こんにちは、ワンキャリ編集部です。
先日、初代編集長である北野唯我が出版した『内定者への手紙 ー「仕事が遅い人」と呼ばれないための、10のチェックリスト』。Amazon新着ランキングで1位を獲得、さらには全体のカテゴリー別ランキングでも3部門1位を獲得するなど話題になっています。
この本は、その名の通り、北野が内定者に向けて書いたものですが、就活生がこれからのキャリアを考える上でも知っておいて損はない内容になっています。
そこで、この連載では、北野がこの本の内容を基に「仕事でミスが多い」「周りの内定者が優秀で自信がない」といった内定者の方たちからの悩みに答えていきます。4月に社会人になるという読者の皆さんはもちろん、就活生の皆さんもぜひお読みください。
さて、今回北野がいただいた質問はこちらです。
先日、内定をいただいた企業に承諾をしたのですが、入社を前に、自分の選択が本当に正しかったのか不安になってきました。
どうすれば、この不安は解消されるのでしょうか?
(浜崎さん・仮名)
あなたは「いい会社に入りたいのか」? それとも「いい会社を作りたいのか」?
内定承諾、おめでとうございます。就活が無事に終わったとのことでよかったです。
浜崎さんのように、内定後に不安を抱く人は少なくありません。ワンキャリアでも内定後の不安をテーマにした記事をいくつも載せています。
・「内定ブルー」に陥った学生はどうなるのか?6つのパターンに分類してみた
・本当にこの会社でいいの……?不安をごまかすため「内定先自慢」に走った愚かな私
ただ、ここで立ち返ってほしい大切なことがあります。それは
「あなたはいい会社に入りたいのか? それとも、いい会社を作りたいのか?」
という視点です。
私は普段、ワンキャリアで採用にまつわるビジネスをしているからこそ思うのですが、「いい環境、いい会社」というのは与えられるものではなく、自分たちで少しずつ、少しずつ作っていくものです。これは世の中のビジネスパーソンの多くが勘違いしている点だと思います。
学校や塾など、学生時代は「環境が与えられる」ことがほとんどだったと思います。しかし大人になるとそれは、全く逆になります。環境は作るもので、改善していくもの。サークル活動などは、それに近しいものがあったのではないでしょうか。
「いい会社ってあるんじゃないの?」と思う気持ちも分かります。
なぜなら、大人と呼ばれる人でも、ほとんどの人は「いい会社やいい環境はそこにあって、それは向こうから与えられるものだ」と思っている人ばかりだから。実際、90%ぐらいの大人はそう思っています。
しかし、もし浜崎さんがそう信じきっているなら見直した方がいいでしょう。そう考えている限り、いい会社やいい環境は「永久に」手に入れられないからです。与えられると思っている限り、環境は絶対に変わりません。
そのため、浜崎さんのような悩みには、月並みな答えかもしれませんが「自分の選択が正解になるように頑張るしかない」とエールを送りたいです。
いい会社にはいい人が来る。しかし「もっといい会社」には「いい会社を作りたい人」が殺到する
「なんだ、いきなりマッチョな考えを押し付けてきたな……」
と思うかもしれませんが、あえて断定的に言えば、これこそが「周りの大人は誰も教えてくれないけれど、耳が痛い真実」です。
未来がある、これから希望に溢(あふ)れる立場にいる浜崎さんだからこそ、「いい会社に入りたいのか? それとも、いい会社をともに作りたいのか?」を常に問い続ける、そんなビジネス人生にしてほしいと思います。
確かに、世の中にはダメな職場もありますし、ダメな上司もいます。ダメな事業もあるでしょう。しかし、その職場を誰が選んだのか? 誰がその仕事を選んだのでしょうか? それは間違いなく、私たちです。
世の中を見渡せば、「うちの職場はさ〜〜」「経営陣は、○○だからさ〜〜」などと、居酒屋などで「会社」の愚痴を言っている人はごまんといます。
しかし、冷静に考えてみてください。私たちは、カースト制度のもとで生まれたのでしょうか? 何かの法律に縛られ、何かの罰によって今の会社で働くようになったのでしょうか? あるいは、親や親戚に膨大な借金を背負わされて、その肩代わりのために重労働を始めたのか……ほとんどの人は違うはず。
今の職場を選び続けているのは、紛れもなく私たちです。この国に数百万ある企業の中で、浜崎さん自身がその1社を選んだわけです。
「いい会社」には「いい人」が殺到するのは事実です。「もっといい会社」には「いい会社をともに作りたい人」が殺到します。そして、いい会社、いい事業を作ろうと真剣に思ってくれる人を、優れた経営者は絶対に手放しません。
なぜなら、優れた経営者は「いい船に乗っかろうとする人」ではなく、「いい船をともに作ってくれる人」を常に求めているから。
浜崎さんは、漫画の『ONE PIECE』を読んだことがありますか? あれは、ルフィが有名になってから寄ってくる人たちの話“ではなく”、何者でもないときのルフィとともに「一緒に船に乗る仲間」を描くストーリーだから、美しく、最高にカッコいいんです。
船出は今からでも絶対に遅くありません。見るべきなのは、経営者の「背中」ではなく、経営者が見ている「視線の先」なのです。
経営者に必要とされる人間は、食い扶持に困りません。なぜなら、経営者は雇用を生み出せる、類まれな才能をもった人種だから。より詳しくは新刊『内定者への手紙』に述べていますが、ぜひ浜崎さんには、10,000回、この問いを繰り返し声に出して、ビジネス人生を歩んでほしいなと思います。そうすれば、会社の力に頼らずとも生きていける人材になれるはずです。
Amazon新着ランキングで1位、全体のカテゴリー別ランキングでも3部門1位を獲得!
これをするだけで「仕事が出来る人」になる、北野唯我が実践する仕事術、10のチェックリスト。
あなたはできていますか? 今なら、Kindle Unlimitedで無料で読める!・内定者への手紙 ー「仕事が遅い人」と呼ばれないための、10のチェックリスト
【北野唯我のキャリア相談:特別編】
・あなたは「いい会社に入りたいのか」? それとも「いい会社を作りたいのか」?
・「20代はとにかく、仕事の量をこなした方がいい」というのは本当ですか?
・要領はいいはずなのに「仕事が遅い」とよく怒られます。どうすればいいですか?
・他の内定者が優秀そうに見えて、自信がなくなってしまいました
・仕事のスピードは朝決まり、翌日の成功は前夜に決まっている
(Photo:G-Stock Studio/Shutterstock.com)