※こちらは2017年3月に掲載された記事の再掲です。
3月1日。ついに日系企業がエントリーを開始しました。学生の皆さんは
「自分に合う会社って、どう探せばいい?」
と思っている方も多いのではないでしょうか。今日は「普通の就活メディアでは絶対書かないメッセージ」をお伝えします。
本記事で言いたいことは、1つです。
学生の皆さんには、「思考停止のサラリーマン」にならない会社を選んでほしい。
たったそれだけです。
外資、日系、ベンチャー? どこでも良いけど、「仕事の面白みを気づかないまま、人生を終わる可能性」を避けてほしい
皆さんはこれから自分の就職先を見つけていくわけですが、会社を選ぶ際に意識してほしいのは「どの会社でも、リスクはある」ということです。これはかつての山一證券、現代の東芝といった「事業上のリスク」という意味ではなく、もっと本質的なものです。
それは「仕事の面白みに気づかないまま、人生を終える可能性」。これが仕事選びに潜む最大のリスクです。
そもそも仕事には2つの側面があります。1つは「生きていくために必要なもの」という側面。お金を稼ぐことです。もう1つは「人生をより豊かにしてくれるもの」という側面。仕事を通じて得られる、仲間や成長、自分の価値を感じられる機会です。
前者の「お金を稼ぐこと」は資本主義社会である限り比較的誰でも経験できます。一方で、後者の「人生を豊かにしてくれる経験」は必ずしも誰もが得られる経験ではありません。しかし、これこそが「仕事は楽しい」という感覚と結びつくものです。
現に、誰もが憧れる大企業に勤めながらも「死んだような目」で働いている人もたくさんいれば、無名な会社で天職を見つけてイキイキと働く人がいる横で心身ともにメンタルダウンしている人もいる。
「人生を豊かにしてれるかどうか」は会社の形態には依存しません。
会社選びの最大のリスクは、仕事が持つ「人生を豊かにする側面」に気付くことなく一生を終えるかもしれないことだと私は思います。
論点:そもそも、仕事は「楽しくあるべき」なのか。
ところで、そもそも、仕事は「楽しくあるべき」なのでしょうか?
私は必ずしもイエスとは言えないと感じます。
しかし、「仕事は楽しい方がいいか?」と聞かれたら、それは間違いなくイエスと言うでしょう。この質問にノーと答えるということは「自分の人生は楽しくあるべきではない」と言っていることと同じだからです。
そして、その楽しさを具体化すると、「自分の価値」を感じる瞬間だと思います。
楽しさには大小あると思いますが、スポーツが好きな人も、アートが好きな人も、仕事が好きな人も、子育てに頑張る人も、共通するの根本的な要素は、「自分がそこに存在し価値を感じる」ということ。人はその時、楽しいと感じるのです。
「思考停止すること」の恐ろしさ
上述のように、「仕事を楽しんでいる人」もいる一方で、「仕事を楽しんでいない人」もいます。その、最大の障壁となっているものはなんなのでしょうか。
結論からいうとそれは「思考停止すること」だと私は思います。
人は何も考えなくなると、「昔もこうだったから、✕✕すべき」という論理で仕事をしはじめます。しかし冷静に考えてみると「これまでが✕✕だったから、こうする。ルールがこうだから、こうすべき」という論理で仕事をするということは、それは完全にロボットでもできる仕事です。
言い換えると、「あなたが介在している価値はない」ということです。
不思議です。
人は自分の価値を感じる方が幸せなはずです。なのに、なぜあえて「ロボット化して仕事」するのでしょうか?
ここで一般的に思われていることと逆の真実をいいますと、それは「物事は、手間を掛けるほど楽しくなる」ということです。一般的に「楽しくないから、手間を掛けない」といわれますが、これは部分的な事実であり、真実ではありません。
逆です。「手間を掛けるほど、物事は楽しくなる」のです。
それなのに「ロボット化して仕事」する理由はシンプルで、「面倒くさいから」です。
面倒くさがって手を抜くということは何も考えないということですから、自動的に最も楽な選択肢を選びます。すると、「これまで同じこと」を選ぶわけです。これが仕事をつまらなくする最大の原因である「思考停止ウイルス」です。
ウイルスは感染し、次第に、挑戦する人の「足を引っ張るようになる」
人は何も意識しなければ、惰性で生きる生き物です。動物には、根本的に安心や安定を求める要素がありますから、それが確約されていないゾーンに踏み出すのは恐怖です。これは誰もが持つ要素あり、私たちはその特性自体を責めることはできません。
しかし、このウイルスの最大のダメなところは、往々にして頑張る人の足を引っ張る方向に進むことです。それはまさしくウイルスのように感染し、どんどん組織に蔓延(まんえん)していきます。思考停止ウイルス感染者は自分が思考停止するだけではなく、自分の頭で考え挑戦する人の足を引っ張ろうとしはじめるのです。周りの人が自分の頭を使って考え始めるのは、「自分も考えないといけなくなるから嫌」なのです。思考停止というウイルスにかかり末期になった人は、頑張る人を黙って見ておくことすらできなくなるのです。
皆さんが出会った中で、魅力的だと思わないサラリーマン、あるいは目が死んだサラリーマンはおそらくこの「思考停止の病」に感染しています。
しかし、学生の皆さんの多くはまだこのウイルスにかかっていないでしょうから、私としては将来を担う学生の皆さんには「思考停止」にならないでほしいと思うのです。
楽しんでいるかを見極めるには「前例を変え、その人なりの工夫」をした経験を聞けばいい
長々とすみません。
最後に、具体的にどうやって「思考停止していないか」を見極めればいいのかお話します。
皆さんが会う社員は「仕事? まぁ、楽しいよ」と必ずや言うでしょう。当たり前です。リクルーターも仕事ですので、「仕事楽しくない」なんて言ったものなら評価に響きます。
それを見極めるために「前例を変え、その人なりの工夫をした経験が、どれだけあるか」を聞いてみてほしいのです。
具体的には
「仕事を始めると、ルーチンワークや繰り返しの中で、必ずしも楽しい仕事ばかりではないと思います。そんな中で、✕✕さんが普段から意識されていること、工夫されていることはありますか?」
などと聞けばいいでしょう。
いくら大企業といっても、その人が望めば、どんな場所でも「前例を変え、工夫するチャンス」はわずかながら存在します。それは領収書の書き方というレベルでも、レポーティングの仕方というレベルでも。ミクロな視点で見れば工夫すべき余地は絶対に存在します。
「前例を変え、その人なりの工夫をしようとしている」
これが大企業の中でも生き生きと働いているビジネスパーソンの共通点です。就職する会社の先輩は、皆さんの未来を表している可能性が高いですから、皆さんには「思考停止していない人」が多い会社に入ってほしいと思います。それが社会の発展、働きやすい世界につながると私は思っています。
最後に、ワンキャリアは「人生の意思決定に寄り添う会社」です。皆さんの人生で大事なファーストキャリアという機会に触れられることを、われわれはとても幸せに思います。残り、半年から1年近くかと思いますが、引き続き皆さんの就職活動をサポートさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
ワンキャリア執行役員の北野唯我(KEN)でした。
執行役員 北野唯我(KEN)
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