〜本日は、昨年好評いただいたたトイアンナ氏の連載3記事をまとめてお届けします
こんにちは、ワンキャリ編集部のトイアンナです。全3回でお伝えしている普通の就活生を内定へ導いた体験談、後編の今回は面接がメインのお話となります。
これまでのお話はこちら。
・【前編:準備編】「なるほどこれは大変だ」「就活エピソードは今から作れ!」
・【中編:ES編】「いいか、質問に答えていないESなんて1分でシュレッダー行きだ」
面接はESの延長にあると知れ
トイ:さて、面接までたどり着きましたね。外資系企業の面接は日系に比べて回数が少ないので、質問されることがかなり決まっています。「会社との相性に関係する質問」と「ESをさらに突っ込んだ質問」の2点が多いです。
A君:会社との相性って、どこで図られるんですか?
トイ:一次面接ではまず、頭の良さです。だから外資の一次面接で切られたら「頭悪いと思われた」と察してください。といっても、頭の良さは生まれつきの能力ではありません。ぶっちゃけた話「滑舌のよさ」と「返答までのスピード」「論理性」しか求められていません。
滑舌が悪い人はボイストレーニングへ通っていただくのが一番。返答までのスピードと論理性は、質問の予測と対策ができていたかで変わります。具体的には、下記質問に応えられるよう、論理的な答えをあらかじめ準備してください。
【外資共通の質問】
・学生時代頑張ったこと
・最大の挫折と、それをどう乗り越えたか
・描いている将来のビジョン
・簡単な志望動機
・激務でもやっていける根拠はあるか
【外銀】
・100万円あったらどう使うか
・自分が就活生の中で一番だと思うことは何か
・いくら資産があれば満足できるか
・このペンを面接官へ売るつもりで1分プレゼンしてください
【外コン】
・フェルミ推定
・ケース面接
・架空の会社のデータを見て、課題と解決策を提案する
・これからの日本経済の行方を踏まえ、自分はどう仕事ができるか
【外資メーカー】
・あなたがリーダーシップを取った経験
・(エピソードに対する深堀り)なぜ自分の利益にならないことでも頑張るのか
・英語力について(一部企業で英語面接あり)
・相容れない他人とどうチームワークを築くか
A君:こうして見ると、結構しっかり対策しなきゃいけないんですね……。
トイ:その通り。できれば実際に社会人へ面接対策の答えを箇条書きにして見てもらった方がいいので、OB訪問も含めると面接対策に1ヶ月は掛けたいですね。5月に就活を始めたとして、あらかた対策が終わるのは7月末といったところです。
A君:外資の就活スケジュールを踏まえると、3年の5月スタートって結構ギリギリなんですね。
なお、これを読んだ時点で3年の5月を過ぎてしまった方は気合を入れてください。外資系企業は採用しきれなかった人材を秋・冬に募集するので2次募集でチャレンジしましょう。
英語力は気合でTOEIC800点まで持っていけ
A君:ところで、1点気になるんですが……英語力ってないとダメですか?
トイ:ダメです。外資系だけでなく、日系企業でも今は英語力が「あって当たり前」になっています。TOEICスコアでいうと800点は目指してください。夏休みシーズンであれば英語へ割く時間があるはずです。ライティングを「Lang-8」で鍛えつつ、「レアジョブ英会話」などオンライン英会話でコストを抑えながら学んでください。
私が内定した外資で「1ヶ月あれば300点は伸びますよね?」なんてプレッシャーをかけられた社員がスコアを伸ばせていたので、死ぬ気があれば800点までは何とかなります。死ぬ気が足りないと思った人は、短期でスパルタ式の語学留学へ行くのもオススメですよ。
A君:でも、外資やトップ企業って帰国子女がわんさか受けるんですよね……やっぱり僕なんかじゃ就活は厳しいんでしょうか。
トイ:その点は大丈夫。帰国子女は学生時代を外国で過ごしているだけですから、ビジネス英語の語彙や用法は意外と知りません。発音は負けるかもしれませんが、そこはまず面接の査定対象にならないので問題ありません。特に外資系企業では「英語を頑張って話す度胸」が一番大事ですから、帰国子女ばかりが有利ともいえないんですよ。まくし立ててくる面接官に負けないメンタルが要求されていますからね。
ジョブは「相性」が見られているから、落ちたら切り替えが肝心
A君:ついにインターンまでお誘いをいただけました! って、インターン?今さらですか?
トイ:外資では最終選考を実際に働いている姿から査定するので、これをインターンまたはジョブと呼んでいるんです。つまり最終面接と同じってことですね!
A君:ついに! でも1週間も拘束されたらさすがに僕の実力がないってバレるんじゃ……。
トイ:いいえ、そんなことはありません。たとえばA君、インターンの期間中、知的労働を長時間続ける自信はある?
A君:えっと、英語力を上げるための勉強を1日10時間くらいやったんで、たぶん、なんとか……。
トイ:でしょ? 実は外資の選考対策は、A君をトップ内定へ導く資質も育てていたの。アルバイトでの業務改善はリーダーシップを、英語やGAB・CAB対策は長時間の知的労働を、面接やES対策が論理性を成長させることができる……つまり一見付け焼刃の対策が、本当に内定する人材育成に繋がっているんです。
A君:そう思うと、自信がついてきました。
トイ:だからジョブでは今までに頑張ったことを心がけつつ、2つだけ対策してください。
1つ目は「体力作り」。特に外銀のジョブでは、平均睡眠時間2時間で1週間といった過酷な労働が予想されます。その間頭を働かせ続けるためにもランニングなどで持久力を鍛えておきましょう。
2つ目は「成果に対するコミットメント」。これまでの対策と違ってジョブではチームとしての成果も要求されます。だから常に「今、何が不足しているんだろう? どうすればよりよい議論を出せるだろう?」と意識してね。
また、外銀・外コン・外資メーカーでは求められている人材が少し違います。たとえば外銀では「純粋に勝利を目指せるか」という個人的な資質が一番重要ですが、外コンなら「論理的に他者を説得できるか」が最優先。外資メーカーは「仲間と一緒に成果を出せるか」です。それぞれの求められている資質を踏まえて行動しましょう。
そしてもし、ジョブで落ちても相性の問題だと割り切りましょう。能力不足なら面接の段階で落とされているはずだから、ジョブで落ちたときは「あの子、ウチで活躍してもきっと楽しくないだろうな」などと思われている可能性が大きいです。そうしたら、もうしょうがない。さっさと次に行きましょう。
A君:ありがとうございます! 俺、行ってきます!
エピローグ
この後、A君は某外資系コンサルタントのジョブへ参加、しかし就活を経過するうちに本人が「僕が進みたい道はここではない」と考え、最終的には複数社の日系企業内定を経て、日系金融機関で活躍しています。
彼は就活というゲームのルールを理解し、自分なりのプレイスタイルを身につけたのです。今手元にアピールできるものがなくとも、短期決戦で間に合います。あなたが少しでも自分に合うキャリアを選べますよう願っています!
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