<国立大学 Aさん(文系/男性)>
内定先
三井物産、丸紅、大手デベロッパー、オリックス、シグマクシス
就活サマリー
【就活の進め方・軸は?】
いろいろな業界を受けたからこそ、本当に行きたい企業が分かる
【内定獲得の秘訣は?】
着飾らない「自分」で挑む面接&仮説を忘れないOB/OG訪問
#どんな就活?
#文系 #日系 #総合商社 #不動産 #金融 #コンサル
日系企業を志望している2021年卒の皆さん。
「日系企業は3月に就活解禁だから……」と、本選考はまだまだ先の話だと思っていませんか?
ワンキャリ編集部では、2020年卒の日系大手企業内定者に、インタビューを行い、彼らの就活スタイルを徹底調査しました。
業界別に、内定獲得の秘訣(ひけつ)や就活スケジュールを余すことなくお届けします!
この記事を読んで、一足早く日系企業対策を始めてみませんか?
【目次】
・就活の進め方・軸は?
・受けた企業一覧
・内定獲得の秘訣は?
・就活スケジュール
就活の進め方・軸は?
Aさんは総合商社だけでなく、デベロッパーや金融、コンサルの内定も獲得しています。
さまざまな業界の選考を受けていたAさんは、どのように就活を進めていたのでしょうか?
いろいろな業界を受けたからこそ、本当に行きたい企業が分かる
Aさんは大学3年の7月に留学から帰ってきました。
説明会があまり開催されていない時期だったため、夏インターンの選考を受けることから始めたそうです。
「商材がなくて、自分が考えたことが商品になる仕事をしたい」と考えていたAさん。そのため、夏から秋にかけて、コンサルや広告業界、デベロッパーのインターン選考を受けていたといいます。商材がないという点で、本選考では総合商社も受けていたそう。
「周りの人から『すごい』と言われたい」「誰かに認められたい」という気持ちが強く、「自分は就活生としてミーハーな部分が強かったかもしれない」と話していたAさんは、有名な企業や学生に人気がある企業をたくさん受けていました。
しかし、さまざまな業界のインターンに参加し、本選考を受けるうちに「自分が本当に行きたい業界」が定まっていったといいます。
・総合商社→商流やインフラを作ることができるが、目の前で喜ぶ人たちを見られない
・コンサル→考えることが好きな自分に合う業種だが、社風が合わなかった
・デベロッパー→考えたことが建物として形になることが面白く、人の雰囲気も自分に合っていた
インターンや本選考を通して、「考えたことが形になり、それによって喜んでくれる人を自分の目で見たい」と考えたAさん。最終的にデベロッパー業界に進むことにしたそうです。
また、Aさんいわく、「総合商社を志望する就活生の中には、自分のようにミーハーな理由で受ける人が多い。しかし、『本当に総合商社がいいのか?』を明確にするためには、いろいろな業界を受けた方がいい」とのことです。
このように、さまざまな業界のインターンや選考に参加したからこそ、Aさんは「本当に行きたい業界」が分かり、納得感を持って就活を終えることができました。
これは、総合商社に限った話ではありません。「本当に自分が行きたい業界」を見つける手段として、今の時期から、いろいろな業界のインターンや説明会に参加してみることをおすすめします!
「なんとなく」ではなく、納得感が高い就活をすることが大切です。就活中で、悩んでいるという方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
受けた企業一覧
受けた企業 | 内定した企業 | |
3年夏 (M1) |
【インターン】 アサツー ディ・ケイ、NTTデータ、 三井住友銀行、 ボストン コンサルティング グループ |
ー |
3年秋 (M1) |
【インターン】 博報堂DYグループ、三菱地所、 日本製鉄(旧:新日鐵住金)、 【本選考】 ベイン・アンド・カンパニー、 マッキンゼー・アンド・カンパニー |
ー |
3年冬 (M1) |
【インターン】 三井不動産、日本銀行、 オリックス、 ボストン コンサルティング グループ 【本選考】 ベイン・アンド・カンパニー、 ゴールドマン・サックス、 J.P.モルガン、シティグループ、 モルガン・スタンレー、三井物産、 三菱地所、野村證券、丸紅、 伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、 住友商事、全日本空輸(ANA)、 キリンホールディングス、オリックス、 サントリーホールディングス、 オリエンタルランド、シグマクシス、 デロイト トーマツ コンサルティング、 ボストン コンサルティング グループ |
シグマクシス |
4年春 (M2) |
【本選考】 電通、博報堂DYグループ、味の素、 NHK(日本放送協会)、野村證券、 JR東日本(東日本旅客鉄道)、 JR東海(東海旅客鉄道)、三菱地所、 サントリーホールディングス、 キリンホールディングス、 全日本空輸(ANA)、オリックス、 丸紅、三井物産、三井不動産、 デロイト トーマツ コンサルティング、 ボストン コンサルティング グループ |
オリックス、 丸紅、三井物産、 大手デベロッパー |
内定獲得の秘訣は?
