こんにちは、トイアンナです。
就活の選考でも頻繁に登場するグループディスカッション(以下、GD)は、複数人で与えられたテーマを討論し、制限時間内に結論を導く選考です。
この選考で人事や採用担当が見ているポイントは、学生の「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」「協調性と正当な結論のバランス感覚」です。今回は、GDでこの3つのポイントがどう評価されているかを明らかにしていきます。高評価獲得のためにもGDの進め方をマスターしていきましょう。
<目次>GDを制す3つのポイント
●その1:人事が言うコミュ力=相手を「なるほど」と思わせる力
●その2:リーダーシップ=チーム全体で成果を生む柔軟性
●その3:就活では協調性と正しい結論、どっちが大事?
●ポイントを押さえたら後は練習あるのみ
その1:人事が言うコミュ力=相手を「なるほど」と思わせる力
「コミュ力ないし、GDなんて無理だよ」といったご相談を、苦手意識を持った学生から受けることが多くありますが、安心してください。ビジネスにおけるコミュニケーション能力は、大学までのそれとは違います。
大学までの「コミュ力」といえば、初対面の相手と打ち解ける能力のこと。授業やゼミなどを想像すれば分かるでしょう。しかし、ビジネスでは「自分と相反する意見を持つ人を納得させる力」をコミュニケーション能力と呼びます。
ビジネスの場では、成果を上げるために各人が真剣に考えた意見やプランを持ち寄って発言をします。そのため、同じ目的でも意見の相違が生まれることも。企業が求めているのは、社会人になって異なる意見を持つ人に対して「なるほど! それなら君の意見が正しいよ」と説得できる人材です。評価基準はこのポテンシャルがあるか否かです。
そのため、GDでは「相手を説得する力」を鍛え、事前に対策しておきましょう。具体的には、以下の2点を心掛けましょう。
(1)相手をいら立たせず意見を伝える
(2)数字や過去の事例を使い、客観的に自分の意見を説明する
また、同じ観点で、メンバーの客観的な指摘に対して「確かにあなたの意見が正しい」と折れることも重要です。意見を強情に押し通せば「自分の意見を言いたいだけの人(クラッシャー)」と判断され、大きなマイナス要素になります。相手を説得するのと同じくらい、適切なタイミングで説得を受け入れる傾聴の姿勢も大切です。
その2:リーダーシップ=チーム全体で成果を生む柔軟性
GDの評価としてよく聞かれる「リーダーシップ」も、誤解されやすい要素の1つです。
一般に想像されるその役割は「俺について来い」と発言しオラオラ引っ張る姿ですが、選考で評価されるリーダーシップは「チーム全体で成果を出すこと」を考えて柔軟に行動することです。
ありがちな失敗として、議論が始まってすぐ「俺がリーダーやります」「私は残り時間を計ります(タイムキーパー)」と立候補し、自分のその役割や仕事にだけ徹してしまうケースがあります。リーダー役が議論のまとめに徹して自分の意見を言えなかったり、分析能力に長けた人が時間測定しか役割を果たせなかったりするのでは、チームが成果を発揮しているとはいえません。評価されるリーダーシップは「今議論に欠けているものは何だろう?」と常に考え、必要に応じて議論を少し前段階に戻したり、残り時間を指摘して議論をまとめる方向へ導いたりする能力です。
一見さりげないリーダーシップですが、チーム全員のタイプを理解し、能力を引き出せる人材こそ、GDで連戦連勝できる真のリーダーといえるでしょう。
その3:就活では協調性と正しい結論、どっちが大事?
最後に協調性について。ディスカッション中、明らかに自分自身の意図と異なる方向へ議論が傾いているとき、あなたはそれに指摘や否定をしてでも正しい結論へ持っていくべきでしょうか。それとも、協調性を優先して賛同しておくべきでしょうか。
協調性と正しさ、どちらを取るかは企業によりケースバイケースです。協調性を重んずる企業か、それとも上司へ意見してでも正しい意見を通したい会社か。採用方針によっては「今まで協調性を大事にしてきたけれど、これからは反対意見もストレートに言える人材が欲しい」と変化が起きているかもしれません。採用ウェブページや説明会の内容を踏まえ、どちらの人物像が求められるか確認しましょう。これもGDにおいては、大切な能力です。
なお、GDで絶対にしてはいけないのは「多数決」です。誤った意見でも多数決なら通してもいいや、という考え方はGDの要である「ディスカッション」の放棄に他なりません。この行為は、GDの進め方として一番のNGです。大きなマイナス評価につながってしまいます。多数決に流れそうになったら「多数決ではきっとこうなると思けれど、客観的なデータや資料をベースにもう一度考えよう」と議論を戻す発言をすると良いでしょう。議論に根拠を持たせることが大切です。
ポイントを押さえたら後は練習あるのみ
ここまで、GDの基礎である「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」「協調性」について解説しました。あとは実践練習あるのみです。経験を積んでいくと、自然と議論の進め方が身につきます。友達と一緒に模擬GDをしたり、GDイベントに積極的に参加したりして訓練しましょう。
模擬GDをする際にオススメなのは、GDに参加しない「採用担当役」を設けてGD中の映像を撮影してもらい、映像を再生しながらフィードバックを行うことです。思ったより速く話しすぎて発言が聞こえなかった、客観的データを読んでいるようで思い込みで議論を展開していた、テーマから逸れて議論をしていた、1つの役割に徹してしまっていた……など、本番で絶対に避けたいミスを防ぐことができます。
聞くは一時の恥、聞かぬは無言のお祈り。グループディスカッションマスターになれる日まで、頑張ってください。
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※こちらは2018年9月に公開された記事の再掲です。