こんにちは、ワンキャリ編集部です。
富士フイルムは平均給与が約890万円、離職率は2.79%(出典:富士フイルム「サステナビリティレポート2018 P.58」)と日本有数のホワイト高給企業として知られ、多くの学生から人気を誇っています。
そんな富士フイルムの本選考のポイントをまとめてお伝えします。選考前にぜひご一読ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
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富士フイルムの社風:大企業でありながら事業転換を成し遂げた先見性
フィルムからヘルスケアへ、第二創業期を迎えたコングロマリットメーカー
富士フイルムは主力製品であったカメラフィルムの市場縮小に伴い、異業種参入で主力事業を大転換させた希有な化学品メーカーです(※1)。
フイルム事業で蓄積した多くのコア技術(独自の強みとなる技術)を主にヘルスケア分野に転用し、以下のような商品を開発しています(※2)。
・予防(スキンケア商品「アスタリフト」)
・診断(病院向け 画像診断装置)
・治療(ガン、アルツハイマーなどの医薬品)
またM&Aを通じた異業種参入にも積極的で、日米の半導体メーカー、医薬品メーカー、さらにiPS細胞の培地メーカーなどを買収し、世界的なコングロマリットメーカーを目指しています(※3)。
ある内定者も「大企業でありながら事業転換を成し遂げられる企業としての強さ」を志望動機に挙げていました(選考対策ページより)。
(※1)参考:Business Journal「富士フイルム、なぜ写真事業消滅の危機から構造転換成功?ヘルスケア1兆円への挑戦」
(※2)参考:富士フイルム「FUJIFILM NEWS Vol.97 P.5」
(※3)参考:富士フイルム「M&A/設備投資」
入社3年で海外赴任、グローバルな働き方が可能
上記のように海外企業のM&Aに積極的であり、海外売上高比率が約6割である富士フイルム(2017年度)(※4)では、入社後に海外で活躍するチャンスが豊富にあると言えます。
実際に入社3年目でテーマ派遣でシンガポールに1年間赴任し、その後もシンガポールで東南アジア全域の販売やマーケティングに関わっている社員もいます(※5)。
また、グローバル化に対応するための人事施策も拡充されており、1カ月〜1年程度の海外派遣を行う「海外トレーニー制度」「短期テーマ派遣制度」のほか、海外留学や語学研修などグローバル人材の育成制度が整っています(※6)。
(※4)参考:富士フイルム「FUJIFILM NEWS Vol.97 P.3」
(※5)参考:富士フイルム「社員の挑戦 with Passion 社員紹介詳細2」
(※6)参考:富士フイルム「グローバル展開」
富士フイルムの選考のポイント
自分の弱みに向き合い改善する姿勢を見せられるか
富士フイルムはフィルム市場の急激な縮小を乗り越えて来た企業であるため、自分の弱みに向き合い乗り越える姿勢を大切にしているようです。
面接においても、学生が自分の弱みや失敗を分析し改善する姿勢を持っているかが評価の観点となっていると考えられます。
実際に、全ての面接でESやアンケートに沿って弱みや失敗経験について深掘りされ、改善の施策を問われます。
特に2次面接で課されるアンケートの10問のうち3問は弱みに関する質問であり、自分の変えていきたいところ、失敗談といったネガティブなことを問う内容です。
また面談で人事社員はある内定者を「自分の弱みを客観的に分析できている。取り繕わない姿勢、改善方法を論理的に示せている点が良い」と評価しました(選考対策ページより)。
組織の中で自分が果たせる役割を示せるか
富士フイルムではチームで仕事をすることが多いため、面接でも組織経験について問われ、組織のためにどのような役割を果たしたのかを評価されるようです。
サークルの代表を務めていた内定者は、「部員をどのようにまとめたのか」「もし自分に代表という役職がなかったらどのように振る舞ったのか」などの質問を受けました。
また、2次面接のアンケートには「家族内での役割」という他の企業では見かけない珍しい質問があり、ここにも「役割」への強い関心が表れていると考えられます(選考対策ページより)。
富士フイルムの本選考のフロー
富士フイルムの本選考の選考フローは以下の通りです。
1. Webテスト
2. エントリーシート(ES)
3. 筆記試験
4. 1次面接
5. 2次面接
6. 最終面接
それでは各選考ごとに見ていきましょう。
1. Webテスト:eF-1Gという珍しいウェブテスト
富士フイルムのWebテストは、株式会社イーファルコンのeF-1Gという珍しいウェブテストです。言語、非言語の他、連想ゲームのような問題が出ます。選考ではこのWebテストの結果に加えてES、テストセンターの3つを合わせて評価されます。
ほとんどの就活生にとっては初めて受ける形式となり、手応えがない学生でも通っているためボーダーは高くはないと考えられます(選考対策ページより)。
2. エントリーシート(ES):自分の弱みは深掘りされる可能性大
富士フイルムの2019年卒のエントリーシート(ES)は以下の通りです。
設問(1) 大学および大学院時代で、一番力を入れて取り組んだことは何ですか?
