外資系金融で活躍する女性社員たちのリアルに迫った好評企画。今回は、世界最大級の金融グループとして知られるUBSグループの女性社員に話を伺いました。
5部門それぞれの業務内容をはじめ、さまざまなバックグラウンドをもつ彼女たちに本音を語っていただきます。
<お話を聞いたのはこの5名>(写真左から)
アセット・マネジメント(以下AM):里見さん 管理部(以下GO):片山さん 株式本部(以下MKT):花岡さん 投資銀行本部(以下IBD):稲井さん ウェルス・マネジマント本部(以下WM):木住野(きしの)さん
今回の見どころ
・「世界が変わる瞬間を見たい」「全業界を知りたい」キャリア選択の理由はさまざま
・日本進出以来初。世界的にもまれなウェルス・マネジメント新卒採用
・UBSには「UPしかない」。プレッシャーではなく育成で上を目指す
「外資金融×女子」特集ラインナップ
ゴールドマン・サックス/J.P.モルガン
メリルリンチ日本証券/UBSグループ/シティグループ
クライアントは個人から金融のプロまで多岐にわたる
──本日はUBSの5部門からお一人ずつお集まりいただきました。まずは、皆さんの業務内容を簡単に教えてください。
稲井(IBD):私は投資銀行本部のキャピタル・マーケッツ・ソリューションズ部に所属しています。「投資銀行=M&A」を想像する方も多いと思いますが、私は株式に関わる資金調達をお手伝いしています。その中でも転換社債(※)やデリバティブ商品、ストラクチャード・エクイティを通じた資金調達を主に担当しています。
※転換社債=株式に転換可能な債権。正式名は転換社債型新株予約権付社債。CB(Convertible Bond)とも呼ばれる。
稲井 花菜(いない かな):UBS 証券投資銀行本部。2016年新卒で入社。キャピタル・マーケッツ・ソリューションズ部にて企業の資金調達に携っている。就活時には、コンサルティングへの就職も視野に入れていた。
花岡(MKT):私は株式本部で機関投資家向けのセールスをしています。お客様は運用会社で株式運用を生業とするプロの方々です。日々のマーケット情報や調査本部(※)のリサーチ情報を、それぞれの運用手法に合わせた形でタイムリーに提供しています。
※調査本部:独立した一部門として、上場企業の企業調査・分析を担う。アナリストは、担当セクターの企業への取材や財務分析を元に投資判断を行う。
里見(AM):私はアセット・マネジメントで金融法人への営業を担当しています。お客様である銀行や生命保険会社には、彼らの顧客から預金や保険商品として預かった資産を管理・運用する部門があります。私の所属する部署では、そういった法人の運用部門に対して資産を最大化するためのアドバイスを提供しています。
木住野(WM):ウェルス・マネジメント本部では富裕層のお客様の資産運用・管理を担っています。富裕層のお客様は、企業経営者の方であれば会社やご家族、また社会に対してさまざまな横顔を持っており、私たちはお客様が大切にされているもの全てを資産だと考えています。個々人の課題やニーズに包括的なソリューションをご提案しています。資産保全のためのポートフォリオの構築やアドバイス、事業承継、次世代教育、社会貢献活動に関する情報提供などが主な例として挙げられます。
片山(GO):私は管理部に所属していて、現在は中国の無錫(むしゃく)に新チームを立ち上げるプロジェクトに携わっています。RPA(※)やFinTechなどの最新技術を活用して業務オペレーションの改善に取り組んだり、現地の人材採用や研修も担当しています。おとといに1カ月間の出張から帰ってきたところで、来週から再び1カ月滞在する予定です。
※RPA=Robotic Process Automation 。ロボットを活用した業務効率化・自動化のこと
「世界が変わる瞬間を見たい」「全業界を知りたい」キャリア選択の理由はさまざま
──外資系企業は職種別採用が一般的で、UBSも部門ごとに採用を行っています。そもそも、皆さん、なぜ現在の部門を選ばれたのでしょう? まず新卒でUBSに入社された片山さん、稲井さん、花岡さんからお伺いします。
片山(GO):管理部の仕事やオペレーション業務は、どうしても「事務職」のイメージが強いかと思います。しかし、私が部門を選んだ決め手は、日系企業の「経営企画」に近い業務に携われるからでした。管理部では、新たな金融規制やITシステムに対して組織としてどう対応するか、UBSが今後、どんな姿であるべきか、日々考えながら業務にあたっています。
片山 智子(かたやま ともこ):UBS 証券管理部。2011年新卒で入社。インタビュー時は中国の無錫にあるチーム立ち上げプロジェクトに携わり、1カ月の長期出張から帰国したばかり。今後も中国へ長期出張の予定あり。
稲井(IBD):私は「世界が変わる瞬間を見たい」と漠然と思っていて、就活でもそれが叶いそうなフィールドを志望していました。当時は投資銀行のM&A・資金調達とコンサルの戦略立案が「世界が変わる瞬間につながっている」と感じ、IBDとコンサルを併願していました。そのうえで、金融機関の方がより具体的な課題解決ができると感じたのと、数字が絡む仕事に興味があったので、今の仕事を選びました。
──「世界が変わる瞬間」というのは面白い軸ですね。実際にUBSで働く中で、そのような瞬間に立ち会うことはありますか?
