みなさんこんにちは! ワンキャリ編集部の秋山燿平です。
東大在学中に10ヶ国語を習得した経験から、英語の選考対策について解説していきたいと思います。今回のテーマは「英語ES」です。
外資系を中心に、トップ企業の選考に登場する英語ES。海外経験のない学生にとっては、できれば出会いたくない選考です。今回はそんな英語ニガテ就活生が最小の努力で「鬼門」を突破する方法を、筆者の言語学習の経験をもとにお伝えします。
「話すための英語」ではなく「内定のための英語」を学べ!
英語ESや英語面接の対策として、気合を入れ直して高校時代の参考書を学び直そうとしていませんか?
あえて言いましょう、それは逆に内定を遠ざけてしまっています。
英語を使う選考があったとしても、最終的に内定を左右する最大のポイントは「この人と一緒に働きたいかどうか」。英語を学ぼうとして膨大な時間を費やしてしまうと、その資質をアピールするための面接対策や志望動機の準備にかける時間が失われ、選考落ちの可能性を高めてしまうのです。
目的はあくまでも「志望企業の内定獲得」ですから、英語ESと英語面接さえ突破できれば、それで良いのです。一から英語を勉強することは「数学の試験範囲が関数だけなのに、方程式も微分積分も全て復習し直す」ようなものです。
各選考で問われる内容を見極め、ゴールから逆算した「内定を獲得するための英語」を学べばよいのです。そう考えると、英語がニガテでも突破できると思えてきませんか?
最小の努力でこの関門を突破し、志望企業への内定を掴みましょう。これから、具体的なステップをお伝えします。
英語ESの黄金ルールは「日本語→英語訳→添削」
英語ESのポイントは2点、「まず日本語で内容を書いてみること」と「ネイティブに添削してもらう環境を作ること」です。
今回はESの具体例として、以下の例題を実際に解きながら解説していきます。みなさんも手順に従って解いてみてくださいね。
<例題>
あなたの自己PRなどをご記入ください。(英語150語以内)
1. 過去ESの流用でもOK! 鉄則は「まず日本語から書くべし」
英語ESを書き始める時は、まず日本語で回答を書きましょう。これは最も重要なステップです。なぜなら、英語がニガテな人がいきなり英作文をすると、知識の範囲内にある単語や文法しか使えず、結果として稚拙な内容になるからです。日本語とほぼ同等に英語を操れる帰国子女でなければ、まず日本語で内容を書いてみましょう。
英語ESの設問には、日本語で書いた経験のあるような質問も多くあります。「学生時代に頑張ったこと」や「志望動機」などは、過去に書いた日本語ESの中から出来の良いものを文字数調整して使い、ユニークな質問は一から日本語で考えましょう。執筆者の経験上、同じ内容を書くとおおよそ「英語の単語数:日本語の文字数=1:2」です。英語で200語の設問であれば、だいたい日本語だと400文字を目安として内容を考えましょう。
【例題を解いてみよう】ステップ1:日本語で文案を書く
今回の例題は「学生時代頑張った経験」と、オーソドックスな質問なので、過去のESから優秀だと思うものを引っ張ってきましょう。今回は英単語150語以内なので、元の文を300文字程度に圧縮しました。
※求められる能力が似ている同業界のESを持ってくると、より良いかもしれません。
<回答例(日本語)>
私の強みは、「やると決めたことは必ず最後までやり抜くこと」である。
大学3年生の際にイベントを開催する団体を立ち上げたのだが、初めの半年間はほとんど参加者が集まらず、メンバーの士気も下がり、団体は解散寸前であった。しかし私は「毎月100人を集めるイベントを作る」という目標達成までに諦めることなく、自ら様々な団体や企業に交渉して協力を依頼する、自分の友人全員に直接連絡をして参加をお願いするなど、出来ることをひたすらやり続けた。その姿を見た他のメンバーも徐々にやる気を取り戻し、最終的に1年後には目標だった毎月100人以上を集めるイベントを作り上げることができた。
この「最後までやりきる力」は、営業を強みとする貴社の発展に大きく貢献できると考えている。(321文字)
2. Google翻訳からでOK! 正確さは度外視して、英訳してみよう
さて、次のステップです。日本語で完成した回答を英語に訳してみましょう。極端な話、全文Google翻訳をかけてしまうだけでも良いかもしれません。Web検索や参考書、翻訳ツールなどを駆使し、とりあえず日本語の内容を英語に変換できれば、このステップは完了です。内容の正確さは気にしなくて大丈夫なので、ここまで自力でやっておきましょう。
最初から英語ネイティブに翻訳をお願いするのはオススメしません。ネイティブが日本語の意図を正しく理解してくれるとは限らないため、違う内容の訳ができてしまう可能性や、相手に多大な負担をかけてしまう可能性が考えられるからです。
【例題を解いてみよう】ステップ2:文案をGoogle翻訳
前のステップで作った日本語文をそのままGoogle翻訳にかけると、以下の通りになります。
<Google翻訳>
My strength is 「to always do what we have decided to do until the end」. Although we set up an organization to hold events during the third grader of the university, few participants gathered in the first half year, member’s morale also fell, the group was on the verge of dissolution. However, I will negotiate with various organizations and companies and request cooperation, without giving up on achieving the goal of 「making events collecting 100 people every month」 Please contact all of my friends directly and ask for participation I kept on doing what I could do. Other members who saw that figure gradually recovered their motivation and eventually could create an event that gathers over 100 people every month which was the target one year later. I believe that this 「ability to do it to the end」 can greatly contribute to the development of your company, which has strengths in sales. (152語)
152語になりました。英語の単語数:日本語の文字数=1:2というのはかなり近い数値です。
このままネイティブに修正を依頼してもいいですが、自分の分かる範囲で「明らかにおかしい」と思う部分を手直しできるとなお良いです。例文では、以下の部分を手直ししました。
<修正前>
However, I will negotiate with various organizations and companies and request cooperation, without giving up on achieving the goal of 「making events collecting 100 people every month」Please contact all of my friends directly and ask for participation I kept on doing what I could do.
