面接では、長所だけでなく短所について尋ねられることがよくあります。短所を正直に話すべきか、それとも隠すべきか、悩む就活生は多いでしょう。しかし、短所の伝え方次第であなたの印象は大きく変わります。
こちらの記事では、面接で短所を聞かれたときの効果的な答え方について解説します。 例文をまじえながら、印象をアップさせるコツも紹介しているので、これからの面接対策に役立ててください。短所を上手に伝えて、自信を持って面接に臨みましょう。
<目次>
●面接官が短所を聞く理由
・1. あなたの人となりを把握したいから
・2. 短所を打ち明ける誠実さを試したいから
・3. 客観的な自己分析力があるか見極めたいから
●短所を見つける方法4つ
・1. 自己PRや長所の裏返しを考える
・2. 性格・行動で苦手なことを考える
・3. 自己分析を活用する
・4. 他己分析から考える
●短所の言い換え一覧【100選】
・人との接し方に関わる長所・短所
・意思決定に関わる長所・短所
・行動に関わる長所・短所
・性格に関わる長所・短所
●短所を選ぶコツ
・客観的な視点で話せるものを選ぶ
・改善の努力をしているエピソードがあるものを選ぶ
・「企業の評価ポイント」に致命的な短所は選ばない
●短所を伝える際のテクニック4つ
・1. 致命的なエピソードを言わない
・2. オブラートに包んでポジティブに伝える
・3. 素直になる
・4. 短所を克服する具体的な行動について伝える
●【短所別】回答例10選
・「優柔不断」
・「心配性」
・「マイペース」
・「せっかち」
・「頑固」
・「緊張しやすい」
・「意志が弱い」
・「お人よし」
・「自己主張が強い」
・「人見知り」
●就活で短所を伝えるときのNG例
・「短所はありません」はNG
・身体的特徴を挙げる
・自分を卑下しすぎる
●おわりに
面接官が短所を聞く理由
1. あなたの人となりを把握したいから
短所はあなたの人となりを知る上で重要なポイントであると考えられています。ポジティブな側面をアピールする自己PRでは、学生は得意げに自分の長所を語りますし、いささか誇張して話されることも多いでしょう。
短所を聞くのは、端的にいえば、ポジティブな側面だけでは見えない学生のパーソナリティを知るため。あなたのあら探しをしているのではなく、あなたが「自分をどのような人間だと理解しているか」を知ろうとしているのです。
2. 短所を打ち明ける誠実さを試したいから
誠実さはどの企業でも求められる大切な要素です。上っ面で話す人間は、選考の場でもビジネスの場でも信頼されません。誠実さを見極めるための方法の1つとして、自分の短所という話したくない内容であっても、率直に話せるかを試しているのです。
面接官は、短所の内容ではなく、短所の表現や伝え方で誠実さを見ているので、短所を聞かれたら素直に答える姿勢を見せるようにしましょう。
3. 客観的な自己分析力があるか見極めたいから
「ポテンシャル採用」といわれる日系の就活では、伸びしろのある学生が求められます。それを評価するための1つの指標となるのが、客観的な自己分析力です。自分の能力や立場を把握し、問題を解決するためには何をすべきなのかを導き出せる学生は、入社後の伸びしろが大きい人材だと判断されます。
その判断基準の1つとして、向き合いたくない短所を正しく把握できる学生は客観的な自己分析力があるとみなされます。自分の弱みを適切に把握し、それを克服または補うためにどうすべきかまで考えている学生は、面接官にとって将来の成長像が描きやすいのです。
短所を見つける方法4つ
自分の短所を見つけることは、自己成長や面接対策において非常に重要です。しかし、多くの就活生が、自分の短所を正確に認識するのは難しいと感じています。
まずは、短所を効果的に見つける方法を4つご紹介します。ぜひ、参考にして面接対策の準備を始めましょう。
1. 自己PRや長所の裏返しを考える
自分の短所を話す上での王道は「長所の裏返しを意識する」こと。長所と短所に一貫性を持って話せるのがこの方法の特徴です。
例えば、「物事を先立って考え、計画的に行うのが得意」という長所の場合、「行動を起こす前によく考えることが多いため、動き出しが遅くなる」という短所が想定されます。
「計画性」と「動き出しの遅さ」のような表裏一体の長所と短所を話すことで、主張に一貫性を持たせることができるのです。また、短所を述べてから長所に触れれば自己PRにもなります。
