こんにちは、ワンキャリ編集部です。
今回は日本IBM(以下、IBM)のデジタルビジネスコンサルタント職について、本選考のポイントをお伝えします。
選考前の最終確認のためにご一読ください。
<目次> ●日本IBMの特徴 ●日本IBMの本選考のポイント ●日本IBMの本選考のフロー ・1. エントリーシート(ES) ・2. Webテスト ・3. GD(グループディスカッション) ・4. 面接 ●おわりに
日本IBMの特徴:グローバルにIT事業を展開するテクノロジー・カンパニー
IBMは、全世界170カ国以上で事業を展開するテクノロジー・カンパニーです(※1)。
例えば、近年多くの企業がビッグデータをビジネスに活用するようになったことを背景に、IBM Watsonという自社の人工知能技術を用いて企業の課題を解決するサービスを提供しています(※2)。
また、既存のコンピューターよりもはるかに高性能な新技術(量子コンピューター)の開発にも取り組んでいます(※3)。
時代の先端技術であるITを駆使し、多くの企業の発展に関わる仕事をグローバルで行いたいと考える学生にはおすすめの企業です。
(※1)参考:IBM「Define your career with IBM」
(※2)参考:IBM Watson「ビジネスのためのよりスマートなAI」
(※3)参考:IBM Japan「IBM製品の量子ボリュームが自社における最高値を記録。IBMのクラウドからアクセス可能な量子コンピューターの計算能力が拡大」
日本IBMの本選考のポイント:協調性・多様性を尊重する社風への共感をアピールしよう
これまでの経験から協調性を示すべし
一般的に、コンサル業界では論理性が重視されています。
ですが、IBMのデジタルビジネスコンサルタントの選考では論理性と同じくらい協調性をアピールしましょう。
その理由は、IBMは他のファームと比べても多様性やチームとしての成果を出すことにより一層こだわっており、個人の能力である論理性よりも周囲との関係性を重視しているからです。
IBMでは、エントリーシート(ES)や面接、グループディスカッション(GD)など選考を通して協調性をアピールする機会が多いです。一貫して協調性をアピールできるよう意識しましょう(選考対策ページより)。
多様な価値観を受け入れられるか
IBMはグローバル企業として多様性を大切にしており、全社的に「人材の多様性はIBMの強みの源泉」と掲げています。その理由は多様性のない環境はビジネス的にリスクが大きいからです。例えば、海外で白人男性メンバーだけで作った顔認証システムAI(人工知能)が黒人女性の顔を認証しなかった事例があり、このような「認知していない差別」を減らすことが重要だと考えています(※4)。
そのためある内定者は、「GDでは他人の意見に対し否定から入らないように意識した」「面接では、異なる価値観の人と信頼関係を築いた経験を話した」などの工夫を行ったところ、多様性を大切にする姿勢が評価され、選考を突破できたそうです。
したがって、GDや面接では、自分と価値観や考え方が異なる人とも関係を築けること、円滑にコミュニケーションができることを示しましょう。
(※4)参考:PINGINC「ダイバーシティなくしてIBMのビジネスは語れない。IBMが人材の多様性に取り組む理由」
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日本IBMの選考フロー
IBMの本選考のフローは以下の通りです。選考突破に必要なポイントをお伝えします。
・1. エントリーシート(ES)
・2. Webテスト
・3. グループディスカッション(GD)
・4. 面接
1. エントリーシート(ES):なぜIBMを志望するのか? 他社と比較したIBMならではの魅力を示そう
IBMのESの質問内容は以下の通りです。
(1)日本IBMで成し遂げたいことを希望する職種を選んだ理由も含めて具体的に記入してください。(500字程度)
(2)チームや組織の枠に捉われず、自ら他者を巻き込むことによって何かを成し遂げた経験について、その過程で学んだことを踏まえ、結果を含む具体的なエピソードを記述してください。(500字程度)
(3)「あなたらしさ」が伝わるエピソードや経験を自由に記述してください。(500字程度)
※出典:日本IBM|デジタルビジネスコンサルタント職2023年卒本選考のES
なぜIBMを志望するのかを明確に示そう
(1)の質問では、「なぜIBMを志望するのか」を明確にして、志望度の高さを示しましょう。他社と比較した志望動機を考えておくと説得力が増します。