Aさんの内定獲得の秘訣は、以下の2点です。
・【面接】着飾らない、そのままの「自分」で挑む
・【OB/OG訪問】質問に必ず「自分の仮説」を入れる!
【面接】着飾らない、そのままの「自分」で挑む
本選考では、総合商社・広告・デベロッパー・飲料メーカーを中心に、多くの学生に人気がある業界を受けていたAさん。
それらの業界の面接では、ガクチカ(学生時代に頑張ったこと)のエピソードが皆同じような内容になってしまうことが多いそうです。
そのため、面接で他の学生と差別化を図ろうと、Aさんは以下の2点を意識しました。
・面接の経験を重ね、自然と素を出して話せるようにする
・勉強や学問の話は、扱い方に注意!
・面接の経験を重ね、自然と素を出して話せるようにする
Aさんは、どの業界・企業も共通して、「典型的なガクチカ」を話すよりも「素を出して楽しんで面接に臨むこと」ことを意識していたそう。
ある大手デベロッパー企業の選考で、面接官とフランクに会話を楽しんだ結果、面接を突破できたAさん。
「楽しんで話す」を意識したことが、大きな要因だったといいます。文系学生の多くは、人(クライアント)と話して「信頼を獲得する」仕事をするでしょう。
その場合、用意してきた内容を機械的に話すのではなく、自分が素を出して、楽しんで話すことで、相手にも楽しんでもらうことが大切だとAさんは考えました。
そのため、面接では、自分の好きなものの話だけでなく、ガクチカも楽しんで話すようにしたそうです。
また、リアクションを少しだけ大きくする、などの工夫によって、より相手に伝わりやすくなったといいます。
自分が話したい内容を面接官に聞いてもらうために、冒頭の自己紹介で軽く概要を話しておくこともポイントだとAさんは言います。
よくエントリーシート(ES)や、面接でのガクチカでは、「数値を使った定量的な表現を入れた方がいい」と言われます。
しかしAさんが目指したのは「数値以上に自分の人柄が伝わるようにすること」。
このスタイルで面接に挑むようになったのは、ある経験がきっかけでした。ある企業のインターン面接で、彼は面接官からこのような言葉をかけられたそうです。
「君は楽しそうに話さないね。本当のことを話しているの?」
この言葉を受けて、事実を話していても、話し方次第で相手に与える印象が大きく変わることを学んだといいます。
また、彼の面接経験は、本選考前の時点で30回に及びます。
経験もなしに、いきなり面接で楽しそうに話したり、素に近い状態で話したりするのは、非常に難しいです。
Aさんは、面接のたびに試行錯誤を重ねて、本選考までに面接スタイルを確立できたというわけです。
面接に慣れるには場数を踏むことが大切。緊張することは当たり前です。
本選考で納得できる面接ができるように、今からインターン面接などで、経験を積みましょう。
・勉強や学問の話は、扱い方に注意!
インターンに比べ、本選考では、面接で「大学での勉強や専攻科目」について聞かれることが増えます。勉強について聞かれることが苦手だったAさんは、本選考で苦い経験をしていたと言います。
ある広告企業の面接で、勉強のことについて聞かれ、マーケティングについて触れたそうです。
しかし、彼は、マーケティングの専門的な知識をたくさん持っていたわけではありませんでした。
そして、運の悪いことにマーケティングは面接官の得意分野だったため、面接官の質問にあまり答えられず、詰められてしまい、選考に落ちてしまったとのこと。
しかし、Aさんは、この経験をその後の本選考で生かしました。
ある総合商社の面接で、「GAFA(※1)規制のニュースについて、どう思う?」と聞かれた彼は、GAFA関連のニュースについて詳しい知識はなかったものの、自分の専門分野と結びつけて、なるべく相手が分かりやすいように、想像しやすいように自分の考えを伝えたそうです。
聞かれたトピックに関して、「詳しさや知識をアピールする」のではなく、「相手に分かりやすいように説明する」ことを心がけた結果、面接を突破できたと言います。
Aさんの経験から、面接官は、調べたら書いてあるような知識ではなく、学問に絡めた学生自身の意見を分かりやすく説明することを求めていることが分かるはずです。
聞かれたトピックに対する知識がなくても、諦める必要はありません。
自分が学んだことや知っていることに結びつけ、勇気を出して自分なりの意見を伝えてみましょう。
(※1)……Google、Apple、Facebook、Amazonの4社の頭文字を取った総称
【OB/OG訪問】質問に必ず自分の仮説を入れる!