一貫性と説得力がある上に、長所のアピールにもつなげやすいため、この「長所の裏返しにする」方法は多くの就活生に好まれ、就活においては一般的な手法として定着しています。そのため、テンプレートのような回答になりがちで、他の学生との差別化に弱いという欠点もあります。
しかし、面接官は短所の質問を加点対象ではなく、減点対象としていることが多く、マイナス評価を受けるような内容でなければ、テンプレート通りでも問題ないでしょう。
2. 性格・行動で苦手なことを考える
自分の性格や日常の行動から苦手なことや弱点を考えてみましょう。
例えば「人前で話すのが苦手」「計画を立てるのが下手」という人もいるのではないでしょうか。また、大学のプレゼンで極度に緊張し、うまく話せないと感じている人もいるでしょう。このような苦手意識から短所を見つけられます。
こういった短所を克服するためにどのように努力しているのかを説明することで、面接官にポジティブな印象を与えられます。
3. 自己分析を活用する
自己分析で長所・短所を見つけ、面接に活用しましょう。自己分析する際は、自己分析するためのツールや自己分析モデルを活用するのがおすすめです。
例えば、自己分析する際にモチベーショングラフを活用する方法があります。モチベーショングラフは、過去の出来事とそれに伴うモチベーションの変動を記録し、自分の価値観や性格を見つめ直す自己分析のツールです。このグラフを活用することで、客観的に自分自身を分析できるので長所や短所を把握しやすくなります。
出来事や感情を時系列で書き出していくと、自分の思考パターンや性格の特徴が浮かび上がってきます。この過程で、長所や短所にも目を向けてみましょう。長所や短所を見つけるための具体的な手順は次のとおりです。
1.過去の出来事を書き出す
幼少期から現在までの重要な出来事をリストアップします。学業・仕事・趣味・人間関係など、さまざまな視点で出来事を思い出してみましょう。
2.モチベーションの変動を記録する
各出来事が起きたときのモチベーションレベルを0から10で評価し、グラフにメモします。高いモチベーションの時期と低いモチベーションの時期、それぞれの背景を具体的に記述するとより具体的になります。
3.分析する
グラフを見ながら、モチベーションが上がった時期と下がった時期に注目し、その理由を分析します。例えば、成功体験がモチベーションを上げ、失敗や挫折がモチベーションを下げた場合、それらがあなたの長所や短所につながるでしょう。
4.長所を見つける
モチベーションが上がった出来事から、自分の長所を抽出します。例えば、アルバイトやサークルなどでリーダーシップを発揮した経験があれば、「リーダーシップがある」という長所になります。
5.短所を見つける
モチベーションが下がった出来事から、自分の短所を見つけます。試合やゼミの発表時にプレッシャーがかかった際、パフォーマンスが低下した経験があれば「ストレス耐性が低い」という短所が見つかります。
他にも、マインドマップ・エニアグラム・ジョハリの窓・ストレングスファインダーなど、効果的に自己分析するためのツールは多数存在するので、ぜひ活用してみてください。
▼自己分析のツールについて詳しく知りたい方はこちら ・自己分析のやり方【4通り】簡単にできる方法・ツールとメリットを解説 ・【自分史の書き方】就活の自己分析に使えるテンプレート・例文 ・自己分析に役立つモチベーショングラフの書き方【テンプレート付き】 ・マインドマップを使った自己分析!書き方や無料のツール・アプリを紹介 ・エニアグラム全9タイプの適職とそれぞれの職業を解説!自己分析に役立てよう ・ジョハリの窓とは?診断を就活に生かせる自己分析のやり方を解説
4. 他己分析から考える
他人の視点から自分を見つめ直す方法は非常に有効です。友人や家族、同僚に自分の弱点を尋ねることで、自分では気づかない短所を発見できます。
友人から「頑固で柔軟性に欠けるところがある」と指摘され、それが自分の短所だと気づく場合もあるでしょう。
このように、他人の視点を通じて自分を客観的に見つめ直すことで、新たな気づきが得られます。他己分析は自分では気が付かない短所を認識できるチャンスです。
ただし、「自分の短所を教えて」とお願いしても、はっきり伝えてくれる人は少ないかもしれません。その際は、面接対策のために知りたいという意図を伝えることで、相手も納得したうえで相手が傷つくような表現を避けて教えてくれるでしょう。