並列で書いたつもりの「自ら様々な団体や企業に交渉して協力を依頼する( I will negotiate with various organizations and companies)」と「自分の友人全員に直接連絡をして参加をお願いする(contacted all of my friends directly and ask for participation,)」が分離しています。
<修正後>
However, like I negotiated with various organizations and companies and request cooperation, contacted all of my friends directly and ask for participation, without giving up on achieving the goal of 「making events collecting 100 people every month」 I kept on doing what I could do.
後半部分を前に持ってきて、「〜など」を表す「like」を前につけましょう(「〜など」がわからなければGoogle検索で「英語 〜など」と検索すればすぐに分かります)。また、未来の文ではなく過去の文なので、willを消して過去形に変えました。
3. アプリで即日解決! 英文をネイティブに直してもらう
さて、最後のステップは、未完成のES原稿を洗練された文書へと直してもらうステップです。ネイティブに英文を添削してもらいましょう。
インターネットが発展し便利になったこの世の中、英語の文章を直してくれる相手は誰でもすぐに見つかります。そのツールが、言語学習アプリです。未完成のES原稿をアプリ内の掲示板に投稿しておけば、ネイティブスピーカーが即日で完璧な文章に仕上げてくれます。
例として、僕が使っているアプリを2つ紹介するので参考にしてください。
・HelloTalk:「英語を学びたい日本人」と「日本語を学びたい英語ネイティブ」がマッチングし、無料でチャットや通話ができるアプリ
・HiNative:ネイティブに対してQ&Aを行えるアプリ。昔の「Lang-8」の進化版。
【例題を解いてみよう】ステップ3:英文をネイティブチェック
前回のステップで作った未完成のES原稿を、アプリで添削依頼をしてみましょう。HelloTalkの掲示板で実際に募集をかけてみました。
依頼する時の英文は、例えばこんな感じで良いでしょう。
Now I’m writing an application form for company I would like to work for. Could you please correct my essay below if you find any mistakes? Thank you for your cooperation!
(訳:私は今、志望している企業のESを書いています。もし以下の回答に間違を見つけたら、修正していただけますか? よろしくお願いします!)
実際に投稿してみると、なんと20分ほどで3人のネイティブから訂正案が送られてきました!
それらの中から自分の言いたいことを上手く言い表している表現を選んだり組み合わせたりして、洗練された文章を完成させましょう。150語以内に語数を整え、今回はこのようになりました。最小限の労力で、質の高い英語ESの完成です。
<回答例(完成版)>
My strength is 「to always do what we has been decided to do until the completion」. Although we set up an organization to hold events during the third year of the university, few participants gathered in the first half year. Member’s morale also fell and the group was on the verge of dissolution. However, like I negotiated with various organizations and companies and request their cooperation, and directly contacted my friends, asking for their participation. Without giving up on achieving the goal of organizing monthly events with the participation of 100 people I kept on doing what I was able to do. Other members who saw that figure gradually recovered their motivation and would eventually be able to organize such an event a year later. I believe that this ability to 「do it to the end」 can contribute to the development of your company, which has great strength in sales.(150語)
おわりに
いかがでしたか? 便利なツールを上手く利用すれば、英語を一から勉強しなくても最小の努力で英語ESを突破できるのです。
英語ニガテ就活生の皆さん、この高い壁を前に立ちすくむ必要はありません。内定を取るための英語を学び、軽々と乗り越えてしまいましょう。
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ライター:秋山燿平(あきやま ようへい)
東京大学薬学部卒。海外在住経験・留学経験ゼロながら独学で10ヶ国語を話すマルチリンガルになる。この経験から、2016年3月にはフジテレビ特番「さんまの東大方程式」において「5年で7ヶ国語を習得した東大生」として紹介され、7ヶ国語の自己紹介で反響を呼んだ。さらに2017年9月の特番では、10ヶ国語で外国人観光客とのトークを披露した(動画はコチラ)。ワンキャリアでインターン中。
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