〜本日は、昨年好評いただいたたトイアンナ氏の連載3記事をまとめてお届けします
こんにちは、ワンキャリ編集部のトイアンナです。私は今までに数百名の学生へ就活アドバイスを行ってまいりましたが、その中にはトップ企業の内定へは程遠い普通の就活生が多くいました。そんな就活生を内定へ導いた体験談を、今回はご紹介します。
トイ:初めまして、就活相談ということで、始めに学校名と大学時代に頑張ったこと、あと休みの日にしてることを教えていただけますか?
A君:あ、はい(モジモジする)。慶應文の3年です。一応サークルでテニサーに入ってました。バイトとかゼミは入ってないですね……。休みはゲームしてるか、友達と飲みに行ってるかですかね。
トイ:テニサー、いいじゃないですか。どんなことされてたんですか?
A君:いや、飲み会に参加するくらいで特に……。あんまりサークルへ顔も出してなかったんですよ。
なるほどこれは大変だ。
しかし3年生になったばかりのタイミングで連絡してくれたので、内定させられる確信はありました。
就活は早く参加すればするほど有利なゲームです。
さらにA君の場合は「志望業界は特に絞ってないです」というのもGOOD。
就活では下手に業界を絞りすぎて数社しか受けないのが、最もよくある「無い内定」のパターンだからです。
トイ:3年生の段階でよく来てくれました。一緒に内定を勝ち取りましょう!
普通の就活生こそ外資を受けろ!
トイ:まず、A君は外資を受けましょう。
A君:ええ!? 外資って体育会とか帰国子女じゃないとダメですよね? 絶対オレ、落ちますよね?
トイ:確かにその傾向はあります。ただA君が外資を受けるべきなのは、外資へ就職するためだけではありません。(1)トップ学生の力量と攻略法を知ることと、(2)外資で場慣れしてから日系企業の面接へ挑み、スムーズに選考を進めるためです。
A君:えっでも、外資系ってどこを受ければ……!?
トイ:片っ端から。全部エントリーしてください。
A君:ええ……。ゴールドマン・サックス、ローランド・ベルガー、マッキンゼー、P&Gにユニリーバ、BCGとバークレイズ……って、いいんですかこんな適当にエントリーして!?
トイ:大丈夫。外資就活をするトップ学生でも企業ごとに対策している人はほぼいないから。外資は外銀を除くと志望動機を質問されることも少ないので、実力を鍛えるのにはちょうどいいのです。企業ごとの強みは、エントリーした後に説明会で必死に勉強してください。
筆記に勝つ者が就活に勝つと知れ
トイ:さて、次にこのテキストを1ヶ月で攻略してきましょう。
・必勝・就職試験! 【Web-CAB・GAB Compact・IMAGES対応】CAB・GAB完全突破法! 【2018年度版】
A君:へぇ、これがいわゆる「ウェブテスト対策」というやつですか?
トイ:いいえ。CAB・GABを採用する企業はごく一部。実は SPIというこれとは全く形式の異なるテストが出る企業の方が多いんです。この試験を採用するのは外資系企業と、トップ商社くらいかな。
A君:じゃあ、CAB・GABのためだけに筆記対策の時間を割くのは非効率なんじゃないですか……?
トイ:そう、それこそがA君も外資の筆記試験でトップ学生に勝てる理由です。大抵の学生はSPI対策に時間を割いて、CAB・GAB対策を怠ります。もしCAB・GAB対策へ重点的に時間を投資できるなら、トップ学生に点数で勝つことも夢じゃありません。
CABやGABは、SPIに比べて難易度が高いといわれています。たとえばこういう問題が出ます。
<例題1>
以下の問題を暗算で解き、正しいと思う選択肢を選びなさい。
49+52=?
