありません。「学業の都合で」「就職の準備で実家に戻っているため」など、企業側の納得が得られるような理由であれば、記載しても良いでしょう。
ただし、欠席の連絡が前日や当日など直前になってしまった場合に、メールで返信するのはマナー違反です。電話で連絡し、不参加の連絡とともに、参加できないことへの謝罪を申し伝えましょう。
参加・不参加は連絡した方がいい?
内定者懇親会への参加・不参加は、必ず連絡しましょう。参加でも不参加でも、連絡がない限り、企業側はあなたが内定者懇親会に参加する意思があるかどうかを判断できません。返信をしないままでいると、非常識な内定者だと思われてしまう恐れがあります。欠席する場合でも連絡を入れることが、企業側に迷惑をかけないための最低限のマナーです。
内定者懇親会の主な内容
内定者懇親会では、どのようなことが行われるのでしょうか。事前に知っておくことで、参加への心構えができるはずです。内定者懇親会では、主に以下のような内容が含まれます。
・自己紹介
・座談会
・グループワーク
・食事会
自己紹介
内定者懇親会の前半には、自己紹介が行われます。自己紹介を求められたときには、名前や顔などの基本情報とともに簡単な自己紹介をし、あいさつをしましょう。内定者同士や人事担当者だったとしても、全員がお互いの顔と名前の一致ができているとは限りません。
内定者懇親会には、初対面の社員も同席することがあります。自分の存在を知ってもらうためにも、自己紹介は大切です。名前や出身大学は必須事項として、出身地なども伝えると良いでしょう。
基本的な情報で共通点を持つ人がいると、相手との距離が近くなり、内定者懇親会でも話が弾みやすくなります。
座談会
座談会は、内定者と社員が、簡単なゲームや座談会などを通じて、交流を図るものです。具体的には、ジェスチャーゲームやトランプ・カードゲームなど、ゲーム性のあるレクリエーションが行われます。
同期や社員、会社の雰囲気について理解を深めるプログラムとして、社内インタビューが実施されることもあります。内定者にとっては、社員から働きやすさや仕事のやりがいなど、入社後にしか聞くことのできない情報を収集できる貴重な機会です。社員と交流することで、入社前に抱えやすい不安や疑問を解消できるかもしれません。職場の雰囲気など、事前に知っておきたいことを質問しても良いでしょう。
グループワーク
内定者懇親会では、内定者が取り組むグループワークなどが行われることがあります。内定者同士が親睦(しんぼく)を深めることと、就職する企業の理解を深めることが目的です。
課題やテーマの質問例としては、「新社会人の心構え」や「学生生活にやり残したこと」など、もうすぐ大学生活が終わる学生にとってなじみやすいものが挙げられます。入社後に同期となる人たちとコミュニケーションを取り、価値観に触れることで、絆が深まるでしょう。
食事会
食事会も、内定者懇親会で行われるイベントの1つです。昼食や夕食を共にしながら、社員や内定者同士で親睦を深めるために設けられます。企業によっては、座談会と食事会を一緒に開催することもあります。
食事を共にすることでコミュニケーションが図りやすく、初対面同士でも、互いの人柄を知る、良い機会にもなります。縦横の友好的な関係を築くことで、入社前に抱きやすい不安や疑問を解消することにもつながるでしょう。
オンラインでの内定者懇親会の主な内容
近年では、内定者懇親会が、オンラインで開催されるケースも少なくありません。オンラインでも、Zoomなどウェブ会議システムを活用して開催されるのが一般的です。オンラインで開催する場合、遠方に住んでいる内定者にとっては、会社に出向くことなく参加できるという魅力があります。
オンラインで行われる内定者懇親会の主な内容は、対面で行われるときと同様、自己紹介・ゲームやクイズ・グループワーク・フリートークなどです。チャット機能やグループ分けの機能が使われることも想定しておきましょう。
内定者懇親会に参加するときのマナー
内定者懇親会は、かしこまった会ではないとはいっても、参加する上でのマナーや立ち居振る舞いが気になる人もいるでしょう。内定者懇親会に参加するときには、主に以下の3点に注意しましょう。
・軽率な行動は避ける
・言葉遣いは丁寧に
・食事中のマナーに気を配る
軽率な行動は避ける
内定者懇親会は、内定者同士や社員と交流を深めるフランクな場だとしても、軽率な行動は避けておいた方が無難です。お酒を飲む機会もあるため、飲み過ぎて羽目を外しすぎないよう注意しましょう。
内定者懇親会で羽目を外しすぎてしまうと、入社前に良くないイメージを与えてしまいかねません。ましてや、初対面で良くない第一印象を持たれてしまうと、挽回(ばんかい)するのに時間を要します。
自分はアルコール摂取のコントロールがままならないという自覚がある人は、飲む量を調節する、お酒を飲むのを控えるなどの対応をおすすめします。飲み会だからといって、お酒を飲めない人まで付き合う必要はありません。お茶やソフトドリンクなどを飲むといいでしょう。
言葉遣いは丁寧に
内定者懇親会では、多くの社員や内定者と話をする機会があります。会話するときには、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
飲み会のフランクな場であったとしても、参加者に対してタメ口を使うのはマナー違反です。入社後ともなれば、内定者懇親会で出会った人たちとビジネス上のやりとりを行います。社会人として、相手に対して心地よい言葉遣いを心がけましょう。
食事中のマナーに気を配る
食事会のある内定者懇親会では、食事中のマナーにも気を配りましょう。カジュアルな場であるため、完璧な食事マナーを覚える必要はありません。食べながら話をしない、咀嚼(そしゃく)音が聞こえるように食事をしないなどの基本的なマナーを押さえておきましょう。なお、座食や立食など、形式ごとに心がけておきたいポイントは以下の通りです。
【座食形式のマナー】
・入り口に近い下座に座る
・乾杯するときは席を立ち、全員と行う
・乾杯する相手に、名前を添えてあいさつをする
【立食形式のマナー】
・なるべく椅子に座らず、体調が悪いときには事情を伝えてから座る
・黙々と食事をせず、積極的に会話をする
・食事を取りに行くときには、事前に伝える
おわりに
内定者懇親会の企業側の目的は、あくまでも内定辞退を防ぐためです。同期や社員との親睦を深めるためのイベントであるため、準備をして臨めば、入社後の働きやすい環境を作ることにもつながります。参加は強制ではありませんが、入社前に、同期や社員と交友を深められる良い機会です。入社の意志が固い方は、最低限のマナーを押さえつつ参加してみてはいかがでしょうか。
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