こんにちは、ワンキャリ編集部です。
面接官の質問には志望動機や挫折体験など、いわゆる「テンプレ」な質問がある一方、難問奇問と呼ばれる質問を課されることもあります。事前に準備しやすいテンプレ質問とは異なり、「変な質問」はとっさの判断力や賢さが求められるのが特徴です。
しかし実際には、対策不可能な面接など存在しません。ここからは実際に出題された難問・奇問を例に挙げて対策法をお伝えします。
目的のない質問はない
採用担当者にとって面接時間は学生を査定する貴重なチャンス。お遊びのために変な質問をすることはまずありません。変な質問を耳にしたり、体験談を聞かれたりしたら「企業はなぜそんな質問をしたがるのか」と目的を探ってみましょう。
過去の出題を見ると、大まかに分けて4つの人事サイドの目的が見え隠れします。
【面接官が変な質問をする意図】
1. 実際に業務で直面する課題を与え、どれほど対応できるか査定する
2. 企業の根本理念に近しい問いを与え、価値観が合うか見る
3. SNSへ質問内容を書き込まないかチェックに使う
4. 出身部活動・性別・宗教などで採用差別をしている
この中で4番目の「出身部活動・性別・宗教などで採用差別をしている企業」は残念ながら多数存在します。面接であからさまに差別を明示する質問をされた場合は、ご縁がなかったと見限ることが必要です。(例:君はどこの部活動出身なの? 部活動出身でなければ採用するつもりはないんだけどねえ……)
しかし1~3番目の質問は今からでも十分に対策可能です。それぞれ例題とともに考え方を明記しますので参考にしてください。
1. 実際に業務で直面する課題を与え、どれほど対応できるか査定する
よくある設問例
・今から1分間、面接官を褒めてください
・一つしかない商品を2人のお客様に同時に欲しいと言われたらどうしますか
・隣の人について面接官に説明してください
・面接官へあだ名をつけてください
面接対策:実社会に出たときを想像し、誠実に応対する
これらの質問は全て、実際に社会であなたが直面する課題に近いものです。初対面の人に好印象を与えるには最初の1分間が決め手です。「今から1分間、面接官を褒めてください」は営業が初めての取引先へ行ったときと似た状況です。続く質問も同様です。不動産など2つに分けられない商品を複数のお客様から求められることも多くあるでしょうし、今、出会ったばかりの隣の就活生のように「よく知らない」商品を売り込む場面もあるはずです。取引先との飲み会で「お、新人君! この部長にさ、いいあだ名つけてあげてよぉ」なんて絡まれることも。
突拍子もないように見えるこれらの質問は全て「働いた後、うまくやっていけそうか?」と査定しているにすぎません。面白おかしくする必要はありません。面接官を取引先だと思い、誠実に相手を褒め、気持ちよく自分を売り込めば通過します。
よくある設問例
・この用紙に書いてある漢字から異なるものを一つ見つけてください
・あなたに学費を投資した親は得をしているといえますか
面接対策:その職種固有の能力が問われていることを理解する
これらはともに外資系投資銀行に多い質問です。外銀のように迅速さと緻密さが要求される業種の場合は「異なる漢字をすぐ見つけ出せる」能力が求められます。また、損得勘定は金融業界に欠かせない感覚です。家族の情はお金に代えられないと感じたとしても、冷静に金額をはじき出す頭が必要とされています。GMAT、SPIのような筆記試験の延長だと考えてスピーディに答えを出しましょう。
このタイプの質問に慣れるなら『外資系企業がほしがる脳ミソ―採用試験の定番! 問題解決力を試す60問』がオススメです。外資系企業の就活を始める前に、ぜひ目を通しておいてください。
・『外資系企業がほしがる脳ミソ―採用試験の定番! 問題解決力を試す60問』(ダイヤモンド社、2007年)
2. 企業の根本理念に近しい問いを与え、価値観が合うか見る
よくある設問例
・あなたはいくらお金を持ったら満足できますか。それはなぜですか
・不登校の生徒を学校に来るように説得するならどうしますか?
面接対策:入社後のミスマッチを考えると無理はしないほうが無難
応募者が多い人気企業では、単に「トップ企業だから受けてみよう」とする学生が後を絶ちません。しかも、対策しやすいエントリーシートやテンプレ質問では、賢いだけで企業理念とは相性が悪い学生をふるい落とすことはできません。そこで対策が取りづらい質問を投げかけることで、相性が悪い学生を振るい落とすのです。
例えば前者の「いくらお金を持てば満足か」は外資系投資銀行で頻繁に質問されます。過酷な労働環境を生き抜くために、保有資産額をゴールに据えることは社員として当然の資質です。ここで「人生で必要なお金なんて考えたこともなかった」という方は外資系投資銀行と相性が悪いといえるでしょう。
次の「不登校の学生を通学させるには」という問いは、外資系メーカーや広告代理店などチームで成果を出すことが求められる企業で多く出題されます。ここで「不登校なら放っておけばいいのに」という方は、チームを蔑ろにして自分の成果を求めがちなことが連想されるため、そもそも業界と相性が悪いといえるでしょう。
相性の悪い企業でも、無理して「内定する人ならどう回答するだろう」と想像して切り抜けることもできますが、入社後の幸せも考えるとうろたえる質問が来た時点で、「ウチには向いていない、他業種を見ろ」というメッセージとして受け止めることをオススメします。
3. SNSへ質問内容を書き込まないかチェックに使う
上記2つの目的に付随して、企業は学生がTwitterなどに質問内容を書き込んでいないかをチェックしています。私が今ざっとサーチしただけでも、これだけの質問がSNSから出てきました。
・もっと変な趣味ないの? ほんとなんでもいいよ
・どの色が好き?
・アイドルオタク男性の攻略方法
面接内容をSNSに書くこと自体は大問題といえません。ただし人事部が「この子はこれから会社の機密を渡したら公に書いちゃうかもしれない」と思わせるには十分な資料です。変な質問が面接で来たら、会員限定や非公開でないSNSへは「変な質問だった」とだけ書く程度に収めておきましょう。
おわりに:目的が読めない質問が来たら「精進が足りない」と思え
ここまで面接で聞かれる変な質問に答える方法をお伝えしました。面接で質問される全ての質問には目的があると先述しましたが、もしあなたが「今の質問、何のためにあったの?」と理解できなかったらそれは先方の意図を読めなかった精進不足が原因です。「どういう業務に就けるつもりで、今の質問をしたんだろう?」と考え、先方の意図をくみ取った模範解答へたどり着いてください。
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