▼他己分析のやり方について詳しく知りたい方はこちら ・【厳選質問例あり】他己分析のやり方・ツールを紹介!客観的に長所や短所を知る方法
短所の言い換え一覧【100選】
ここからは、短所と長所をどのように言い換えることができるのか、具体例をご紹介します。
人との接し方に関わる長所・短所
短所 | 長所に変換 |
緊張しやすい | 物事を慎重に捉える |
負けず嫌い | 競争意識がある |
協調性がない | 主体性がある |
おせっかい | 他人への興味関心が強い |
理屈っぽい | 論理的に考える |
人の目が気になる | 細かいことに気づく |
目立ちたがり | 積極性がある |
でしゃばり | コミュニケーション力が高い |
八方美人 | 他人に配慮できる |
仕切りたがり | リーダーシップがある |
自己主張が強い | 意見を表明できる |
言葉がきつい | はっきりと意思表示できる |
他人に厳しい | 公正に評価できる |
口下手 | 人の話をよく聞く |
だまされやすい | 素直、純粋 |
ずうずうしい | 積極性がある |
無神経 | 誰に対しても公平 |
お人よし | 思いやりがある |
おしゃべり | コミュニケーション力が高い |
打たれ弱い | 物事を真摯(しんし)に受け止める |
怒りっぽい | 情熱的な性格 |
融通が利かない | 芯がある |
話すのが苦手 | 言葉を吟味する |
自己中心的 | メンタルが安定している |
ケチ | 堅実 |
お調子者 | ムードメーカー |
人見知り | 観察力がある |
空気が読めない | 自分の意見を持っている |
意思決定に関わる長所・短所
短所 | 長所に変換 |
視野が狭い | 集中力がある |
面倒くさがり | 効率を重視する |
おおざっぱ | 細かいことに捉われない |
慎重すぎる | 物事に丁寧に取り組む |
完璧主義 | 質の高い仕事ができる |
固定観念にとらわれる | 伝統を重んじる |
意志が弱い | 他者の意見を尊重する |
流されやすい | 空気が読める |
臆病 | 慎重に判断する |
心配性 | 細やかな気配りができる |
ネガティブ思考 | 物事を深く分析する |
単純 | 物事を素直に受け取る |
決断力がない | さまざまな可能性を考えられる |
批判的 | 分析力がある |
無関心 | 周りに流されない |
短絡的 | 決断力がある |
マイナス思考 | 危機管理能力がある |
優柔不断 | 柔軟性がある |
行動に関わる長所・短所
短所 | 長所に変換 |
せっかち | 行動力がある |
計画性がない | 臨機応変に行動できる |
凝り性 | 1つのことに集中する |
引っ込み思案 | リスク管理能力がある |
影響を受けやすい | 柔軟な意思決定 |
そそっかしい | 好奇心が旺盛 |
決断が遅い | 深く考え慎重に判断する |
不器用 | ひたむきに集中できる |
器用貧乏 | 要領がいい |
あきらめが悪い | 困難に立ち向かえる |
あきらめが早い | 柔軟な判断力 |
自分勝手 | 周りの意見に左右されない |
気性が荒い | 情熱的 |
執念深い | 最後までやり遂げる力がある |
生意気 | 自己主張できる |
なれなれしい | 社交性がある |
しつこい | 忍耐力がある |
無鉄砲 | チャレンジ精神がある |
いい加減 | おおらか |
腰が重い | 注意深い |
忍耐力がない | 切り替えが早い |
ずる賢い | 頭の回転が早い |
後先を考えない | 探究心がある |
能天気 | 前向き |
愛想が悪い | 媚(こび)を売らない |
マイペース | 落ち着いた行動ができる |
おっちょこちょい | 自覚しているからこそ注意深い |
性格に関わる長所・短所
短所 | 長所に変換 |
ナーバス | 物事を慎重に考える |
内気 | 謙虚 |
短気 | 裏表がない性格 |
ミーハー | 流行に敏感 |
冷たい | 冷静な判断力がある |
注意力散漫 | 同時に多くのことを考えられる |
繊細 | 感受性が豊か |
鈍感 | 細かいことを気にしない |
楽観的 | 何事にも前向き |
消極的 | 慎重に判断できる |
悲観的 | 注意深く軽率な行動をしない |
真面目すぎる | 責任感がある |
自信がない | 成長意欲が高い |
落ち込みやすい | 思慮深い |
自分に甘い | 自己肯定感がある |