ある内定者は、併願していたコンサルティング会社よりもIBMを志望する理由として、「IBMがデザイン思考に力を入れており、消費者のインサイトを深堀りして課題解決をすることに惹(ひ)かれたから」と話したそうです(選考対策ページより)。
一般的に総合系のコンサルティングファームでは志望動機の深掘りをされることは少ないですが、IBMでは志望動機に関する質問をされることが多く、志望度の高さを重視していると考えられます。
<志望動機の伝え方> ・なぜIBMなのか(例:ITテクノロジーに対する知見を持ち、デザイン思考(※5)など新しいことも学べる環境だから) ・なぜコンサルタントなのか(例:企業が抱えている経営上の課題解決に興味があるから) ・なぜデジタルビジネスコンサルタントなのか(例:戦略の実行部分に関わりたいから) など (※5)参考:日本IBM「Good design is good business」
一貫して協調性をアピールすべし
(1)がIBMへの熱意を示す場なのに対し、(2)(3)は自分のエピソードを伝えるのが中心です。
だからこそ、IBMが最も重視している協調性をアピールする絶好のチャンスといえます。
特に力を入れるべきは(3)。
(2)は直接的に協調性を問われていますが、(3)は「あなたらしさ」を問う設問のため、回答の幅が非常に広いです。「あなたらしさ」を答えるため、どのような強みをアピールするかは自由ですが、IBMが求める協調性のある人材だということをアピールし、他の就活生と差別化できるチャンスです。
この設問を活用して協調性をアピールできると良いでしょう。
<協調性をアピールする例文> (1)チームとしての目標 野球部の活動で全国大会出場を目指していた。 (2)自分の役割、具体的な行動 個々のスキルは高いものの、チームとして成果が上がらなかったため、試合に勝つためには部員間のコミュニケーションや戦略の共有が大切であると考えた。そこで、自分の練習時間を削ってでも他の部員とのコミュニケーションを活発にして部員同士をつなげたり、全員で戦略を共有するミーティングを主体的に行ったりするまとめ役として組織に携わった。 (3)成果 結果、チームとしてのパフォーマンスが上がり、目標の全国大会出場を果たすことができた。 (4)自分らしさ このように、自分と異なる考え方や意見を持つ人と協力しながら、目標に向けて努力できる自分らしさを貴社でも生かすことができる。
2. Webテスト:自宅受験の玉手箱。ボーダーは低めか
IBMのWebテストは、自宅受験で行われます。形式は玉手箱です。内容は言語、非言語、性格で、所要時間は1時間30分程度です。
ある内定者によると、「5割程度の出来で通過できた」とのことで、ボーダーは比較的低いと考えられます(選考対策ページより)。とはいえ、確実に通過するためにも、しっかりと対策するのがおすすめです。
▼玉手箱に関する対策記事はこちら
・【Webテスト対策:玉手箱】計数・言語・英語の例題一覧で問題練習!出題企業とおすすめ問題集も ・【SPI・玉手箱etc.】主要Webテスト9種類:問題形式の見分け方と対策本一覧
3. GD:鬼門のGD。事前準備での課題特定・相手にわかりやすい資料作成を通じてコンサルタントとしての素養をアピールしよう
IBMのGDの質問内容は以下の通りです。
【流れ】 ・個人発表(5分程度) ・発表に対する質問 ・GD(20分程度) ・全体発表(3分程度) ・発表に対する質問 ・フィードバック・逆質問 【お題】 「◯◯業の抱える課題を特定し、解決策を提示せよ」 ※◯◯業については、広告・製造・金融・食品など回ごとに業界が割り振られる。 ※お題が選考の3日前にメールで通知されるので、事前準備として、個人でプレゼン資料をPDFで作成し前日の正午までに提出する。 ※後半部分のGDについては、個人のプレゼンについて話し合い、グループとしての結論を出す。 ※議事録のテンプレが事前に配布されるので、社員のフィードバックや個人の感想を記載する。GD終了後20分以内の提出が求められる。
※出典:日本IBM|デジタルビジネスコンサルタント職2023年卒本選考のGD
ある内定者によると、周囲の学生を見る限りこの選考では一定数が落ちていたそうです(選考対策ページより)。
そのため、選考の鬼門であると考えられます。 形式も特殊であるため、以下を参考に準備は怠らないようにしておきましょう。
相手にわかりやすい資料作成を心がけるべし
IBMでは、GDの事前課題としてスライドを作成し、資料をプレゼンすることが求められるようになりました。当日はスライドをもとに全メンバーが発表を行った後、そこで得られた情報を前提としてGDに取り組みます。