A. 93 B. 211 G. 405 D. 101 E. 129
解き方:下の位を足し算すると9+2=11。1の位が1で終わるのはBかDだけだが、どう考えても200を超える数字が答えになるとは思えないので、正解はDの101。
<例題2>
ちまたにいくつもある良い本をどんなにたくさん読んでも、結果の引き寄せは起きません。私は、あなたがたくさんの本を読むことには強く推奨しますが、しかし本を読んだだけで、あるいは良い考えを持っただけで人生が変化すると信じてはいけません。あなたが理念を変え、信念を変え、そしてそこから来る行動を変えることで、結果が変化するのです。
しかしながら、信念体系そのものを変化させるために読書は効果的です。私は相当な量の人物伝を読んできました。ビジョンを持ち、そのビジョンを実現化させる方法を見いだし、勇気と自信を持ってその信念を貫き通す人の話には感動を禁じ得ません。
(ジェイ・エイブラハム著 島藤真澄訳『限界はあなたの頭の中にしかない』PHP研究所)それぞれの設問文が、A~Cのいずれであるかを選びなさい。
A:本文の論理から考えて正しい
B:本文の論理から考えて誤っている
C:本文だけでは論理的に判断できない
設問1. 本を読むことによって、信念体系には変化が起こる。
設問2. 信念を貫き通すもととなる信念体系を変えるために読書は有効である。
解き方:まず、記事の論旨をメモ書きなどでまとめます。この場合は「良い本を読むだけではだめ。理念→信念→行動を変えると結果が変わる。信念を変えるために本は効果的」といったものです。
その上で、設問1を考えると本を読むだけで信念へ必ず変化が起きるとは書かれていないので答えはC。設問2は文中に同じ主張が見つかるのでAです。
A君:こ、こんなの絶対に無理です。1時間掛けられるなら挑戦しますけど……難しすぎます!
トイ:最初はそれでいいんです。地頭の良さを計測するといわれているGAB・CABですが、出題パターンはかなり限られています。いくつかの「解き方」さえ理解できてしまえば「この問題、前に見たことある!」と、すぐにパターンを把握できるようになりますよ。私もGABの数学が苦手で最初は10%しか解けなかったけど、1ヶ月で外資の筆記はほぼ落ちないくらいまで鍛えられたから、大丈夫。
A君:慣れてさえしまえばいいんですね。
トイ:そう、外資系企業の就活は倍率が最大1,000倍。でもそのうち大半は筆記で落ちます。ということは、筆記に勝てれば競争のほとんどは終わっているようなもの。というわけで、3年生の6月下旬までにはCAB・GAB対策を終わらせましょう。
CAB・GABのポイントは、解法自体を知るよりも「解ける人がどういう考え方をしているのか」を理解すること。時間が短い中でどう考えれば効率的な思考ができるのか、すでに内定した先輩やOBに考え方を質問してみるのも良いでしょう。
就活エピソードは今から作れ!
トイ:さて、筆記試験だけでは物足りないので、この時期にエントリーシートや面接でアピールできるエピソードを作りましょう。
A君:えっ!? エピソードって、この時期からでも間に合うんですか?
トイ:もちろん! 学生はエントリーシートに偉大な成果を書かなきゃいけないと勘違いしているけれども、実際には「目の前の課題へどう自分なりに取り組んで成果を出したか」という思考のプロセスが重視されています。つまり、該当するエピソードを今から作ればいいんです。
A君:そ、それって具体的にはどうやって?
トイ:まず短期バイトへ応募しよう。人を巻き込む仕事の方が就活では好まれるから、接客業がベストだね。3年生の5月ならちょうどブライダル需要が大きいから、ホテルスタッフもいいかな。
ここで大切なのは、短期バイトの期間中に「自分なりに業務内容を改善して、売上をアップさせる」と心へ決めて挑むこと。大事なのはバイト経験ではなく、自ら課題を解決する思考ですからね。
A君:い、意識が高い……。
トイ:そう。短期バイトって、普通はお小遣い稼ぎが目的だから意識の高い学生も少ないはず。そんな中でA君が必死に頑張ったら、成果も出やすいよね。ただし「一生懸命笑顔で接客したら」なんて個人のやる気の問題の努力じゃなく、きちんと誰にでも応用できるような業務改善をしてきてね。「ウェディングケーキの切り分けを効率化する」とか。バイト中に「これ、もっと◯◯したらうまく行くのにな」って思ったことを全部やること。その上で、売上をいくら伸ばしたか数字で見える成果を残すこと。オッケー?
A君:僕、そんなことできるんでしょうか……。が、頑張ってみます。
実は、A君に伝えたこと以外にも短期バイトにはメリットがあります。
まず長期バイトと比較して人間関係にヒビが入っても困らないので、リスクがあっても業務改善を行うことがしやすいこと。
次にまとまったお金が手に入るのも重要です。
就活ではスーツ代、交通費など出費がかさむのでこの時期に30万円くらいは貯金を作っておきましょう。
──【中編:ES編】「いいか、質問に答えていないESなんて1分でシュレッダー行きだ」に続く
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・【前編:準備編】「なるほどこれは大変だ」「就活エピソードは今から作れ!」