落ち着きがない | 活発である |
責任感がない | 型にはまらない |
熱しやすく冷めやすい | 気持ちの切り替えが早い |
ナルシスト | 自己肯定感がある |
無難 | 安定感がある |
根暗 | 深い思考力がある |
緊張感がない | 肩の力が抜けている |
気が弱い | 思いやりがある |
飽きっぽい | 好奇心旺盛 |
プレッシャーに弱い | 責任感がある |
頑固 | 信念がある |
プライドが高い | 上昇志向が強い |
短所を選ぶコツ
面接で自分の短所を尋ねられることは、避けては通れません。しかし、自分の短所をどう表現するかで、その場の流れやあなた自身の印象を大きく変えられるチャンスともいえます。
そこで、適切な短所を選ぶコツを紹介します。短所によっては、自分の強みに変えて伝えられる可能性もあるので、ぜひチェックしてください。
客観的な視点で話せるものを選ぶ
短所を答える際には、客観性のある内容を選ぶことが大切です。
主観的な内容の場合、面接官に「自分のことを客観視できていないのではないか?」と思われてしまう可能性があるためです。
実際に他の人から言われたことがある短所をエピソードとして交えると、面接官に「他者の意見を受け入れられる」「自己分析ができている」という印象を与えられます。
自己分析ができていることは、自己成長に対する意欲や、チームでの協調性の高さを示せるため好印象につながります。客観的に自分を見つめ直し、それを改善しようとする姿勢は、仕事においても重要なスキルだからです。
改善の努力をしているエピソードがあるものを選ぶ
短所を選ぶ際は、改善の努力や工夫していることを選びましょう。
短所であると自覚しているからこそ、自身の努力や工夫によって克服できる可能性を示唆できます。結果として、面接官に「この学生は成長意欲があり、問題解決に向けて取り組む姿勢がある」と印象付けられるでしょう。
一方、克服が難しい短所は他の長所で補ったり仕事に悪影響を与えないように工夫したりしている点を伝えると良いでしょう。
後ほどの例文でも取り上げますが、例えば短所が「優柔不断」である場合は、意識して行っている改善策や仕事に支障をきたさないための工夫を伝えることで、面接官に好印象を残せる可能性があります。
「企業の評価ポイント」に致命的な短所は選ばない
短所を選ぶ際は、「企業の評価ポイント」に対して、致命的になるものは避けましょう。
企業の理念や社風に合わない短所や、真逆の短所を選んでしまうと、評価をマイナスにしてしまう可能性があります。改善の努力を伝えても、根本的に合わない人材と判断されてしまう可能性が高いため、できるだけ避けるようにしましょう。
また、ワンキャリアの体験談【合格の秘訣】から「企業の評価ポイント」を知ることができます。「企業の評価ポイント」を知り、致命的にならない短所を選びましょう。
ワンキャリの合格の秘訣(ひけつ)は、各社の「企業の魅力」と「選考のポイント」がレポート形式でまとまっているものです。内定者が社員から実際に聞いた情報も書かれており、現場の声を知ることもできます。実際には以下のような情報が掲載されています。
ベネッセコーポレーション25年卒 総合職の【合格の秘訣】 <企業の魅力> 「人の一生にコミットする」教育業界のリーディングカンパニー ご存じの通り、今後の日本・世界が直面する大きな問題として「少子化」や「高齢化」、「労働力不足」などがあります。(※1) そんな諸問題が引き起こす「教育や介護における課題」に対して、どこよりも真摯に取り組むと意気込むのが今回紹介するベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)。(※1) ベネッセは日本における教育・介護のリーディングカンパニーとして、人々の人生にわたって学びを提供する企業です。 事実、……続きを読む <選考のポイント> 「なぜ教育か」「なぜベネッセか」に耐えうる志望動機を練ろう 上述のように、今後社会環境が目まぐるしく変わる中でも、教育分野を中心に社会貢献を果たそうと意気込むベネッセ。 そんなベネッセを支えているのは言うまでもなく社員であり、採用においても教育に携わることへの熱い思いを持った学生を求めているでしょう。 実際に、ある内定者も……続きを読む <内定者の感想> ・社員の話の中で全員が企画職という言葉が印象に残っている。実力さえあれば、……続きを読む ※出典:ベネッセコーポレーション|総合職2025年卒の合格の秘訣