稲井(IBD):そうですね。例えば、IPO(新規株式公開)は、ほとんどの企業にとって一度きりの大きな節目です。私たちバンカーはこうした場面に日常業務として携わっており、日々「世界が変わる瞬間」の側にいると思いますね。
花岡(MKT):稲井さんとは逆に、私はいろいろな業界が気になっていたので、就活当初は業界を絞っていませんでした。外資系金融は選考が早いから受けたのですが、そこでUBSの社員が「そんなにいろいろなことに興味があるなら、株式のセールスは全ての業界が見られるよ」とアドバイスをくれたのがきっかけで、マーケッツを志望するようになりました。
──先ほどおっしゃっていたように、花岡さんのクライアントは金融のプロたちです。UBSのセールスだからこそ発揮できる付加価値は、どのような部分にあるのでしょうか?
花岡 恵梨子(はなおか えりこ):UBS 証券株式本部。2008年新卒で入社。UBS在職9年目に産育休を取得し、その後復帰。日本株の機関投資家営業を担当。プロを相手に「エッジの効いた情報提供」を心がけている。
花岡(MKT):「外資系ならではの強み」と「セールスパーソンの個性」という2点があると思います。私は日本株を扱っていますが、各銘柄のことは運用しているお客様の方が詳しくご存じなのは当然のことです。私たち外資系証券の付加価値は、やはりグローバルな視点です。数多くの銘柄をカバーし、世界各地に情報交換ができる同僚がいるからこそ、海外市場の動向や先進事例を絡めた提案ができます。
また、株式の分野にはさまざまなタイプの営業担当者がいて、エッジを効かせることで生き残れる世界なので、自分の個性やユニークなアプローチがお客様に分かりやすく刺さり始めると楽しいですね。どんな業種にもさまざまなタイプの営業がいると思いますが、お客様から良いフィードバックをいただいた情報やアプローチなどを識別して、それを自分の強みとして継続することが大事です。自分のエッジを認識、それがお客様からの評価につながり始めると、より仕事が楽しくなることを感じています。
──中途で入られたお二方はいかがでしょうか?
里見(AM):私はキャリアを通じて外資系金融機関におり、一貫して金融市場に携わることにこだわってきました。新卒のときはマーケッツ業務に携わっていましたが、より幅広いアセットクラス(資産の種類や分類)を経験したいと思い、アセット・マネジメントのビジネスに移りました。株式や債券から、不動産、デリバティブに至るまで、幅広い資産を扱う楽しさがありますね。UBSにはその経験を生かし、アセット・マネジメントに中途入社しました。
──里見さんは、キャリアの中で部門を変えたのですね。UBSでは、チームや部門間の異動は可能なのでしょうか?
花岡(MKT):与えられた業務で結果を出していることが前提ですが、「次はこんな挑戦をしたい」と希望を出せる環境です。私の先輩に株式本部からウェルス・マネジメント本部に異動した人もいますし、グループ内の異動や日本・海外間の転籍も柔軟です。他社と比べても、キャリアビジョンに応じて動きやすい会社だと思います。
──それは興味深いですね。では、木住野さんはいかがでしょうか。
木住野(WM):前職からウェルス・マネジメント業務に携わってきました。次のキャリアとしてUBSを選択した理由としては、ウェルス・マネジメントの分野で世界No.1であり、お客様を第一に考える誠実な金融機関であることです。例えば、長期的な目線でお客様とのお付き合いができる専任担当制を整えています。また、入行して感動したことですがプラットフォームが物凄く充実しています。例えば、ウェルス・マネジメント専門のアナリスト、エコノミストを各国拠点に配置した投資戦略・調査部門が組織されていることなどです。
日本進出以来初。世界的にもまれなウェルス・マネジメント新卒採用
──皆さん、ありがとうございます。木住野さんが所属しているウェルス・マネジメント本部は、20卒から新卒採用を実施するそうですね。ウェルス・マネジメントの業界で新卒が採用されるのは、非常にまれなことだそうですが。
木住野(WM):はい。UBSウェルス・マネジメントとしては日本進出以来初めての新卒採用なので、万全なサポートを準備しています。入行後は2年間の研修プログラムが用意されています。
一同:(驚きの声)
──手厚いサポートですね。では、日本の富裕層マーケットにおいて、特有の課題や面白さはどんなところにあるのでしょうか?