その取り組んだ内容について、どのような「想い」を持って取り組んだか、その想いの実現に向けてどのように行動したかや、取り組みの結果を踏まえて、お書きください。(400字以内)
設問(2) 今までに直面した一番大きな困難は何ですか?
その困難をどのように乗り越えたかや、その経験を通して何を学んだかを踏まえて、お書きください。(400字以内)
設問(3) あなたにとって、仕事とは何ですか?
あなた自身が大切にしている価値観などを踏まえて、お書きください。(400字以内)
設問(4) 強みと弱み(それぞれ100字程度)
※出典:富士フイルム|事務系2019年卒本選考のエントリーシート
上記の選考のポイントでも触れたように、富士フイルムはフィルム市場の急激な縮小を乗り越えて来た企業であるため「自分の弱みに向き合い、乗り越える姿勢」を大切にしているようです。面接で聞かれることを見越して、改善のエピソードと合わせて話せる弱みをエントリーシート(ES)に書くようにしましょう。
また、富士フイルムはチームワークを重視する会社です。これに加えて富士フイルムの社員は、世の中の役に立つ製品を提供していることにやりがいを感じているようです。そのため学生時代に力を入れたことについては、利他精神を示せると良いでしょう。まず「想い」については、「人の役に立ちたい」などモチベーションが他者に起因していることを示します。そしてその想いがどのように施策に落とし込まれたのか、施策の結果想いは実現したのかなど、想いに着目して一貫した説明ができると良いでしょう。
・富士フイルム|総合職事務系2019年卒本選考のES(例1/例2/例3)
3. 筆記試験:SPIでボーダー高め。しっかりと対策を
富士フイルムの筆記試験はテストセンターのSPIです。内定者からは「難易度は高くない」という一方、「ボーダーはわりと高め」という意見も。確実に得点することが求められるため、問題集を解いて出題パターンに慣れておきましょう(選考対策ページより)。
4. 1次面接:ESとの一貫性を保ちながら、対話を意識
富士フイルムの1次面接は社員2人:学生2人の集団面接で、所要時間は30分程度でした。
選考を受けた学生によれば、富士フイルムの1次面接は基本的に和やかな雰囲気で行われることが多いようです。面接官と対話することを意識し、ハキハキと受け答えをすることが大切です。2019年卒の選考では、面接中の質問はES内容の深掘りがほとんどでした。ESを読み返しながら、自分がいままでどんな考え方で行動をしてきたのか、過去の経験から面接の受け答えまで一貫した自分像を示せるように振り返っておきましょう。
またESの中でも自分の強みと弱みを中心に深掘りされるため、しっかりと自己分析を行って自分の強みと弱みに関する情報をよく整理しておきましょう(選考対策ページより)。
自己分析の方法は以下を記事を参考にしてください。
・「強みなんてない」就活生へ!自己分析3つの方法と自己PRの作り方
5. 2次面接:突破のカギは精神的タフさと論理性にあり
富士フイルムの2次面接は50代のベテラン社員1人:学生1人の個人面接で、所要時間は60分程度でした。
一気に通過率が下がる2次面接では、面接官が厳しく接してくる傾向にあるようです。
そのため圧迫気味な空気の中でも物怖じせず冷静に、自分の主張をどれだけ説得性を持って言えるかが問われます。1次よりも深掘りが増えるものの、聞かれる内容は志望動機やESに沿ったベーシックな内容が中心です。慌てることのないよう、論が矛盾していないか、過去のエピソードから伝わる自分の価値観にぶれがないかを面接前に何度も確かめましょう。
2019年卒の選考では面接開始前にアンケート記入があり、書いた内容が面接中に質問される場合もあるようです。
アンケートの設問例(A4紙1枚、10問程度をそれぞれ2〜3行で答える)
・小学生の頃、周りになんと思われていたか
・弱み、自分の変えていきたいところ、失敗談
・座右の銘
・印象に残っている教え
・家族内での役割
・将来やりたいこと
・自分が理想とする人
内定者は、2次面接の後にフィードバックがあり「自分の弱みを客観的に分析できていること、取り繕わず改善点を論理的に話せていること」が評価されていたと語っていました(選考対策ページより)。
6. 最終面接:志望度と人柄を極限まで精査! 油断禁物
富士フイルムの場合、最終面接は決して意思確認の場ではありません。最後まで気を抜くことなく「志望度の高さ」と「一貫した人物像」の2点を論理的に伝えきることが大切です。
特に最終面接では人となりに焦点を当て、幼い頃から現在までの経験をまんべんなく深掘りされるようです。深い自己分析を行い、自分の価値観と志望動機が結びつくよう筋道を立てて述べられるようにしましょう(選考対策ページより)。
志望動機をさらにブラッシュアップしたい人はこちらの記事を参考にしてください。
・【面接質問対策:志望動機編】面接の王道質問「志望動機」の完全攻略法
・メーカーで志望理由が重要視される意外な理由とライバルに差をつける3つのポイント
おわりに
いかがでしたか? 皆さまの選考対策のお役に立てれば幸いです。
さらに詳しい選考対策ページと各選考のクチコミはこちらをご覧ください。
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