短所を伝える際のテクニック4つ
短所を率直に伝えることは、仕事や面接の場面での自己紹介において重要な要素です。しかし、伝え方にはテクニックが必要です。短所をただ素直に伝えるだけでは、意図せずネガティブな印象を与えてしまうおそれがあるためです。
自分の弱点や不得意な点を率直に伝えすぎると、入社してからの行動を不安視されかねません。そこで、ここでは短所を伝える際の4つのテクニックをご紹介します。自分の弱点を上手に伝えて自己分析能力や成長意欲をアピールし、面接官に好印象を残しましょう。
1. 致命的なエピソードを言わない
学生の人となりを把握するための短所に関する質問ですが、あまりに致命的な短所は避けましょう。
例えば、以下のような回答です。
・自分の人格が疑われる可能性があるNG回答
(例)「人と話すのが嫌い」「働くことが好きではない」「よくウソをついてしまう」など・自分が応募企業に向いていそうにないと思われてしまう可能性のあるNG回答
(例)「(研究職なのに)勉強が嫌い」「(企画職で)発想力がない」など
率直に話すことも評価対象となる短所の質問ですが、会社(社会)との明らかなミスマッチを感じさせる短所は控えるようにしましょう。
どんな人でも短所は複数あると思うので、その中から社会で生きていく上で致命的ではないものや、会社で働く上で致命的ではないものを選んで話すようにしましょう。
2. オブラートに包んでポジティブに伝える
同じ短所でも、表現次第で随分と印象が変わるものです。例えば、
1.「私は思い立ったらすぐ行動に移してしまうくせがあります」
2.「私は物事を見切り発車で始めてしまうくせがあります」
2つとも「計画性のなさ」を短所として挙げていますが、1が「素早い行動力」という長所につながる点を示しているのに対し、2では「見切り発車」という表現から、向こう見ずな印象を強く残してしまいます。
自分の短所を話す際には、なるべくマイルドな言葉を用いてネガティブな印象を減らすように言い方を工夫しましょう。
3. 素直になる
就職活動に限らず、素直に自分の弱点をさらけ出す姿勢は相手に好感を与えます。これはひとえに、「相手が腹の内をさらけ出してくれている」という安心感があるからでしょう。
短所を問われて、モジモジとしたり、苦しそうに回答したりする学生を見て、面接官は安心するでしょうか?
短所は短所として割り切って話し、どう今後につなげていくべきかという視点で前向きに捉えているという姿勢を見せることで、面接官には安心感を与えられます。短所を話すことには抵抗があるかもしれませんが、素直かつ真摯に話すよう心がけましょう。
4. 短所を克服する具体的な行動について伝える
自分が持つ短所を改善するために、どのような取り組みを行っているかを伝えましょう。
短所を自覚し改善に向けて行動している点を示すことで、自己成長への意欲や努力をアピールできます。面接官は、あなたが短所を認識し、克服しようとしている姿勢を評価するでしょう。自分の欠点を隠すのではなく、積極的に改善しようとする姿勢は他人から見ても好意的なものです。
また、自己成長に対する真摯な取り組みは、信頼性や誠実さをアピールする要素にもなります。面接官は、そのような姿勢を持つ就活生に信頼を寄せ、組織内での成長に期待を抱くかもしれません。
【短所別】回答例10選
面接や自己PRにおいて短所を述べる際は、事前準備が必須です。適切に短所を述べることで、自己理解や成長意欲を示すチャンスにもつながるため、しっかり備えましょう。ここからは、面接で使える短所を聞かれた際の解答例10選をご紹介します。
「優柔不断」
「優柔不断」なことを短所として伝える場合の例は以下のとおりです。
私の短所は、優柔不断なところです。 花屋のアルバイトで、花束の注文を受けてから生花の種類や組み合わせを決める業務を任されていました。最初の頃は、どの組み合わせがベストなのか迷ってしまい準備に時間がかかり、待っているお客様にはご迷惑をおかけしました。 そこで、優柔不断な短所を改善し迅速に決断するために「お客様の好みや注文内容をよく把握すること」を重視しました。お客様が何を求めているのかを的確に把握し、素早く正確に注文内容を準備することで迷う時間を減らし、効率的に業務を遂行できるようになりました。 仕事では常に期限があり、即座の判断が求められる場面も多くあります。そのようなときでも、お客様のニーズを的確に把握し、迅速な対応ができるように努めます。