木住野(WM):日本は成熟したマーケットでありながら、ウェルス・マネジメント(プライベートバンク)のサービスがまだ根付いていないのが現状です。裏を返せばポテンシャルにあふれた市場と言えます。UBSは、150年以上の歴史の中で変化しつつ時代を見据えながら知見を高め、今や質実ともに世界トップのプライベートバンクとして世界中のお客様から信頼いただいています。
ですから、日本でも多くの富裕層のお客様に必要とされるサービスを提供できる存在として、さらに発展する市場での活躍が期待されています。特に私が興味深いと感じている点は、お客様のバックグラウンドが多岐にわたること、したがって、さまざまな人生観に触れることができることです。また事業面だけでなく、芸術などさまざまな分野に造詣の深い方が多くいらっしゃるので、日々、学ぶことばかりです。
木住野 真理絵(きしの まりえ):UBS 銀行ウェルス・マネジマント本部。2015年入行。新卒で外資系金融機関に就職、日本、シンガポールにおいてウェルス・マネジメント業務に携わる。2015年に帰国、同年11月よりUBS銀行へ入行し、以後は現職。
──ウェルス・マネジメントでは、グローバルで女性顧客のさらなる拡大とサービス向上を目指しているそうですね。
木住野(WM):はい、私もプロジェクトメンバーの一員です。グローバルの取り組みで、日本では昨年11月からスタートしました。この活動は、女性のニーズを理解するウェルス・マネジャーであること、SDGsの第5項目「ジェンダー平等の実現への貢献、ビジネスでの男女平等の実現」などを目標としています。
統計の一例では、女性の保有資産の拡大率は年7%ずつ増えているにも関わらず、女性ならではの価値観を理解しているウェルス・マネジャーはわずか2%しかいないこと、資産運用の知識がないと考えている女性が多いことなどが分かりました。ローンチイベントでは約200名の女性をメインとしたお客様にお越しいただきましたが、「UBSらしい取り組みだね」と多くの方から好評いただいたのは印象深かったです。
──新たな顧客層にリーチを広げるだけでなく、女性の活躍へも貢献するプロジェクトなのですね。
木住野(WM):はい。社会にポジティブなインパクトを与えることを目指して、長期で取り組んでいる点がUBSの素晴らしいところです。
花岡(MKT):確かに、長期的な視点はUBSの特徴ですね。グループCEOは「2020年には投資銀行はデジタルIBになる」と話していて、身近な変化としては3〜4年前に調査本部のレポートのフォーマットが大きく変わりました。さらに、ビッグデータを活用し、今までにない調査方法を取り入れたレポートシリーズも定着しています。お客様からの評価が伴ってきたことを見ると、UBSには長期的な視点や、変化をいち早く察知し対応できる強みがあると感じます。
UBSには「UPしかない」。プレッシャーではなく育成で上を目指す
──続いて、一部の就活生が持つ先入観についてお聞きします。外資系金融に対して「激務」や「UP or OUT(昇進か退職か)」と表現されるような厳しいイメージを持っている学生もいます。その噂について、働く立場からの実態を伺えますか。まず「激務」についてはいかがでしょう。
稲井(IBD):就活中は、私も激務のイメージを持っていました。長時間労働を覚悟して入社しましたが、実際のところ、確かに忙しい時はありますが、いい意味でメリハリがある印象です。
──里見さんと花岡さんはワーキングマザーです。子供がいても働きやすい雰囲気はありますか?
