こんにちは、ワンキャリ編集部です。
今回は、2020年卒の総合商社の面接選考で実際にあった鬼門面接について詳しく解説します。
外コン・外銀内定者でも落ちる! 商社面接の合間に潜む鬼門面接
一般的に5大商社の選考は、過去の経験などについての深堀を通して学生の「人となり」を見極めるオーソドックスな面接がほとんどです。しかし、2020年卒の選考では、その例外として、以下の2つの特殊な面接がありました。
・三菱商事の2次面接
・伊藤忠商事の2次面接
ワンキャリ編集部の調べでは、2016年卒で、少なくともゴールドマン・サックスやアクセンチュアの内定者が通過できませんでした。自分は大丈夫だと思っている人こそ対策は不可欠です。以下、各面接の内容と選考突破のTipsをまとめてお伝えします。
三菱商事でケース面接? 就活オタクを落とす、2次面接で仕掛けられた罠
内容
【概要】
・ケーススタディ形式の面接(時間は45分)
・面接官は2人
・テーマは個々人によって異なる
・まず個人で3分間考えた後、3分間で発表を行い、そのまま面接官とのケース面接に入る
【ケース面接のテーマ例】
・通勤電車の過剰乗車を防ぐ施策をできる限り多く、かつ多角的に講ぜよ
・個人経営の塾を立て直すための施策を3つ考えよ
・今の時代の中で経営難に陥ったカフェの経営者にアドバイスをするとしたらどうするか
・日本の若者に農業・漁業に関心を持ってもらうための施策を考えよ
【ケース面接の流れ】
ペンと紙を渡され、個人で3分間考える時間、そして3分間プレゼンをする時間が与えられる。プレゼンの後、なぜそのように考えたか、その案だとこのような問題が起こることが考えられるがどのように反論するかなど、面接官とのディスカッションに入る。
選考突破へ・Tips
外資系投資銀行、外資系コンサルの本選考を突破した学生が意外に落ちるのが、この2次試験です。このケース面接で重要になるのが、「柔軟に面接官の意見を受け入れ、アウトプットをブラッシュアップできるか」というポイントです。個人で考える時間が短いことからも、独力でアウトプットを構築することが重要視されている訳ではありません。
パートナーとの対話の中でソリューションを構築していく商社らしいケース面接です。面接官に持論を押し付けて強行突破することは絶対に避け、面接官の指摘を謙虚に受け止めながら、その上で一緒に答えを探していきましょう。
【補足:場合によっては非論理的な理由を挙げても問題なし】
面接官は、学生がお客様(パートナー)に対してどのようにコミュニケーションをとるのかという目線で見ています。総合商社のビジネスでは、お客様は一緒にビジネスを作っていくパートナーであり、良好な関係構築が最重要です。そのため、総合商社のケース面接では、相手に嫌な思いをさせないことが大事であり、自論を強化するエビデンスとして感情や個人的な経験などの非論理的な理由を挙げることも問題ありません。
▼ケース面接について詳しく知りたい方はこちら ・【フェルミ推定】例題・出題例13選!考え方と解答例も紹介 ・ケース面接対策&例題|コンサル・日系大手も出題!ゼロからの始め方
伊藤忠商事はディベート形式で行われるグループディスカッション(GD/2次面接)
内容
【概要】
・4人ごとに選考会場に案内される
・面接官は3人
・案内されると4人が2グループに分けられ、与えられたテーマでディベートを行う。テーマはインターン選考で用いられたものと同じであった
【テーマの概要】
首都機能を移転させるべきかどうか
【グループディスカッション(GD)の流れ】
1. 賛成派、反対派を決める
4人の中で話し合いをした上で、誰が賛成派につくのか、誰が反対派につくのかを決めます。
テーマを告げられた後はまず3分程度で、チームごとに賛成・反対の意見を固める。
2. チームで議論
チームごとの思考時間が終わった後、互いに考えを発表し、その後そのまま10分程度のディベートに入ります。
3. 発表
3分程度で発表を行い、面接官による質疑応答の時間はありませんでした。
選考突破へ・Tips
この時間で意識すべきは、「相手から出てくる意見を見越した上で考えをまとめること」です。話の中で柔軟に合意を形成していく「柔軟性」や周りと良好な関係を構築する「コミュニケーション力」も測られてはいるものの、自らの意見を論理的に主張し、相手を説得させることは評価されます。 協調性を意識して自らの主張を曲げることはNGだと思ってください。
この選考を受けた学生は、「皆内定がかかっているということもあり意見を通すことに必死で、なかなか建設的な議論ができなかった」と選考を振り返っています。自チームの意見を通すことが最終的にプラスに働く可能性はありますが、論破することばかりのとらわれて、議論を壊してしまうことがないように注意しましょう。
【補足:インターン同様のディベート形式、テーマが使い回されることも】
ここで課される選考は、インターンシップ選考でも課されたディベート形式のものとなっています。2020年卒の選考では、「首都機能を移転させるべきかどうか」というテーマについては、インターンでも本選考でも扱われたものとなっており、テーマが使い回される可能性があります。
その年のインターン選考の内容については、インターン選考に参加していなくても友人などから仕入れておくべきでしょう。
オーソドックスな面接で、面接官はここを見ている!