GDをスムーズに始めるため、そして顧客にプレゼンをする機会が多いコンサルタントとしての素養をアピールするためにも、誰が読んでも分かりやすい資料の作成を心がけましょう。コツはスライドごとに伝えたいメッセージを最初に決め、そのあとで具体的な写真やデータ、グラフなどを載せましょう。文字数を減らし、1スライド1メッセージを徹底しましょう。
事前準備で必要なのは、企業の課題を明確にすること
テーマの一例として2023年卒の選考では、「IT技術を使ってとある組織の課題を解決せよ」という抽象度の高いお題が出たそうです。ただ、その組織(企業)や抱える課題は自分で選定できるとのこと。 抱える課題は明確化されていないことも多いため、何が課題なのかを明確にする必要があります。 企業の情報を分析し、課題を具体的に特定する際に活用できるフレームワークを以下にまとめておきますので、参考にしてください。
【企業の課題分析の際に活用できるフレームワーク例】 ・SWOT分析 ┗内部環境(自社の強み、弱み)と外部環境(機会、脅威となりうる存在)から経営環境を整理する手法 ・PEST分析 ┗政治、経済、社会、技術の4分野から、外部環境がもたらす自社への影響を考える手法 ・3C分析 ┗顧客、自社、競合の3つの観点から事実整理を行い、自社が持つ課題や成功要因を導き出す手法
4. 面接:意思確認ではない。多様な価値観を受け入れる姿勢を示そう
IBMの面接は、社員2名と学生1名で行われる、40分程度の個人面接です。過去には以下のような質問がされました。
・学生時代に力を入れたこと └目標 └結果 └他の施策について └もし改めて取り組み直すならどう取り組むのか ・志望動機 └企業の志望動機 └職種の志望動機 ・コンサルタントとしてどのような領域にアプローチしたいのか └なぜその領域を選んだのか └その領域が抱えているならではの課題は何か └その課題をどのような風な製品を用いて解決するのか └あなたなら、どのような解決策を提示するか ・将来のキャリアビジョン ・入社して取り組みたいこと ・逆質問(3問程度) など ※出典:日本IBM|デジタルビジネスコンサルタント職2023年卒本選考の最終面接
2022年卒までは面接で落とされる人は少なかったようですが、2023年卒の選考では通過率が下がり、しっかりと絞り込みがされたそうです。理由として、2022年卒までは面接が2回行われていましたが、2023年卒では1回のみになったことが考えられます。
面接に臨む際には、なぜIBMなのか・IBMで何がやりたいのか、改めて考えを固めておきましょう。
多様な価値観を受け入れる姿勢を示そう
本選考のポイントでも記載したとおり、IBMはグローバル企業として多様性を大切にしており、全社的に「人材の多様性はIBMの強みの源泉」と掲げています。そのため、多様な価値観を受け入れる姿勢を示すことが大切です。
アピールするタイミングの例として、「学生時代に力を入れた経験」について問われた際が挙げられます。
以下を参考に事前にアピールする準備をしておきましょう。
【取り組んだことの概要について】 回答のポイント:どのような役割で何をしていたかを簡単にまとめることを意識しましょう。 回答例:「サークルの代表として、海外からの留学生を含む10人程度のメンバーを取りまとめていた」
【取り組む上で発生した問題】 回答のポイント:どんな課題が発生していたか具体的に示しましょう。 回答例:「それぞれの優先順位や価値観が異なり、当初はメンバーの参加状況が芳しくなかった」
【問題に対して周りの人と協力した話】 回答のポイント:自分が起こしたアクションについて具体的に記述しましょう。 回答例:「一人ひとりと話をした上で求めているものを把握し、全員が楽しめるイベントの企画を行った」
【施策の効果】 回答のポイント:どのような成果を得られたか、定量的に示しましょう。 回答例:「サークルの参加率を60%→90%にまで向上させられた」
▼IBMの選考ステップをさらに詳しく知りたい方はこちら!
【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
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おわりに
ここまで、IBMの選考を突破するポイントをお届けしました。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
IBMの選考についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
【クチコミ】説明会/インターン/選考の評判
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(Photo:Billion Photos/Shutterstock.com)