里見(AM):UBSに転職したのは子供が小学校に上がったタイミングなので、産育休など制度として活用したものは特にありません。しかし、行事や看病など、どうしても仕事を休まねばならない場合はあるものです。その状況を乗り越えられたのは、上司やチームメンバーの理解が大きかったと思います。私は欧州系と米系の外資系金融を経験していますが、UBSは「お互いさま」の意識が強いように感じます。制度があるからではなく、「自分も大変な時はあるし、あなたが大変ならサポートしますよ」という雰囲気が流れていますね。だから、育児や介護だけでなく、有休も取りやすいと思います。
里見 厚子(さとみ あつこ):UBS アセット・マネジメント。2011年入社。新卒で外資系金融機関に就職し、マーケッツ部門、アセット・マネジメント部門を経験。数社をへて、UBS アセット・マネジメントに転職。中3男子、中1女子の母。
花岡(MKT):私も同感です。ある程度の大規模な企業なら、制度面での差はほとんどありません。最終的には、制度が十分に活躍できる環境であるか、自分自身がどれだけ必要とされているかだと思います。復帰後、しばらくしてからお客様や同僚からの何気ないフィードバックで「戻ってきてくれてありがとう」と言われたことが大変、うれしかったです。
──「UP or OUT」についてはいかがでしょうか? 外資系企業は人の入れ替わりが激しく、ドライな印象を持つ学生も多いかと思いますが。
花岡(MKT):私の場合は、マネジメントや環境の変化で雰囲気が若干変わると感じることはありますが、基本的にはUPしかないイメージです。ただそれはプレッシャーをかける方法ではありません。むしろ「あなたにはできるから頑張りなさい」という思いを感じます。UBSでは異動が柔軟だとお話ししましたが、それも「できないなら部署から出て行け」ということではなく、「UBSグループのどこかで強みや能力を発揮してくれればいい」という考えが根底にあると思います。
稲井(IBD):「他の人を押しのけて自分だけがUPしよう」という人には会ったことがありません。実際に選考を受ける中でも、UBSには真面目で穏やかな人が多いと感じました。
片山(GO):確かにそうですね。私は管理部なので他部署と関わることも多いですが、全社で同じように穏やかな雰囲気を感じます。
就活に迷いは当然。活動するうちに、自分の軸は定まる
──最後に、これからUBSや外資系金融機関を目指す就活生にメッセージをお願いします。
花岡(MKT):企業がビジネスモデルや成長戦略についてオープンに教えてくれるのは、新卒就活の時だけです。いろいろな企業の話を聞いて、自分のフィーリングが合うところを目指せばいいと思います。その時に大事な視点は、その瞬間の企業規模ではなく、変化する世の中で、自分が志望する組織やチームがどうなりそうかイメージを持つことです。やってみなければ分からないことも多いし、自分が決めたフィールドで挑戦してほしいですね。
稲井(IBD):長い社会人生活の最初の一歩ですから、「本当に自分がやりたいことは何か」や「今後どうなっていきたいか」は漠然とでも持っていてほしいです。「ここなら自分が輝けそうだ」という環境をしっかり見極めてください。その中でUBSを選んでくれたらうれしいです。
木住野(WM):漠然とでも自分の将来に対して大きなイメージを持ちつつ、全力で取り組んでみたいと思っている方を、私たちは温かく受け入れたいと思っています。
片山(GO):企業を見る中でも「数年間は頑張れそう」という軸で環境を選んでほしいです。いいことばかりではないと思うので、多少うまくいかないことがあっても力を尽くせそうな環境を選ぶと良いかと思います。
里見(AM):自分のキャリアを振り返ってみても感じますが、進路選択には迷いがあって当たり前だと思います。就職活動で先輩たちの話を聞く中で、何かしら自分の軸が定まってくるものです。自分の気持ちに耳を傾けながら、就職活動をしていただければと思います。
──皆さん、ありがとうございました。
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1)UBSグループ:新卒採用を行う全部門が参加予定
参加予定部門:投資銀行本部、株式本部、アセット・マネジメント、管理部、ウェルス・マネジメント本部
エントリーシート提出:6月1日(金) 〜 6月30日(土)
日程:7月9日(月) 〜 7月11日(水)
2)ウェルス・マネジメント本部
日程:9月1日(土)〜 9月2日(日)
3) 管理部
日程:9月3日(月) 〜 9月4日(火)
4) 投資銀行本部
選考:8月18日(土)
日程:9月7日(金) 〜 9月8日(土)
「外資金融×女子」特集ラインナップ
ゴールドマン・サックス/J.P.モルガン
メリルリンチ日本証券/UBSグループ/シティグループ