ケース面接やディベート形式のグループディスカッションなど、総合商社の面接に潜む鬼門面接についてお届けしてきました。
ここからは、同じく総合商社の中で行われた比較的オーソドックスな面接で気を付けるべきポイントなどをお届けします。
・三井物産の1次面接
・住友商事の最終面接
・丸紅の最終面接
▼GDについて詳しく知りたい方はこちら ・グループディスカッション完全対策!全テーマの進め方/流れやコツを網羅的に解説 ・【グループディスカッションの役割】全種類の解説とおすすめの決め方
三井物産の特別選考(1次面接)は、ネガティブチェックの役割が強い
内容
【概要】
・ESに書かれたオーソドックスな質問が中心の個人面接(30分程度)
・面接官は2人(40代のベテラン社員)
・質問はESに書かれたオーソドックスな質問が中心で、逆質問の時間も用意されていた
【個人面接の質問例】
・大学で頑張ったこと
・学生時代に主体的に取り組んだこと
・志望理由
選考突破へのTips
この特別選考は、インターンで優秀と判断された学生の他、体育会系のコネクションのある学生やOB訪問を通して優秀と判断された学生などが対象となり行われたそうです。
質問はエントリーシート(ES)に書かれたオーソドックスな質問が中心で、「大学で頑張ったこと」や「志望理由」などに関して、それぞれ3〜4回程度の深掘りがなされます。
1次面接に関してはネガティブチェックの意味合いが強く、問題がない場合はその場で次の面接に進む旨が伝えられるそうです。
住友商事では面接直後に小論文が行われる(最終面接)
内容
【概要】
・最終面接直後に行われる小論文で、所要時間は20分程度
・テーマは人によって異なる
【小論文のテーマ例】
・あなたの企業を選ぶ軸
・住商で成し遂げたいこと
・住商に言い残したこと
選考突破へのTips
この小論文は、最終面接やこの後行われる社員面談と合わせての結果発表となります。
最後に横並びとなった学生を選択する一要素として用いられるものと考えられますが、この選考における比重は決して高くはないと考えられます。内定者も「ここまできての小論文なので、よっぽどのことがない限りこれが原因で落とされることはないと思う。」と述べています。
ここまできたら意思の強さが大事になると考え、変に奇をてらった回答をするのではなく、これまでの回答通りの内容を自信を持って記しましょう。
丸紅最終選考では「丸紅が絶対的な第一志望である」ことを伝えよう!
内容
【個人面接の質問例】
・自己紹介
・なぜ留学したのか
・なぜその国に留学を決めたのか
・なぜその大学に留学を決めたのか
・学部ではどのような勉強をしているのか
・経営とは何か
・経営を持続するためには何が必要か
・人と信頼関係を築くには何が必要か
・丸紅の印象はどうか(良さ、悪さ)
・勉強は好きか
・成績が良いが、工夫したことはあるか
・学業や課外活動は頑張っていたことは分かったが、スポーツは何かやっていたか
・最後に一言
選考突破へのTips
この面接では、2次面接で確認された精神的なタフさに加え、身体的なタフさも評価されます。
商社は激務であり、比較的長時間働くことが予想され、そこで高いパフォーマンスを出すには身体的な強さも求められるためです。実際に、ある内定者は面接で「学業や課外活動は頑張っていたことは分かったが、スポーツは何かやっていたか」と質問されたそうです。
また、この面接では粘り強く物事に取り組めることも評価されています。さまざまな利害関係者の間に立ってプロジェクトを推進していく上で、地道な根回しや徹底した資料作りなど、泥臭い仕事が多く発生するためです。「与えられた仕事の全てに意味があると考えているので、そこから学びや気づきを得る姿勢で愚直に努力していく」という価値観を持っていることを示すと良いでしょう。
おわりに
ここまで、総合商社の鬼門面接2つとオーソドックスな面接3つの選考ポイントをまとめてお伝えいたしました。総合商社の面接を突破するには、商社に求められる人材像を正しく把握した上で選考に挑むことが重要となります。
さらに詳しく知りたい方は各企業の選考対策ページをご覧ください。
三菱商事
三井物産
伊藤忠商事
住友商事
丸紅
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