「心配性」
「心配性」なことを短所として伝える場合の例は以下のとおりです。
私の短所は、心配性なところです。 大学の研究発表では失敗や誤解を恐れるあまり、細かい部分に過度に気を取られてしまい、資料作成に時間を費やしすぎることがありました。その結果、十分なリハーサルの時間を取れず、思うように発表ができない状況に陥りました。 この経験から、物事に取り組む際には時間配分を事前に計画し、確認作業に時間をかけすぎないようにすることを心がけるようにしました。ロールプレイングを繰り返すことで、発表の準備も十分な時間内に行えるようになりました。
「マイペース」
「マイペース」なことを短所として伝える場合の例は以下のとおりです。
私の短所は、マイペースすぎることです。
所属していたダンスサークルでは、ダンスの振り付けを担当していました。夢中になると、振り付けに集中しすぎて全体の進捗(しんちょく)に気づかなくなり、練習のスケジュールに後れをとってしまった経験があります。
その経験から、自分の作業に没頭しすぎず、チーム全体の進捗やメンバーの状況を常に把握するように心がけるようになりました。
入社後は、仕事に対する集中力と質にこだわりつつ、チームワークを重視して業務に取り組みたいと思っています。
「せっかち」
「せっかち」なことを短所として伝える場合の例は以下のとおりです。
私の短所は、せっかちなところです。 海の家のアルバイトでは、ピーク時にはたくさんのお客様が訪れるため、注文を素早く処理しなければなりません。そのプレッシャーから常に焦ってしまい、注文の内容を間違えてしまったことがあります。 それ以来、「急がば回れ」をモットーに、スピードを意識しながらも、最終確認は怠らないように心がけています。この経験から、忙しいときこそ冷静さを保ち、確認作業を怠らないことが大切だと学びました。 また、焦らずに落ち着いて接客することでミスも減り、お客様に満足いただけるサービスを提供できるようになりました。
「頑固」
「頑固」なことを短所として伝える場合の例は以下のとおりです。
私の短所は、頑固なところです。 弓道部の部長をしていた際、自分の決めた方針や計画にしばしば固執してしまう傾向がありました。具体的には、大学の試験期間と部活動の練習が重なった際、当初の計画通りに進めようとしてしまい、部員たちに無理な負担をかけてしまった経験があります。 この経験から状況に応じて柔軟な対応が求められることを学びました。以後、部員の意見を積極的に取り入れつつ、柔軟にスケジュールや練習内容を調整、そして何よりも個人個人の事情にも配慮するように心がけています。
「緊張しやすい」
「緊張しやすい」ことを短所として伝える場合の例は以下のとおりです。
私は過度に緊張しやすい短所があります。 学生時代はバスケットボール部に所属しておりましたが、試合でプレイする際に、緊張してプレイがうまくいかないことがありました。しかし、チームの一員として試合に出場する機会が増え、練習に励んで克服しようと努力しました。 具体的には、チームメイトと共にトレーニングを積み重ね、実際の試合を想定したシミュレーションを行ったことなどがあげられます。その結果、自信を持ってプレイできるようになりました。この経験から、苦手なことでも準備をすることで克服できることを学びました。 仕事の場でもプレゼンテーションやコンペなど、人前で緊張する機会があるかもしれません。だからこそ、事前にしっかりと準備をして臨みたいと思っています。
「意志が弱い」
「意思が弱い」ことを短所として伝える場合の例は以下のとおりです。
私の短所は、意思が弱いところです。 介護施設でのボランティア活動に参加していますが、利用者や他のボランティアの意見に流されやすく、自分の考えを曖昧にしてしまうことがあります。これは私の短所であると認識しています。 しかし、他の人の意見を聞くことで、施設の運営や活動について新しい視点を得ることができたという側面もございます。 そのため、貴社でも多くの先輩や同僚の意見を聞きながらも、自分の考えや価値観を大切にし、アウトプットしていきたいと考えています。
「お人よし」
「お人よし」なことを短所として伝える場合の例は以下のとおりです。