総合商社を受けるにあたって、OB/OG訪問は必須だと言われています。Aさんも、選考を受けた5大商社は全てOB/OG訪問をしたそうです。
とはいえ、話をただ聞くだけでなく、Aさんはあることを必ず意識していました。
それは、「質問に自分の観点や仮説を入れる」ことです。
最近は、さまざまな就活サイトで「OB/OG訪問で、どういう質問をすればいいか」が記載されています。
しかし、Aさんは「就活サイトの質問集を見て質問するだけではダメ。その質問の中に自分の考えを入れることが非常に大切だ」と話しています。
そのために、普段からさまざまなニュースを見て「訪問での質問や、自分の学問と結びつけられるか?」を考え、仮説を立てていたそうです。
まとめると、質問に自分の観点・仮説を入れることで、以下のメリットがあります。
・質問に深みが出る
・「自分で考えた」ということをアピールできる
・普段からニュースを見て、調べていることをアピールできる
質問をする際に、ただ「どういうことですか?」「どうなんですか?」と聞くのと、「自分はこう思うのですが、どう思いますか?」と聞くのでは、相手に与える印象が大きく変わるでしょう。
また、本選考の面接で筋違いな答えをする前に、OB/OG訪問で、自分の考えや仮説を検証しておく、という意味でも、Aさんのような質問スタイルはとても大切です。
OB/OG訪問は、選考(特に総合商社)を受ける人の多くが行います。
しかし、一方でスタンプラリー的な感覚で、回数を重ねる人も少なくありません。
社会人の皆さんは忙しい中、就活生のために、わざわざ時間を取ってくれています。お互いの時間に無駄にならないように、「行くだけのOB/OG訪問」はやめましょう。
OB/OG訪問については、以下の記事を参考にしてみてください!
・OB・OG訪問での「ES添削、お願いします」問題、商社の人に聞いてみた。#ES公開中
・OB訪問の質問・メールを『元人事』が解説!事前準備のやり方と企業別の事例まとめ
就活スケジュール
大学3年(6〜12月)
月 | 選考 | 対策/活動 |
6 | ー |
ー |
7 |
【インターン】 ボストン コンサルティング グループ |
・Webテスト対策 |
8 |
【インターン】 NTTデータ、三井住友銀行、 アサツー ディ・ケイ |
・GD対策 ・面接対策 |
9 |
【インターン】 博報堂DYグループ、 日本製鉄(旧:新日鐵住金) |
ー |
10 |
【本選考】 ベイン・アンド・カンパニー、 マッキンゼー・アンド・カンパニー |
ー |
11 |
【インターン】 三菱地所 【本選考】 ベイン・アンド・カンパニー、 マッキンゼー・アンド・カンパニー |
ー |
12 |
【インターン】 ボストン コンサルティング グループ 【本選考】 ベイン・アンド・カンパニー、 ゴールドマン・サックス、 J.P.モルガン、モルガン・スタンレー |
・GD対策 |
※インターン:実施した月/本選考:選考が行われた月
大学3年(1〜3月)/大学4年
月 | 選考 | 対策/活動 |
1 |
【インターン】 三井不動産 【本選考】 オリックス、 シグマクシス、 シティグループ |
・GD対策 ・面接対策 |
2 |
【インターン】 日本銀行、 オリックス 【本選考】 シグマクシス |
ー |
3 |
【本選考】 丸紅、伊藤忠商事、三井物産、 三菱商事、住友商事、三菱地所、 三井不動産、野村證券、 サントリーホールディングス、 キリンホールディングス、 全日本空輸(ANA)、シグマクシス、 オリエンタルランド、オリックス、 デロイト トーマツ コンサルティング、 ボストン コンサルティング グループ |
・OB/OG対策 |
4 |
【本選考】 電通、博報堂DYグループ、味の素、 オリックス、NHK(日本放送協会)、 野村證券、JR東海(東海旅客鉄道)、 JR東日本(東日本旅客鉄道)、 デロイト トーマツ コンサルティング |
・面接対策 ・OB/OG対策 |
5 |
【本選考】 丸紅、三井物産、 ボストン コンサルティング グループ |
・面接対策 ・OB/OG対策 |
6 |
【本選考】 三菱地所、三井不動産、 全日本空輸(ANA)、三井物産、 NHK(日本放送協会)、 キリンホールディングス、 サントリーホールディングス |
・面接対策 |
7 | ー |
ー |
※インターン:実施した月/本選考:選考が行われた月
総合商社の対策は、以下の記事を参考にしてみてください!
・面接質問集&回答例!総合商社の内定者が就活中に聞かれた過去問
・【業界研究:商社】5大総合商社業界研究(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)メイン事業や社風を徹底比較!!
・【現役商社マンが指南】50名にOB訪問をされたから分かる、総合商社OB・OG訪問で好印象を得る質問の特徴
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