※こちらは2018年4月に公開された記事を一部情報更新し、再掲しています。
こんにちは、ワンキャリ編集部です。
就活生から圧倒的な人気を誇る外資系投資銀行。しかしその業務内容や最新の業界事情は、外銀志望者の中でもあまり知られてはいません。
今回は外銀の花形業務の一つである投資銀行部門(IBD)にフォーカスし、その業務内容や日本における最新ランキングをお伝えします。
1. 部門を理解しよう
まず、外銀の部門の概要について、下記の図をご覧ください。
※出典:【外銀入門】15分で分かる外資系投資銀行!受ける前に知っておきたい「部門の違い」
金融業界では業務の質によって、「フロントオフィス」「ミドルオフィス」「サポート業務」と呼び分けられます。
「フロントオフィス」:お金を稼ぐ部門
顧客と直接取り引きにあたる部門で、「投資銀行部門(IBD)」「マーケット」「アセットマネジメント」がこれにあたります。
「バックオフィス」:記録・実行を行う部門
フロントオフィスとミドルオフィスのサポート業務にあたり、事務作業をこなします。これに当たる部門は「オペレーション」と「テクノロジー」です。
「ミドルオフィス」:2つの要素を併せ持つ部門
フロントオフィスとバックオフィスのどちらの要素を持つ部門で、「リサーチ」がこれにあたります。
今回は、数ある部の中でも就活生から圧倒的な人気を誇るIBDについて分析していきます。他の部門についての詳細は、こちらをご覧ください。
・IBDだけじゃない!外銀の各部門「今さら聞けない」業務内容や合格の秘訣をおさらい:マーケット、リサーチ、アセットマネジメント、オペレーション、テクノロジー
・【外銀入門】15分で分かる外資系投資銀行!受ける前に知っておきたい「部門の違い」
IBDの業務内容
4〜5月ごろから就活意識高い層の間で語られる「IBD」という単語は、投資銀行部門(Investment Banking Division)の略。採用人数も多く、投資銀行の中でも花形の部門です。大まかな業務内容は下記に分かれます。
・企業の買収や売却(M&A)の提案/サポート
・資金調達の提案/サポート
「投資銀行業務」と言っても、一般的なイメージの「投資」をするわけでも「銀行」の仕事をしているわけでもありません。実際の業務は「クライアントの会社の発展のために、M&Aや資金調達など財務のやり方でサポートするコンサルタント」です。要は「会社を買いたい! 部門を売りたい! 事業拡大や企業買収のためのお金が欲しい! というそこのアナタ、われわれがアドバイスしますよ」ということです。
どんな会社を買えばいいのか、買収予定企業がそもそもいくらで買えそうなのか、それを買うのに必要な資金をどうやってやりくりするのか。そういった財務上の各種専門アドバイスを株式や債券、その他いろんな方法を検討し、買収までのロードマップや資金集めの方法を提案したりします。
詳しくはこちらをご覧ください
・英語のいらない外資?外銀IBD部門の実態
2. 2017年は過去最多件数! 今、M&Aがアツい
いま、日本におけるM&A(合併・買収)市場が盛り上がっています。2017年は日本企業の関わったM&A件数が過去最多の3016件となり、06年の2775件を11年ぶりに上回りました。日本企業による海外企業の買収が活発で、空前のカネ余りを背景に中堅・中小などにも海外に成長を求める企業が相次いだ格好です。
※出典:日本経済新聞「M&A3000件超、11年ぶり最多 17年の日本企業」
それに合わせて主な投資銀行業務であるM&Aアドバイザリー業務でも、国内市場に大きな動きが見られました。以下は、2017年度のアドバイザリーランキングです。野村証券の市場占有率(金額ベース)が29.2%となり、前年の5位から首位に浮上。2位以下は三菱UFJモルガン・スタンレー証券などが健闘し、クレディ・スイス証券が大幅な躍進を果たして4位となりました。前年との順位比較でわかるように、M&Aアドバイザリー業務は変動が激しく、大きな案件に関われるかどうかで一気に順位が変化します。
※出典:日本経済新聞「17年度の世界M&A助言 ゴールドマン首位 「アマゾン効果」金融にも 」
2017年度で一番のM&A案件といえば、何と言っても「東芝による、日米韓連合への東芝メモリの売却(約2兆円)」でしょう。
ニュースでも連日報道されていたこの案件ですが、その非常に高い注目度の通り、投資銀行のオールスター戦のような様相を呈しました。
1位の野村、3位のGSはともに売り手側である東芝のアドバイザーにつきました。その後の資金調達の主幹事を担ったGSは約6,000億円を短期間に調達する画期的な手法で東芝の信頼を勝ち取り、200億円弱の手数料を得たと言われています。2位の三菱UFJモルガンは買い手側の日米韓連合を主導した米投資ファンドのベインキャピタルに、4位のクレディ・スイス証券は、日米韓連合を形成した韓国のSKハイニックスにつきました。
※参考:日本経済新聞「東芝増資仕切った豪腕ゴールドマン 海外60社まとめる」
3. 「最近気になったM&Aネタ」に! 日本企業が関わった主なM&A案件
投資銀行部門の選考では必ず「最近気になったM&A案件」について聞かれます。しかし、どこの投資銀行がどんなM&A案件に関わっているのかなんてわからないですよね。そんな就活生のために、直近1年間(2017年)における日本企業が関わった主なM&A案件をまとめました。
被買収企業と買収企業の名前を検索すればその詳細の記事やプレスリリースが出てくるので、企業研究にぜひ役立てていただければ幸いです。
※出典:トムソン・ロイタージャパン「2017年第4四半期 M&A市場リーグテーブル <日本市場版>」
4. まとめ
いかがでしたか。扱う案件の規模やその時の景気によって大きく業績や順位が左右される投資銀行業界ですが、トップを目指す多くの就活生にとって魅力的な選択肢であることには変わりありません。投資銀行の業務や就活対策、それぞれの会社の特色などをもっと知りたいという方は、以下の記事をぜひご活用ください。
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