私はお人よしであることを短所と考えています。 例えば、他人の頼み事や要求に対して断りづらく、自分の時間や能力を必要以上にかけてしまうのです。しかし、この性格は自分で自分の首を絞めていることにも気づきました。 そのため、お人よしを克服するために、自分のキャパシティをコントロールする意識を持つように心がけています。例えば、自己管理のためにタイムマネジメントの手法を学び、効果的な優先順位付けを行っています。また、断ることが難しい場面でも、自己主張や限界を明確にすることを意識し、バランスを取るよう努めています。 職場においても、セルフマネジメントを意識し、組織の一員として業務に貢献していきたいと考えています。
「自己主張が強い」
「自己主張が強い」ことを短所として伝える場合の例は以下のとおりです。
私は自己主張が強いことを短所と考えています。 ときに、自分の意見や考えを押し付けてしまい、他の人の意見や視点を十分に聞けないと感じるからです。 この性格を克服するために、積極的に他人の意見やフィードバックを受け入れるよう努めています。例えば、ゼミのワークショップでは他のメンバーの意見に耳を傾け、協力して意見を取り入れるようにしています。また、自己主張が強いことをコミュニケーションの場で意識し、相手の意見を尊重する姿勢を持つよう心がけています。 これからも自己主張ではなく自分の考えという意識を持ちながら、傾聴の姿勢を大切にしたいと考えています。そして、チームワークを大切にし、円滑なコミュニケーションを築いていきたいです。
「人見知り」
「人見知り」なことを短所として伝える場合の例は以下のとおりです。
私は人見知りだということを短所と捉えています。 初対面の人や新しい環境になじむのが苦手であり、コミュニケーションを積極的に取ることに抵抗を感じることがあります。しかし、この短所を克服するために、積極的に社交的な場に参加し、他の人との交流を増やすようにしています。 最近は地域のボランティア活動に参加したり、あえて友人や家族の前で自己紹介やディベートの練習を始めたりしました。これによって、少しずつ新しい人間関係が築けるようになりました。 これからも人見知りに甘んじることなく、チームの一員として積極的にコミュニケーションを取り、協力して業務に取り組んでいきたいと考えています。
▼長所・短所の例文について詳しく知りたい方はこちら ・【長所・短所】面接/ESの例文と言い換え一覧<100選>書き方も解説 ・【強み30選】就活の自己PRで使える強みの見つけ方と一覧|例文つき
就活で短所を伝えるときのNG例
就活で短所を伝える際、適切な言葉選びや表現が重要です。しかし、中には短所を過度に強調してしまったり、否定的な印象を与えてしまったりするNGな例も存在します。最後に、就活において避けるべき短所の伝え方についてお伝えします。
「短所はありません」はNG
面接で「短所はありません」と答えることは、自己分析が足りていないと受け取られる可能性があります。就活生に対しては自分の課題や成長ポイントを認識し、克服する姿勢を求めている企業が多いためです。
何よりも短所のない人間なんていません。そのため、自己分析から見えてきた自身の短所は前述した例文を参考に、効果的に伝えましょう。
身体的特徴を挙げる
面接で身体的特徴を短所として挙げることは避けるべきです。身体的特徴は個々人の特徴であり、仕事の適性や業績に直接関係しないことがほとんどだからです。
例えば、「身長が低いため、リーダーシップを発揮できない」といったような表現をしてしまったとしましょう。身長という変えられない要素を理由にすることで、自分の成長や改善に対する意欲が低いのではないかと判断されるかもしれません。
面接官は、問題や課題に対して前向きに取り組む姿勢を重視するため、努力で改善できない短所を伝えることは避けてください。
自分を卑下しすぎる
面接で自分を卑下しすぎることは、自信がないと受け取られる場合があります。
謙虚さと自信のなさは異なるため、あまりにも自分の能力や経験を過小評価してしまうと、面接官にマイナスな印象を与えかねません。
自分の成果や強みを適切にアピールし、自信を持って話すことが重要です。
おわりに
いかがでしたか? 短所にまつわる質問は回答次第でピンチにもチャンスにもなりえます。「面接官がなぜ短所を聞くのか?」を念頭に置いて、自分のチャンスへとつなげる回答を用意しましょう。
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(Photo:Aaron Amat/Shutterstock.com)
※こちらは2016年7月に公開された記事の再掲です。